「投資信託って一体どんな仕組みで利益が出るの?」、このように考えている投資初心者は多いでしょう。
投資信託の仕組みは、一見すると複雑で、どのようにしたら利益が出せるのかかが、イマイチわかりづらいのが実状です。
本記事では、そんな投資信託の仕組みをシンプルでわかりやすく解説していきます。
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投資信託の仕組みは?
投資信託とは、“プロの投資家にお金を預け、株、不動産、債券などへの投資配分、買い付け・売却時期の判断を任せ、運用を行なってもらう金融商品”です。
投資信託の運用は、以下の3つの会社によって役割を分けて行われるように法律で決まっています。これは、一社が投資で得た利益を独占しないようにするための仕組みです。
- 証券会社 投資商品の販売
- 運用会社 適切なタイミングで管理会社に売買を指示して運用する
- 管理会社 預かったお金の管理や運用会社の指示で実際に投資商品の売買を行う
このような仕組みから安心して投資を任せられますが、運用するための手数料が発生します。この手数料を信託報酬といい、投資信託によって額は異なります。
また、投資信託の運用がうまく行けば利益、うまくいかなければ損失となります。預けたお金が全額保証される元本保証でない点は注意が必要です。
投資信託で利益が出る仕組みは2つ
投資信託で利益を得る方法は、大きく分けて次の2つがあります。
- 分配金:運用がうまくいっている場合、定期的に得られる報酬
- 売買差益:購入時と売却時の価格差
上記2つが、投資信託を選ぶ際の重要なポイントで、これらによって利益が出れば、かなりのリターンを期待することができます。
しかし、実のところ分配金は投資信託によっては支払われないこともあり、だからといってそれは悪い投資信託とは限りません。その理由は後ほど解説します。
投資信託で利益を出す仕組み①:分配金
分配金は、“投資信託の運用によって得られた利益の一部を投資家に分配する仕組み”です。分配金の額は運用実績によって左右されるので、必ず決まった額が貰えるわけではありません。
また、投資信託によっては分配金を投資家に払わず、再投資することでさらなる利益を生むように運用するものもあります。
分配金がもらえる投資信託 → 定期的に現金収入を得たい人にオススメ
分配金を再投資する投資信託 → 長期間の運用で大きなリターンを得たい人にオスススメ
ちなみに、分配金が多く出る投資信託は元本を取り崩している場合もあり、長期間に渡って高い分配金が出るとは限らないので、その点には注意が必要です。
投資信託で利益を出す仕組み②:売買差益
投資信託を安い価格で購入して、高い時に売れば利益を得ることができます。口で言うのは簡単ですが、これはけっこう難しいことです。
投資を始めたての頃は、まぐれで利益になることがあるかもしれませんが、数年単位で長く投資を続けていくと、必ず損失を抱えなければいけない時期がきます。
なので、大きな利益を出そうとするより、損失を最小限におさえることを優先させた方が投資では成功しやすくなります。
とはいえ、損失を回避するのは、熟練の投資家でも難しい判断です。したがって、特に初心者は、“複数回に分けて購入・売却することでリスクを分散し、確率的に損失を最小限に抑えるようにする”と良いでしょう。
投資信託で利益を出すコツ①分散投資
投資信託は、投資のプロによってどの商品に投資するのかが緻密に計算されています。そのため投資信託に投資している時点で、ある程度の分散投資はできていることになります。
しかし、投資信託によっては、日本やアメリカ、中国企業への投資など国による違い、そして、ITや日用品、不動産など特定の産業に集中投資するものもあり、値動きはそれぞれ異なることが多いです。
1つの国や1つの産業にのみに投資していると、同じような値動きをする可能性が高いので、“ある時期では大きな利益になるものの、ある時期では大きな損失になってしまう”ことがあります。
したがって、投資する国や産業は分散させましょう。違った値動きをする商品を複数保有することでリスクを分散させることができるのです。
投資信託で利益を出すコツ②長期間運用する
投資を始めて間もない人は、数日間の値動きで心が惑わされてしまうことがあるでしょう。
例えば、投資信託を購入してからたった1週間で、5%も価格が下がってしまったなんてこともありえます。10万円投資していたら、5000円の損失です!
しかし、投資信託によっては、数年単位で運用していけばこのような損失は帳消しになって1.5倍や2倍以上になることも珍しくはありません。
一般的に、適切な投資信託に10年以上長期にわたって積み立てていけば、損失よりも、利益になる確率がどんどん上がっていくと言われています。
投資信託で利益を出すコツ③複利の仕組みを利用する
複利とは、“利子に対しても利子がつくこと”です。この複利の仕組み利用することで、少ない元本でも大きなリターンを得ることが可能になります。
この複利の力を利用するには、利益をどんどん再投資していきます。
例えば、10万円を年間利回り5%で30年間運用したとしましょう。次の表は、“利益を毎年再投資した場合”と“再投資しなかった場合”の利益の比較です。
期間 | 利益を再投資した場合【複利】 | 利益を再投資しなかった場合【単利】 |
1年 | 5,000円 | 5,000円 |
2年 | 10,250円 | 10,000円 |
3年 | 15,763円 | 15,000円 |
〜 | 〜 | 〜 |
28年 | 292,013円 | 140,000円 |
29年 | 311,194円 | 145,000円 |
30年 | 332,194円 | 150,000円 |
30年後には、両者でなんと約18万円(332,194円−150,000円)もの利益差があります。元本100万円で運用していたら180万円の差です。これはものすごい額ですよね?
このように、複利の仕組みを使って長期的に運用することで爆発的な利益を生み出すことが可能なんです。
したがって、投資をする場合は複利でどれだけ増えるかを考えることがとても重要です。複利の計算は、次のサイトで簡単にできるのでぜひ活用してみてください。>>複利の計算サイト:kei!san
投資信託の利益にかかる税金
「投資信託で利益が出る仕組みはわかったけど、実際、利益にはどれくらい税金がかかるのか?」と思いますよね。結論から言って、投資で得た利益には一律約20%の税金がかかります。
しかし、例外があって、NISAという制度を利用すれば、利益に対する税金は免除されます。
NISAの申し込み方法は簡単で、証券会社の口座開設申し込み時にNISAの申請をするだけです。また、その時に源泉徴収も申込めば、投資で得た利益を自分で確定申告する必要がなくなります。
NISAには、“一般NISA”と“つみたてNISA”という2つの制度があって、次のような違いがあります。そして、どちらか一方にしか申し込むことができません。
一般NISA | つみたてNISA | |
年間投資上限額 | 120万円 | 40万円 |
非課税となる期間 | 5年間 | 投資してから最長20年間 |
投資対象 | 投資信託、上場株式、ETF(上場投資信託) | 金融庁の基準を満たした投資信託、ETF |
投資方法 | 一括買い付け、積み立て | 積み立て |
投資の知識があまりないうちは、つみたてNISAで堅実に投資して、慣れてきたら一般NISAに切り替えるのも良いでしょう。
投資信託にオススメのネット証券
投資信託を始めるなら、ネット証券がオススメです。なぜなら、口座開設の手続きや取引が簡単で初心者にとって使いやすいものが多いからです。
ちなみに、通常の証券会社の窓口に行くと、投資の知識がないうちは、“高額な手数料の商品を押し付けられる恐れがある”ため、そう言った意味でもネット証券の方が安心できますよ。
ネット証券の中でも、特にお勧めなのが、SBI証券と楽天証券です。
どちらも投資信託の取扱本数は2700本前後(他社は1000本未満が多い)、買い付け手数料が無料の商品が多いなど、規模やお得さでいえば証券会社の中では頭一つ抜けています。
SBI証券
- 取り扱いしている外国株が9カ国(楽天は6カ国)と多い
- IPO(新規公開株)に投資しやすく、大きな利益が期待できる
- 取引に応じてTポイントが貯まり、投資で使うことができる
→ 複数の外国株や新規公開株の投資など、将来的に本格的な投資がしたい人にはSBI証券がオススメ!
楽天証券
- 取引画面が見やすく、簡単に売買できる
- 口座開設が簡単で早い
- 取引に応じて楽天ポイントが貯まり、投資に使うことができる
→ とりあえず練習も兼ねて、より手軽に投資を始めたい人に楽天証券はオススメ!
まとめ:投資信託の仕組みを理解して利益をあげよう
ここまで、“投資信託の仕組みや利益を上げるコツ” を解説してきました。投資信託の仕組みを理解すれば、投資する価値がありそうだなと思ったはずです。
投資初心者の人は、ぜひこの記事で得た知識をもとに投資の第一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?
もちろん、投資をやっていたけどあまり良い結果が出ていない人も、今後はより戦略的な投資ができるようになると思いますので、参考にしてもらえたら幸いです。最後まで読んでいただきありがとうございました。