借金の滞納を続けると、財産が差し押さえられてしまいます。「差し押さえってなに?」「具体的に何が差し押さえられるの?」「差し押さえを防ぐ方法は?」といった疑問について解説していきます。
借金の滞納が続いている人や、差し押さえを通知する文書が届いた人は、ぜひ参考にしてください。
- 借金の差し押さえには対象となるものとそうでないものがある
- 借金の差し押さえが実行されるまでには3ステップある
- 差し押さえを防ぐ方法は一括返済・債権者に相談・債務整理の3つ
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E3%82%AE%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%82%B0-%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC-%E5%8E%B3%E3%81%97%E3%81%84-%E3%81%82%E3%81%9F%E3%82%8A-539993/#content)
借金を滞納していると財産を差し押さえられてしまう
借金を長期間(3か月以上が目安)滞納していると財産を差し押さえられてしまいます。差し押さえとは、裁判所が強制的にあなたの財産を取り立てる手続きのことです。
消費者金融などが直接あなた(借主)の財産を差し押さえることはできないので、裁判所を通して差し押さえを行います。そのため、差し押さえをするには消費者金融にも負担が発生します。
差し押さえの対象となるものについては、次章で紹介していきます。
借金の差し押さえの対象になるものは?
借金の差し押さえになってしまったとき、どんなものが対象となるのか気になりますよね。差し押さえの対象となるものには3種類あります。
不動産
別荘や自宅など賃貸ではない物件を持っている場合は、差し押さえの対象となります。
債権
他の人に貸し出している不動産や金銭などがある場合は、差し押さえの対象になります。ただし、債権が業務に必要な場合は対象外です。
動産
動産とは、不動産や現金以外の全ての財産のことです。動産については、差し押さえの対象となるものと、差し押さえが禁止されているものがあります。
- 現金(66万円以上の場合のみ)
- 宝石などの貴金属や機械
- 有価証券など
上記のものは差し押さえの対象となります。それに対して、生活をするうえで欠かせないものに関しては、差し押さえが禁止されています。たとえば下記のようなものです。
- 66万円以下の現金
- 仕事をするうえで必要なもの
- 1か月の生活に必要な食料など
- 生活必需品(寝具、家電、衣類など)
- 仏像や仏壇など
動産は差し押さえの対象となるものと、そうでないものがあるので少し複雑ですね。
ここまでの話だと、生活にどんな影響を与えるのかがイメージしにくいかと思いますので、次章以降では、下記のような生活に直接的な影響が出るものに関する差し押さえ条件について解説していきますね。
- 給料
- 年金
- 車
- 銀行口座
借金で差し押さえられるもの①給料
差し押さえが実行されるときに真っ先に差し押さえられるのが、給料です。給料は急に全額差し押さえられるわけではなく、法律によって金額が定められています。
- 手取り収入の4分の1
- 手取り収入が44万円を超える場合は33万円を超える金額
たとえば、手取り収入が28万円の場合は7万円が差し押さえられ、手取り収入が50万円の場合は、50万円ー33万円=17万円が差し押さえられます。
また、給料の差し押さえが行われる際には、あなたの会社にも通知が行くのであなたが借金を滞納していることが、会社に知られることになります。
もし、会社に借金を内緒にしている人やバレたくないと思っている場合には、注意が必要です。
借金で差し押さえられるもの②年金
年金については差し押さえが禁止されています。しかし、年金の保管方法によっては、差し押さえの対象となってしまいます。
もらった年金を銀行口座に入れてしまうと、「預貯金」として判断されるため、差し押さえの対象となってしまうのです。
年金を受給している場合は、年金は差し押さえられないように、銀行口座には入れずに手元に保管しておくようにしてください。
年金を受給していることが分かるもの(年金手帳など)も一緒に保管しておくと良いですよ。
借金で差し押さえられるもの③車
車も法律上は差し押さえの対象となりますが、使っている車が高級車ではない場合はあまり気にする必要はありません。
と言うのも、車の差し押さえには車台番号を使って手続きする必要がありますし、20万円ほどの費用が掛かるのです。
差し押さえを行う側からしたら、なるべく手間や費用はかけたくありません。そのため、よほどの高級車でない限りは差し押さえられる危険性は低いと考えて良いでしょう。
車台番号とは、車に1台ずつ割り振られた番号のことで、ひとつとして同じ番号を持っている車はない。人間で言うところのマイナンバーのようなもの。車体番号と呼ばれることもある。
借金で差し押さえられるもの④銀行口座
銀行口座も差し押さえの対象となります。債権者があなたの口座番号を知っている場合、差し押さえが実行されてすぐに、請求された金額が別口座に強制的に移されます。
ただ、口座が使えなくなるわけではないので、公共料金の支払いや給料の受取口座として使用している場合も問題なく利用できます。
差し押さえを防ぐために、事前に口座からお金を引き出しておくというちょっとズルい手もありますが、この場合は、その分だけ別の財産から差し押さえられることを覚えておいてください。
借金の差し押さえが実行されるまでの流れ
借金による差し押さえは何の知らせもなく急に行われるわけではありません。差し押さえが実施されるまでには、3つのステップがあります。
催促書または差し押さえ予告通知書
借金を滞納してある一定期間(金融機関によって異なるが大体3か月が目安)を超えると、金融会社から「借金を一括返済してください。もし返済しないのであれば裁判を起こします。」という内容の書類が届きます。
支払督促申立書
差し押さえ予告通知書を2週間以上放置すると、金融会社は裁判所に申し立てを行います。そして、裁判所から支払督促申立書が届きます。
支払督促申立書は受け取る際に必ず印鑑を求められるため、「届いていない」「受け取っていない」という言い訳は通用しません。
督促意義申立書を裁判所に送ることで、金融会社と話し合いになり、話し合いの内容によっては差し押さえを止められる可能性もあります。
しかし、実際の場合は金融会社の言いなりになってしまうケースが多いため、自分だけでの対応はお勧めしません。
仮執行宣言付支払督促書
支払督促申立書の到着から2週間以上放置すると、裁判所から仮執行宣言月支払督促書が届きます。仮執行宣言付支払督促は、裁判所が差し押さえの実行を許可したことを伝える書類です。
実際の差し押さえまでの流れは、金融会社によって異なるので一概には言えませんが、最初の催告書が届いてから1か月程度で差し押さえになる場合もあります。
差し押さえを防ぐためにも、催促書や支払督促申立書が届く前、もしくは届いてからすぐに対応することが重要です。次章以降では、差し押さえを防ぐ方法3つを紹介していきます。
借金の差し押さえを防ぐ方法①債権者に相談
催促書などがまだ届いていない状態の場合は、債権者に相談することで解決するケースもあります。差し押さえをするにも費用が掛かるため、差し押さえせずにお金を取り戻せるなら金融会社も助かるからです。
ただ、金融会社は滞納している借主に対してはあまりいい印象を持ちませんし、金融に関する知識の差があるため、交渉がうまくいく可能性は低いです。
あまりおすすめしませんが、もし実際にやるのであれば「ダメもとでやる」というくらいの気持ちでいたほうが良いでしょう。
借金の差し押さえを防ぐ方法②借金を一括返済する
借金を一括返済すれば、支払督促申立書が届いていたとしても(ただし2週間以内)、差し押さえを防ぐことができます。差し押さえを防ぐには効果が高いですが、現実的ではないでしょう。
と言うのも、そもそも借金を一括返済できるのであれば、借金の滞納はしないですよね。もし、親族や仲の良い知人が肩代わりを名乗り出てくれているのであれば話は別ですが、そういうケースは稀です。
また、借金を一括返済するために別の金融会社から新たに借り入れをする方法もありますが、これでは借金問題の根本的な解決にならないので、お勧めしません。
借金の差し押さえを防ぐ方法③債務整理を行う
現実的で効果のある方法が、債務整理を行うことです。債務整理とは、借金の利息をなくしてもらったり、借金を減額してもらう手続きのことを言います。
債務整理をするとブラックリストに載ったり、場合によっては住宅を手放さなければいけなくなったりしますが、大幅に借金を減らせるので借金問題の解決に有効です。
債務整理の手続きは司法書士もしくは弁護士しか行うことができません。ただ、司法書士は弁護士よりも手続きできる範囲が狭いので、弁護士に依頼することをお勧めします。
次章では、債務整理に強い弁護士事務所を2つ紹介するので、参考にしてください。
債務整理に強い弁護士事務所2つ紹介
債務整理に強い弁護士事務所を2つ紹介します。全国どこに住んでいても無料相談ができる弁護士事務所をピックアップしたので、参考にしてください。
東京ロータス法律事務所
東京ロータス法律事務所は、債務整理を専門的に扱っているので、ノウハウや金融機関からの信頼も蓄積されています。
金融機関から信頼されていると、和解交渉がうまくいきやすくなるため、あなたに有利な条件を相手方に承諾してもらえる可能性が高くなりますよ。全国どこでも無料で出張相談を行ってくれますよ。
- 電話番号:0120-316-715
- 代表弁護士:河原正和
- 着手金:【任意整理】2万円【個人再生】30万円【自己破産】20万円
- 報酬金:【任意整理】2万円【個人再生】30万円【自己破産】20万円
東京ミネルヴァ法律事務所
◆2020年6月 追記
2020年6月24日、「東京ミネルヴァ法律事務所」は、裁判所より破産手続きの開始決定を受けました。
よって現在、「東京ミネルヴァ法律事務所」に相談を行うことはできません。
東京ミネルヴァ法律事務所も、全国どこに住んでいても無料で相談を受け付けてくれる法律事務所です。全国で17,000件もの借金問題の解決実績がある、信頼できる法律事務所です。
- 電話番号:0120-255-666
- 代表弁護士:川島 浩
- 着手金:5万円
- 成功報酬:減額できた金額の10%
- 解決報酬:2万円
借金の差し押さえ まとめ
借金の差し押さえについて紹介してきました。記事の内容を一覧にまとめましたので、最後にもう一度確認しておきましょう。
- 借金の差し押さえは支払督促申立書を2週間放置すると行われる
- 給料は原則4分の1差し押さえられ、会社に借金がバレる
- 車は高級車でなければ差し押さえられる可能性は低い
- 年金は対象外だが、銀行口座に保管すると対象になる
- 差し押さえを防ぐために有効な方法は債務整理を行うこと
- 債務整理は司法書士よりも弁護士に相談するのがおすすめ
借金によって財産を差し押さえられてしまうと、生活が不自由になりますし、会社に借金があることが知られてしまいます。
差し押さえを防ぐためには、差し押さえを知らせる書類が届いたら速やかに対処することが重要です。その際は、弁護士に相談して債務整理を行ってもらうのが一番有効です。
記事中では、債務整理に強い弁護士事務所も2つ紹介しましたので、参考にしてくださいね。