「お金の管理ができなくて、将来のことが心配」「未来の家族を貧乏にしたくない」
このように考え、節約を始めようとする人は多いのではないでしょうか。
一人前にお金を稼げるようになっても、お金の使い道を正しく管理できなければいつまでも手元にお金は残りません。
しかし、家族ができたときや老後のことを見据えて、独身のうちから節約や貯蓄を始めれば大きな成果を出すことができます。
今回は、これから節約に取り組む単身世帯のあなたがチェックすべき節約ポイントを解説します。
理想の支出割合と自分の支出を照らし合わせ、どこに節約ポイントがあるか探していきましょう。
単身世帯の理想の支出割合をチェック
はじめに、理想の支出割合を参考にして、あなたのお金の使い道が理想のバランスに近いかどうかチェックしてみましょう。
「理想の支出割合」とは、収入を100パーセントとし、その中で理想的なバランスになる支出の割合のことです。
収入によって差が生じるため、あくまでも目安として参考にしましょう。
今回は、単身世帯の理想の支出割合をご紹介します。
下の表を参考に、あなたの支出が理想的な割合から大きく外れていないかチェックしてみましょう。
費目 | 理想的な割合 | 金額(収入20万円のとき) |
住居費 | 25〜28% | 50,000〜56,000円 |
水道光熱費 | 4〜6% | 8,000〜12,000円 |
通信費 | 1〜6% | 2,000〜12,000円 |
保険料 | 4〜6% | 8,000〜12,000円 |
貯蓄・資産運用 | 17〜21% | 34,000〜42,000円 |
食費 | 12〜15% | 24,000〜30,000円 |
娯楽費 | 4〜10% | 8,000〜20,000円 |
日用品費 | 1〜3% | 2,000〜6,000円 |
その他(医療費・交通費・交際費等) | 5〜30% | 10,000〜60,000円 |
理想の支出割合から外れている費目が見つかった人はその部門から節約を始めるとよいでしょう。
理想の支出割合の範囲内に収まっている費目でも、まだ節約の余地がある場合があります。
次からの章を読み、お金の使い方を見直してみましょう。
節約で理想の支出割合に近づけるには?
続いて、節約で理想の支出割合に近づける方法を紹介していきます。
理想の支出割合に近づける流れは以下の通りです。
- ひと月のお金の使い道を把握する
- 固定費を徹底的に見直す
- 変動費の明らかな使い過ぎを減らす
「理想の支出割合」をチェックする際に気付いた人もいるかもしれませんが、支出を見直すためには、まず支出の内訳をすべて把握する必要があります。
自分が何にお金を使っているかが分からないままでは、どの費目を節約したらよいのかも分からないからです。
ひと月のお金の使い道を把握したところで「2.固定費の見直し」や「3.変動費の使い過ぎチェック」に進むことができます。
詳しい内容は、次からの章で解説していきます。
STEP1:ひと月のお金の使い道を把握する
節約に取り組むために、まずはひと月のお金の使い道を把握しましょう。方法は主に3つあります。
- とにかく紙に書き残す
- 家計簿をつける
- 家計簿アプリを使う
順に説明します。
とにかく紙に書き残す
家計簿をつける自信のない人は紙に書き残す方法がおすすめです。最低でもひと月分、使ったお金の費目と金額を紙に書き移しましょう。
- メリット:1番始めやすい。専用の家計簿やアプリを用意する必要がない。
- デメリット:長く続けていく場合は、専用の家計簿を使った方がデータをまとめやすい。
家計簿をつける
アプリを設定するよりも手書きで記録する方が得意だという人は、家計簿をつける方法がおすすめです。
書店やインターネットで家計簿を購入し、フォーマットに従って記入していきます。
- メリット:書くだけできれいにまとまるので、見返しやすい。
- デメリット:書く作業が面倒。ついつい忘れて、続けるのが嫌になってしまう。
家計簿アプリを使う
お金を使う度に手書きで記録するのは面倒、アプリで自動化したい、という人は家計簿アプリがおすすめです。
「マネーフォワード」や「Zaim」といった家計簿アプリをダウンロードし、できるだけ自動で収支の記録ができるようにしましょう。
- メリット:クレジットカードの利用履歴を自動で記録してくれるので手間がかからない。
- デメリット:最初の設定が面倒。連携に非対応の口座では手入力の作業が発生し、利便性が半減してしまう。
それぞれの方法にメリット・デメリットがありますので、あなたにあった方法でお金の使い道を把握してみましょう。
初めは手書きからスタートし、慣れてきたら家計簿や家計簿アプリに移行するのもおすすめです。
ひと月のお金の使い道を把握できたら、次の章「固定費の見直し」に進みましょう。
STEP2:固定費を徹底的に見直す
節約に取り組む際は、まず固定費の見直しから行いましょう。
固定費とは、住居費や通信費、保険料といった「決まった額もしくは使用量に応じた額を毎月必ず支払う費目」のことを指します。
固定費の見直しは、節約した瞬間から効果が発生するだけでなく、その効果が半永久的に続きます。
例えば、不要なサブスクリプションを解約すれば、再び契約しない限り月額料金を節約し続けることができます。
変動費(食費や被服費など、毎月使う額の違う支出)と違い、固定費は必要か不要かの判断がしやすく、一度の判断で効果が続きます。
そのため、節約に取り組む際は初めに固定費を徹底的に見直すことがおすすめです。
固定費の見直しには例として以下のものがあります。上から順に、取り組みやすい順番となっています。
- サブスクリプションの解約
- 格安SIMへ乗りかえ
- 医療保険の解約、変更
- 住居の引っ越し、家賃交渉
毎月必ずかかる費用の中に、不必要に契約しているものがないか見直しましょう。
固定費を徹底的に見直したら、次の章を参考に、変動費の使い過ぎをチェックしていきます。
STEP3:変動費の明らかな使い過ぎを減らす
固定費の見直しを徹底的に行ったあとは、変動費の明らかな使い過ぎをチェックしていきます。
変動費とは、食費や被服費、日用品費といった「月によって金額が変動する費目」のことを指します。
固定費(住居費や通信費など毎月必ずかかるお金)と違い、使わなければその分だけ支出を抑えることができます。
例えば「今月は毎日、白いご飯と納豆だけを食べて暮らそう」と決めれば、食費をかなり抑えられるでしょう。
しかし、例に挙げたような極度の我慢を必要とする節約は、その人の生活の質を下げてしまいます。
そしてそのような我慢を強いる節約を長く続けることは困難で、多くの場合挫折し、節約する前の支出に戻ってしまうでしょう。
そのため、変動費をチェックする際は以下の点に注意する必要があります。
- 明らかな使い過ぎを探し、節約する
- 節約によって生活の質を下げてしまわないか確認する
これらを踏まえた上で、変動費の見直しを行いましょう。
変動費の見直しには例として以下のものがあります。
- コンビニで買い物をしない
- 着ない服を買わない
- 靴用、トイレ用、床用など洗剤を増やしすぎない
- 日用品のストックを買いすぎない(大切に使わなくなるため)
ほかにも工夫次第で変動費を下げる方法はたくさんあります。あなたに合った節約方法を見つけてみましょう。
節約はゲームや実験のように楽しんで取り組もう
今回は、将来のため節約を始めるあなたに向けて、チェックすべき節約ポイントを解説しました。
チェックの順番と概要は以下の通りです。
- お金の使い道を把握する
- 理想の支出割合と照らし合わせて使い過ぎや節約ポイントを探す
- 固定費を徹底的に見直す
- 変動費の使い過ぎを減らす
これらを行うときは、ゲームや実験のように楽しんで取り組むのがおすすめです。
「今月は自炊の割合を増やして、時間効率との関係を検証してみよう」
「次は電気料金を節約するため、電力会社の乗りかえについてよく調べてみよう」
といった具合に、情報収集や比較検討、検証を楽しむことができれば、攻略するごとにレベルが上がり、実験に失敗しても次に活かすことができます。
無理せず楽しみながら、将来のためにお金の管理をマスターしていきましょう。
- 執筆者:佐々木小春