「失業してしまいお金がない」そんな事態になったら大変です。当面の生活費はどうしたらいいのか?不安ばかりが募りますよね。
「なんとか、生活費をもらえる方法はないか?」そう思っているならこの記事を読んでみてください。実は、ハロワークで利用できる制度を活用すればお金をもらうことができます。
そこでこの記事では、再就職するまでの生活費を支援してくれるハローワークの制度を紹介していきます。
また、どうしても生活費が確保できないときに利用すべき公的支援制度や、税金の減免制度についてもあわせてご紹介します。生活費が底をつきそうだ!と不安を抱えているなら是非参考にしてみてください。
失業後にハローワークでもらえる給付金の種類は?
失業してしまい、生活費に不安がある方は以下の3つの制度を使ってみましょう。
- 失業保険
- 生活福祉資金貸付位制度
- 住居確保給付金
この3つはハローワークと、福祉協議会で受けられる制度です。ハローワークは職探しだけでなく、再就職までの間にお金をもらえる制度があります。少し難しく、面倒と感じるかもしれませんが是非活用してみましょう。
次の章からは、それぞれの制度の詳細や具体的な申請方法を1つずつ丁寧に紹介していきます。
失業時に使える制度①失業保険(ハローワーク)
失業保険は、再就職先を探しているが見つからない人に現金を給付する制度です。給付の条件は以下のとおりです。
- 雇用保険に加入している
- 離職前の2年間に11日以上出勤している月が12回以上あること
給付される金額は、おもに離職前6ケ月分の給料と離職時の年齢で決まってきます。失業手当の給付金額は、退職前の給料(額面収入)の45%~80%程度です。
雇用保険は失業した人がすべてもらえるわけではありません。先に紹介した給付条件を満たしていて、なおかつハローワークで求職活動をしている人に限り受け取ることができる制度です。
失業保険を受け取るまでの流れ
まずは退職してからハローワークで失業保険を給付されるまでの流れを紹介していきます。
- 離職票を受け取る
- ハローワークに離職票を提出し求職申請をする。(失業保険受給資格の決定)
- 待機期間(7日間)
- 雇用保険受給者説明会
- 失業認定日の決定
- 基本手当の入金
申請を受けてから、支給されるまでいくつか段階がありすぐに受け取ることはできません。また、説明会に出たり何度がハローワークに足を運ぶ必要があります。
ハローワークに求職申請をするときに必要な持ち物もご紹介しておきます。必要なものをそろえていかないと二度手間になりますので注意してください。
- 本人確認書類
- マイナンバーがわかる書類(通知カード、住民票)
- 印鑑
- 預金通帳
- 写真2枚(縦3cm×横2.5cm)
- 雇用保険被保険者離職票
※雇用保険被保険者離職票は、退職後10日以内に前の勤め先から送られてきます。離職票がない人は失業保険の申請ができないのでハローワークに行く際には必ず持参しましょう。
失業保険はいつから受け取ることができるか
失業保険を受け取るのは、退職時の理由によって違いがでてきます。
自己都合の場合
自分の都合で会社を退職した場合は、失業保険は待機期間の7日と3か月後に受け取ることができます。
ただし自己都合で退職してもやむを得ない事情であった場合は、「特定理由離職者」として3か月間の給付制限が解除される場合もあります。
会社都合で失業した場合
会社の都合で退職した場合は、失業保険をもらえるのは待機期間後(7日後)です。会社都合で退職した人は「特定受給資格者」となり、失業保険が給付されるまでの3か月はかかりません。
- 会社都合退職者:会社の倒産、解雇、パワハラやいじめ、劣悪な労働環境など
- 特定理由退職者:病気、怪我、妊娠・出産、介護など
- 就職困難者:心身の障害など
失業時に使える制度②生活福祉資金貸付制度(ハローワーク)
失業保険も、再就職手当もすぐに受け取ることができないことは理解できたと思います。しかし、失業して生活費の不安があるのに3か月も先までまてない!というのが率直な気持ちですよね。
この記事では、生活福祉資金貸付制度という低所得者を対象に国がお金を貸す制度について説明していきます。
残念ながら、ハローワークにお金を貸す制度はありません。しかし、ハローワークで求職申込と職業相談をすることで、「社会福祉協議会の生活福祉資金貸付制度」が利用できます。
金利は「連帯保証人ありの場合は無利子」で、「連帯保証人なしの場合は1.5%」です。生活福祉資金貸付制度には、おもに以下の3つの種類があり、その種類によって借り入れできる金額がことなってきます。
生活支援費
生活支援費は生活再建までの間の、必要な生活費用を貸し付けてくれます。借入金額は単身の場合、最高15万円、世帯ですと最高20万円となっています。
住宅入居費
住宅入居費は敷金、礼金など住宅の賃貸契約を結ぶために必要な費用を貸し付けてくれます。借り入れできる金額は40万円以内です。
一時生活再建費
一時生活再建費は、通常の生活費では生活を再建することが出来ない時に費用を貸し付けてくれるものです。
例えば、再就職のために資格や技能を取得するための費用や、滞納している公共料金、債務整理をするための費用などが対象となります。借り入れできる金額は最高で60万円です。
生活福祉資金貸付制度を利用できる人は、現在、お金がなくて本当に明日をも生きられないような人たちです。申込条件や審査は非常に厳しく、そう簡単には審査がおりないようです。
生活福祉資金貸付制度が利用できるのは、生活が破綻寸前でどうにもならず、なおかつ将来的にはお金を返すあてがある人のみでなので、失業後再就職先がまだ決まっていない人には厳しいと言えるでしょう。
失業時に使える制度③住居確保給付金(福祉協議会)
失業して家賃を支払うお金がないなら、住んでいる地域の福祉協議会で住居確保給付金を申請しましょう。住居確保給付金を申請すると、家賃相当額を受給できます。
住んでいる地域によって家賃の相場が違うので、各都道府県・市区町村によって、住居確保給付金の支給金額が異なります。
住宅確保給付金の実例をご紹介します。東京都新宿区だと最大53,700円の支給がうけられます。北海道札幌市では最大36,000円です。
つまり、家賃が高い地域ほど、住居確保給付金の支給金額の上限が高くなるということです。
住宅確保給付金を受給するには、いくつかの支給条件を満たさなければなりません。
- 世帯主である
- 申請日において65歳未満である
- 申請日において離職から2年以内である
- ハローワークで求職登録をしている
- 住居確保給付金に類似する給付金の支給を受けていない
- 世帯収入や金融資産の合計金額が一定額以下である
住居確保給付金の支給期間は原則3か月間となっていますが、就職活動を行っているのになかなか再就職できていない場合は、最長9か月間支給されます。
もしも、住居確保給付金について知りたいなら、住んでいる地域の福祉協議会に相談してみてください。
失業して、生活費に余裕がないのに意外と高額な支払にを迫られるのが税金や、国民年金保険料などです。次からは、意外に高くつく税金などの免除の申請方法についてご紹介していきます。
失業後の生活費を確保するため税金の減免制度の申請をする
もしも、あなたが失業して生活費の確保が厳しいなら、税金の減免制度の利用を検討してみてください。税金の減免措置を受ければ、再就職するまでの税金の負担を抑えることができるからです。
税金の減免措置を受けるには、退職後に雇用保険被保険者離職票を受け取ってから、住んでいる地域の市区役所の担当窓口に相談してみてください。
- 国民年金保険料の免除・納付猶予制度
- 国民健康保険料の減免制度
- 住民税の減免制度
次の章からは、国民年金保険料と国民健康保険料、住民税の減免制度について説明していきます。
失業後の生活費を確保するための制度①国民年金保険の免除申請
失業して生活費を確保するのが厳しいならまずは、国民年金担当窓口に相談しましょう。窓口で「失業等による特例免除」を申請すれば、失業期間中の国民年金保険料が全額免除されます。
もし、特例免除の手続きせず年金を支払わずに「未納」でいる時に、事故や病気で障害者になってしまったり、死亡してしまうと、障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取れないこともあるので注意しましょう。
- 年金手帳
- 印鑑
- 雇用保険被保険者離職票のコピー
- 国民年金保険料の免除・納付猶予の申請書
国民年金保険料の免除・納付猶予の申請書類は、日本年金機構の「国民年金保険料に関する手続き」からダウンロードしましょう。
失業後の生活費を確保するための制度②国民健康保険の減免制度
もしも、あなたが会社都合退職者や特定理由退職者なら、国民健康保険担当窓口に相談してみましょう。「国民健康保険料の減免制度」を申請すれば、国民健康保険料の減額または免除措置を受けることができます。
正当な理由があり、非自発的に失業した場合、国民健康保険料の負担が2割~最大7割軽減されます。
軽減される割合は退職者の前年度の給与所得によって異なり、前年度の所得が少ない人ほど高い割合で軽減されます。
特定理由退職者と認められる正当な退職理由の一例は以下の通りです。
- 心身の障害、疾病、負傷など
- 妊娠、出産、育児
- 父母の死亡、疾病、負傷など
- 結婚による住所変更
- 保育所施設利用のための住所変更
- 公共交通機関の廃止または運行時間の変更
- 雇用保険受給資格者証
- 国民健康保険証
- マイナンバーがわかる書類
※雇用保険受給資格者証は、失業保険の手続きの際、ハローワークで発行されます。
生活費に困ったら親の扶養に入り国民健康保険料を払わずに済む
正当な理由なく自己都合で失業した人は、親の扶養に入ることで国民健康保険料を支払わずに済みます。親が社会保険に加入しているなら「被扶養者」として社会保険に無料で加入できます。
親子なら、同居していなくても「被扶養者」として扱われので、失業して生活が厳しいなら思い切って、親に相談してみましょう。
※親の扶養に入って社会保険に加入するなら、日本年金機構「健康保険(協会けんぽ)の扶養にするときの手続き」を確認してみてください。
失業後の生活費を確保するため制度③住民税の減免制度
失業して生活費を確保するのが厳しいなら、住民税担当窓口で相談しましょう。住民税の減免制度を利用すれば、住民税の減額や免除といった措置を受けることができるからです。
住民税は住んでいる地域によって金額が異なります。減額・免除を受けられる基準も市区町村によって異なるので、まずはあなたが住んでいる住民税担当窓口に確認してください。
住民税の減免制度は、自己都合退職者でも住民税の分割払いや支払猶予が適用されます。担当窓口では、生活状況に応じた支払額や支払方法を計画してくれるので、住民税を滞納する前に相談に行きましょう。
失業して生活費に困ったら利用すべき制度 まとめ
失業してしまい、生活が苦しい時に生活費を確保するため、ハローワークで受けられ給付金や支援などをご紹介してきました。失業したら、まずはハローワークに行って相談してみてください。
- 失業保険(ハローワーク)
- 生活福祉資金貸付位制度(ハローワーク)
- 住居確保給付金(福祉協議会)
また、意外にも失業後に大きな負担になるのは税金です。少しでも税金の支払いを少なくしたいなら、相談窓口に出向き申請するのがいいでしょう。
- 国民年金保険料の免除・納付猶予制度
- 国民健康保険料の減免制度
- 住民税の減免制度
手続きは少し面倒かもしれませんが、自分の生活を守るために足を運んで給付金を受けて再出発を目指しましょう。