学生でも気軽に手を出せる学生ローン。しかし急な飲み会や勉強に必要な書籍代などで出費が重なり、返済ができない人が多いのも実情です。
今回は実際に学生ローンを滞納してしまうとどのようなリスクが起きるかということ、そして個人で解決できなくなってしまった場合の対処法についてご紹介していきます。
なぜ学生ローンは返済できなくなるのか
まず学生ローンとは、大学生などの学生相手にお金を貸してくれる貸金業者(消費者金融)の商品のことです。主に中小の貸金業者で取り扱いされています。
学生ローンを利用する目的は人により様々です。学費や家賃の支払いが苦しくて学生ローンを利用する学生もいますし、娯楽費のためにに学生ローンに頼る学生もいます。
学生ローンは学生証や免許証があれば簡単に借りられます。しかしそこが落とし穴でもあるのです。
なぜなら学生ローンは利息が奨学金などに比べ高いため、金銭的に苦しい時に一度借りると返済が難しくなるからです。
学生ローンが返せないからといって他社から借りたお金を返済にあてていたら、あっという間に多重債務者まっしぐらです。それだけは避けましょう。
次は学生ローンを滞納するとどんなことが起きるのか、順を追って解説していきます。
学生ローンを返済できないと何が起こるか①催促される
学生ローンを滞納すると、まず7日以内に借入をした貸金業者から未払い分の催促がきます。催促は直接家に訪ねてくるわけではなく、電話が一般的です。
それを1か月放置すると次はハガキや封書で催促状が届きます。それも無視し、さらに3か月が経過すると「内容証明郵便」で未払い分を一括で請求されます。最悪裁判に発展するケースもあるので注意が必要です。
内容証明郵便とは、「いつ、誰が、誰に、どういった内容の」郵便を送ったかを証明する郵便のことを指します。未払い賃金の催促、契約の解除通知などの場面でよく利用されます。
- 期日から7日以内に消費者金融から電話が来る
- 期日から1か月経過すると書面で催促状が届く
- 期日から3か月経過で未払い分を一括請求され、最悪裁判に
学生ローンを返済できないと何が起こるか②遅延損害金の発生
もし期日までに学生ローンの返済ができなければ「遅延損害金」が発生します。
遅延損害金とは、いわゆる賠償金の一種で「返済が遅れたことによって消費者金融に発生する損害を賠償する」ことが目的です。
学生ローンの遅延損害金がどれくらい掛かるかというと、一般的には年率約20%前後で延滞した日数分の日割り計算となります。
<例えば10万円の借入を30日間延滞して、遅延損害金の年率が20%の場合>
10万円×20%(年率)÷365日×30日=約1,644円となります。
もちろん借入時の金額と延滞日数が多ければ多いほどどんどん加算されていくので、注意しましょう。
学生ローンが返済できないと何が起こるか③ブラックリスト入り
ブラックリストは簡単にいうと、「お金関係の審査に通らなくなってしまう」ことです。お金関係というのは具体的に「クレジットカード」、「カードローン」、「車・住宅ローン」などのことを指します。
学生ローンも他のローンと同じように返済を滞納すると、消費者の個人信用情報に「事故情報」が登録されてしまいます。返済期日から2か月遅れるとブラックリスト入りが確定です。
それを見た消費者金融などの業者は、事故情報が登録された人に対して「返済能力に問題がある」とみなします。
しかも個人信用情報は業者間で共有されるので、1つの業者で起こした滞納トラブルの影響が違う業者の審査に及ぶ可能性があるのです。
学生ローンを返済できないと親にばれる?
学生ローンを借りる時に親にしっかり相談しましたか?中には親に相談しないで借りたので借金がバレると困るという人もいることでしょう。
結論からいうと、学生ローンを滞納しても、すぐに親に連絡がいくわけではありません。なぜなら学生ローンは学生と貸金業者との契約だからです。
しかし長期滞納しているのに学生ローン会社から連絡が来ても無視をするなどの不誠実な態度だと、ローン会社が実家に催促状を送る可能性が非常に高いです。
親にそんな形でバレると問題が無駄に大きくなるので、返せないと分かった時点でしっかり親にも伝えましょう。借入先にも電話で連絡すべきです。
返済できないと分かったら、まず借入先に電話しよう
まずあなたに最初の催促が来た時点で、直接学生ローンの貸金業者に電話するようにしましょう。
借入先からの最初の催促に対応できていれば、親に連絡がいくこともありません。また、催促がなくても滞納に気づいたときにはすぐ借り入れ業者に電話連絡してください。
もちろんその貸金業者からお金を借りることはできなくなりますが、借金残高を確定してからそれを分割支払いしていくことで、最悪の事態を防ぐことは可能です。
しかしいくら電話で連絡をしても肝心の返済についてはぐらかしていては、先程述べたようなペナルティや親への連絡が現実のものとなってしまいますので注意しましょう。
どうしても返済できない時には債務整理を依頼する
「今の収入では自力の返済が厳しいのはわかるけど、現実を直視できずに放置している。」「1年以上借金の残高が減っていない、または増えている」
このような状態の人に、借金を返済できる能力はほぼないといっていいでしょう。そんな時はもう腹をくくって親はもちろん、司法書士・弁護士といった法律のプロにも相談するべきです。
親にもどうすることも出来ない場合、債務整理をすることを検討しましょう。債務整理は法的な手続きを利用して今残っている借金の減額や免除を認めてもらい、借金を合法的に整理する方法です。
学生ローンも通常の借金と同様、債務整理ができます。では学生ローンを債務整理するメリット・デメリットをご紹介します。
- 債務整理をすることで、毎月の返済額を支払い可能な額にしてもらえるので精神的な負担が軽くなる。
- 債務整理の中には裁判所を通さずにできる方法もあるので、誰にも知られずに手続きすることができる。
- 債務整理をすることで、ブラックリストに載る。よってどこからもお金を借りられなくなり、クレジットカードや車のローンを組むこともできない。
- 法律家に依頼する場合、それなりの費用が発生する。
ブラックリストの情報は永久に残るわけではありません。大体5~7年程度です。
その期間を過ぎると再びクレジットカードも作ることができるようになるので、一時的に不便することになっても新たな借金を防ぐことができます。そういった長い目で見るとメリットといえるのかもしれません。
債務整理には4つの方法がある
債務整理の方法は主に4つあります。特定調停、任意整理、個人再生、自己破産の4つです。それぞれにメリットデメリットがあります。
また借金問題を解決したい理由や、借金の残高によってもとる方法が変わってきます。どの方法が一番自分に適しているかしっかり見極めて手続きしてください。
ただ学生ローンの場合には借金額がそれほど大きくないことが多いため、任意整理できる可能性があります。
特定調停(学生に一番おすすめ)
特定調停とは裁判所に貸金業者とのやりとりを仲裁してもらい、借金を減額して3年程度で返済できるように計画をたててもらう方法です。
手続きの内容は任意整理と似ていますが、特定調停は裁判所が介入します。
ただし借金が多すぎる場合や、継続的は収入が見込めない場合は話し合いがうまくいかなくなる可能性もあります。その場合他の手続きをとるしかありません。
特定調停の場合は裁判所に相談するという形になるので書類も作成するという手間もありますが、費用が安く済むというメリットがあります。
任意整理
任意整理とは弁護士や司法書士などが間に入り、賃金業者と返済方法や借金額を交渉する方法です。
任意整理は「裁判所を通さなくてもよい」、「将来の利息がカットできる」、「毎月の返済金額を減額してもらえる」といったメリットがあります。
ただし任意整理はどんな場合でもできるわけではなく、残った借金を3~5年で返済できないとなれば通常学生ローン業者は任意整理には応じてくれないでしょう。
個人再生
個人再生は、裁判所の認可を受けた再生計画にのっとって、原則3年間返済を続けることを条件に残りの借金を免除してもらえる方法です。個人再生では借金が全額免除になるわけではありません。
しかし借金が5分の1、もしくは100万円にまで圧縮されるため、額によっては大幅に借金を減らせることがあるのです。
ただし個人再生は、毎月継続した収入がある人にしか利用できません。学生だとアルバイトなどで継続的に収入を得ている人でいなければ、個人再生はできません。
また個人再生では100万円未満の借金は減額にならないので、それ以下の借金では個人再生をするメリットがないので、学生ローンの解決法としては向いていないと言えるでしょう。
自己破産
自己破産は借金の返済が不可能なことを裁判所に認めてもらう方法です。自己破産の決定後に免責許可を受けることによって、借金が免除されるしくみになっています。
自己破産をすると借金がなくなる代わりに財産を失います。最小限の現金は手元に残りますが、それ以外の財産は換金して借金の返済にあてる必要があるのです。学生の場合、車を持っていれば手放すことになるでしょう。
自己破産をして免責許可を受けると、それから7年は再度免責が受けられません。安易に自己破産するのではなく、他の方法ではどうにもならない時の最終手段として自己破産を検討してください。
債務整理の費用はどれくらいかかる?
債務整理の費用とは「弁護士・司法書士に支払う報酬」もしくは「裁判所に支払う費用」です。
学生ローンとクレジットカードの2社を任意整理する場合、法律家に払う報酬は10万円以下で収まることが多いですが、学生には高額に感じるでしょう。
しかし債務整理や借金についての相談は、ほとんどの場合無料です。間違えた対応をしないためにも無料相談を上手に活用することが重要です。
特定調停の場合は債権者1社につき500円(収入印紙)と、裁判所から申立人への書類送付などに使う切手(予納郵便切手)が420円のみです。弁護士に依頼もできますがその場合はさらに費用がかかります。
学生ローンが返済できない!滞納のリスクと対処法 まとめ
今回は学生ローンを返済できない時の対処法と、滞納した場合のリスクをご紹介しました。学生ローンを滞納したときに絶対にやっていけないのは「他の消費者金融から借金をして返済すること」です。
この方法では返済に終わりが見えないですし、多重債務者になって借金問題がさらに泥沼化する可能性が非常に高くなります。
まず返済の目途が立たないとわかった時点で、学生ローン業者に電話で連絡をしましょう。それでも滞納が解消できないようなら弁護士や司法書士の無料相談に行ってみてください。
最後までお読み頂きありがとうございました。あなたの借金問題が解決することを願っています。