よく分からない…。債務整理の種類と特徴、使い分けを徹底解説

債務 種類

「債務整理」という言葉を知っていますか?聞いたことはあっても、債務整理がどういうものなのかまで知っている方は少ないのではないでしょうか。

この記事では、債務整理について詳しく説明していきます。債務整理について理解したいという方は、ぜひこの記事を読んでください。

(トップ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/961680?title=%E7%A0%94%E7%A9%B6%E7%86%B1%E5%BF%83%E3%81%AA%E5%AD%90%E7%8C%AB)

債務整理とその種類

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債務整理とは、借金を返済できなくなった人を救済するための手続きです。債務整理を行うことによって、借金地獄から抜け出すことができます。

債務整理は未成年、高齢者、前科持ち、生活保護受給者問わずだれもが行うことができる制度です。債務整理には、借金の重さによって以下の4つを使い分けることができます。

  • 任意整理
  • 特定調停
  • 個人再生
  • 自己破産

ここで紹介した債務整理である4つを、これから簡単に説明していきます。

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債務整理の種類の1つである任意整理

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任意整理とは、債権者と債務者が話し合いによって借金の今後の返済について(利息や返済方法など)決めることです。債務者の代わりに弁護士や司法書士が話し合いを行います。

任意整理を行うと、将来発生する利息をカットしたり、返済期限を延長してもらえる可能性があります。

ただし、任意整理を行っても借金を返済できそうになかったり、債権者が同意しなければ任意整理を行うことはできません。

任意整理は手軽に行えてデメリットも少ないので、債務整理の中で最も利用されている方法です。

任意整理の特徴と手続きの仕方

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任意整理を行うデメリットや、手続きの方法を簡単に説明していきます。

任意整理のデメリット

任意整理を行うと信用情報に登録されてしまい、借入やクレジットカードの作成ができなくなってしまうというデメリットがあります。

任意整理の手続き

任意整理を行うための手続きは、以下1~4の流れで行うことができます。

  1. 弁護士が債権者に対して受理通知を送る
  2. 債権者から取引履歴を取り寄せる
  3. リスケジュールした返済計画を債権者に提案する
  4. 債権者が同意したら、合意書を作成する
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債務整理の種類の1つである特定調停

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特定調停とは、簡易裁判所の調停手続きによって、債権者と借金の今後の返済について(利息や返済期限など)話しあって決める債務整理方法です。簡易裁判所の調停委員が間に入り話し合いを進めてくれます。

特定調停を行うことで、将来発生する利息をカットしたり、支払期限を延期できる可能性があります。

任意整理を行っても借金を返済できそうになかったり、債権者が同意しなければ任意整理を行うことはできません。

特定調停は手続きが簡単なので、弁護士や司法書士に依頼をせずに行うことも可能です。手続きにかかる費用を安く抑えたい方におすすめの方法です。

特定調停の特徴と手続きの仕方

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/349834?title=%E5%A5%91%E7%B4%84%E3%81%99%E3%82%8B

特定調停を行うデメリットや手続きの方法を簡単に説明していきます。

特定調停のデメリット

特定調停を行うと、任意整理と同様に、信用情報に登録されてしまい、借入やクレジットカードの作成ができなくなってしまうというデメリットがあります。

また、一人で手続きを行う場合は、債権者との話し合いを自分自身ですることになるので、うまく進められない可能性があります。

特定調停の手続き

特定調停を行うための手続きは、以下1~6の流れで行うことができます。

  1. 特定調停の申込書や関係権利一覧表などの必要書類を作成する
  2. 簡易裁判所に申し立てをする
  3. 担当の調停委員会が決まり、調査期日が開かれる
  4. 簡易裁判所へ行き、聞き取りが行われる
  5. 債権者と債務者が簡易裁判所で話し合いを進める
  6. 借金の返済について合意ができたら、その内容をまとめた調停調書を作成してもらう
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債務整理の種類の1つである個人再生

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個人再生とは、裁判所を通して借金を減額することができる制度です。個人再生には小規模個人再生給与所得者等再生の2つがあります。

小規模個人再生はサラリーマン、給与所得者等再生は事業主が行うものだと区別してください。

小規模個人再生を行うと最低弁済額と所有する財産の総額の金額が多いほうを返済額とします。最低弁済額については以下の表をご覧ください。

借金総額 最低弁済額
0~100万円 全額
100万円~500万円 100万円
500万円~1500万円 借金総額の5分の1
1500万円~3000万円 300万円
3000万円~5000万円 借金総額の10分の1

個人再生の特徴と手続きの仕方

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/284308?title=%E5%A5%91%E7%B4%84%E6%9B%B8

個人再生を行う条件やデメリット、手続きの仕方について見ていきましょう。

個人再生を行う条件

個人再生を行うことができる条件は、民事再生法221条1項に記載されています。

個人再生(個人民事再生)には,小規模個人再生と給与所得者等再生という2種類の手続が用意されています。このうち,小規模個人再生とは,個人である債務者のうち,将来において継続的に又は反復して収入を得る見込みがあり,再生債権額が5000万円を超えないものが行うことを求めることができる民事再生法第13章第1節に規定する特則の適用を受ける民事再生手続のことをいいます

出典:民事再生法221条1項

民事再生法221条1項から、借金の総額が5000万円以下であり継続して収入を得る見込みがある場合のみ、個人再生を行うことができると分かります。

個人再生の特徴

住宅資金特別条項(住宅ローン特則)によってマイホームを残したまま、個人再生を行うことができます。

住宅資金特別条項とは,住宅ローン等の住宅資金貸付債権については従来どおり支払うことによって自宅を手放さないまま、その他の借金だけを個人再生によって減額・分割払いとすることができる制度です。

住宅資金特別条項は、小規模個人再生でも給与所得者等再生であっても利用することができます。

個人再生を行うデメリット

個人再生を行うと信用情報に登録されて5年間借入、クレジットカードの作成が行えなくなります。また、住所氏名が官報という国が発行する機関誌に掲載されてしまいます。

個人再生の手続き

個人再生は難しい手続きなので、弁護士に依頼する必要があります。

  1. 弁護士が債権者に受理通知を送り、債権調査の連絡をする
  2. 債務者は住民票や収入証明書、財産関係の資料などの必要書類をそろえる
  3. 申立書を作成し、個人再生の申し立てを行う
  4. 個人再生委員と面談を行う
  5. 裁判所によって債権調査が行われる
  6. 再生計画案を作成する

債務整理の種類の1つである自己破産

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自己破産とは、借金の支払い義務を放棄することができる手続きで、債務整理の中で最も強力な効力を発する方法です。

破産を行うことができるのは「支払い不能」とみなされた場合のみです。支払い不能については、破産法第二条十一項に記載されています。

第二条 この法律において「破産手続」とは、債務者の財産又は相続財産若しくは信託財産を清算する手続をいう。

この法律において「支払不能」とは、債務者が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。

出典:破産法第二条十一項

つまり、他の債務整理を行えば借金の返済が可能であると判断された場合は行うことができません。

自己破産の特徴と手続きの仕方

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/349840?title=%E5%A5%91%E7%B4%84%E3%81%99%E3%82%8B%E3%80%80%E3%83%A2%E3%83%8E%E3%82%AF%E3%83%AD

自己破産を行うことができる条件とデメリット、手続きについて見ていきましょう。

自己破産を行うことができる条件

自己破産の申請をしても、自己破産が認められないことがあります。自己破産が認められないことに該当するものを(免責不許可事由)といいます。

免責不許可事由に当たる行為は、破産法二五二条第一項に記載されています。

一  債権者を害する目的で、破産財団に属し、又は属すべき財産の隠匿、損壊、債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。
二  破産手続の開始を遅延させる目的で、著しく不利益な条件で債務を負担し、又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。
三  特定の債権者に対する債務について、当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で、担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって、債務者の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。
四  浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。
五  破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に、破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら、当該事実がないと信じさせるため、詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。
六  業務及び財産の状況に関する帳簿、書類その他の物件を隠滅し、偽造し、又は変造したこと。
七  虚偽の債権者名簿(第二百四十八条第五項の規定により債権者名簿とみなされる債権者一覧表を含む。次条第一項第六号において同じ。)を提出したこと。
八  破産手続において裁判所が行う調査において、説明を拒み、又は虚偽の説明をしたこと。
九  不正の手段により、破産管財人、保全管理人、破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害したこと。
十  次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において、それぞれイからハまでに定める日から七年以内に免責許可の申立てがあったこと。
出典:破産法 第252条 第1項

簡単に説明すると、以下の6つの場合に自己破産を行うことが許可されません。

  • 財産隠しを行う
  • 一部の債権者にのみ返済を行う
  • 借金の原因が浪費・賭博である
  • 自己破産すると分かりつつ借金をした
  • 裁判所の調査の拒否や嘘の申告を行う
  • 破産を行ってから7年以内

上記の6つに当てはまると自己破産が認められませんが、例外的に裁量免責によって自己破産が認められるケースがあります。裁量免責については破産法二五二条第二項に記載されています。

前項の規定にかかわらず,同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても,裁判所は,破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは,免責許可の決定をすることができる。

出典:破産法 第二五二条 第二項

つまり、免責不許可事由に該当する行為を行ったとしても、裁判所が認めれば自己破産が可能になるということです。

免責不許可事由となっても破産管財人の指導のもとで反省文を書いたり、数か月間、節約をしながら家計簿をつけたものを提出することで、裁量免責を貰えることがあります。

そのため、免責不許可事由となってしまっても、裁判所が特別に破産を許可することは意外にも多くあります。

自己破産のデメリット

自己破産を行うと債務が免責されますが、以下4つのデメリットもあります。

  • 裁判所が定める一定状の財産を没収される
  • 信用情報に登録されて10年間借入、クレジットカードの作成が不可
  • 住所氏名が官報という国が発行する機関誌に掲載される
  • 一部の職業・資格が制限される

自己破産の手続き(同時廃止の場合)

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1507023?title=%E7%A0%B4%E7%94%A3%E6%B3%95

自己破産の手続きには、同時廃止管財事件の2通りにの方法があります。

同時廃止か管財事件なるかによって、手続きが大きく異なります。同時廃止とは、財産がほとんどない人のための簡易的な手続きです。

  1. 債権者に対し、受理通知と債権調査票を送る
  2. 住民票や収入証明書、財産の評価書などの書類をそろえる
  3. 裁判所に自己破産の申し立てをする
  4. 免責審尋という裁判官との面談手続きが開かれる
  5. 債務が免責される

自己破産の手続き(管財事件の場合)

管財事件とは、財産がある程度ある人のための複雑な手続きのことです。管財事件の手続き方法を見ていきましょう。

  1. 債権者に対し、受理通知と債権調査票を送る
  2. 住民票や収入証明書、財産の評価書などの書類をそろえる
  3. 裁判所に自己破産の申し立てをする
  4. 手続き開始決定が下りると破産管財人が選任される
  5. 破産管財人は、債務者の財産を現金化して、債権者への配当を行う
  6. 換価と配当手続きの間、何度か裁判所で債権者集会や財産状況報告集会が開かれる
  7. 破産管財人による換価と配当の手続きが終了したら、破産手続が終了して、債務が免責される

債務整理とその種類 まとめ

いかがでしたでしょうか。最後に、ここまでの内容を簡単におさらいしましょう。

まとめ
  • 債務整理とは、借金の返済が不可能になってしまった人を救済するための手続き
  • 債務整理には、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4つがある
  • 任意整理とは、債権者と話し合って借金を決めなおすこと
  • 特定調停とは、簡易裁判所の調停手続きによって、債権者と借金を決めなおすこと
  • 個人再生とは、裁判所を通して借金を減額すること
  • 自己破産とは、借金の支払い義務を放棄することができる手続きのこと

債務整理について理解することは難しいことです。しかし、今後あなたも債務整理を行う日が来るかもしれません。その時のために、債務整理について理解しておいて損はないはずです。