投資について調べたときに、よく目にする『株』と『FX』という言葉ですが、この2つの違いを説明するのは、難しいと感じる人もいるでしょう。
株とFXの違いが分からなければ、どちらが自分に合っているのか、どちらを始めるべきなのかといった判断が難しく、悩んでしまいますよね。
この記事では、株とFXの違いや特徴を解説しており、あなたが株とFXのどちらを始めればいいのかを知ることができます。
ぜひ、投資に興味がある人や株とFXの違いを知りたい人、自分に合った投資方法を知りたい人は、ぜひこの記事を最後まで読んでみてください。
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【一覧比較】株とFXには様々な違いがある
株とFXには、様々な違いがあります。以下に、株とFXの大きな違いについて表で示しました。
株 | FX | |
投資対象 | 国内企業が発行する株 (3,800社以上) |
外国通貨 (約30通貨) |
取引時間 | 平日 9:00〜15:00 | 平日24時間 |
レバレッジ | 現物取引 なし 信用取引 最大3.3倍〜 |
最大25倍 |
必要資金 | 数万円〜 | 数千円〜 |
インカムゲイン | 配当金 | スワップポイント |
FXと株の違いについて一覧表で示しました。しかし、専門的な用語も多いので、分かりづらい部分もあるでしょう。
ここからは、表に示した5つの違いについて、分かりやすく、解説します。株とFXの違いをしっかりと理解していきましょう。
株とFXの違い① 投資対象
1つ目に投資対象の違いについて説明します。株の投資対象は、企業が発行している株が対象で、一般的には、『上場企業』と呼ばれる証券取引所に上場している企業の株を売買します。
一方、FXの投資対象は、世界の通貨が対象で、『円とユーロ』のように、異なる通貨を売買する際の為替レートの差で、利益を狙う投資方法です。
投資対象の数を比較すると、上場企業は3,800社以上あるのに対し、世界の通貨は約30種類のため、株の方が圧倒的に投資対象の選択肢は多いといえるでしょう。
株とFXの違い② 取引時間
2つ目に、取引時間の違いについて説明します。株の取引時間は、基本的には証券取引所が開いている平日の9:00〜11:30、12:30〜15:00です。
一方、FXは、海外の為替市場が稼働していれば取引が可能なので、平日であれば、24時間取引することが可能です。
そのため、昼間は仕事をしているサラリーマンにとって、仕事後も取引ができるFXは始めやすいといえるでしょう。
株取引でも、PTS取引を行えば夜間に取引することは可能ですが、通常の取引量より少ない、銘柄数が少ないなどデメリットがあります。
株とFXの違い③ レバレッジ
3つ目に、レバレッジの違いについて解説します。レバレッジとは、直訳すると『テコの原理』という意味ですが、金融取引では、少ない資金で資金以上の大きな取引を行うことをいいます。
例えば、10倍のレバレッジをかけた場合、手元資金が1万円しかなくても、10万円分の取引が可能です。
株の取引には、現物取引と信用取引があり、レバレッジがかけられるのは、信用取引のみです。信用取引では、最大3.3倍までのレバレッジをかけることができます。
一方、FXではレバレッジを最大25倍までかけることができるため、少ない資金でも投資を始めることができます。
レバレッジが高いと、損失が大きくなるリスクもあるため、安易に高いレバレッジをかけることは控えましょう。
株とFXの違い④ 必要資金
4つ目に、投資を始める際に必要となる資金の違いについて解説します。基本的には、株は100株を1単元として、単元ごとに売買を行います。
つまり、株の売買には100株分の資金が必要になるため、投資を開始する際には最低でも数万円単位の資金が必要なことが多いです。
例えば、1株800円の企業の株を購入する場合、8万円(800円×100株)が必要になります。
一方、FXでは、先ほど説明したように、レバレッジをかけることができるため、数千円からでも投資を始めることができます。
株とFXのいずれも、取引をするにあたって、手数料がかかることがあります。手数料は証券会社によって異なるため、取引開始前に確認しておきましょう。
株とFXの違い⑤ インカムゲイン
5つ目に、インカムゲインの違いについて解説します。インカムゲインとは、資産を保有していることで得られる利益のことです。
株は、企業の業績が良ければ、配当金という形で利益を受け取ることができます。また配当金とは別に、株主優待を受けられる企業もあり、株主への特典が多い点は、株の魅力といえるでしょう。
一方、FXでは、低金利の通貨で高金利の通貨を購入した際に生じる金利差をスワップポイントという形で受け取ることができます。
金利差調整分のことで、高金利の通貨と低金利の通貨の差のことをいいます。
- 日本円の金利が1%、米ドルの金利が5%の場合
- 日本円で米ドルを買った場合
金利は、米ドルの方が4%分多いため、4%分をスワップポイントとして受け取ることができる。 - 米ドルで日本円を買った場合
金利は日本円の方が4%分少ないため、4%分のスワップポイントとして支払う必要がある。
- 日本円で米ドルを買った場合
このように、低金利の通貨で高金利の通貨を買えば、金利差分が利益として得ることが可能です。
スワップポイントは、証券会社によって異なるため、各社のスワップポイントがどれぐらいなのかFXを開始する前に確認しておきましょう。
株のメリットとデメリットを知ろう
株とFXの違いが理解できたところで、株のメリットとデメリットについてまとめます。株のメリットとデメリットには以下のようなものがあります。
メリット | デメリット |
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株のメリットは、配当金や株主優待など株主へのリターンが多いことです。それに対し、デメリットは、FXに比べると開始時に必要な資金が高いという点と取引時間が限られるという点が挙げられます。
また株は、投資対象の数が多く、選択肢が広いのは魅力といえますが、初心者にとっては、どの銘柄を購入すればいいのか判断が難しいというデメリットにもなり得るでしょう。
FXのメリットとデメリットを知りを知ろう
次に、株とFXの比較から分かる、FXのメリットとデメリットについてまとめます。FXのメリットとデメリットには以下のようなものがあります。
メリット | デメリット |
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FXの主なメリットとしては、レバレッジがかけられるため、少額で投資が始められること、取引時間が24時間と長いことが挙げられます。
一方で、デメリットは、少額で投資を始めたいからと高いレバレッジをかけると大きな損失になる可能性があるという点です。
また、株は値幅制限があり、1日の値動きの幅が決まっていますが、FXは決められていません。そのため、その日の値動きによっては、損失が膨れ上がるリスクがあることを知っておきましょう。
株とFXは、それぞれどんな人におすすめなのか?
では、株とFXはそれぞれどのような人におすすめなのでしょうか?ここまでで紹介した特徴から、株がおすすめな人、FXがおすすめな人を確認しましょう。
- 昼間に取引が可能な人
- 長期的に所有し、配当金や株式優待を受けたい人
- 企業の知識がある人
株の特徴は、取引時間が限られていることと、長期的に所有することで配当金や株式優待などリターンを受けられることでした。
これらの特徴から、日中に時間がある人や長期的な目線で利益を得たいと考えている人に向いています。
また株の値段は、企業の業績が大きく影響します。そのため、各企業の特徴や得意分野などに詳しく、経済の流れなどから業績が伸びる業種を推測することができる人には、特におすすめです。
- 少ない資金で投資を開始したい人
- 昼間に取引が難しい人
FXの特徴は、少ない資金で投資が開始できることと取引時間が24時間可能であることでした。そのため、多くの金額は投資にかけられない人や昼間は働いていて日中の取引が難しい人に向いている投資方法です。
まとめ:FXと株の違いを理解して、自分に合った取引を始めよう
この記事では、FXと株の違いやメリット、デメリットを解説した上で、株が向いている人、FXが向いている人がどういった人なのかをお伝えしました。
投資では、大きな利益を得られる可能性がある一方で、大きな損失を被るリスクもあります。
株とFXのどちらを始めるにしても、それぞれの特徴やメリット、デメリットを正しく理解し、あなたの性格やライフスタイルに合った投資方法を選ぶようにしましょう。