「法テラスって何をしている所?借金トラブルについても相談できるの?」
法テラスは、国民に法律サービスを利用しやすいように設立された国の機関です。刑事事件以外ならば、弁護士などに相談ができるので、借金のトラブルについても相談できます。
この記事では、法テラスを利用して借金のトラブルを解決するメリット・デメリットや、法テラスの制度を利用する方法も紹介するので、借金のトラブルに悩んでいる人は参考に読んでみてください。
(画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/3387934?title=%E7%A9%8D%E3%81%BF%E6%9C%A8%E3%81%AB%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%81%AE%E6%96%87%E5%AD%97)
法テラスってどんな所?
法テラスは、正式名称を「日本司法支援センター」と言い、法律トラブルがあったときに、どこに相談すればいいのかわからない、お金が無くて相談しづらい、などの問題を解決するために設立された国の機関です。
法テラスでは主に次の5つの業務をしています。(法テラス公式サイトより)
情報提供業務 | 利用者からの問い合わせに、法律に関する情報や、相談機関(弁護士会、司法書士会など)の情報を提供する |
民事法律扶助業務 | 経済的に厳しい人がトラブルにあったときに、無料で法律相談を受けたり、弁護士等の費用の立替をする |
犯罪被害者支援業務 | 犯罪の被害にあった人や家族に必要な支援や、刑事事件の対処、損害の修復のための法制度に関する情報を提供する |
国選弁護等関連業務 | 国選弁護人との契約や、指名、裁判所への通知、報酬の支払いなどを行う |
司法過疎対策業務 | 身近に法律の専門家がいないなど、法律サービスが充実していない過疎地域に法テラスの事務所設置を行う |
(参考:https://www.houterasu.or.jp/madoguchi_info/houterasutowa/index.html)
一般的に法テラスは、民事法律扶助業務のイメージがありますよね。様々な業務を行っているので、法律関係で困ったら利用してみましょう。
法テラスでは借金のどんなトラブルについて相談できるの?
法テラスでは、借金のトラブル全般について相談できます。「借金の返済を催促したが、相手から反応が無くて困っている」や「借金の返済に困っていて、これからどうすれば良いかわからない」でも問題ありません。
借金の返済では、相談者が返済に困った場合の解決方法で、次の4つについても相談できます。
- 任意整理:債権者と直接交渉し、今後の返済計画について見直す
- 特別調停:債権者と債務者の間に裁判所が入り、返済計画について見直す
- 個人再生:裁判所に借金を大幅に減額できるよう申請し、残りの金額を原則3年間で返済する
- 自己破産:裁判所に借金の返済免除を申請する代わりに、財産は原則没収される
ここからは、法テラスで借金問題を解決するメリットとデメリットについてそれぞれ紹介しますね。
法テラスで借金問題を解決するメリット①無料相談ができる
法テラスで借金問題を解決するメリットの1つ目は「無料相談ができる」です。
法テラスは、収入条件など条件を満たさなければ利用できませんが、無料で法律の専門家に相談できるのは大変助かりますよね。法律の専門用語なども無料相談で説明してもらえます。
多くの弁護士事務所や司法書士事務所は、依頼をするかどうかに関わらず、相談するだけで相談料を支払う必要があります。相談料を払うのが経済的に厳しい場合、弁護士などに相談しづらいですよね。
法テラスの中には、借金に関するトラブルの相談予約日を専用で設けている所もあります。原則は住居の最寄りの法テラスで予約になりますが、職場の近くの法テラスでも相談できます。
法テラスで借金問題を解決するメリット②費用を抑えられる
法テラスで借金問題を解決するメリットの2つ目は「費用を抑えられる」です。
法テラスでは、相談を受けて弁護士や司法書士への依頼する場合、その費用を立て替えてもらえる制度があります。
依頼費用は弁護士事務所等に依頼するより安くなるので、経済的に厳しい場合は、大変助かります。法テラスの制度を利用する場合は条件がありますが、無料相談の審査が通過すれば問題なく利用できるでしょう。
法テラスを利用する条件の3つをすべて満たせば、費用の立替を申請できます。この条件については、別の章で詳しく解説しますね。
法テラスで借金問題を解決するデメリット①審査に時間がかかる
法テラスで借金問題を解決するデメリットの1つ目は「審査に時間がかかる」です。
先ほど法テラスの利用には条件があると説明しました。その利用条件を満たしているか、必要書類を法テラスに提出して審査されます。
法テラスの審査は、早くて書類を提出して数日、遅いと数週間かかることがあります。その間は借金の返済をしなければ利息は増えますし、債権者の返済催促の連絡が届くでしょう。
費用が高くてもいいから、借金の返済をどうにか解決したい場合は、弁護士事務所などに依頼すれば、その日に返済催促を止める手続きをしてもらえます。時間がかかっても費用を抑えたいのか考えた方が良いでしょう。
弁護士・司法書士への報酬を分割払いで対応してもらえる事務所もあります。一括で支払いが難しい場合は、相談してみましょう。
法テラスで借金問題を解決するデメリット②弁護士を選べない
法テラスで借金問題を解決するデメリットの2つ目は「弁護士を選べない」です。
法テラスでは、相談を担当する弁護士や司法書士を相談する側で選ぶことができません。例えば離婚について相談したくても、離婚分野に強い弁護士が相談を受けてくれるとは限らないのです。
無料相談を利用したら、弁護士が合わなかったということもあります。借金の分野に強い弁護士に依頼したい場合は、自分で弁護士を探して依頼した方が解決スピードが早いでしょう。
または、民事法律扶助制度(みんじほうりつふじょせいど)を利用して、費用だけ法テラスに立替てもらう方法もあります。この方法については、別の章で詳しく解説しますね。
法テラスを利用する条件は?
法テラスを利用する条件は3つあり、無料相談を受けるためには3つの内2つ、弁護士や司法書士に依頼するには、3つ全て満たさなければいけません。
利用条件は次の3つになります。3つ目が法テラスで弁護士等に依頼するときの条件になります。
- 収入と財産条件が一定金額以下
- 民事法律扶助の趣旨に適している
- 勝訴の見込みがある
それぞれの具体的な利用条件については、次の記事で詳しく紹介しているので、こちらをご覧ください。
法テラスに無料相談したいときはどうすればいい?
法テラスに無料相談をしたいときは、まずは自分が利用条件に該当するか法テラスのサポートセンターに確認する必要があります。確認方法は次の3つです。
- 電話:0570-078374 平日9時~21時、土曜日9時~17時
- メール:24時間受付、法テラスのお問い合わせフォームはこちら
- 法テラスの窓口を訪問する
利用条件に該当する場合は、相談日を予約できます。相談日までに書類を準備する必要があるので、何が必要か確認しておきましょう。
必要書類は多くなるので、漏れが無いように相談日までに確実に準備しておきましょう。
民事法律扶助制度を利用して費用を立て替えてもらう方法
法テラスでは、経済的に厳しい人に向けて弁護士費用を立て替えてもらえる民事法律扶助制度があります。弁護士や司法書士に依頼するときは、着手金と報酬の2つ払うところが多いでしょう。
着手金は依頼が決まったとき、報酬は事案が解決したときに払う費用になります。これに加えて郵送代や裁判所に支払う手数料などの実費を加えたものを弁護士等に支払います。
法テラスでは、これらの内着手金と実費の立替依頼ができます。立替金は毎月返済していくことになりますが、返済金額は、5,000円~10,000円程度になるので、無理をしない範囲で返済が可能ですね。
自分で弁護士や司法書士を探して依頼し、費用だけ立替依頼したい場合は、「法テラス利用可」という表示を探しましょう。この制度を利用すれば、借金の分野に強い弁護士等に依頼することができますね。
法テラスで借金のトラブルについて相談したい場合は? まとめ
今回は、法テラスで借金問題を解決したい場合の注意点などを紹介しました。最後に法テラスで借金問題を解決するメリットとデメリットをまとめますね。
- 無料相談ができる
- 費用を抑えることができる
- 書類審査に時間がかかる
- 担当弁護士を選ぶことができない
法テラスを利用すると利用条件の審査に時間がかかったり、弁護士が合わないなどの問題が起きる可能性があります。借金のトラブルは、時間がかかるほど解決が複雑になってしまうことも。
早く解決したい場合は、法テラスで費用立替を依頼し、自分で弁護士や司法書士を探す方が確実に解決がしやすいでしょう。
または、費用がかかるのは承知の上ならば、法テラスを利用せずに、借金の分野に強い弁護士事務所や司法書士事務所に依頼することをおすすめします。