家計の負担になることも多い「家賃」。節約術を知っていれば、月々の支払いが楽になり、余裕を持って貯金や投資に回すことができます。
しかし、家賃を抑える目的で引っ越しを考えると、「どうやって物件を探せば良いんだろう…」と悩んでしまうかと思います。この記事を読んでもらえれば、最適な物件を選び出し、家賃を大幅に節約できるでしょう。
今回は、一般的な家賃の目安をはじめ、効果的な節約術を6つ紹介します。また、引っ越しにかかる初期費用を抑えるポイントについても解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
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一般的な家賃の目安はどれくらい?
一般的に家賃の目安は「手取りの3分の1程度」と言われることが多いです。例えば、手取りが20万円の場合、家賃の目安は6万円になります。
しかし、上記の目安は数十年前から言われているもので、当時の暮らしと今とでは生活費の使い道や将来の収入の見通しなども違います。
また、現在の生活では“通信費”など新たな支出も加わり、家賃が手取りの3分の1にもなると「家計のやりくりが難しい…」と感じる人も多いです。
そのため、最近では「手取りの4分の1が家賃の目安」と言われるようになってきました。こちらもあくまで目安なので、自分の収入・支出を確認して家賃の割合を決めるのが賢明でしょう。
家賃を抑えるのに効果的な節約術を5つ紹介
ここからは、家賃を抑えるのに効果的な節約術を5つ紹介していきます。
- 引っ越しのオフシーズンに物件を探す
- 都心や駅から距離がある物件を選ぶ
- 新築・築浅物件を避ける
- 1階の部屋や中部屋に引っ越す
- 風呂・トイレが同室にある物件を選ぶ
家賃は「固定費」に当たるので、1度見直すだけで継続的な節約効果を得られます。仮に今よりも家賃を1万円安くした場合、1年間で12万円、2年間で24万円と大きな節約に繋がります。
上記の節約術を実践すれば、より大きな節約効果を期待でき、あなたが望む暮らしも実現できるでしょう。次の章からは、5つの節約術について詳しく解説していきます。
家賃の節約術①引っ越しのオフシーズンに物件を探す
賃貸物件の家賃相場は、季節によって変動することがあります。そのため、家賃を抑えるための引っ越しでは、物件を探すタイミングが1つのポイントになります。
狙うべきタイミングは「引っ越しのオフシーズン」です。引っ越しをする人が減ると、不動産会社は「早く空室を埋めたい」と考えるため、家賃を下げて募集をかけることがあります。
また、ハイシーズンに比べて引っ越し料金が安くなり、家賃交渉がしやすくなるのもオフシーズンのメリットです。ですので、家賃を抑えるために引っ越すなら、オフシーズンを狙うことをおすすめします。
一般的には「1〜3月」「9〜10月」頃に引っ越しをする人が増えるので、これらの時期を避けて物件を探すと良いでしょう。おすすめの時期は、特に引っ越しをする人が少なくなる「6〜8月」です。
人気の物件は、ほとんど繁忙期に埋まってしまうため、オフシーズンのときには入居できない可能性が高いです。
もし「できるだけ多くの物件を比較したい」という人は、時期に拘らず早めに物件を探すことをおすすめします。
家賃の節約術②駅や中心地から離れた場所を選ぶ
引っ越しをする際、「駅から徒歩◯分」など立地の良さを重視して物件を選ぶ人も多いでしょう。しかし、駅や中心地の近くは人気が高く、地価が高い場所に建っていることから、家賃も高くなりがちです。
そのため、駅や中心地から離れた場所に住む方が「節約効果が高い」と言えます。実際に比較してみると分かりますが、駅の近くより駅から離れている物件の方が1万円以上も安くなることも少なくありません。
ちなみに、郊外にある賃貸物件に住む場合、「安くてグレードが高い部屋に住める」「住環境が良くなる(駐車場や自然が多いなど)」といったメリットを得られます。
駅近の物件と比べると利便性は劣るものの、決して生活環境は悪くありません。ですので、自分のライフスタイルも考慮しながら、郊外にある物件を検討してみると良いでしょう。
「仕事上、駅に近い方が良い」という人は、主要駅の近くのエリアを避けるなど“家賃の相場が安いエリア”に引っ越すのも1つの方法です。
家賃の節約術③新築・築浅物件を避ける
新築や築浅物件は「経年劣化が少ない」「設備がしっかりしている」などの理由から、特に高い人気を集めています。
それだけに家賃が割高なことが多いため、少しでも家賃を節約したいなら新築・築浅物件は避けた方が良いでしょう。
尚、築年数に対して家賃が下がる割合は、一般的に1年あたり「1%前後」と言われています。築10年なら1割、築20年なら2割ほど家賃が安くなるため、同じエリア・間取りに住むなら古い物件の方がお得です。
近年は、リフォームやリノベーション済みの築古物件も増えています。築浅物件よりも家賃が安く、見た目や快適性に大きな差はないので、ぜひ古い物件にも注目してみることをおすすめします。
家賃の節約術④1階の部屋や中部屋に引っ越す
賃貸物件は、同じ建物でも部屋の場所によって家賃が変わることがあります。例えば、1階よりも2階の方が人気が集まりやすいため、家賃が高く設定されているケースが多いです。
また、隣り合う部屋が片側にしかない角部屋も、人気があることから割高になる可能性が高いです。ですので、家賃の節約を目的に引っ越すなら「1階の部屋」や「中部屋」を積極的に検討しましょう。
尚、上階や角にある部屋を避ければ、数千円から数万円の節約効果を得られます。仮に角部屋と中部屋で5千円の差がある場合、年間で6万円も節約できるので、家計の負担を大きく減らせます。
但し、プライバシーを考慮した場合、2階の部屋や角部屋の方が安心しやすいでしょう。条件を妥協して家賃を抑えることも大切ですが、無理のない範囲で節約することも大切です。
家賃の節約術⑤風呂・トイレが同室にある物件を選ぶ
「できるだけ家賃を抑えたい」という人は、お風呂とトイレが同室にある物件を選ぶのが効果的です。ちなみに、お風呂とトイレが一体になっている物件は、一般的に「ユニットバス」という名で認知されています。
ユニットバスの物件は、風呂・トイレ別の物件よりも必要な設備や面積が減るため、割安になる場合が多いです。エリアによっては1万円以上の差が出ることもあるので、大きな節約効果を期待できます。
尚、ユニットバスには「掃除がしやすい」「他の部屋が広く使える」といったメリットがある反面、「狭くて使いにくい」「床が濡れないように気を遣う」などのデメリットもあります。
家賃の節約には向いていますが、人によっては「使いづらい」と感じる場合もあるでしょう。ですから、メリット・デメリットを確認した上で、ユニットバスの物件を検討してみてください。
引っ越しにかかる初期費用を抑える2つのポイント
ここまで、家賃の節約術を紹介してきましたが、中には「引っ越しにかかる初期費用も抑えたい」という人もいるでしょう。
以下の2つのポイントを意識すれば、初期費用による負担を大幅に減らすことができます。
- 敷金・礼金などの費用を抑える
- 引っ越しの荷物をなるべく減らす
敷金・礼金などの費用を抑える
賃貸物件を契約する際、「敷金」「礼金」「仲介手数料」など様々な費用がかかります。これらの費用を抑えれば、入居時の負担を軽減でき、浮いた分を家具や家電の購入などに充てることもできます。
例えば、「礼金不要」の物件に絞るのも1つの方法です。大家さんへの謝礼として支払うのが礼金ですが、家主との関係が密接ではない現代において、あまり必要のない費用と言えます。
尚、礼金は「家賃の1〜2ヶ月分」が1つの目安とされています。家賃が5万円の場合、5〜10万円もの礼金がかかってしまうので、なるべく出費を減らしたい人は礼金不要の物件を検討してみましょう。
他にも「仲介手数料が安い物件を選ぶ」「日割り家賃がかからないように入居日を調整する」といった工夫も、初期費用を抑えるのに効果的です。
引っ越しの荷物をなるべく減らす
引っ越しの初期費用を抑えるには、なるべく荷物の量を減らすことが大切です。運ぶ荷物が増えるほど引っ越し料金が高くついてしまうので、事前に不要な物をリサイクルに出したり、廃棄したりしておきましょう。
また、荷物が少なければ広い間取りの物件と契約する必要がないため、家賃の節約にも繋がります。入居後の節約効果を考えても、できるだけ荷物は減らしておきたいところです。
家賃の節約を目的にした引っ越しで注意すべきこと
家賃を節約するために「できるだけ安い物件に引っ越したい」と考えるのは当然のことです。しかし、家賃が安いのには“それなりの理由がある”ため、事前に確認しておくことが重要です。
あまりにも家賃が安い物件は、以下のような理由から安くなっている場合があるので注意しておきましょう。
- 日当たりが悪い
- セキュリティー設備が整っていない
- 線路や高速道路が近い
- 周辺環境に問題がある(歓楽街が近いなど)
- 過去に事件・事故が起きたことがある
事前に安さの理由を確認しておけば、入居後にストレスを感じたり、トラブルに巻き込まれたりするリスクを防げます。
ですので、気になる物件が安く設定されているときは、必ず業者の方に安さの理由を確認するようにしましょう。
まとめ:家賃を抑えて理想の暮らしを実現しよう
今回は、一般的な家賃の目安をはじめ、効果的な節約術を紹介しました。改めて家賃を節約するためのポイントを簡単にまとめてみます。
- 引っ越しのオフシーズンに物件を探す
- 駅や中心地から離れた場所に住む
- 新築・築浅物件を避ける
- 中部屋など家賃が安い部屋を選ぶ
- ユニットバスの物件を検討する
支出の中でも大きな割合を占める家賃は、1度見直すだけで大きな節約効果を得られます。紹介した節約術を実践すれば、年間で数万円以上のお金を浮かせられるでしょう。
尚、家賃を抑えることも大切ですが、自分にとって住みやすい環境を見つけることも大切です。ですので、自身のライフスタイルも考慮しながら、最適な物件を探してみてください。