あなたは借金と負債の違いについて理解できていますか?この記事を読んでいるということは、おそらく理解していないということですよね。
この記事では、借金と負債の違いやそれぞれの用語について詳しく解説していきます。
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借金と負債の違い【借金とは】
借金とは法的に「金銭消費貸借契約(きんせんしょうひたいしゃくけいやく)」を交わし、お金を借りることを指します。消費貸借についての説明は以下の通りです。
消費貸借は、当事者の一方が種類、品質及び数量の同じ物をもって返還をすることを約して相手方から金銭その他の物を受け取ることによって、その効力を生ずる。
出典:民法第587条
簡単にいうと、ものやお金を借りると返す義務が発生するということです。
金銭消費者貸借とは、消費貸借契約のうちで目的物が金銭である場合を指します。
借金と負債の違い【借金の種類】
借金は様々な方法でできますが、お金を貸してくれるところを大きく分けると、「政府」と「民間」となります。民間はさらに「銀行」と「銀行以外」に分類することができます。
政府からの借金
政府系金融機関にお金を借りることは、政府からの借金にあたります。政府会金融機関は日本政策金融公庫、住宅金融支援機構、日本学生支援機構があります。
政府からの借金は民間からの借金よりも低金利ですが、融資に時間がかかります。
銀行からの借金
銀行からの借金は、住宅・自動車・教育ローン、銀行系カードローンなどがあります。金利は政府からの借金よりも高くなってしまいます。
銀行以外からの借金
銀行以外で融資を行っているところは信販会社、クレジットカード会社、消費者金融などがあります。
これらの借金は政府や銀行よりも金利が高くなってしまいますが、融資までの期間は最も短いです。
借金と負債の違い【負債とは】
負債とは、企業会計用語で、将来的に、他の経済主体に対して、金銭などの経済資源を引き渡す義務のこと。
出典:wikipedia
負債とは企業が第三者に支払う義務のことをいいます。分かりやすく言うと、会社のマイナスの財産のことです。
負債と消費貸借の違いは個人であるか企業であるかということです。
負債の種類
負債には流動負債、固定負債、有利子負債、無利子負債があります。それぞれの負債について見ていきましょう。
借金と負債の違い【流動負債】
流動負債とは短期間(1年以内)のうちに返済期限がくる負債のことを指します。流動負債には以下のようなものがあります。
- 支払手形
- 未払金
- 買掛金(かいかけきん)
- 前売金
- 預り金
- 仮受金
以下でこれらの説明を行いますが、複雑なので読み飛ばしてしまっても大丈夫です。
支払手形
支払手形は商品を購入した際の代金を手形で支払った分を言います。
未払い金
未払い金とは商品を購入して、その後日に支払うお金のことを指します。
買掛金(かいかけきん)
買掛金とは会社の営業取引上により商品を購入し、その後日に支払うお金のことです。
未払い金との違いは営業取引によって料金が発生したのかどうかです。
前売金
前売金とは商品売買などを行った際に、商品代金を前もって受け取った場合のお金を指します。
預り金
預り金とは他社から預かっているお金のことです。預り金は従業員の給与天引き(源泉徴収した所得税)などがあります。
仮受金
借受金とは内容や金額がはっきりしないうちに受け取ったお金のことです。
借金と負債の違い【固定負債】
固定負債とは、返済期間が1年を超える負債のことを指します。流動負債と固定負債の違いは返済期限が1年以内であるか、1年以上あるかです。固定負債には以下のようなものがあります。
- 社債(しゃさい)
- 退職給付引当金(たいしょくきゅうふひあてきん)
社債
社債とは投資家から資金を募る際に発行する有価証券のことです。企業は有価証券を発行することにより資金を調達することができます。
退職給付引当金
退職給付引当金とは将来の退職金支給に備えて計上するお金のことです。
借金と負債の違い【有利子負債】
有利子負債とは利息を支払う義務がある負債のことです。以下が有利子負債の例です。
- 借入金
- 社債
- CB(転換社債)
- CP(コマーシャル・ペーパー)
以下でこれらの説明をしますが、複雑なので読み飛ばしてもよいです。
借入金
借入金とは金銭の借入れをすることによる債務のことを指します。
CB(転換社債)
CBはConvertible Bondの略称で、正式には「転換社債型新株予約権付社債(てんかんしゃさいがたしんかぶよやくけんつきしゃさい)」と規定されています。
CBは株式や債券と同じように、企業が資金を調達する手段の1つです。CBは、一定の条件で株式に転換できる権利(株式転換権)があります。
CP(コマーシャルペーパー)
CPとは、企業が短期で資金調達するための無担保の約束手形のことです。
発行した企業が倒産すると、CPは価値を失ってしまいます。そのため、発行できるのは信用のある優良企業に限ります。
借金と負債の違い【無利子負債】
無利子負債とは利息の支払い義務のない負債のことです。以下が無利子負債の例です。
- 支払手形
- 買掛金
- 未払金
- 預り金
- 前受金
これらの用語の説明は流動負債の説明を行った際にしたので、ここでは省略します。
もう1度これらの用語を確認したいのであれば、戻って確認していただけると幸いです。
よくわからなくても問題はないので、特に興味がない方は再度確認しなくても大丈夫です。
借金と負債の違い【負債の対義語】
借金と負債は似たような意味を持つ類似語だと理解できましたね。ちなみに、あなたは負債の対義語を知っていますか?
負債の対義語は「資産」です。資産とは企業が所有する財産のことで、以下の3種類に分類できます。
- 固定資産
- 流動資産
- 繰延資産(くりのべしさん)
固定資産
固定資産とは、1年以上にわたって利用する目的で保有する資産のことを指します。
流動資産
流動資産とは1年以内に現金化、費用かができる資産のことを指します。
繰延資産(くりのべしさん)
繰延資産とは本来は費用に分類されるものが、その効果が将来にわたって期待できることから資産と認められているものです。
貸借対照表(バランスシート)
ここまでで学んできた「負債」、「資産」を使用して、貸借対照表(バランスシート)を作ることができます。
貸借対照表とは、決算日時点においてその会社に帰属する資産とその会社が負っている負債、そしてその差額としての純資産を一覧表示した報告書のことです。
総資産から負債を引いたものは純資産です。(総資産ー負債=純資産)
総資産は調達したすべての資金、純資産は返済の必要がない資金を指します。これを貸借対照表(バランスシート)を用いて表すと以下のようになります。
総資産 | 負債 |
純資産 |
借金、負債の違いについてのまとめ
借金と負債の違いやそれぞれの用語について理解できましたか?簡単にまとめると、借金とはお金を借りることであり、負債とは会社のマイナスの財産です。
また、総資産から負債を引いたものを純資産としてあらわすことができ、これを貸借対照表といいます。
複雑で難しい部分もあるので、すべてを完璧に理解する必要はないですが、大まかな違いは説明できるようになっておけば、といざという時に役に立つかもしれませんね。
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