「オール電化にすると実際どれくらい費用がかかるの?」このような疑問を持っていないでしょうか?
近年では国内の1割程度の住宅がオール電化になっており、リフォームによって後から導入する家庭も年々増えてきています。
しかし、オール電化の導入には初期投資も多く、大きなコストがかかってきます。何も知らずに工事をしてしまうと全体として損をして、後悔してしまうこともあります。
今回はそんなオール電化にかかる費用の相場と初期費用を浮かすための方法など詳しく解説していきます。ぜひ、最後まで読んで参考にしてみてください。
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オール電化で導入する設備と総額費用の相場
まず、オール電化とは生活に必要な熱源を全て電気でまかなう仕組みにすることです。そのためには、主に以下の設備を導入することになります。
- IHクッキングヒーター
- エコキュートまたは電気温水器
- 床暖房 (必須ではない)
- 太陽光発電システム (必須ではない)
一般的にIHクッキングヒーター・エコキュートを設置する場合で総額60~100万円が相場と言われており、高額な初期費用がかかります。
また、床暖房や太陽光発電システムを導入する場合、費用はこれよりさらに上がってきます。
では、それぞれの設備の導入にどれくらい費用がかかってくるのでしょうか?次に設備導入にかかる費用の相場をそれぞれ具体的に見ていきましょう。
オール電化にかかる費用①IHクッキングヒーター
IHクッキングヒーターは、電磁波を使って加熱する仕組みの調理設備です。エネルギー効率がよく、裸火が出ないのでガスコンロに比べて安全性が高いです。
そんなIHクッキングヒーターの本体価格、配線工事、設置工事費などを含む導入にかかる費用の相場は、以下のようになっています。
- 10~40万円
ガスから電気に切り替える都合上、現在の配線環境によっても費用は変わってきます。
また、IHクッキングヒーターを導入するとIH用の鍋も必要になるので、持っていない場合は別途購入費用もかかるでしょう。
オール電化にかかる費用②エコキュート・電気温水器
オール電化にするためには、エコキュートか電気温水器どちらかの給湯設備を導入する必要があります。
エコキュート
エコキュートは電気と大気の熱を利用し、ヒートポンプの仕組みでお湯を沸かす設備です。
そんな、エコキュートの相場はおおよそ以下のようになっています。
- 45~60万円
上記の費用はタンクの容量やメーカー・機能によっても変わってきますが、大体これくらいと言われています。
電気給湯器
電気温水器は電気のみでお湯を沸かす設備です。そんな電気温水器の相場は以下のようになっています。
- 18~36万円
こちらもメーカーや機能によって導入にかかる費用は多少変わってきます。
エコキュートと電気給湯器はどちらが良い?
本体価格は電気温水器の方が安いですが、電気代はエコキュートの方が原理上1/3ほど安くなるので長期的に見ればお得です。
エコキュートは大型の冷蔵庫ほどのサイズがあり場所をとります。しかし、電気代がお得なため設置スペースが小さいなどの問題がなければエコキュートを導入する方が良いでしょう。
オール電化にかかる費用③床暖房
床暖房はオール電化の際に必ず導入しなければいけないものではありませんが、冬場の快適性や安全性などから一緒に導入する家庭も多いです。
そんな床暖房の導入にかかる費用の相場は以下のようになっています。
- 5~11万円/畳
リビング、台所、洗面所など床暖房に張り替える範囲によって設置にかかる費用は変わってきます。
また床暖房には、電気式と温水式がありますが、温水式の方が初期費用がかかる分、電気代は安くなります。
したがって、長期目線で見れば温水式の方が節約になるでしょう。
オール電化にかかる費用④太陽光発電システム
太陽光発電システムの設置にかかる費用は年々安価になってきています。本記事執筆時点(2020年11月)における相場は以下のようになっています。
- 20〜29万円/kW
一般的な住宅では5kW程度が主流なので、20(万円/kW)×5(kW)=100万円から、29(万円/kW)×5(kW)=145万円程度の費用がかかる計算になります。
後述するようにオール電化の電気料金は昼間が割高になるため、昼間に太陽光発電で発電した電気を使用することで、電気料金を抑えることができます。
また、余った電力を買い取ってもらう売電ができ収益を上げることも可能です。高額な設置費用がかかりますが売電である程度回収できるのは嬉しいですね。
屋根の形状や材質、周辺環境によって、設置にかかる費用や発電量は変わってくるので、検討する際には業者に屋根を一度見てもらいましょう。
オール電化の電気料金は時間帯で異なる
各電力会社には、オール電化向けの料金プランが用意されています。通常のプランと違って、朝・昼・晩の時間帯で料金が異なります。
特に夜間の電気料金が割安に設定されているものが多いです。これは夜間に電気の使用率が上がることや、給湯器で1日分の温水を夜間のうちに蓄えておけるという事情が関係しています。
また、プランによって土日祝日の料金が安くなるものもあるため、共働き世帯などそれぞれのライフスタイルに合わせてプランを選べば、電気料金を抑えることができます。
オール電化で火災保険が割引になる?
オール電化住宅は、通常の住宅に比べ火災リスクが少ないことから、火災保険の割引を受けられることがあります。
しかし残念なことに、ひと昔前であればオール電化割引を行っている保険会社は多かったのですが、現在はAIG損保とセコム損保の2社(2020年11月現在)しか行なっていません。
もし、上記2社の火災保険への加入を考えているなら、割引を申し込む際に、オール電化であることを証明する書類が必要になります。
また、割引を受けるには保険加入前にオール電化割引を申請する必要があるので注意してください。
オール電化導入時に補助金を受け取ろう
オール電化はCO2を出さず環境に配慮したシステムということで、補助金制度があります。
国の補助金制度は2019年に終わってしまいましたが、現在は地方自治体で、エコキュートや太陽光発電システムを導入する際に補助金が出るところが多いです。
したがって、これらを利用することで高額な初期投資費用を少しでも浮かすことができます。
地域によって金額や受給できる条件は異なっているため、詳細はお住まい地域の役所に問い合わせてみてください。
オール電化導入費用の元はどれくらいでとれる?
オール電化を導入することによってこれまで使っていたガスや灯油を使わなくなり、エネルギー源が電気に一本化されます。
生活スタイルなどにもよりますが、大体5~7年でオール電化導入費用の元を取ることができると言われています。
このように考えるとオール電化にした方が長期的にはお得だと考えることができますね。
とはいえ、実際は設備の故障や電気の使い方によっても出費は変わってくる可能性があります。そういった予想外の出費があることも念頭に置いた上でオール電化を導入するか判断しましょう。
まとめ
今回はオール電化の導入にかかる費用ということでここでまで解説してきました。
オール電化の導入には初期費用が結構かかり、場合によっては損をしてしまうこともあります。自分や家族のライフスタイルを考えた上で、オール電化を導入するか検討するようにしましょう。
そして導入の際は、複数の業者を比較・検討した上で見積もりをとったり、補助金や火災保険の割引もうまく活用すると良いでしょう。
初期費用を抑えうまく運用すれば、光熱費を節約でき今より快適な生活が送れるようになるはずです。