「ネット銀行って、差し押さえられないのかな…」と、気になりませんか?
ネット銀行は、他の銀行とは違い実店舗が存在しない銀行です。そのため、「ネット銀行は差し押さえられないのでは?」と思っている人もいるかもしれません。
でも実は、借金を滞納していると、ネット銀行も口座内にあるお金を差し押さえられてしまう可能性が高いのです。
そこで本記事では、ネット銀行と差し押さえに関する知るべき事実を紹介します。記事の後半では差し押さえを避けるための対策も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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ネット銀行は差し押さえられる可能性が高い
債務者(お金を借りた人)が借金の申込みをする時に、債権者(お金を貸した人)へ自分のネット銀行の口座を伝えた場合、そのネット銀行の口座は確実に差し押さえられます。
しかし、債務者が口座を複数開設したときに、債権者に債務者の預金が特定されないこともあるのです。
そのため、借金の申込みをした口座とは別にネット銀行の口座を持っている場合、債権者に預金がばれないことになります。
債権者が債務者の銀行口座を特定する方法
差し押さえに関して理解を深めるために、債権者が債務者の銀行口座を特定する方法を解説します。
債権者は、債務者が買い物やその他の支払いで使ったカードから、支払先の銀行口座を調査します。調査から、債務者が利用している「銀行名」と「支店名」を把握するのです。
そのため、債権者が債務者の「銀行名」と「支店名」を把握していないのであれば、銀行口座は差し押さえされにくいのです。
よって、債権者に知られていない銀行の支店に貯金してあるお金は、差し押さえを免れる可能性があります。
銀行にあるお金が債権者に知られていない場合、差し押さえを免れることができる可能性があります。
ただし、法律違反になってしまう危険性もあるのです。次の章で詳しく解説します。
銀行口座にあるお金をそのままにしておくと法律違反になる
別でネット銀行の口座に貯金があるんだよね。このままでも大丈夫かな…。
残念ながら、差し押さえられる状況であるのにも関わらず、別の銀行口座にあるお金をそのままにしておくと法律違反になってしまうのです。
なぜなら、意図的に財産を隠したと見なされてしまうからです。通称、「詐欺破産罪」という罪に問われます。
「詐欺破産罪」とは、債権者を妨害する目的で財産を不正に隠したり、必要のない新たな借金をしたりすることです。
なお、「詐欺破産罪」が成立すると以下の懲罰が科せられてしまいます。
- 1ヶ月以上10年以下の懲役
- 懲役1,000万円以下の罰金
最悪の場合、これらの両方が科せられるのです。罪に問われてしまうと、会社で働くことは困難になります。
会社で働けなくなる危険性を考えるなら、別の口座にあるお金もあわせて借金の返済に当てましょう。
ネット銀行が差し押さえされにくいと言われる理由とは?
以前、ネット銀行は他の大手銀行よりも差し押さえされにくいという噂が広まっていました。なぜなら、ネット銀行には実店舗が存在せず、住所がないからです。
差し押さえは、債権者が債務者の住所や電話番号を確認し、債務者の住所の近くにある銀行を割り出します。
つまり、住所が存在しないということは、債務者の住所から銀行口座を割り出すことが難しいのです。
このことから、「ネット銀行を利用すれば差し押さえされにくいよ」という噂が広まったのです。
ただし、ここ最近になってネット銀行も差し押さえされやすくなってきているのです。次の章で詳しく解説します。
今後、ネット銀行も差し押さえされやすくなるように
差し押さえされにくいという噂があったネット銀行ですが、今後、ネット銀行も差し押さえされやすくなると考えています。
2017年1月、「みずほ銀行」は返済に応じない債務者に対して、債権者からの請求に対して情報開示をする姿勢を見せました(出典:日本経済新聞 -3メガ銀、債務者口座を開示)。
また、「みずほ銀行」以外にも「三菱東京UFJ」や「三井住友銀行」などの大手銀行も、債務者の情報開示に積極的になっています。
大手銀行が情報開示について積極的な姿勢を見せていることから、ネット銀行も情報開示を積極的に行う可能性があるのです。
今後、ネット銀行も差し押さえされやすくなることを理解できましたか?
また、差し押さえという言葉を知っている一方で、実際にどのような手順を踏んで行われるのか知らない人もいるでしょう。
そこで、次の章では差し押さえが決まるまでの具体的な流れについて、解説します。
差し押さえが決まるまでの流れ
ここで、差し押さえが決まるまでの流れを紹介します。差し押さえは、以下の流れに沿って行われます。
- 金融機関から催告書が届く
- 裁判所から「支払い督促」が特別送達で届く
- 2週間以内に「督促異議申立書」と呼ばれる書類を裁判所に提出しなかった場合、裁判所から「仮執行宣言付支払督促」が届く
- 2週間以内に異議申立てを行わなかった場合、強制執行により差し押さえが行われる
借金が返済できなくなったからといって、いきなり財産が没収されることはありません。
債務者が金融機関や裁判所の命令を無視し続けることで、最終的に財産が没収されるのです。
ネット銀行が差し押さえられるとどうなる?
ネット銀行が差し押さえられてしまうと、強制的に口座内にある預金は全て没収されます。
ただし、没収された後に新たに入金した預金は差し押さえられません。しかし、債権者が裁判所にもう一度申し立てをすれば、請求額に満たされるまで差し押さえられてしまうのです。
ちなみに、債務者に差し押さえ通知書が到着した時点で、借金額に相当する預金は全て没収されます。
一方で、給料の差し押さえの場合は、生活できる一定額(原則、手取り額の1/4)を残して差し押さえが実行されます。
ネット銀行が差し押さえられてしまうと、会社にばれる?
ネット銀行が差し押さえられてしまっても、会社にはばれません。なぜなら、差し押さえ通知書の送り先は金融機関だからです。
会社に裁判所や債権者からの差し押さえに関する連絡はこないため、借金のことは隠し通せます。
ただし、銀行口座ではなく給料が差し押さえられてしまうとばれてしまいます。債権者は、債務者の勤務先に給料を確認する必要があるからです。
そのため、借金の総額が銀行口座にある預金で返済できず、給料も含めて返済を求められる場合は注意が必要です。
仮に、会社に差し押さえのことがばれてしまったとしても、解雇されることはありません。
ただし、差し押さえのことが同僚や上司に知られることで、印象が悪くなることは避けられないでしょう。
ネット銀行の差し押さえを避けるためには、債務整理をしよう
債務整理と呼ばれる制度を利用すれば、ネット銀行の差し押さえを避けられます。債務整理とは、法律にのっとって借金の減額や免除をしてもらう制度のことです。
債務整理は主に4種類あります。それぞれの種類を紹介すると以下の通りです。
- 【任意整理】借金の減額や金利の引き下げを交渉して、毎月の返済額を減額すること
- 【特定調停】裁判所を通じて、債権者と債務者の話し合いによって返済額を減額すること
- 【個人再生】今ある借金が返済できないことを裁判所に認めてもらい、減額された借金を約5年かけて分割返済すること
- 【自己破産】財産がないことを裁判所に認めてもらい、借金の支払いを全て免除してもらうこと
差し押さえ通知書が到着したタイミングで債務整理を行えば、差し押さえを避けられます。
また、債務整理をしても会社にばれないため、安心して返済ができるのです。
ちなみに、4種類の債務整理に関して詳しく知りたいなら、以下の記事もあわせて読んでみてください。
【まとめ】ネット銀行でも差し押さえられる可能性は高い
ここまで、ネット銀行と差し押さえに関する知るべき事実について解説しました。
以前は差し押さえされにくいとされていたネット銀行も、今後、差し押さえられる可能性が高くなりました。また、別の口座にあるお金をそのまま放置しておくと「詐欺破産罪」に当たり、懲罰が科せられます。
そのため、差し押さえを避けるためには債務整理を検討しましょう。債務整理は、弁護士や司法書士に相談の上、計画的に返済を進められます。
また、当メディア「DEBIT INSIDER」では、債務整理におすすめな弁護士事務所や司法書士事務所を紹介しています。ぜひ、あわせてご覧ください。
「債務整理ってどうやるの?」と、債務整理のことをよく知らない人には下記の記事がおすすめです。