失業やケガ、病気などにより借金が返せない状況になってしまった。貸主から借金を返さないと詐欺で訴えると迫られている…
こんな問題を抱えている方がこの記事を見ていると思います。筆者自身も借金を40万円程抱えており、もし返済ができなくなったらと思うと、とても不安な気持ちになります。
そこでこの記事では、借金にまつわる詐欺の問題を法律の面からの詳しく解説します。借金の減額方法や借金に詳しい弁護士の探し方まで紹介しています!
きちんと借金と向き合い、全額返すことであなたの心にゆとりが生まれれば、安心して日常生活を送れます!ぜひこの記事を最後まで読んで、あなたの借金問題を解決する手助けにしてください!
(トップ画像出典リンク:https://pixabay.com/ja/photos/%E7%BD%AA%E3%82%92%E7%8A%AF%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F-%E6%8C%87-%E6%8F%90%E6%A1%88%E3%81%97%E3%81%BE%E3%81%99-3096217/#content)
借金を返済しないことは詐欺ではない!
最初に結論を言うと、借金を返済しないこと自体は詐欺罪にはあたりません。驚きました?
あなたに返済する意思や能力がもともとあったとしても、何らかの影響(失業やケガなど)で返済が困難になってしまうこともあります。そのような状況なら、初めから騙そうとしていた訳では無いと判断されます。
それでは、いったいどのような状況が詐欺に当たるのでしょうか?次に詳しく解説していきます。
詐欺罪が成立する条件
詐欺罪が成立する条件は、以下の大きな4つの条件を満たしていることです。
- 欺罔(ぎもう)行為 … 嘘をついて相手をだますこと
- 錯誤(さくご) … 相手がその嘘に騙されること
- 処分行為 … 自分の財物を、相手があなたに処分や交付すること
- 占有(せんゆう)移転 … あなたがその財物を受け取ること
この4つの条件に当てはまっていると認められた場合に詐欺罪として成立することが多いです。この順番は前後することはありません。ということは欺罔行為が詐欺罪の引き金になっていると言えます。
詐欺に問われるケース
ここからは具体的に、詐欺に問われるケースを3つ紹介します。これを知っておくことで、自分は詐欺をしていない、と自信をもって言うことができるようになりますよ。
- 身分や目的を偽って借金している
- 嘘をついて返済義務を免責してもらう
- もともと返す意思や能力がない
身分や目的を偽って借金している
これは言うまでもなく詐欺です!無職なのに会社員であると言ったり、事業資金にすると言って生活費に使うことなどをしてはいけません。これがバレて立証されると詐欺罪となってしまいます。
嘘をついて返済義務を免責してもらう
借りるときは嘘をついていなくても、返済義務を免責してもらうための嘘をつくことも詐欺にあたります。厳密には詐欺利得罪といいます。財物の受け取り以外の形で利益を得た場合に適用されるものです。
失業してしまった、両親が病気になり思わぬ出費があったから借金は返済できない、などの嘘をついて返済義務の免責をしてもらうことは、借金をしている身からすれば利益になっていますよね。
もともと返済する意思や能力がない
嘘をついていない場合にも詐欺と認められるケースがあります。例えば借金をした後すぐに債務整理の為の手続きをするなど、踏み倒す前提であったと認められる場合です。
なので債務整理を弁護士に頼むと、必ず「新たにクレジットカードをつくったり、借り入れをするのは絶対に控えてください」と言われます。この行為は踏み倒す前提であると認められる可能性が非常に高まるからです。
最悪の場合、債務整理が進まなくなったり、詐欺として訴えられる可能性があるので絶対にやめましょう。
「借金を返さないなら詐欺罪で訴える」は脅迫?
一方、これらの詐欺に問われる条件を満たしていないにも関わらず、貸主があなたに「詐欺で訴える」と言うのは脅迫罪に当たるのでしょうか?この問題を解決するためのヒントとして、以下の引用文が参考になります。
このような場合には、返済を迫る方法が『社会通念上一般に忍容すべき程度(範囲内)である』か否かで違法な行為か否かが判断されます。
出典:http://news.line.me/issue/oa-bengo4com/50880c9387a2
日本は法治国家なので、法的手段に出るということは「社会通念上一般に忍容できる程度」ということができます。むしろお互いにとって一番安全な対応とも言えますね
なので個人間での借金で、「借金を返さないなら詐欺で訴える」という取り立ては脅迫には当たらないケースが多いです。
ちなみに、まともな金融機関なら貸金業法という法律により、取り立ての規則があるので、訴えられるような取り立てはしてこないのが一般的です。
ですが、返さなければ暴力をふるうぞ、家族や知人から取り立てるぞなどと言われた場合には、過剰な取り立てとみなされ、逆に訴えることができる場合もありますよ。
借金という負い目があっても、過剰な取り立てに屈する必要はない!
借金には時効があるが、基本は逃げられない
時効によって借金を踏み倒せると思ってはいけません。基本的には借金の時効は成立しないと思ってください。なぜなら貸主は、時効を中断するということができるからです。
中断とは、借金の時効までの年数を振り出しに戻すことです。借金の時効期間は貸主が個人か金融機関かなどによって変わります。
- 個人の貸し借り
- 銀行からの借り入れ
- 消費者金融などの企業から借り入れ
- 個人の貸金業者からの借り入れ
- 信用金庫からの借り入れ(例外あり)
例えばあなたが友人から借金をし、何らかの方法で4年間逃げ続けたとします。すると、あと1年で時効がきますよね。しかしそこで、貸主が中断という行為をすると、時効までの年数が5年に戻されるというものです。
この中断という行為で一番身近なものは「債務の承認」と呼ばれるものです。以下のやり取りを見てください。
あなたにお金貸したよね?早く返してね。
わかった、早く返すよ。
このようにあなたが借金をしたことを言葉と態度で認めてしまうことが「債務の承認」にあたります。
他にも、訴えることや差し押さえなども中断にあたります。たとえ行方をくらましたとしても、訴える方法などもあるので、まず逃げる道はないと思ってください。
逃げられない上に返済もできないならば、一体どうしたらこの借金問題を解決できるのでしょうか?そこで次からは債務整理というものについて詳しく解説します。
借金がどうしても返せないなら「債務整理」をしよう
債務整理とは借金の減額や、支払期限を延ばしてもらうことによって、借金による苦しみから解放されるための手続きです。債務整理には以下の5つの方法があります。
- 任意整理
- 過払い金請求
- 特定調停
- 民事再生
- 自己破産
この5つの方法は、国が正式に認めている借金の減額方法です。債務者がお金を返さないことは日本の経済にとっても良くないことなので、救済をしてくれるのです。
この5つの方法の中でまず最初に検討してほしいものがあります。それは任意整理です。次で詳しく解説していくので、よく読んでください。
借金返済のために最初にやってほしい事:任意整理
まず初めに任意整理を行ってください。任意整理とは簡単に言うと、貸主との話し合いによって借金の減額や返済期限を延長をしてもらうことです。
あなたの貸主が友人ならば、返せない理由を正直に打ち明けてみてください。理由に納得してもらえれば、返済を待ってくれたり、過剰な返済を迫るようなことはなくなるはずです。
そして消費者金融や銀行、信用金庫などから借金をした場合も実は同じです。無断で返済を遅らせ、督促を無視するくらいなら、みずから事前に理由を説明しましょう。あなたの状況に合わせた対応を取ってくれます。
消費者金融からの督促電話や、督促状を無視すると、遅延損害金の発生や、最悪の場合には資産の差し押さえをされてしまいます。いいことは一つもないので必ず事前に連絡しましょう。
ただ、お金が絡む話なので、どうしても一人で解決できない場合もあります。そんな時は弁護士に相談し、解決のためのアドバイスや手助けを求めることも一つの案です。
次では、何とか返済は伸ばしてもらっても、全然返せる気がしない方や、そもそも任意整理に応じてもらえなかった方のために、残り4つの方法も詳しく紹介します。
他の4つの債務整理も検討しよう
残り4つの方法をなぜ任意整理の後に使ってほしいかというと、手続きが圧倒的に複雑だからです。それでは4つの方法それぞれについても詳しく解説していきます。
過払い金請求
過払い金とはグレーゾーン金利が適用されている借金に発生します。
グレーゾーン金利とは、利息制限法の上限金利を超える金利のことです。
2006年に裁判所によって、グレーゾーン金利を金融機関が受け取ることは違法とされました。したがって既に支払ってしまったグレーゾーン金利には過払い金として返還が求めることができるようになったのです。
2008年以降にグレーゾーン金利はほぼすべての金融機関がやめているので、2008年以前に借金をしたなら、あなたにも過払い金があるかもしれません。まずはこちらで無料診断をしてみてください。
特定調停
今後の返済について、貸主との話し合いを行うときに、裁判所の調停をすることです。イメージとしては任意整理を裁判所で行うといったものです。特定調停のメリットは2つあります。
- 費用が安い(借入先一社につき、手数料500円程度)
- 裁判所を介しているので、貸主が交渉に応じてくれる
自分一人ですべて進めるため、お金が全くないという方には、ぜひ利用してほしい方法です。しかし、書類の手続きは複雑で、法律に関する知識がないと有利に裁判が進められないというデメリットもあります。
個人再生
個人再生とは、借金の一部を分割で返済し、そのあとで残額を免除してもらえるというものです。
債務整理の中でも手続き費用が1番高額ですが、大きな借金でも、大幅に減額してもらえる可能性があります。手続きがかなり複雑なので、個人再生に詳しい弁護士を雇える方にオススメです。
自己破産
債務整理として一番有名なのが、この自己破産という方法です。簡単に言うと、借金を帳消し(免責)にすることができます。
ここで勘違いしてはいけないのが、ただで帳消しにしてもらえるわけではないことです。あなたが持っているすべての差し押さえ可能な財産を処分されるなどの大きなデメリットが存在します。
しかし、生活を維持するための家具や家電は差し押さえられることはなく、現金も99万円までは手元に残すことができるので、何とか生活していくことはできるようになっています。
本当の最後の手段として大きなデメリットを覚悟し、自己破産は選択してください。ただ、借金に絶望して最悪の選択をするくらいなら、絶対に自己破産を選ぶべきです!
これら4つの方法は、弁護士や裁判所を通す必要があるものが多いので、任意整理よりも費用が掛かります。借金による苦痛から解放されるためにも、思い切って債務整理を試してみてください。
借金返済や詐欺に強い弁護士の探し方
ここからは借金返済や詐欺について詳しい弁護士の探し方を4つ紹介します。あなたの強い味方になってくれるので、この項目はよく読むことをオススメします。
- 知人に紹介してもらう
- 弁護士会や法テラスで紹介してもらう
- 自治体の弁護士紹介システムを利用する
- ココナラ法律相談で検索
知人に紹介してもらう
信頼できる知人に紹介を頼む、というのが弁護士を探すのに一番安全な方法です。懲戒処分歴があるなどの問題のある弁護士を避けることができるからです。
弁護士はそもそも紹介がなければ依頼を引き受けてくれないので、知人に弁護士と関わりがある人がいるなら紹介を依頼してみましょう。
弁護士会や法テラスで紹介してもらう
弁護士会では5000円ほどの費用がかかりますが、法律相談や優秀な弁護士の紹介を受けることができます。
さらに依頼を担当する弁護士には弁護士会から派遣された監督がつきます。なので弁護士もいいかげんな仕事をしませんし、あなたになにか不都合なことがあった場合には、弁護士会に相談することもできます。
法テラスでは弁護士による無料相談や、弁護士の紹介を受けることができます。さらに、一定の条件を満たせば弁護士費用の立替えを受けることもできます。弁護士費用を捻出するのが難しい方はこちらを利用しましょう。
ただし弁護士会ほど弁護士を選ぶ自由がなかったり、監督がつくなどのサポートがないので、安全度は低いと言えます。
ココナラ法律相談で検索
自分の知識を売り買いできるサービス「ココナラ」において、法律相談に特化したサービスである「ココナラ法律相談」というものがあります。このサービスで出来ることは主に以下の2つです。
- 現役の弁護士による回答が得られる「法律Q&A」
- 細かな条件を設定して最適な弁護士を全国から探せる「弁護士検索」
分野を借金、債務整理にして検索してみましょう。あなたの住んでいる地域に優秀な弁護士がいるかもしれません。法テラスと契約している法律事務所に所属している弁護士なら、そのまま依頼を出すことも可能です!
ちなみに、DEBIT INSIDERのブログトップにも、大手法律事務所のレビューが読める、無料で相談できる弁護士という項目があります。そちらもあわせて読んでみてください。
借金に困っているのはあなただけではない!
借金に苦しんだ経験や、現在苦しんでいてどのような返済計画を立てているか、ということを発信している方が世の中にはいます。
苦しいのは自分だけじゃないと思うことや、ほかに借金返済にむけて頑張っている人を見る事は、あなたの精神的な支えになります。
ここではDEBIT INSIDER内の記事と、現在進行形で借金返済のために奮闘している方のブログを紹介します。ぜひ読んで参考にしてください。
借金返済ブログ:嫁に内緒の借金400万円をFXで返済していく~風前の灯火~
借金と詐欺についてのまとめ
借金と詐欺の関係についてや、借金の解決方法などについて紹介しました。
借金を返せない状況にも関わらず、詐欺だと言われれば辛いのは当たり前です。借金によって友人との関係が壊れることや、日常生活が送れなくなることだけは、この記事を読んだ読者の方には避けていただきたいです。
あなたの借金問題を解決する方法はありますし、強い味方は必ずいます。逃げたり諦めたりしないで、きちんと向き合いましょう!最後まで読んでいただいてありがとうございました!