「借金を滞納していたら、ある日裁判所から通知がきた。これってヤバいですか?」、「借金の滞納で裁判所から通知がきたのですが、どうしたらいいですか?」こんな方に向けて記事を書きました。
突然、裁判所から通知がきたら不安を感じますよね?通知の意味や自分がおかれている状況も把握したいと思います。
本記事では借金滞納による裁判を止める方法や、注意すべき点についても解説していきますので、是非とも最後まで読んでくださいね。
(トップ画像出典:https://www.pakutaso.com/20170635160post-11976.html)
借金滞納から裁判所の通知が来るまでの流れ
借金を滞納してから裁判所の通知が来るまでの流れをまとめました。日数はあくまで目安として考えてくださいね。
- クレジットカード等の利用停止(滞納~3日くらい)
- 電話やハガキなどで催促がくる(1週間~1カ月くらい)
- 信用情報機関のブラックリストになる(滞納より3カ月くらい)
- 裁判所から通知がくる(3カ月~6カ月くらい)
借金を滞納し続けると、約6カ月くらいで裁判所から通知がきます。突然、裁判所から封筒が届くと「少し怖い」と思ってしまうかもしれませんが、怖いからといって放置するのは絶対にやめましょう。
まずは同封されている封筒の中身を確認して、どのような通知かを確認しましょうね。次の章では、裁判所の通知にはどのような意味と種類があるのかを解説していきます。
借金の滞納でくる裁判所からの通知の意味は?
消費者金融の借金を滞納していたり、クレジットカードの返済の支払いをしていなかったりすると、裁判所から通知がきます。その通知は2種類ありますので、どういう意味なのか解説していきますね。
支払督促申立書
「支払催促申立書」は、「あなたが借金の返済しないので、貸金業者等の借入先が裁判所に財産の差し押さえをさせてくださいという申し立てをしました。」という意味があります。
この書類が到着してから2週間以内に、裁判所に異議申立書を提出しないと、財産が差し押さえれる状態になってしまいますので、注意が必要です。
訴状・答弁催促書
「訴状・答弁催促書」は、「あなたが借金の返済をしないので、貸金業者等の借入先が借金の支払い命じる判決を出してくださいという申し立てをしました。」という意味があります。
封筒には「口頭弁論期日呼出状及び答弁書催告状」が同封されています。裁判所の呼び出しに応じないで、答弁書も提出しないでいると、相手の主張を認める判決が下されてしまいますよ。
訴状の内容に対する反論や借金を分割返済したい等の希望を記載して、答弁書を出すのが良いでしょう。
借金を滞納し裁判所の呼び出しも無視したらどうなるの?
では裁判所から呼び出しを無視し、判決が出た場合はどうなってしまうのでしょうか?
裁判が終わると、借金を滞納している人の財産が「強制執行」できる状態になります。「強制執行」とはつまり「差し押さえ」のことです。
給料が差し押さえの対象となった場合は、裁判所から勤め先に「給与を差し押さえますので、こちらに振り込んでください」という通知が届きますので、会社にもバレてしまいますよ。
借金滞納による差し押さえが決定されるまでの流れ
借金を滞納していると、どのように財産が差し押さえされるか、不安に感じている人に向けて、差し押さえまでの流れをまとめました。
①金融機関、貸金業者から「差押予告通知書」が届く
まず金融機関や貸金業者から「差押予告通知書」(または催促書)が届きます。「差押予告通知書」は借金を一括返済してくれないと裁判を起こしますよという通知書です。法的効力はありませんよ。
②裁判所から「支払督促」が届く
金融機関から来た「差押予告通知書」を無視すると金融機関は裁判所に申し立てを行います。早ければ2週間後に、裁判所から「支払督促申立書」が届きます。
③裁判所から「仮執行宣言付支払督促」が届く
「支払督促申立書」を受け取り、2週間以内であれば裁判所に異議を申し立てることは可能です。「支払督促申立書」を放置すると「仮執行宣言付支払督促」という書類が送られます。
「仮執行宣言付支払催促」は、裁判所が金融機関の差し押さえを許可したという意味があります。
④強制執行により差し押さえが行われる
「仮執行宣言付支払督促」から2週間以内であれば、まだ異議申立は可能です。 ただ異議申し立てを2週間しなければ、金融機関はいつでも差し押さえを行うことが可能になってしまいますよ。
裁判所への異議申し立てとは?やり方も知りたい
異議申し立てって何?
「異議申し立て」は、裁判所からきた「支払督促」に対して反対することで、2週間以内に支払督促申立書を送ってきた裁判所に申し立てを行う必要があります。
異議申し立てをすると、支払督促の効果がなくなり、裁判所が「仮執行宣言付支払催促」を送ってくることはありませんよ。
異議申し立てのやり方
では異議申し立てはどのように行えばよいのでしょうか?それは、裁判所から送られてきた「異議申立書」を裁判所に提出するだけです。
裁判所から送られてきた「支払督促申立書」に書いてある「事件番号」、「当事者名」を書き写し、「本支払督促に対し、異議を申し立てます」と書き、署名押印します。
借金滞納による差し押さえの影響
借金を滞納した結果、裁判所の判決で差し押さえの許可が出た場合、生活にどのような影響があるのでしょうか。何が差し押さえの対象になるのか等を解説していきますね。
給料は差し押さえの最優先
裁判所から差し押さえの許可が出た場合、最優先で差し押さえられてしまうのが給料です。差し押さえ可能な金額は法律で決まっています。
給料は差し押さえの対象となりますが、税金等を引いて残った給料いわゆる手取りの4分の1までです。手取り額が44万円を超える場合は、33万円を超えた部分がすべて差し押さえとなってしまいますよ。
何が差し押さえの対象になるの?
差し押さえの対象となるものは、「債権」「不動産」「動産」の3つです。「動産」は、現金、商品、不動産以外のすべての財産です。差し押さえの対象となる動産をまとめました。
- 66万までの現金
- 貴金属、機械
- 有価証券(株式・債券・手形・小切手など)
財産の中には差し押さえが禁止されているものもあります。生活していく上で必要なものは、一般に禁止されています。
- 66万円以下の財産
- 生活に欠くことができないもの(衣服、寝具等)
- 生活に必要な食糧と燃料(約1カ月分)
- 仕事に欠くことができない器具
- 仏像、位牌その他礼拝又は祭祀に直接供するもの
借金滞納による裁判や差し押さえを止めたい
借金の滞納による裁判が始まってしまうと、財産を差し押さえられてしまうのではないかと不安やストレスを感じますよね。裁判となってしまった場合、その裁判を止めることはできるのしょうか?
裁判を止めるには、債務整理を行うのが良いでしょう。債務整理は裁判が起きた後でも可能ですよ。債務整理には「任意整理・自己破産・個人再生」と大きく分けると3つの種類があります。
任意整理
借入先と話合いをして借金返済の方法を決め直す「任意整理」は、借入先からすると借金返済の滞納がない差し押さえの方が魅力的なため、応じてくれない可能性があります。
個人再生
裁判所に再生計画の認可の決定を受け、借金の減額をしてもらう「個人再生」は、裁判は止まりませんが申し立てた時点で差し押さえができなくなります。
個人再生の手続きを進め、減額が認められれば減額された現実的な借金を支払っていきましょう。個人再生は、相手が任意整理や裁判上の和解に応じないときに、有効な対処方法となります。
自己破産
借金返済の義務がすべてなくなる「自己破産」も、個人再生と同様に申し立てた時点で、差し押さえはできなくなり、自己破産となれば裁判は棄却となり借金を支払う必要がなくなりますよ。
長期間放ったらかしの借金は時効になる?
借金を5年または10年返済していないと、借金は時効になることがあります。そのため何年も払わなかった借金に対して裁判所から突然通知がきたときに、「時効じゃないの?」と思う人もいるでしょう。
しかし時効は成立するための条件と、「時効の援用」という手続きが必要です。また支払うという意思表示をしていたり裁判所から判決が出ていると時効は成立しません。
借金を時効消滅させたいという方は、一度弁護士や司法書士といったプロに相談することをオススメします。
裁判以外で借金滞納で注意すべきこと
借金を滞納していると、裁判所からの通知や差し押さえに注意が必要であることは、ご理解いただけたと思います。借金を滞納していると、それ以外にも注意すべき点が3つありますので、解説していきますね。
なぜ借金を一括請求されるのか
借金を滞納していると、ある日いきなり一括請求されます。理由は、クレジットカードやキャッシング等の利用規約や約款には、「期限の利益喪失約款」という条項があるからです。
「滞納が2か月分に達した場合、債務者はそのときの残金を一括払いする」などの記載があります。これは「2カ月滞納したら借金の一括返済請求をしますよ」という意味ですね。
遅延損害金について
借金を滞納していると「遅延損害金」というお金が必要になります。遅延損害金とは、借金を期日までに返済しなかったことによって、発生してしまった損害に対して支払わなければならならないお金です。
実際に損害金を算出するのではなく、利息のように年率で計算します。多くのサラ金やクレジットカード会社などの年率は20%と設定されていますよ。
ブラックリストについて
借金を2、3か月程度滞納していると、信用情報期間の「個人信用情報」が登録されます。いわゆるブラックリストですね。ローンやクレジットカードの申込みをしたときに、審査が通らなくなってしまいます。
一回ブラックリストに登録されると、借金を返済しても5年間程度は、ローンやクレジットカードの審査が通らない状態が続くので注意が必要ですよ。
まとめ
以上、「【けっこうヤバい?】借金を滞納していたら裁判所から通知がきた!」でした。ある日突然、裁判所から通知がくると、怖く感じる人もいると思いますが、絶対に放ったらかしにしてはいけません。
最低限の生活は守られるものの、財産が差し押さえられてしまいます。どうするべきかわからなくなってしまったら、自分1人で抱えずにプロである弁護士や司法書士に相談しましょう。
きっとあなたの力になってくれることでしょう。この記事が、あなたの不安解消につながれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。