クレジットカードでも過払い金が発生しているケースがあるってご存知でしたか?
昨今、消費者金融を利用していた方の過払い金が戻ってきたケースが多い事は知られています。
でも『自分は消費者金融なんて利用してないし、過払い金なんてあるわけない』と思い込んでいませんか?
この記事では、クレジットカードの過払い金が発生しているケースと請求する際の注意点について伝えします。
過払い金は本来払わなくてもいいお金です。過払い金が発生している事がわかったら、注意点に気をつけて取り戻しましょう!
トップ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/613609?title=%E9%A0%90%E9%87%91%E9%80%9A%E5%B8%B3%E3%81%A8%E5%8D%B0%E9%91%91%E3%81%A8%E7%8F%BE%E9%87%91
そもそも過払い金って?
”過払い金”とは利用者が貸金業者に払い過ぎていた利息のことです。
貸金業者は「グレーゾーン金利」を利用して、利息制限法の上限を超えた利息を長年の間、違法に取り続けてきました。
日本において2010年(平成22年)6月18日施行の貸金業法及び出資法改正前に存在した利息制限法に定める上限金利は超えるものの出資法に定める上限金利には満たない金利のこと。利息制限法によると利息の契約は同法で定められた利率を超える超過部分は無効とされている。消費者金融(サラ金・街金)や信販会社、クレジットカード会社の多くはこの金利帯で金銭を貸し出していた。
引用:Wikipedia
利息制限法では金利の上限を15~20%と定め、出資法では刑事罰の対象となる金利の上限を29.2%と定めていました。
このため、利息制限法の金利を超えていても、出資法の金利を超えず刑事罰を受けない「灰色の金利」=「グレーゾーン金利」が生まれたのです。
この「グレーゾーン金利」によって払い過ぎていた利息を”過払い金”と言い、改正貸金業法の施行により、取り戻す事が可能となりました。
多くの貸金業者が「グレーゾーン金利」を設定していたため、”過払い金”が発生しているケースは多数あり、取り戻せる可能性も高いのです。
クレジットカードで過払い金が発生している可能性
クレジットカードで過払い金が発生する可能性があるのは”キャッシング枠”を利用していた場合です。
ATMなどから現金が引き出せる”キャッシング枠”はクレジットカード会社からお金を借りたのと同じ事になります。
消費者金融などからのカードローンと同様、返済時に定められた利息より多く払っていれば、差分が過払い金となるわけです。
なお、”ショッピング枠”はどんなに高額な手数料を払っていても過払い金にはなりません。
クレジットカードの過払い金が請求できる条件
以下の2点に当てはある方は過払い金が発生している可能性があります。
2010年(平成22年)6月17日以前に借入を開始した方
改正貸金業法の完全施行前に取引をしているケースです。2010年6月17日以前、貸金業者は「グレーゾーン金利」を設定し、取引を行っていました。
改正貸金業法の完全施行により、「グレーゾーン金利」は撤廃され、過払い金として返還請求出来ることとなりました。
借金を完済してから10年以内の方
既に完済した借金でも、過払い金を請求できます。過払い金の時効は取引終了から10年です。
取引終了時から10年経っていなければ,10年以上前に発生した過払い金を含め取引中に発生した過払い金は全部請求できます。過払い金には時効がありますのでお早めにご確認ください。
過払い金が発生している可能性のあるクレジットカード会社
- セゾンカード:当時の利息は24%~29%前後
- ニコス(三菱UFJニコス):当時の利息は19%~29%前後
- セディナ:当時の利息は28%前後
- イオン(イオンクレジット):当時の利息は29%前後
- ニッセン(マジカルカード):当時の利息は29%前後
- アプラス:当時の利息は21%~29%前後
- エポス:当時の利息は27%前後 他…
改正貸金業法が施行される前は多くの貸金業者が「グレーゾーン金利」を設定していました。
『大手だから』や『東証一部上場の固い会社だから』というイメージで捉えず、しっかりとご自身の使っていたクレジット会社を確認しましょう!
下記のボタンからご自身に過払い金があるか診断することが出来ますよ。
クレジットカード会社に過払い金請求する場合の注意点
クレジットカード会社に過払金を請求する際に注意しなければならない点は”ショッピング枠”の利用状況です。
もし、過払金が発生していて取り戻せたとしても、そのお金はまずショッピング枠の支払いに当てられます。さらに、過払い金よりもショッピング枠の金額が多い場合『債務整理を行なったのと同じ扱い』になります。
これはブラックリストに載ってしまう大変危険な行為です。クレジットカード会社に過払い金を請求する際には、自分ショッピング枠の利用状況に注意しましょう。
ブラックリストに載るとどうなるのか
ブラックリストに載ると(信用情報機関に載る)お金の借入れや、クレジットカード・ローンの審査に通りづらくなります。また、利用中のクレジットカードが使えなくなる事もあります。
しかし、ブラックリストに載っても家族カードというサービスを利用すればクレジットカードを使うことが出来ます。
そして、ブラックリストに載ったとしても周囲にバレることはありませんし、5年〜10年ほどでブラックリストから削除されます。
必要以上にブラックリストに載ることを恐れる必要はありませんよ。
過払い金請求したクレジットカード会社のカードは利用できない?
クレジットカード会社に過払金を請求すると”社内ブラック”(クレジットカード会社の事故情報)に載り、その会社のクレジットカードが利用出来なくなります。
しかし、他のクレジットカード会社のカードは使えますし、審査に通りにくくなる事もありません。
過払い金請求をすることで、クレジットカードが使えなくなるタイミング(請求を始めた時点で使えなくなります)がわかっていれば、インフラなど各所の引き落とし先変更などもスムーズに行えます。
”社内ブラック”に載ってしまうことも必要以上に恐れる必要はありません。
クレジットカードのリボ払いは過払い金請求できる?
結論からお伝えすると、リボ払いでも過払い金の可能性はあります。
リボ払いは毎月一定の金額を返済するため、利息の多寡が判断しにくいかも知れません。しかし、カード会社の利息の設定は一括でも分割でもリボ払いでも変わらないのです。
ですから変わらず、改正貸金業法が施行される前に借り入れをしていた場合、過払い金が発生している可能性があるのです。
しかも、リボ払いは返済が長期化するケースも多いため、より高額な過払い金が発生している場合もあります。
クレジットカードの過払い金請求の時効
過払い金の返還請求権は、貸金業者との取引が終了した日から10年間行使しないまま放っておくと、時効によって権利が消滅します。
また、2020年4月1日より施行された改正民法では、上記の時効期間に加えて、過払い金の返還請求ができることを知った時から5年を経過した場合にも、権利が消滅してしまうとされています。
時効を迎えてしまえば、過払い金の請求は出来なくなってしまいます。くれぐれも注意しましょう!
クレジットカードの過払い金返還請求をする手順
過払い金を返還請求する際の手順をお伝えします。返還請求はご自身で手続きをすることも可能なのですが、時間や手間がかるなど、デメリットも多いです。
そのため、弁護士や司法書士などの専門家に依頼することをオススメします。専門家に依頼した際の流れは以下の様になります。
- 問合せ・相談(電話相談や面談で正式に依頼するか決めます。)
- 依頼(委任契約を締結し、貸金業者に、弁護士・司法書士の介入を通知してもらいます。)
- 過払い金調査(取引履歴を基に、法定金利に引き直し計算をして、過払い金の請求額を算出してもらいます。1ヶ月〜3ヶ月くらいかかります。)
- 返還交渉(電話や書面で返還交渉をしてもらいます。応じない場合は裁判所へ提訴する場合もあります。1ヶ月〜2ヶ月くらいかかります。)
- 過払い金回収(双方で合意書を交わし、過払い金が返還されます。)
過払い金返還請求をしてから回収までに、2ヶ月〜5ヶ月ほどはかかります。長い戦いになりますが、弁護士・司法書士の方と協力して頑張りましょう!
まとめ
クレジットカード会社に過払い金を請求する際の注意点についてお伝えしてきました。
冒頭でもお伝えしまいしたが、過払い金は本来払わなくても良かったお金です。その返還を請求するのは正当な権利であると言えます。
過払い金請求をすると”利用していたクレジットカードが使えなくなる”というデメリットはありますが、必要以上に恐れることはありません。
お伝えした注意点に気をつけて、時効を迎える前に、自分のお金を取り戻しましょう!