金銭債務における『金利と利息』のルールと仕組みを徹底解剖

借金をすると必ずついてくるのが利息です。金利年〇〇%~とか見ていると計算するのが面倒になって頭が痛くなってしまいますよね。

そんな面倒ごとを逆手にとって、違法な金利でお金を貸す賃金業者も世の中にはいるものです。この記事では、金利を正しく理解するために、金利の2つ種類や法律で決められた金利の上限を解説しています。

また、こんなものも利息に含まれるの!?という事例も紹介しているので、これからお金を借りる人は、この記事を読むことで賃金業者の金利の仕組みを理解するのに役立てることができるでしょう。

すでに借金をしてしまっている人に向け過払い金についての解説もしているので、自分の借金の返済が過払いになっていないか見直してみてください。

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1816509?title=%E9%A0%90%E9%87%91

金銭債務の金利には2つの種類がある

金銭債務とは、主に借金のことをいいます。そして、借金をすると必ずついてくるのが利息ですね。「利息は借りた金額に対して年〇〇%です。」というのを目にしたことはありませんか?

この利息の金額をだすための「年〇〇%」のことを「利率」または「金利」と呼びます。そして、金利を元に計算してでた金額が「利息」となります。

金利と利息は密接に関係していますが、言葉の意味は違うので注意しましょう。さて、金銭債務の金利には2つの種類があるのはご存知でしょうか?

一つは「約定利率」と呼ばれるもの、もう一つは「法定利率」と呼ばれるものです。この2つは具体的にどのようなものなのか、次の項目から解説していきます。

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金銭債務の金利はほとんどが約定利率と呼ばれるもの

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/729034?title=%E5%A5%91%E7%B4%84%E6%9B%B8

個人がお金を借りる時、ほとんどがカードローンなどの賃金業者であったり、銀行といった金融機関だったりするでしょう。

賃金業者や金融機関は、お金の借り手と貸し手の当事者間で「このくらいの金利で利息を支払いますよ」と取り決めをする「約定利率」というもので契約をしてお金を借ります。

つまり、個人でお金を借りる場合、ほとんどが約定利率ということになります。貸し手側が決めた金利で借り手が「いいですよ、契約しましょう」と合意した後、その金利をもとに利息の金額が決まるわけです。

とはいえ、金利があまりにも高いと、利息が大きくなりすぎて借り手が返済できなくなってしまいます。なので、法律で「金利はここまでを上限とします」というように制限をかけたのです。

金銭債務の利息に関係する金利には制限がある

前の項目では、法律で「金利はここまでを上限とする」と解説しましたが、実際に金利の上限はどれくらいなのでしょう?

金利の上限
  • 借りたお金が10万円未満・・・年20%まで
  • 借りたお金が100万円未満・・・年18%まで
  • 借りたお金が100万円以上・・・年15%まで

このように、借りたお金に対する金利の上限を定めた法律の事を「利息制限法」といいます。ちなみに、賃金業者からお金を借りる場合は上記に近い金利で契約することになるでしょう。

なぜかといえば、お金を貸す側も商売です。法律で「この金利まで認めます」としているのですから、利益の大きい上限いっぱいの金利で契約したいのは当然のことですよね。

上記の制限を超える金利でお金を貸している場合は違法となるので、そのような賃金業者からは絶対にお金を借りないようにしましょう!

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手数料や保証料などはすべて利息になる

賃金業者の中には、借金の返済に手数料や保証料など請求する場合があります。手数料や保証料などは利息とは別に請求されてそうな感じですが、実は手数料や保証料なども利息の一つとして請求されているのです。

利息は借りたお金に対して金利を掛け算したものだけでなく、手数料や保証料など借りたお金以外に請求するものすべてが利息としてみなされます。

このような、手数料や調査料など利息としてみなされるものを「みなし利息」といいます。

豆知識

カードローンでよく「実質年率」という言葉を目にしたことはないでしょうか?「実質年率」は、金利に手数料や保証料などがプラスされたものです。

金利が低い!ラッキー♪と思っても、細かい手数料などの名目(みなし利息)が積み重なって利息制限法で定めた上限に近い金利になっているかもしれません。金利を低く見せるためのテクニックですね!

お金を借りる際は金利だけでなく、手数料などのみなし利息を含めた全体の利息を確認するようにしましょう!

借金をちゃんと返さないと金利が大きくなる

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2402674?title=%E9%87%91%E5%88%A9%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8

できることなら借金は毎月ちゃんと返済したいものです。ですが、なんらかの事情により借金の返済が遅れてしまうこともあるでしょう。その場合、遅延損害金というものが発生します。

遅延損害金は借金の支払いができないことに対するペナルティですね。遅延損害金の金利の上限は、賃金業者の場合は最大で年20%の金利となります。借りた金額によっては通常の金利よりも高くなってしまいますね。

遅延損害金は通常の利息とは別に支払うものです。借りたお金を元に計算されるのではなく、残りの借金の金額を元に計算されます。

遅延損害金の計算方法
  • 借金の残高✕遅延損害金の金利✕支払いの遅れた日数/365日
  • 借金の残高が100万円、遅延損害金の金利は年20%、支払の遅れた日数は10日の場合
  • 100万円✕0.2(20%)✕10/365日=5479.452…
  • 遅延損害金は5479円

賃金業者の場合、ほとんどが遅延損害金の金利は20%に近い数字です。通常の利息の他に、年20%の遅延損害金はとても大きいです。借金の支払いは遅れないようにしたいですね。

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金銭債務の金利の一つ、法定利率とは?

ここからは、もう一つの金利である「法定利率」について解説していきます。そもそも、法定利率とはなんなの?と疑問に思うでしょう。

法定利率は、裁判など法で決められた時に発生する支払額に対しての金利です。普段生活する中では関わらない場合が多いのではないでしょうか。

法定利率が適用される具体的な事例として、後述する過払い金の返還や、交通事故の損害賠償の支払いが遅れた際の罰則金が、法定利率を元に利息が計算されます。

現在の法定利率は通常年5%となっていて、営業上の借金や賃金業者から借りるなどの商売上の取引の場合には年6%となります。

金銭債務の一つ、過払い金の返還の金利は5%?6%?

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/2168378?title=%E9%81%8E%E6%89%95%E3%81%84%E9%87%91%E3%81%AE%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8

前の項目で解説しましたが、過払い金の返還にも利息はついてきます。この場合、利息制限法を守らない悪徳業者が消費者にお金を返還するので、悪徳業者が消費者に支払う利息ですね。

過払い金は法定利率で利息が計算されますが、法定利率には『通常の年5%』『商売上の取引の年6%』の2種類があったのでしたね。過払い金の法定利率はどちらなのでしょう?

過払い金の法定利率は年5%です。過払い金は賃金業者からの借金で発生するため、商売上の取引である年6%じゃないの?と思うかもしれません。

消費者側からすれば、法外な金利で利息を支払わされた被害者という気持ちがあって年6%にしてほしいですが、残念ながら最高裁判所の判例で年5%となったのです。以下に実際の判例を紹介します。

商法514条の適用又は類推適用されるべき債権は,商行為によって生じたもの又はこれに準ずるものでなければならないところ,上記過払金についての不当利得返還請求権は,高利を制限して借主を保護する目的で設けられた利息制限法の規定によって発生する債権であって,営利性を考慮すべき債権ではないので,商行為によって生じたもの又はこれに準ずるものと解することはできないからである。

引用:http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/124/034124_hanrei.pdf

解説

過払い金の問題は「利息制限法を違反したか?」に焦点をあてた問題なので、「営利性であるか?」は過払い金の問題を取り上げるうえでは焦点になりません。したがって、商売上の取引と認めることができないのです。

2020年に法定利率が変わる

2020年4月1日から改正された民法が施行されます。施行にあたり、法定利率も変わることになりました。以下に、現行の法定利率と、改正後の法定利率をまとめます。

現行の法定利率
  • 通常・・・年5%
  • 商売上の取引・・・年6%
改正後の法定利率
  • すべて年3%に統一

改正されることにより、法定利率が低くなったのがわかりますね。そして、商売上の取引であってもすべて年3%に統一されました。

さらに、年3%の金利は3年ごとに見直され、世の中の金利に変動があった時は1%金利が上下します。(法定利率は必ず整数になります)

参考:法務省HP http://www.moj.go.jp/content/001255624.pdf

金銭債務の一つ、過払い金の金利と返還の仕組み

過払い金の返還とは、違法な金利でお金を借りた人が、払い過ぎた利息を返してもらうことです。でも、上記の説明だと払い過ぎた利息分が、全額現金で自分の手元に返ってくるようなイメージを受けてしまいます。

筆者も過払い金の返還に対して同様のイメージをしていました。ここでは、誤解しがちな過払い金の返還について例を用いて解説していきます。

過払い金の返還の例

100万円を金利年50%で借りたとしましょう。一年間で借金50万円と利息分50万円返済すれば、残りは借金の50万円になります。ですが、利息制限法では、100万円以上の場合は年15%が上限です。

なので、本来の利息分は15万円になります。35万円も多く利息を支払っていたことになりますね。ではこの35万円はどうなるのか?残りの借金の50万円に返済にあてられ、借金の残高が15万円となります。

では、上記と同じ条件で借金を80万円返済していた場合はどうなるのでしょう?借金の残りは20万円になります。多く支払っていた利息分は35万円なので、残りの20万円を完済できますね。

しかも15万円も余ります。この余った15万円が過払い金として返還されるのです。過払い金の法定利率は年5%なので、一年で過払い金が戻ってくるとしたら、利息込みで157,500円が戻ってきます。

まとめ

利息を計算するための金利。余程のことがない限りは、貸し手が決めた金利に対し借り手が合意をして契約する「約定利率」になります。

ですが、当事者間の合意の上とはいえ、法律で決められた金利の上限を超えてしまうのは違法となります。そのような賃金業者から借りるのは絶対にやめましょう。

過去に違法な金利でお金を借りてしまった場合にも、過払い金の返還という手段があります。過払い金で返還されるお金にも、現在は金利が年5%の利息付きで戻ってきます。

やむをえず借金をする場合もあるでしょう。借金の返済が遅れると通常の利息の他に金利が年20%のペナルティを支払わなければいけません。借金をするときは、無理のない返済計画を立てるようにしましょう。