「あと1カ月は返済できそうにない」「気付いたら返せないほどの借金になっていた」
こんな時には借金の滞納に不安を感じますよね。本記事では、借金を滞納するとどうなるのかや、滞納してしまった時の対応策について解説していきます。
借金をついつい滞納してしまったという方はぜひ参考にしてみてください。
(トップ画像出典:https://www.pakutaso.com/20140358085post-3997.html)
借金を滞納するとどうなる?
借金を滞納したときにどのような影響がでるのでしょうか。影響を知らないままでは、家族や会社にバレないだろうかと日々不安に感じてしまいます。
借金の滞納の影響は、滞納が2、3週間であれば「遅延損害金(一種の罰金)」を追加で支払うだけで済みますが、最悪の場合、銀行口座が止められたり、自分の車や持ち物を回収されることになります。
滞納期間によって影響は異なってきますので、まずは滞納期間の区分を確認することにします。
借金の滞納期間の区分
どれくらい滞納すると取り返しがつかないのかわからないのは不安です。借金を滞納した期間に応じて債権者がどのような手段を取るのかについて見ていきましょう。
- 借金を数日程度滞納した場合
- 借金を1ヶ月程度滞納した場合
- 借金を1~2ヶ月滞納した場合
- 借金を2ヶ月以上、滞納した場合
それぞれの期間で相手(金融機関)が取る具体的な手段については、次の章から一つ一つ丁寧に紹介してきます。
借金を数日程度滞納すると電話やメールが来る
まず借金を数日程度滞納すると、電話やメールで「すぐにお金を振り込んでください」という連絡が来ます。この時点で支払いを約束すれば、借金+「遅延損害金」を払うだけで他は何も起こりません。
「遅延損害金」とは、「借りた時の期限を越えた場合に借金を返すまでにかかる違約金」にあたります。
遅延損害金には利息制限法で通常の借金の金利×1.46%を上限とした以下の上限金利が定められています。
借入額 | 10万円以下 | 10万円~100万円 | 100万円以上 |
通常の借金の場合 | 年20% | 年18% | 年15% |
遅延損害金の場合 | 年29.2% | 年26.28% | 年21.9% |
例えば100万円を借り、1カ月滞納して、遅延損害金の金利が25%の場合、遅延損害金は以下の通りです。
・遅延損害金=元金×遅延損害金の利率×滞納した日数÷365日
・100万円×25%(0.25)×1カ月(30日)÷365=20,547円
借金を1カ月程度滞納すると自宅に訪問される
1カ月滞納をして、電話や書面の連絡を無視していると自宅への訪問が開始されます。
「自宅への訪問って怖い人がドアを蹴ったりしに来るってこと…?」と思われる方もいるかと思います。
大丈夫です。取り立てで思い出す、いわゆる”怖い人の殴り込み”は違法のため、実際には行われません。
しかし、借金を返せる見込みがないときに、対面で取り立てされるのは怖いですよね。また、家族に借金を伝えていない場合なども、自宅への訪問によって借金がバレてしまうかもしれません。
借金を1~2カ月滞納すると一時的に新たな借入がしにくくなる
1カ月を超えて2カ月(60日以内)まで滞納すると信用情報機関にあなたの情報が一時的に記載されてしまいます。延滞解消が60日以内であれば返済の後、延滞情報はすぐ削除されます。
ここまでいくと一時的(60日以内)とはいえ他の金融機関での追加借入が難しくなってしまいます。新たに借金をする際に金融機関はあなたの情報を信用情報機関で検索するため、借金の滞納がバレてしまうのです。
カードローンを利用していなくても、クレジットカード限度額制限等の利用制限を受けるのは痛手です。Amazon等のネット通販が使いづらくなってしまいます。
借金を2カ月以上滞納するとブラックリスト入りする
2カ月(61日以上)を超えて滞納すると、「〇〇さんが借金を滞納した」という情報が一時的ではなく、5年間信用情報機関に登録されてしまいます(ブラックリスト)。
61日以上の滞納情報は必ず記載されて、もし返済したとしても、その後5年間は情報が残り、住宅ローンやマイカーローンなど新たな借金がしづらくなります(金額、借入期間、金利に影響)。
また、同時期に「一括請求」が行われる可能性があります。「一括請求」とは「分割返済のスケジュールを全部無効にするので今すぐ全額返しなさい」という請求になります。
例えば、「100万円を毎月10万円、1年間かけて返すスケジュール」で借りていた場合、一括請求されたら、いますぐ100万円を返さなくてはいけません。
しかし、月々の返済を滞納していて一度に全額を返せるわけがありません。このまま滞納を続けてしまうと、裁判所から様々な通知が来て、車・給料などの財産の差し押さえなど、生活に影響が出ることになります。
最終的に…借金を滞納し続けると訴えられる
延滞が2カ月を超えて金融機関からの一括請求に応えられない場合、最終的には金融機関が裁判所に訴えます。裁判所からの通知・対応の種類と対応は以下の4つです。
①支払督促
「A社にBさんが〇円払ってください」という内容の、裁判所から発行される法的な文書です。
通知を受けた側は2週間以内に異議申立が可能ですが、申立てた場合、金融機関との裁判によって返済について協議が必要です。
②仮執行宣言付支払督促
金融機関が「〇〇さんを差し押さえても良い」という権利を仮で認めたものです。
2週間以内に異議申立が行われた場合、金融機関との裁判によって返済について協議が必要です。2週間を超えた場合、金融機関が相手を差し押さえる権利が確定します。
③差し押さえ
借金を滞納した人の財産である現預金、給料振込口座、家、車等の財産の権利が主張できなくなります。
給料が銀行振込の場合、務めている会社にもバレますし、家が差し押さえられれば家族にもバレます。
滞納した借金の返済が難しいなら「債務整理」を
このような事態を防ぐためにも、「債務整理」を検討してみるのも良いですね。
「債務整理」とは「法律に沿って弁護士等が金融機関と交渉することで、借金の減額、免除、利息支払いの猶予などを行うこと」です。
調査によって「相手が本当に支払える状況にあるかどうか、財産は残っていないか」を明らかにして、対応を法的に決めていくことになります。
「債務整理」というと「怖そう、難しそう」というイメージがあるかもしれませんが、しっかりとした法的な手続きで相談窓口も充実しています。以下では「債務整理」の種類や内容を解説していきます。
債務整理の種類
債務整理には任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4種類があります。
①任意整理
弁護士等に金融機関との交渉を依頼して、スケジュールを組みなおすことです。直ちに督促が停止します。弁護士等への依頼費用がかかります。
②特定調停
裁判所で自ら金融機関と交渉をして、スケジュールを組みなおすことです。任意整理と比べて自分の時間や手間が大きくかかります。裁判所で申立が認められるまで督促は停止しません。
③個人再生
(1)全額の返済が困難、(2)給料が継続して入る状態、(3)借金が5,000万円を下回ること
この3つが調査によって証明された場合、借金を一定程度免除して返済金額、スケジュールを組みなおすことです。弁護士等への依頼費用がかかります。
④自己破産
裁判所により、99万円を超える現金や換金して20万円以上になる財産(預金、家、車、保険等)はすべて没収されますが、借金の返済が免除されます。
弁護士等への依頼をせず、自分で裁判所との書面でのやり取りや財産の処分を行うこともできますが専門的なやり取りのため、手間がかかります。債務整理の詳しい解説は次のサイトを参照してください。
債務整理の影響
債務整理のメリットとしては、金融機関からの連絡が来なくなること、将来の不安も軽減が挙げられます。また債務整理を行ったとしても家族、友人、会社にバレることはありません(会社に借金がある場合を除く)。
一方、デメリットとしては信用情報機関に債務整理の事実が登録されるため、完済後5年(自己破産の場合のみ10年)は新たな借入が難しくなります。新たな借入にはクレジットカードの新規発行も含みます。
新たな借入ができなくなったとしても、借金滞納に悩むいまの生活から抜け出しませんか。
まとめ…早めに相談
以上、借金を滞納した際の影響、対策についてまとめてみましたがいかがでしたでしょうか。
借金を滞納してしまうと、家族・友人への相談もできず、金融機関への連絡が怖くなってしまうこともあるかと思います。
解説のとおり、滞納した時に自分だけで解決するのは難しいです。そんな時は「債務整理」という法的な手段を使って、弁護士等への早めの相談を心がけましょう。
相談の際には法律事務所や法テラス等を利用するのがおススメです。大手法律相談事務所と公的な機関である法テラスを以下で紹介していますので、まずは無料相談から早めにしてみるのはいかがでしょうか。