レッカー移動にかかる費用は高いイメージがあると思います。もしも車が突然故障して走れなくなった時、自宅に帰れるかどうか不安な上に、お金に対する焦りが出ることでしょう。
この記事ではレッカー移動にかかる費用はいくらかかるのか、そしてレッカー移動を無料で受けられる方法を解説します。万が一起こりうる車のトラブルのためにぜひ最後まで読んでいってください!
レッカー移動にかかる費用の相場はいくら?
レッカー費用の相場はいくらになるでしょうか?状況によって料金が異なるので、枠内の条件を仮定した時にかかるレッカー費用を、日本自動車連盟(以下JAFと記載)のロードサービスの料金をもとに見てみましょう。
- 故障した時間:午後2時
- 修理工場までの距離:15㎞
- レッカー移動にかかった時間:30分
- 故障した場所:一般道
JAFのレッカー移動にかかる費用は「基本料」「作業料」「けん引料」の3つの合計で算出されます。基本料はサービス応対、作業料はレッカー移動にかかった時間、けん引料は移動した距離数にそれぞれかけられます。
枠内の条件をもとに費用を算出すると、基本料8,330円+作業料4,750円+けん引料(1㎞あたり730円)×15㎞=7,300円で合計24,080円です。(参考:ロードサービス利用約款より)
また高速道路でレッカー移動が必要な場合、基本料が高くなります。一般道と違って2通りの料金プランがあり、本線上で作業する場合はA料金、SAやPA内で作業する場合はB料金に分けられます。
料金 | 一般道路 | 高速道路 |
基本料(昼間) | 8,330円 |
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基本料(夜間) | 10,480円 |
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作業料 | 6分につき950円 | 6分につき950円 |
けん引料 | 1㎞につき730円 | 1㎞につき730円 |
レッカー移動が必要な場面はいつ?
車をレッカー移動する場面とは、いずれも「道路を自走できない状態」であること。運転中に起こるトラブルの中で、JAFがレッカー移動として取り扱う場面は主に以下の通りです。
- エンジンが故障した
- パンク
- キーの閉じこみ
- 落輪
- スタック(雪やぬかるみで進めない状態)
- 衝突事故
- 冠水
これらの場合、移動できるようにレッカー車を呼んで車を引き揚げます。特に故障した場合は、近くのガソリンスタンドまたは修理工場まで移動して、修理してもらわなければなりません。
車は故障がないように車検を通したり、部品を交換したりこまめにメンテナンスすることが大切です。それでも自走できないほどのトラブルは起こりうるので、くれぐれも注意しましょう。
また、バッテリーが上がった・ガソリンが切れたといったうっかりミスも、理由に挙げられます。この場合現場で対処できます。しかし山道や周辺にガソリンスタンドが無い地域では、レッカー移動が必要になります。
JAFの会員ならレッカー移動の費用が無料になる!
レッカー移動にかかる費用で紹介した料金は、一般向けに設定されたものです。しかし、JAFの会員であればレッカー費用が無料です。会員の場合基本料と作業料が無料、けん引料は15㎞まで無料になります。
JAFのロードサービスそのものは誰でも受けられますが、会員であればレッカー費用を請求される不安がありません。JAFの会員になるには、「個人会員」と「家族会員」の2種類があります。
「個人会員」の場合、2,000円の入会費と4,000円の年会費が必要です。1年ごとに更新され、費用はその都度請求されます。2・3・5年分の費用を一括で支払うと入会費が以下のように値引きされ、お得です。
1年(自動振替) | 1,500円(500円引き) |
2年 | 1,500円(500円引き) |
3年 | 1,000円(1,000円引き) |
5年 | 0円(2,000円引き) |
「家族会員」の場合、個人会員と同居または生計を一つにする親族を最大5人まで会員にできます。家族会員は入会費が無料で年会費は2,000円、1人1台ずつ車を持っている家庭は家族会員だと会費が安くなります。
JAFのメリットとデメリット
JAFに入会するメリットは「他人名義の自動車でもロードサービスの対象内となる」ことです。つまり、あなた以外の人が持つ車を運転した際、故障してもロードサービスを受けられるのです!
通常、自動車保険の場合、車に対して掛けられるので、他人名義の自動車に乗る場合オプションで割高になります。家族と共有する方、レンタカー・社用車を運転する方にJAFへの入会はオススメです。
一方、デメリットは「事故の時、相手に対する保証がない」ことです。仮にあなたの過失で事故を起こした場合、相手側への保証ができないので多額の金額を請求されたら実費でまかなうことになります。
通勤や日常生活でよく運転する機会があるのであれば、自動車保険に加入する、またはアシスト機能やカメラ付きの自動車に乗る。こうすることで自ら事故に対策するのが良いでしょう。
自動車保険のロードサービスでレッカー移動の費用が無料に!
現在の自動車保険のほとんどに「ロードサービス」がついています。レッカー移動を使いたい場合、自動車保険に付帯するロードサービスを受けることで、レッカー移動にかかる費用を無料にできます。
保険会社によって保障される内容に違いがありますが、JAFで受けられるロードサービスは全て受けられると思っておおむね間違いありません。
中でもレッカー移動に関する保証について、JAFは1㎞につき730円のけん引料がかかり、会員は15㎞まで無料ですが、自動車保険では35~500㎞まで無料でレッカー移動できます。
さらに事故によってバスや電車などで帰宅にかかった交通費、または宿泊にかかった費用が支払われる点も自動車保険の魅力ですね。これらは特約として請求すれば1万円~全額保証されます。
自動車保険のメリットとデメリット
自動車保険のメリットはJAFより手厚い保証を受けられること。レッカー移動を含めてもJAFと比べると、保険の方が保証される内容や金額について圧倒的に上です。
またJAFでは補償されない「対人・対物」のトラブルに対応しています。自動車保険に入っていないばかりに事故で多額の修理費を請求されたという話をよく耳にしますよね?保険はそのために役立ちます。
一方、デメリットは「自分名義の車しか保証されない」こと。たとえば他者名義の車・レンタカー・社用車を運転してトラブルにあった場合、レッカー移動を含めロードサービスは受けられません。
そのために車両保証をつけるという方もいますが、保険料が割高になります。あくまで自分の車しか運転しないという人であればJAFより自動車保険に加入した方が良いでしょう。
JAFと自動車保険・レッカー移動の費用ではどちらが得か?
ここまでレッカー移動にかかる費用をJAFと自動車保険でどのくらい保証されるかお分かりいただけたかと思います。レッカー移動にかかる費用についてどちらがお得かと言えば答えは人によります。
JAFは「車」ではなく「運転者」に対してかかるサービスです。なの・他人名義の自動車をよく運転する人あるいはその家族であれば加入をオススメします。
一方、自動車保険をオススメする人は普段から車を運転する人・自分名義の車しか運転しない人・地方在住で自家用車を持つ人です。交通手段として車を主に使っているならば、加入は必須でしょう。
特に山道や施設が無い地域を自家用車でドライブする方は、レッカー移動の距離が長い自動車保険に加入することをオススメします。修理工場まで平均で50㎞~100㎞の移動が保証されるところが良いでしょう。
JAFと自動車保険を合わせると保証範囲が広がる!
JAFと自動車保険の2つのうち、レッカー移動を含めたロードサービスはどちらか一つで十分だと思っていませんか?自動車保険の中にはJAFの会員であればサービスを併用して受けられる所があります。
たとえばレッカー移動がJAFなら15㎞まで無料で、自動車保険が100㎞まで無料の場合、JAFと保険を併用すれば115㎞までレッカー移動できます。JAF会員優遇サービスを行っているのは以下の会社です。
あいおいニッセイ同和損害保険(株)
AIG損害保険(株)
共栄火災海上保険(株)
JA共済(全国共済農業協同組合連合会)
セゾン自動車火災保険(株)
全国自動車共済協同組合連合会
全日本火災共済協同組合連合会
損害保険ジャパン(株)
大同火災海上保険(株)
東京海上日動火災保険(株)
日新火災海上保険(株)
三井住友海上火災保険(株)
三井ダイレクト損害保険(株)出典:https://jaf.or.jp/common/call-road-service/preferential-servicesより
自動車保険での保証が少ないトラブルの一つに「スタック」があります。これがJAFなら保証の対象となります。このように両者にはメリットがあり、互いに保証できない部分をカバーできます。
特に雪が多い地域に住んでいる方であれば、積もった雪にタイヤが抜け出せず救援が必要になる事が予想できます。そうならないためには、JAFと自動車保険の両方に加入することをオススメします。
レッカー移動ができない場合について
どんな場面でも頼りになるレッカー移動ですが、唯一レッカー移動ができない場面があります。それは車検が切れた車を移動する時です。この場合に限っては、JAFも自動車保険も受付を拒否します。
拒否する理由は、公道に車輪が接した状態で走る事が法律で禁止されているからです。もしレッカー移動した場合、6点の違反点数と30日間の免許停止処分、または6ヶ月以下の懲役か30万円以下の罰金となります。
もしも車検切れの車を修理に持って行く場合は、役所に「仮ナンバー」を申請して車に取り付けます。こうすることで最大5日間であれば公道を走れる、つまりレッカー移動できる状態になります。
廃車にする場合は、自動車解体業者に引き取りを依頼しましょう!廃車も全て無料で行う業者はレッカー移動も無料で行います。この場合キャリア式の運搬車で移動するので、仮ナンバーは必要ありません。
レッカー移動の費用について・まとめ
レッカー移動にかかる費用について、JAFによる相場は24,080円でしたが、会員であれば15㎞まで無料。そして自動車保険のロードサービスを使えば50~100㎞まで無料という結果でした。
すでにJAFの会員である、または自動車保険に入っている方にとってはレッカー移動にかかる費用を心配する必要はないでしょう。
もしもJAFに加入していないなら加入を。自動車保険に加入を検討されているならレッカー移動距離が長く、かつJAF会員優遇サービスが付帯される会社を選びましょう!