この記事は「医療費をもっと節約したい方」「もっと医療費が安くならないかなと思っている方」に向けて書かれています。
生活費を安くしようとして、日々節約を意識していても、病気やケガで病院にかかった際の医療費を削ることは難しいですよね。
しかし、この記事で紹介している節約方法を実践すれば、人によっては医療費を大幅に節約することができますよ。
本記事では、医療費を節約する前に知っておきたい、日本の医療制度の基礎知識と、医療費の節約方法7選を紹介しています。是非最後まで読んでくださいね。
医療費を節約するために知っておこう!日本の医療制度の基礎知識
日本の医療制度の基礎を知った上で、医療費の節約方法を紹介した方が理解しやすいので、まずは日本の医療制度について解説していきます。
国民は全員医療保険に入っている
日本では、「国民皆保険」という制度があるので、国民全員が何らかの公的医療保険に加入しなければいけません。
公的医療保険とは、病院で医療費を支払う際に、一部又は全部を公的機関が代わりに負担してくれる保険のことです。
公的医療保険の種類にもよりますが、医療費の自己負担額は3割負担となっており、残りの7割はあなたが加入している公的機関が負担してくれています。
医療保険の種類
企業に勤めている方であれば「組合健保や、協会けんぽ」、公務員の方であれば「共済組合」という医療保険に加入しています。
あなたは健康保険証を病院で提示することにより、実際の医療費の一部を負担するだけで、治療を受けることができるのです。
しかし、健康保険証を提示しても、医療費は高く感じてしまいますよね。これから、医療費を節約するための方法を詳しく解説していきます。
医療費を賢く節約する方法7選を紹介!
これから紹介する医療費の節約方法を実践すると、医療費を賢く節約できますよ。今回紹介する医療費の節約方法は、以下の7つです。
- 保険証を忘れないように気を付ける
- 軽い病気や怪我のときは大病院を受診しない
- かかりつけ医(薬局)を持つ
- お薬手帳を持参する
- 診療時間外に病院へ行かない
- ジュネリック医薬品に切り替える
- 医療費控除で払い過ぎた税金を還付する
それでは、医療費の節約方法を1つひとつ丁寧に解説していきます。
医療費の節約方法①保険証を忘れないように気を付ける
最初に紹介する医療費の節約方法は、「保険証を忘れないように気を付ける」です。病院へ行く際に、健康保険証を忘れると、保険が適用されなくなり、医療費の全額10割を自己負担することになります。
確かに、保険証を後から病院に提示すれば、後から保険適用分(「自己負担が3割」の人であれば7割)は戻ってきます。
しかし、手元にお金が少ない時、特に給料日前などに医療費を全額負担するのは、手持ち金が減るので嫌ですよね。
一時的な負担を少なくするためにも、健康保険証は必ず持参しましょう。
医療費の節約方法②軽い病気やケガのときは大病院を受診しない
2つ目に紹介する医療費の節約方法は「軽い病気や怪我のときは大病院を受診しない」です。紹介状がない状態で、いきなり大病院に行くと「特別料金」がかかってしまいます。
特別料金とは、紹介状がない状態で大病院を受診するとかかる、初診時に上乗せされる料金のことです。特別料金は保険の適用外で、患者の全額自己負担となってしまいます。
特別料金は、医療機関が自由に設定でき、平均すると約2,000円、病院によっては8,000円以上かかってしまいます。(参考元:https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat540/20130224001/)
特別料金を無駄に支払わないためにも、軽い病気や怪我のときは、大病院を受診しないようにしましょう。
何床以上の病院を「大病院」とするかの明確な定義はありません。しかし、紹介状を持たずに、200床以上ある病院を受診した場合、特別料金がかかるので、200床以上の病院を「大病院」と考えておけば良いしょう。
医療費の節約方法③かかりつけ医(薬局)を持つ
3つ目に紹介する医療費の節約方法は「かかりつけ医を持つ」です。軽い病気や怪我で病院に行くときは、かかりつけ医へ行った方が節約になりますよ。
前の章で紹介した通り、かかりつけ医から紹介状を書いてもらうと、大病院へ行ったときに特別料金がかからなくなります。
また、病院だけではなく、薬局も1つに絞ることをオススメします。薬局を1つに絞ると、複数の病院から同じ種類の薬が処方されていることに気づいてもらえることがあり、薬の重複を防ぐことができますよ。
薬の重複を防ぐことができれば、無駄に薬代を支払うことがなくなります。
医療費の節約方法④お薬手帳を持参する
4つ目に紹介する医療費の節約法は、「お薬手帳を持参する」です。薬局で薬を調剤してもらう際には、「薬剤服用歴管理指導料」というものが徴収されています。
お薬手帳を持参しなかった場合、薬剤服用歴管理指導料は「500円」かかってしまいますが、お薬手帳を持参すると、「380円」になります。(参考元:https://www.irs.jp/article/?p=490)
つまり、お薬手帳を持参すると、持参しなかった場合より、120円安くなります。薬剤服用歴管理指導料には、健康保険が適用されるので、医療費の自己負担が3割の場合は、40円安くなりますね。
40円は少額に思えるかもしれませんが、月に何回も薬を受け取る方であれば、大きな差となります。
指導料が安くなる条件は、お薬手帳を持参して過去6か月以内に同じ薬局で薬を処方してもらった場合です。
同じ薬局に行かずに6か月以上期間が空いた場合は、手帳を持参しても安くなりません。
医療費の節約方法⑤診療時間外に病院へ行かない
5つ目に紹介する医療費の節約法は、「診察時間外に病院へ行かない」です。診療時間外に病院を受診すると、「時間外加算」が適用され、医療費が高くなります。
時間外加算には「時間外」「休日」「深夜」の3種類があり、初診・再診で加算額が異なります。
「時間外」の範囲は医療機関ごとに異なるので、医療機関に確認してみましょう。健康保険組合連合会の公式ホームページに記載されている、時間外加算の金額は以下になります。
初診 | 再診 | |
時間外(おおむね)6時〜8時・18時〜22時 | 850円 | 650円 |
休日 | 2,500円 | 1,900円 |
深夜 22時~6時 | 4,800円 | 4,200円 |
(参考元:https://www.kenporen.com/health-insurance/jikangai/)
時間外加算金を無駄に払わないためにも、緊急時などやむを得ない場合以外は、なるべく診療時間内に病院へ行きましょう。
医療費の節約方法⑥ジュネリック医薬品に切り替える
6つ目に紹介する医療費の節約法は、「ジェネリック医薬品に切り替える」です。ジェネリック医薬品とは、 厚生労働省の認可を得て製造販売される、特許が切れた後の新薬と同じ成分を含む医薬品のことです。
ジェネリック医薬品の価格は、新薬の2~5割程度に設定されています。例えば、薬代が1ヶ月で5,000円かかっていたら、ジェネリック医薬品に切り替えるだけで、1000円~2,500円になります。
ジェネリック薬品は、開発にかかる期間が新薬と比べて短い分、開発費用が安く済んでいます。
普段、新薬を飲んでいる方は、薬局で「ジェネリックでお願いします。」と伝えましょう。この機会に、ジェネリック医薬品に切り替えてみてはいかがでしょうか。
医療費の節約方法⑦医療費控除で払い過ぎた税金を還付する
最後に紹介する医療費の節約方法は「医療費控除で払い過ぎた税金を還付する」です。医療費控除とは、1年間で支払った医療費の額が一定の金額を超えたときに、医療費を所得から差し引くことができる制度のことです。
例えば、会社員などの給与が支給される時点で、給与から税金が差し引かれている方は、支払った税金の一部が「還付金」という形で戻ってきますよ。
医療費控除の計算方法
医療費控除は、1年間で自己負担した医療費が10万円を超えたときに使えます。(総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%)医療費控除額は、以下の計算式で求めることができます。
「1年間で支払った医療費の合計金額(控除対象分の費用)」-「保険金などで補てんされた金額」-「10万円」=「医療費控除(最高200万円)」
それでは、年収300万円の会社員Aさんを例に、医療費控除を計算してみましょう。
- 年収300万円
- 1年間に支払った医療費25万円
- 保険金などで補てんされた金額3万円
Aさんの場合、医療費控除の計算式は、「25万円(1年間に支払った医療費)-3万円(保険金などで補てんされた金額)- 10万円 = ”12万円”」となります。
そのため、Aさんの場合、12万円の医療費控除が使えることになります。
計算式が少し複雑なので、計算が難しいと感じる方は、以下のサイトの計算シミュレーションを使うと良いですよ(http://www.hahoo.jp/KEISANKI/)
計算シミュレーションを使うと、医療費控除だけではなく、還付金と減税額の計算もすることができます。
医療費控除の対象になるもの・ならないもの
医療費控除には、対象になるものとならないものがあります。医療費控除の対象範囲の主な例は、以下になります。
- 医師に払った診察費・治療費
- 治療のための、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師などによる施術
- 保健師や看護師、准看護師による療養上の世話の対価
- 治療や療養に必要な医薬品の購入の対価
- 急な入院のための費用
- 通院や入院のための交通費
- 健康診断の費用
- 美容整形手術の費用
- 自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車料金
- 親族に支払う療養上の世話の対価
- 自分で希望して個室に入院したときの差額ベッドの料金
- 親族などへの謝礼
医療費控除の対象範囲がわからないときは、税務署に相談すると解決できますよ。
まとめ
本記事では、医療費を節約する前に知っておきたい日本の医療制度の基礎知識と、医療費の節約方法7選を紹介しました。最後にもう一度、医療費の節約方法7選をおさらいしましょう。
- 保険証を忘れないように気を付ける
- 軽い病気や怪我のときは大病院を受診しない
- かかりつけ医(薬局)を持つ
- お薬手帳を持参する
- 診療時間外に病院へ行かない
- ジュネリック医薬品に切り替える
- 医療費控除で払い過ぎた税金を還付する
この記事で紹介した節約方法を実践すれば、医療費を賢く節約することができます。
どの節約方法も、少しの心がけや習慣ですぐに実践できるので、是非試してみてくださいね。医療費を賢く節約して、家計への負担を少しでも減らしていきましょう。