今回は、年代別の貯蓄額と貯蓄が少ない、または多い場合の将来に備える解決策を取り上げます。
年齢が上がったり、家族が増えるとこれからの生活に不安がでますよね。教育費は足りるのか、ローンの返済は無事にできるか、など心配がでてきます。将来どれくらいあれば生活できるのか、目標が欲しいものです。
この記事では、年代別で「最低限これぐらいは貯金しておくべき」という目標を紹介するので、貯蓄が少なくて困っている場合は、まずは貯蓄の目標を決めるためにも読んでみてください。
(トップ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/3425132?title=%E7%93%B6%E3%81%AB%E3%81%8A%E9%87%91%E3%82%92%E5%85%A5%E3%82%8C%E3%82%8B%E4%BA%BA)
貯金が少ない…自分の年代はどれくらい貯金しているの?
あなたは、自分の貯蓄額を見てこんなことを考えたことありませんか。
自分って貯金できているのかな?他の人より少ないのかな?貯金いくらですか、なんて聞きにくいし…。
お金はいくら貯めても不安が無くならないですよね。「将来何かあったときにこれぐらいあって大丈夫なのだろうか、もっと必要なのだろうか。」と考えてしまいます。
自分の年代でどれくらい貯蓄があれば良いのか、目標があれば助かりますよね。結婚や出産、マイホーム購入などのイベントがあると、貯蓄額の増減がどのようになるかの傾向も紹介します。
ここからは20代~60代までの年代別の貯蓄額の平均値と中央値、年代ごとの傾向を解説しますね。
中央値はデータを大きい順に並べたときに、真ん中に来る数値のことです。例えば1、2、3、4、5であれば、3が真ん中にいますよね。3が中央値となります。
平均値は、データに極端に大きい数値がある場合、平均値が引き上げられてしまう傾向があります。例えば、1、2,3、4、100であれば、平均は22となってしまい、偏った数値になります。
貯蓄額を比較するときは、平均値と中央値がよく使われるので、注意しておきましょう。
年代別貯蓄額の一覧(単身・二人以上)
次の表は、金融広報中央委員会が調査した「家計の金融行動に関する世論調査(令和元年)」から単身と二人世帯の年代別貯蓄額の中央値と平均値を抽出したものです。
平 均 値(単位:万円) | 中 央 値(単位:万円) | |
20代 | 106 | 5 |
30代 | 359 | 77 |
40代 | 564 | 50 |
50代 | 926 | 54 |
(出典:https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/tanshin/2019/19bunruit001.html)
平 均 値(単位:万円) | 中 央 値(単位:万円) | |
20代 | 165 | 71 |
30代 | 529 | 240 |
40代 | 694 | 365 |
50代 | 1194 | 600 |
(出典:https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2019/19bunruif001.html)
この表の貯蓄額は、現金や預金だけではなく、株や保険、個人年金などの資産も含んだ合計値です。例えば、20代の平均値は106万円とありますが、現預金+株等の合計という意味になるので、注意してください。
表からも分かるとおり、平均値と中央値では差が開いています。実態に近いのは中央値です。
平均値には飛び抜けて金融資産を持っている人が含まれているので、平均値が上がっています。
年代別貯蓄額:20代の傾向
20代の貯蓄額の中央値は、単身が5万円、二人以上世帯だと71万円です。単身で貯蓄額が5万円というのは驚くかと思いますが、学生や新社会人が含まれていれば、貯蓄額が少ないのも当然でしょう。
二人以上の世帯だと、20代前半であれば共働きでも収入が少ないため、貯蓄に回せる金額が少ないと考えられます。
平均値を見ると、単身でも二人以上世帯でも100万円を超えていますね。特に単身は、中央値と100万円近く差があいています。
幼いころから貯金の習慣がある人は、100万円はすぐに貯金できるでしょう。
年代別貯蓄額:30代の傾向
30代の貯蓄額の中央値は、単身が77万円、二人以上世帯だと240万円です。20代の単身と比較して30代でも、約10年間で70万円程貯めている人が多いですね。
会社員であれば、昇格等があって給料が上がればその分貯蓄に回せます。また、夫婦共働きであれば、夫婦片方の収入を回せば、早いペースで貯蓄を増やせるでしょう。
子どもが小さいときは、生活費や教育費があまりかからないので、将来に備えて貯蓄を増やす世帯が多いと考えられます。平均値を見ても20代から30代にかけて資産を急激に増やしている傾向が見られますね。
年代別貯蓄額:40代の傾向
40代の貯蓄額の中央値は、単身が50万円、二人以上世帯だと365万円です。単身のみ30代と比べて貯蓄額が減っています。会社員であれば、役職に就くと付き合いが多くなり、支出が増加すると考えられます。
二人以上世帯でも子どもが成長すれば、生活費も教育費もかかるようになります。また、住宅を購入している場合、住宅ローンの返済も同時にしながら貯金をするので、収入から貯蓄に回せる分が少なくなりますよね。
平均値を見ると単身であれば、教育費等については考えないために、順調に資産を増やしている人もいます。二人以上世帯だと、子どもの教育費など費用が多くなるため、中央値と同じくらいの増加率(約1.3倍)です。
年代別貯蓄額:50代の傾向
50代の貯蓄額の中央値は、単身が54万円、二人以上世帯だと600万円です。子どもが独立して教育費がかからなくなったり、住宅ローンの返済が完了したり、収入から貯蓄に回せる金額が増える時期でしょう。
単身は40代より4万円しか増えていない原因は不明です。推測ですが、50代になると昇給が無くなり収入の上昇が止まってしまうため、中央値が変わらないと考えられます。
平均値を見ると、単身で1,000万円近く貯蓄額がある人もいるので、貯蓄を安定して増やせるかが大切になりますね。二人以上世帯でも平均値を見ると、貯蓄額を老後に備えて増やしやすい時期とわかります。
【貯蓄が全くない】のはどの年代も3割いる
自分の年代の貯蓄額はどれくらいかわかりましたか。「意外に貯蓄額が少ない!」「みんな結構貯金しているんだな。」など様々な感想を持つでしょう。
しかしどの年代にも「貯蓄が全くない」状態の人が3割います。収入が多い・少ないに関係なく、何かに備えてお金を準備していないんですね。
借金やローンの返済がある場合は、先に借入を減らすことが優先ですが、同時に病気やケガなどの不測の事態に備えた資金は必要になるでしょう。
普段から貯金をする習慣が無いと、収入が多くても使い切ってしまう人がいます。毎月お金を使いきってしまう癖がある人は今からでも良いので、1,000円でもお金を貯めることから始めましょう。
貯蓄額が自分の年代より少ない…どうすればいい?
ここまで、各年代ごとの貯蓄額の平均値と中央値を紹介しました。「自分の年代はみんな意外と貯金している。自分は全然お金が貯まっていない…。」と感じた人もいるでしょう。
家族がいる人は、これから子どもの教育費や老後の資金を考えると、今のペースでは将来お金が不足する可能性が高いです。住宅があれば、貯蓄を増やしながら住宅ローンの返済も進める必要がありますよね。
現状を認識するとこれからの生活に焦りますが、まずは普段のお金の使い方を見直すことから始めましょう。教育費やローンの返済、老後に必要なお金を試算し、いくらあれば余裕持って生活ができるのか確認します。
毎月の支出で固定費から減らせるものはないか、浪費だと思うものは削り、貯蓄に回せる体制を作れば良いでしょう。次の記事では毎月の貯蓄を増やすための方法も紹介しているので、ご覧ください。
貯蓄は十分あるけど増えるか不安…どうすればいい?
「自分の年代よりかなり多く貯金できているけど、今後これでも大丈夫か不安。」今の世の中だと、いつ会社が倒産したり、収入が少なくなったりするかわからないですよね。
生活資金はあっても将来に必要な資金は早めに準備しておきたいです。貯蓄の余裕があれば、一部を資産運用に回すのも1つの方法です。現在日本は、物価やサービスの値段を上げるインフレ政策を進めています。
10年前と比べていろんなものが値上がりしていますよね。しかし、将来収入は増えるどころか減る、またはほとんど増えないでしょう。インフレに対応できる金融資産を持っておくことが重要になります。
現在はネットで証券会社の口座を簡単に開けて、100円から投資ができるところもあります。国債も立派な金融資産です。自分が必要な資金にあわせて金融商品を組み合わせていきましょう。
年代別の貯蓄額はどれくらいなの? まとめ
年代別の貯蓄額とその根拠を中心に紹介しました。筆者はお金を元々あまり使わないので、収入の多くを貯蓄に回していました。貯蓄があっても将来仕事や結婚で、どのようになるかわからないので不安は尽きないです。
この記事を読んでショックを受ける人もいるでしょう。しかし、資金が無いことに気づいてからすぐに始めた方が、後から後悔するよりは良いでしょう。
今後仕事が続くかわからない時代に、収入があるから大丈夫だと安心をせず、できる範囲から貯蓄を進めていくことをおすすめします。