「証券口座って複数もてる?」「複数もつメリットってあるの?」という疑問をもっていませんか?
この記事では、証券口座は複数もてるのか、複数もつメリットデメリット、おすすめ証券口座について紹介していきます。
口座開設の手順や組み合わせ方にも触れるので、最後まで読めば口座開設をするための準備も整うでしょう。証券口座の開設を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/22856910?title=スマホを持ち考える女性)
証券口座は複数もてる!いくつがベスト?
結論から言うと、1人で証券口座を複数もつことは可能です。無理に1つの証券会社に絞り込まなくても、複数の口座をもってそれぞれ運用していけばよいのです。
次に気になるのが「いくつくらいが丁度いいの?」という疑問だと思います。詳しくは後述しますが、あまりに多くの口座をもっても管理が大変になってしまいます。
おすすめはメイン口座とサブ口座の2つをもつことです。2つであれば管理もそこまで大変ではないですし、複数の口座をもつメリットを十分に享受できるからです。
証券口座を複数もつメリット5つ
証券口座を複数もつメリットは以下5つがあります。1人で複数の口座をもてるとは言え、複数の口座をもつかどうかはあなたが選べるものです。
メリットに魅力を感じるのであれば複数の口座をもつ方がよいですし、そうでないなら1つの口座に絞るべきでしょう。
5つのメリットを理解した上で自分はどうしたいのか考えてみてください。
- 購入できる商品が増える
- 独自のツールやサービスを利用できる
- IPOの当選確率が上がる
- リスクを回避できる
- 自分に合う口座がわかる
①購入できる商品が増える
証券会社によって扱っている商品が異なるため、複数の証券会社で口座を開設すると選択肢が増えます。幅広い商品に投資をしたいと考えている方は、複数の口座を開設して選択肢を増やすとよいでしょう。
また、まだ自分がどの商品に投資するか定まっていない方も、複数の口座を開設しておくことをおすすめします。後から「〇〇が買えないから違う口座を作らないと!」とむだな手間がかからないようにするためです。
②独自のツールやサービスを利用できる
証券会社によってツールやサービスが異なるため、複数の証券会社で口座をもつといいとこ取りができます。
たとえば「A証券会社はツールが使いやすいからトレードに利用する」「B証券会社のセミナーがためになる」などといった具合です。
③IPOの当選確率が上がる
IPOとは新しく上場した株式のことです。IPOを買いたがる投資家は多いため、抽選を行なって当選した人だけが買える仕組みになっています。
複数の証券口座があれば同じIPOにより多く応募でき、当選確率がアップします。IPOへの投資を検討している方は複数の証券口座をもつようにしましょう。
④リスクを回避できる
証券会社のサーバーにてシステム障害が起こり、一時的に売買ができなくなることもあります。
複数の証券口座をもっていれば、1つの証券会社で障害が起きても他の証券会社の口座を使って取引ができます。対策しておきたい方は、複数の口座をもっておきましょう。
⑤自分に合う口座がわかる
そもそも証券口座をもったことがないと、自分にどのような口座が合っているのかがわかりません。
「どんなツールが使いやすいか」「どんな商品を買いたいのか」なども実際に投資を始めてみないとわからないことが多いです。
複数の口座を使って比較すると「あ、こっちの方が好きかも」と自分の好みが見えてくるでしょう。投資初心者は複数の口座を開設して比較しながら、自分の投資スタイルや口座の好みを探ってみてください。
証券口座を複数もつデメリット3つ
証券口座を複数もつことにはデメリットもあります。メリットに魅力を感じていても、それ以上にデメリットを重く感じるのであれば口座は1つに絞った方がよいでしょう。
以下3つのデメリットについて紹介していくので、あなたにとってメリットとデメリットのどちらが大きく感じるか確かめてみてください。
- ログイン情報の管理が大変になる
- 資金を把握するのに手間がかかる
- 確定申告が必要になることがある
①ログイン情報の管理が大変になる
証券口座を利用する際には、証券会社の公式サイトからログインをする必要があります。口座が増えれば増えるほど、IDやパスワードなどのログイン情報の管理が大変になります。
管理が大変だからと言って、パスワードを使い回すのは避けましょう。大切なあなたの資産を守るためにも、パスワードは複雑で強力なものを設定するようにしてくださいね。
パスワード管理には「1Password(ワンパスワード)」というツールが役立ちます。有料サービスですが手軽にパスワードを保存しておけるので、重宝します。
もちろん、証券口座のログイン情報だけでなく、あなたが普段使用するネットショッピングのログイン情報なども保存可能です。
②資金を把握するのに手間がかかる
複数の口座を使用すると投資資金が分散するため、管理に手間がかかります。いくら資金が残っていて、投資成績がどのくらいなのかの把握が難しいのです。
投資用のノートを用意するなどして、もっている口座の資金額や投資成績を定期的に確認するようにしましょう。
③確定申告が必要になることがある
以下のケースに当てはまる場合には、確定申告が必要になります。
- 特定口座ではなく一般口座を利用している
- 特定口座だが源泉徴収なしに設定しており年20万円以上の利益が出た
- 源泉徴収ありの特定口座で利益が年20万円未満だった
- 口座同士で損益通算をしたい(特定口座利用)
- 損失の繰越控除を受けたい
①〜③は証券口座が1つの際も当てはまる内容です。複数口座の保有を考えるならとくに④と⑤に注目しましょう。
証券口座を複数もっている際の確定申告
複数口座を保有している状態で確定申告が必要になるのは、多くの場合、損益通算もしくは損失の繰越控除をするときです。それぞれの手続きについて紹介するので確認しておきましょう。
「自分は手続きが必要になるかもしれない」「手続きが難しいし面倒」と感じるのであれば、口座を1つにしておくのも手でしょう。
損益通算について
損益通算とは損失と利益を相殺する計算方法のことです。たとえば「A口座で25万の利益が出たけどB口座で25万の損失が出た」というケースでは、トータルの利益が0円になります。
年間の利益が20万円未満であれば税金を納める必要はありません。しかし、特定口座を利用していると口座ごとに税金が計算されるため、税金の過払いが発生します。
そこで確定申告にて損益通算を行い、払い過ぎた税金を取り戻す手続きをするのです。詳しくは国税庁の公式サイトで確認してみてください。
損失の繰越控除について
損益通算を行なっても損失が控除しきれない場合には、損失の繰越控除が利用できます。翌3年間は損失を繰り越して、その年の投資利益と損益通算するといったイメージです。
損失を繰越控除することで税金の支払額を低く抑えられます。損失の繰越控除を受けるためには、確定申告にて手続きが必要です。
証券口座を複数もつ際の注意点3つ
証券口座を複数もつ際には以下3点について注意するようにしましょう。口座の種類によっては1人1つしか口座をもてないものがあります。事前に確認しておきましょう。
- 特定口座は同じ証券会社につき1つのみ
- 一般NISA・つみたてNISAは合わせて1人1口座のみ
- iDeCoも1人1口座のみ
①特定口座は同じ証券会社につき1つのみ
証券口座には特定口座と一般口座の2種類があります。特定口座は投資によって得た利益やそれにかかる所得税などの計算を行なってもらえる口座です。
確定申告などの手間が省ける便利な口座ですが、1つの証券会社につき1つの特定口座しか開設できないので注意してください。
ただし、すでに述べたように複数口座を保有しており、損益通算をする場合には特定口座であっても確定申告が必要になります。
②一般NISA・つみたてNISAは合わせて1人1口座のみ
一般NISAやつみたてNISAは1人1口座しか開設できません。たとえば、一般NISAの口座をもっている人はつみたてNISAの口座はもてません。逆も同じです。
一般NISAとつみたてNISAのどちらがよいのか、どの証券会社で口座を作るのがよいかをよく考えた上で口座を開設するようにしましょう。
一般NISAやつみたてNISAは、非課税で投資ができる国が提供している投資方法です。規定の範囲内であれば利益に税金がかからないので、効率よく資産を増やせます。
一般NISAやつみたてNISAについて知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
一般NISAとつみたてNISAのどちらを利用するか決まっている方は、以下の記事を参考にするとよいでしょう。
③iDeCoも1人1口座のみ
自分で年金を作れるiDeCo(イデコ)も1人1口座しか保有できません。iDeCoは確定拠出年金とも呼ばれています。
iDeCoも一般NISAやつみたてNISAと同じく、規定の範囲内であれば非課税での投資が可能です。ただ、特別な理由がない限り65歳以上にならないと資産を引き出せないので注意しましょう。
iDeCoについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
証券口座を複数もつことについてよくある質問4つ
そのほか、証券口座を複数もつことについてよくある質問4つに回答していきます。ここまでで解決できなかった疑問がある方は、ぜひこちらも参考にしてくださいね。
- 1つの証券会社で複数の口座をもてるか
- 複数の証券会社で同時に開設手続きをしてもよいか
- 後から口座をまとめられるか
- 口座を放置してしまっても大丈夫か
①1つの証券会社で複数の口座をもてるか
1つの証券会社にて複数の口座を開設することは可能です。たとえば「子どもの将来のためにそれぞれの投資用口座を作る」といった使い方ができるのです。
ただし、同じ名義で複数の口座を開設することはできません。あなた1人で株式投資の口座とFX用の口座を同じ証券会社に作るといったことはできないのです。
また、特定口座は1つの証券会社で1つしかもてません。仮に3つの口座を作るとすると「1つは特定口座で2つは一般口座」もしくは「すべて一般口座」のどちらかになります。
②複数の証券会社で同時に開設手続きをしてもよいか
複数の口座を開設する際に、複数の証券会社で同時に手続きをしても問題ありません。審査や手続きはそれぞれの証券会社で行われるからです。
口座を開設したい証券会社が決まったら、あなたの好きなタイミングで手続きをしてみてくださいね。
③後から口座をまとめられるか
複数の口座を開設しても実際には使わない口座が出てくる可能性もあります。その際には、移管(他の口座に資産をうつす)手続きを行うと、資産をまとめられます。
手続きに手間がかかり、利用している会社によっては手数料がかかる可能性があるので注意しましょう。移管する可能性があるのであれば、事前に手数料についても確認しておくとよいでしょう。
口座の移管手続きについては以下の記事で解説しているので、事前に知っておきたい方はチェックしてみてくださいね。
そのほか、保有している商品を売却する方法もあります。口座のまとめ方について知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
④口座を放置してしまっても大丈夫か
複数の口座を開設して使わない口座が出てしまった場合、基本的には口座を放置してしまっても問題ありません。
ただし、ログイン情報を忘れてしまうと口座の操作ができなくなるため注意してください。口座の放置について詳しく知りたい方は以下の記事も読んでみましょう。
証券口座を開設する際の手順
証券口座を開設する際には、以下の手順で進めると失敗が少なくなります。
- NISA・iDeCo・特定口座について検討する
- ネット証券と店舗証券の違いを理解する
- 投資したい商品、重要視したいことなどをピックアップして口座を絞り込む
- 必要書類を用意する
- 公式サイトから申込みする
①NISA・イデコ・特定口座について検討する
まずは1つしか開設できない口座について考えてみましょう。利用するのかどうかをはっきりさせておくことで、証券会社を選びやすくなるからです。
②ネット証券と店舗証券の違いを理解する
証券会社にはネット証券と店舗証券の2種類があります。サービスに違いがあるため自分はどちらを利用したいかを明らかにしておきましょう。
大きな違いとしては商品の購入方法にあります。ネット証券はインターネットにて手続きできますが、店舗証券では店舗にて手続きが必要です。
ネット証券は手軽さがあり、店舗証券では担当者に相談しながら投資先を選べるというメリットがあります。より詳しく知りたい方は以下の記事も読んでみてください。
③口座を絞り込む
投資したい商品や利用したいサービスなどを明確にして、証券会社を選びましょう。
証券会社によって扱っている商品やツールの使用感などが異なります。公式サイトを開いて、扱っている商品やサイトの見やすさを確認してみてください。
④必要書類を用意する
口座開設には以下の書類が必要になります。細かい点については証券会社によって異なる可能性があるため、必ず開設したい証券会社の公式サイトで確認するようにしてください。
- マイナンバーがわかる書類
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 金融機関口座
- 印鑑
⑤公式サイトから申込みする
口座開設をしたい証券会社の公式サイトを開き、口座開設の手続きをしましょう。手続き方法は証券会社によって異なります。
公式サイトに手続きの手順が詳しく書かれているページが用意されていることが多いです。手続きのやり方に不安がある方は公式サイトにて探してみましょう。
また、お得に口座を利用できるキャンペーンが行われている可能性もあります。キャンペーンページから申し込みしないと特典を受け取れないこともあるので、手続きする前に確認するとよいでしょう。
証券口座を複数開設する際の選び方4つ
証券口座を開設する際には以下4点に注目してみてください。複数の口座をもつのであれば組み合わせを行うのもおすすめなので、開設したい口座の数だけ重視したい条件をピックアップしてみるとよいでしょう。
- 投資したい商品が扱われているか
- 手数料は安いか
- 使いやすいか
- 独自サービスに魅力があるか
①投資したい商品が扱われているか
証券会社によって扱っている商品が異なります。あなたが投資したいと思っている商品や銘柄が扱われている会社を選びましょう。
NISAやiDeCoへの投資を考えている人は、NISAやiDeCoの銘柄についても確認するとよいでしょう。
もし、投資する商品が定まっていないなら、取り扱っている銘柄が多い会社を選ぶのがおすすめです。
②手数料は安いか
同じ商品でも証券会社によって手数料が異なります。手数料が高いと投資で利益が出ても手元に残るお金が減ってしまいます。なるべく手数料が安い会社を選びましょう。
証券会社を探す際には、投資したい商品の手数料を比較すると効率がよいのでおすすめです。
また、店舗証券よりネット証券の方が手数料が安い傾向があるので、ネット証券を中心に探すとよいでしょう。
③使いやすいか
公式サイトの操作方法が直感的にわかると投資しやすいです。とくに短期トレードなどは投資するタイミングが命なので、操作のわかりやすさは重要です。
また、分析ツールが優秀だとより適切なタイミングで売買しやすいでしょう。
スマホアプリがあるとより手軽に投資できるため、出先でも投資をしたい方はアプリの有無も確認してみてくださいね。
④独自サービスに魅力があるか
証券会社によってはセミナーの実施やポイント還元などを行なっています。投資に役立つ情報を得られたり、よりお得に投資ができたりするのです。
利用したいサービスがあるとよりお得感をもって投資ができるため、独自サービスについても確認してみてください。
証券口座を複数もつなら組み合わせを考えよう
証券口座を複数もつ際のメリットとして、口座同士のいいとこ取りができることが挙げられます。重視したい条件を複数ピックアップして口座を選び、組み合わせるのもおすすめです。
たとえば「手数料が安い口座と独自サービスが魅力的な口座」といった具合です。そのほか、店舗証券とネット証券で1つずつ口座を作ったり、異なる投資商品に強みをもつ証券会社を使い分けたりなどもよいでしょう。
証券口座の使い分け方についてより詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
まとめ|証券口座を複数開設して効率よく投資しよう
証券口座を複数もつことについて解説しました。証券口座は複数もてますが、同じ証券会社では1人1口座だけ、iDeCoは1人1口座だけなどといった条件もあります。
記事中では1口座しか開設できないケースも紹介したので、考慮しながら証券会社を選んでみてください。
証券会社選びにまだ迷っている方は、以下の記事も読んでみることをおすすめします。さまざまな観点から選ぶとより失敗を減らせますよ。