この記事は、「借金が多すぎて個人再生の手続きをしたい。」「個人再生にはどのくらいの期間がかかるのか知りたい」という方向けに書かれています。
今回は個人再生にかかる期間について詳しく説明します。そもそも個人再生とは何かについてや個人再生に必要な書類についても説明します。
ぜひ、最後まで読んで個人再生を検討する際の参考にしてください。
個人再生とは
個人再生とは、収入や資産対比借金の額が大きすぎて返済が困難になってしまった時に利用できる方法です。
よく自己破産と勘違いされる方がいますが、自己破産の場合は基本的に全額返済が免除されます。個人再生の場合、返済額が減少しますが全額免除されるわけではありません。
これだけみると自己破産を選ぶ人の方が多いと思いますが、個人再生の最大のメリットは住宅を保有している場合に発揮されます。
自己破産の場合、住宅を残すことはできません。しかし、個人再生の場合、住宅を手放さなくても済むケースがあります。そのため、自宅を保有してる場合は、個人再生を選ぶ方も多いのです。
個人再生のメリットは2つ
この章では個人再生の2つのメリットについて解説していきます。個人再生の2つのメリットは、以下の2つです。
- 借金を最大5分の1まで減額できる
- 自宅を手放さなくてもいい
個人再生の場合、最大5分の1程度まで借金を減額させることができます。
住宅ローンがついている住宅を保有している場合、再生をしても引き続き住むことができます。
自己破産の場合は、資産をみなされるものはすべて手放すため、住宅を保有し続けることはできません。
住宅を持ち続けることができることは個人再生の大きなメリットといって良いでしょう。この住宅に関するメリットが大きいため自己破産ではなく個人再生を選び人も多いのです。
個人再生にかかる期間の平均は6カ月
個人再生にかかる期間は担当する裁判所によっても違いますが、一般的には6カ月くらいといわれています。
半年と聞くと、結構長い時間がかかると思った方が多いのではないでしょうか?しかもこの6か月というのはほぼ最短で申請が通った場合です。
書類に不備や再生計画書の内容が甘いとさらに長い時間がかかることになります。個人再生が確定するまでには長い時間がかかるということを知っておきましょう。
個人再生に必要な書類
個人再生に必要な代表的な書類は、以下のようなものになります。
- 再生計画案
- 住民票
- 通帳2年分
- 給料明細2か月分
- 源泉徴収票1年分
- 毎月の家計簿
- 賃貸借契約書
上記は一般的に必要な書類になりますが個人再生の状況によって必要なものは変わってきます。例えば骨とう品や貴金属を持っている場合、時価を出すために査定証明書が必要です。
必要な書類を早く用意しないとそれだけ個人再生の申請が遅くなってしまうので急いで用意するようにしましょう。
書類の中には役所に行かないと準備できないものがあります。急いで準備しつつ、正確な書類を用意することが大切です。
個人再生の確定までの期間が延びることがある
一般的には個人再生が確定されるまでに約6か月かかるといわれています。しかし、書類に不備がある場合や再生計画書の内容が甘い場合、1年程度かかってしまうこともあるようです。
自分で書類を作成するのが難しい場合、弁護士や司法書士などの専門家に相談することを検討した方がいいかもしれません。
必要な書類を用意し内容に誤りのない書類を作成することが個人再生を早く確定させることにつながるのです。
個人再生の返済期間は3年間【返済負担が楽になる】
個人再生が確定するとお金の返済は一般的には3年で行います。大幅に借金が減額され、さらに返済期間が3年と長いので返済の負担は大きく減るのです。
長い時間をかけて返済することができるメリットは大きいと思います。
個人再生をする方の中には長い期間の返済が嫌で早く返済をしたいと思っている方もいるかもしれませんが、返済期間を3年未満にすることはできませんので注意してください。
個人再生の返済期間の延長はできる
個人再生の返済期間を延長することができます。一般的な延長期間は2年です。たとえば、家族の状況や病気やけがで仕事できなくなった場合などに返済期間の延長をすることができます
5年程度に延長してくれる場合が多いですが、状況によってはさらに返済期間を長くしてくれるかもしれません。
返済期間は無理なく返済するため非常に重要なことです。計画的に返済することができるように返済期間については裁判所としっかり交渉するようにしましょう。
個人再生後、5~10年程度の期間はブラックリストに載る
個人再生の申し込みを行うと世間一般でいわれているブラックリストに載ることになります。ブラックリストとは正式にいうとそのようなリストが存在するわけではなく、個人信用機関に事故情報が載ることをいいます。
個人信用情報機関とは、個人ごとの過去のクレジットカードやローンの申し込みや利用状況についてのデータが集積されている機関です。
個人信用情報機関はほぼすべての銀行や消費者全融・クレジットカード会社が登録しているので個人信用情報機関に照会をかけることによって個人個人の信用度がわかるのです。
個人再生をすると個人再生をした記録が信用情報機関に載ります。この記録は信用情報機関によっても異なりますが5年から10年間は消えないことが一般的です。
個人再生後5年以上の期間にできないこと
個人再生をすると5年間はできないことが主に2つあります。個人再生を行うと5年間以上できなくなることはローンの借入とクレジットカードの作成です。
なぜローンの利用やクレジットカードの作成ができなくなるかというと個人信用情報機関に個人再生の記録が最低5年間は消えないからです。
またクレジットカードやローンを組めないだけでなく、現在利用しているクレジットカードなどが強制解約になってしまう可能性もあります。
このように個人再生になるとローンの利用やクレジットカードの利用ができないデメリットがあるのです。
まとめ
今回は、個人再生の期間について説明しました。 個人再生を行うメリットは主に2つです。
- 住宅を残すことができること
- 借金が大幅に減額になること
個人再生を行って人生のやり直しをしたいと思っている方も多いでしょう。もちろん個人再生を行うことは悪いことではありません。
しかし個人再生を行うことによって個人再生をしたあと5年以上ローンの利用やクレジットカードの作成ができないデメリットがあることも事実です。
今回は個人再生の期間にフォーカスして説明しました。この記事で個人再生にまつわるさまざまな期間についての理解が深まれば幸いです。