今回はクレジットカード・デビットカード・プリペイドカードの違いと、それぞれを使用するメリット・デメリットを取り上げました。
家計管理の本や記事でよく見かける3種類のカードですが、具体的にどこが違うのかわかりにくいですよね。この記事では3種類のカードの違いを、主に3つの観点に分けて解説します。
どのカードもメリット、デメリットがあるので、「自分はどのカードを使うのがいいんだろう?」と悩んでいる人は、この記事を参考にカードの発行を考えてください。
(トップ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/287776?title=%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%89)
クレジット、デビット、プリペイド…何が違うの?
「クレジット、デビット、プリペイドのそれぞれの違いは何?」と聞かれると、答えるのは難しいですよね。「何となく違いはわかるけど…。」と思う人が多いでしょう。
クレジット、デビット、プリペイドカードの違いは主に次の3つに分けられます。
- 支払い方法:先に支払うのか、後に支払うのか、引落なのか
- 入会審査の有無:審査なしでカードを作れるのか
- カードを作る特典:ポイントが貯まるなど、使うとメリットがあるのか
それぞれのカードの違いを上記の3つの観点から解説します。これらの観点を踏まえて各カードの特徴を押さえていきましょう。
カタカナが並んでややこしいですが、違いは主に1と2になります。この違いを押さえれば、どれが自分に向いているかわかりますよ。
クレジットカードの特徴
現在クレジット、デビット、プリペイドの中で、日本で一番普及しているのは、クレジットカードでしょう。会社で働くようになると、クレジットカードを作れるので、複数持っている人も多いです。
- 支払い方法:後払い、決められた日に銀行口座から引き落とし
- 入会審査の有無:審査あり、18歳以上から作成可能
- カードを作る特典:ポイントやマイル、海外旅行の保険付きなど
クレジットカードの特徴は、「後払い」「入会審査があること」ですよね。基本的に使った翌月に支払いをするので、後払いになりますが、支払い方法も複数あるのでお金の状況に応じて使い分けられます。
クレジットカード会社は、カードを発行する前に本人に支払い能力があるか審査をします。借金をしたことが無い、または何かの支払いで遅れたことが無い人であれば、問題なくカードを作れるでしょう。
クレジットカードを使うメリット
クレジットカードを使うメリットは、主に次の3つです。カードを作る時は、カードの特典を比べて選ぶことが多いですよね。
- ある程度大きい金額の買い物ができ、支払い方法を選択できる
- ポイントやマイルなどカードの特典が多い
- 毎月の返済ができていると、信用度が上がる
クレジットカードは、手元にお金が無くても後で支払いをするので、家電や家具など高額な商品の購入ができます。使いすぎで翌月に返済が難しい場合は、分割払いなど支払い方法を選択できるのも便利ですね。
また、クレジットカードの毎月の支払いが遅れていなければ、個人の返済能力があると見られて、信用度が上がります。
信用度が高いと、自動車ローンや住宅ローンを組むときに審査が早く進み、ローンを良い条件で組める可能性があります。
クレジットカードを使うデメリット
クレジットカードを使用するデメリットは次の2つです。カードを使いすぎて返済できずに困る人が多いですよね。
- ある程度安定した収入があり、18歳以上でないと作ることができない
- 高額な買い物をした後、リボ払いや分割払いにすると利息や手数料が上乗せされる
クレジットカードは、カードを発行する時に必ず審査があります。安定した収入があるのか、過去に借金をして返済が遅れていないか、など確認されます。
審査で収入が不安定、借金の返済が遅れているなどの問題が発覚すると、発行に通常より時間がかかったり、最悪の場合発行できない場合もあるので注意しましょう。
クレジットカードは、お金が少なくても買い物できるので便利です。しかし、支払いの時にお金が無いからと分割払いやリボ払いにすると、買った商品の金額に利息や手数料が加わり、無駄なお金を払うことになります。
デビットカードの特徴
デビットカードは、クレジットカードとプリペイドカードの中間と言われます。
事前にカードにチャージは不要ですが、銀行口座の残高が無いと使えないという点で、クレジットカードとプリペイドカードの一部を組み合わせた機能を持っています。
- 支払い方法:支払いと同時に銀行口座から決済
- 入会審査の有無:原則無し(銀行口座を持っていることが条件)
- カードを作る特典:一定条件を満たすと年会費やATM手数料が無料
デビットカードの特徴は「銀行口座を持っていればカードを作れること」ですね。ただし、普段使っている銀行がデビットカードの発行をしていない場合、カードを作れないので事前に確認しましょう。
年齢制限はありますが、15歳からカードを発行できる銀行が多いです。クレジットカードと比較すると特典は少ないですが、年会費やATM手数料が無料になるなど、銀行をよく利用する人にはメリットがあります。
デビットカードを使うメリット
デビットカードを使用するメリットは次の3つです。銀行口座があればすぐに作れるので、クレジットカードの審査で不安にならずに済みますね。
- 入会審査が不要
- 口座の残高範囲内で使えるので使いすぎを防げる
- クレジットカードが作れない人も発行可能
事情があってクレジットカードが作れない人でも、デビットカードは審査が不要のため簡単に発行できます。
デビットカードを利用したら、すぐに銀行口座から引き落としされます。銀行のアプリを利用すれば、口座残高をチェックできるので、家計管理にも使えます。
そのため、クレジットカードの支払いでよくある、引落日に銀行残高が足りないことも事前に防ぐことができますね。
デビットカードを使うデメリット
デビットカードを使用するデメリットは次の3つです。日本ではクレジットカードは広く知られていますが、デビットカードの認知度は低いようで、クレジットカードより使えない場所が多いですね。
- 銀行残高が無いと使えず、支払いは1回払いのみ
- 日本・海外で使えない店舗がある
- クレジットカードより特典が少ない
デビットカードは先ほど説明した通り、支払いをしたらすぐに銀行口座から引き落としされます。残高が無ければ支払いはできないですし、クレジットカードの分割支払やリボ払いなど支払い方法を選択できません。
デビットカードはクレジットカードより使える場所が少なく、お店で使おうとしたら断られる可能性が高いです。また、デビットカードが多く使われている海外でも、日本のデビットカードが使えないことがあります。
また、クレジットカードはポイントやマイルが貯められたり、海外旅行保険がついていたり様々なサービスがついていますが、デビットカードはこのようなサービスがついていません。
プリペイドカードの特徴
プリペイドカードの特徴ですが、先に「プリペイド」の意味を確認しておきましょう。英語で「pre-paid」と書き、「pre=前に、事前に」と「paid=払った」を組み合わせた言葉です。
そのため、プリペイドカードを使う時は、先に支払いをしたりチャージすることが必要になります。
- 支払い方法:先に現金で支払う、またはチャージする
- 入会審査の有無:原則無し
- カードを作る特典:ポイントがつくカードあり
プリペイドは、Amazonギフト券やappleカード、Suicaや図書カードなど様々なカードが出回っています。このカードの特徴は「先にお金を準備しないと使えないこと」です。
例えば、本屋で使える図書カードは、カードの残高がなくなるまで同じカードを使えますが、残高が0になったら使えなくなりますよね。
SuicaやPASMOなど、交通系のICカードは残高が0になってもチャージをすれば使えるようになります。また、交通系プリペイドカードを使うとポイントがつくなど、カードの特典もそれぞれ異なります。
プリペイドカードを使うメリット
プリペイドカードを使用するメリットは、次の3つです。カード発行に時間がかからずに使えることが1番のメリットでしょう。
- 入会審査不要ですぐに使える
- 年齢制限がない(一部年齢確認があるカードあり)
- 決まった範囲で使えるので使いすぎを防げる
プリペイドは入会審査がなく、すぐに使えるものが多いので、審査に数日かかったり、発行に1週間程待ったりする必要はありません。
また、Amazonギフト券やiTunesカードはコンビニに行けば誰でも買えますし、SuicaやPASMOなどは、小学生でも発行できるので年齢制限も厳しくありません。
クレジットカードやデビットカードの入会審査や銀行口座などの制限も少ないので、3種類の中では一番入手しやすく、使いやすいでしょう。
プリペイドカードを使うデメリット
プリペイドカードを使用するデメリットは、次の2つです。カードを使うためには現金かチャージが必要なので、お金が無いと何も出来ないのが大変ですね。
- カードの残高が無いと使えない
- 使い切りのカードは、残高が無くなったら新しいカードを買う必要がある
Suicaを使いたくてもチャージがされていないと、改札を通ったり、お店で買い物はできません。また、Amazonギフト券の残高が無くなったら、そのカードは使えなくなるので、1回で捨てることになります。
プリペイドカードは手軽に使える反面、事前にお金を準備しておかなければいけない点には注意が必要です。
クレジット・デビット・プリペイドはどんな人に向いているの?
ここまで、クレジット・デビット・プリペイドの特徴やメリット、デメリットについて解説しました。それぞれのカードがどんな人に向いているでしょうか?
- クレジットカード:高額な買い物をしても返済できる資金がある、または安定した収入がある人
- デビットカード:お金があると使ってしまうので、銀行口座にあるお金だけで管理をしたい人
- プリペイドカード:決められた金額の範囲で、限定されたサービスを使いたい人
「クレジットカードを使いすぎて家計が常に赤字です!」という人は、デビットカードで銀行にあるお金だけで生活する方法が勧められています。
プリペイドカードは、使い道が決まっているサービスの範囲で使いたい人に向いています。例えば図書カードであれば本屋で使う、Amazonギフト券であればAmazonで使う、という感じですね。
クレジット・デビット・プリペイドのどれがおすすめ?
私の意見ですが、個人的にデビットカードは不便に感じました。先にクレジットカードを持っていて、クレジットカードの便利さに慣れてしまったのも原因ですが…。
実は、デビットカードを作る時に、ドラッグストアのポイントカードと同じように支払いの時に提示したら、ポイントがつくと勘違いしていました。
しかし、実際にカードを使わないとポイントはつかないと知り、デビットカードにしなければよかったと後悔しています。クレジットカードに慣れてしまうと、デビットカードは不便と感じる人が多いでしょう。
カードを持つのが初めてで、使いすぎないか不安な人は、デビットカードから始めた方が安全です。自分でお金を管理できるようなら、クレジットカードに変えて良いでしょう。
まとめ
今回はクレジット・デビット・プリペイドの違いや使い方を解説しました。どのカードにもメリット・デメリットがあるため自分に合ったカードを選ぶと良いでしょう。
私は普段クレジットカードを買い物に使っていますが、たまに「こんなに買い物してたの?」と思う程請求金額が高いときがありました。しかし一つ一つの明細を確認すると、使った記憶があるんです。
クレジットカードは使用金額を毎回チェックしないと、支払う金額が想像以上にふくらむことが本当にあります。
買いたいものがあっても、本当に必要なのか確認してからカードを使用しないと、後でリボ払いや分割払いに変更してムダなお金を支払うことがあるので、注意して使い分けましょう。