「自己破産したら官報に載るなんて…」「周りの人にバレるのでは…」「他にどんなデメリットがあるのだろう…」
官報に載ると聞くと、どんなデメリットがあるのか非常に気になりますよね。
この記事を読めば、官報に載ることの意味をしっかりと理解できますよ。
官報ってそもそも何?
正直、官報と聞いもピンとこないですよね。普段目にすることがほとんど無いので、知ってる人は少ないです。
官報とは、国立印刷局が発行する国の新聞ともいえるものです。行政機関の休日以外は毎日発行されており、一般的な新聞のように毎日購読している方もいます。
1883年に創刊され、現在では紙媒体だけではなくインターネットでも官報を読めるようになっています。
国は官報の発行をもって国民に伝えたと認識するため、国の状況を詳しく知りたい場合は継続的に購読した方がいいと思います。
官報ってどんなことが書かれている?
今回の記事で、官報のことを少し理解していただけたことだと思います。官報について興味が出てきた方もいると思うので、少し内容について説明します。
書かれている内容は、「法令の交付」法律改正や規則、告知などの国に関わる情報、「広報的事項」国会の議会案件や皇室にまつわる報告告知、閣議決定などの情報、「公的紙的事項」自己破産者名や会社組織の変更・解散などの国民の権利や義務に関わる情報です。
現在はインターネットで直近30日分を無料で読むことができます。
また、紙媒体でも購入することができ、官報販売所で購入することができます。その際に欲しい情報を官報販売所の人に伝えると、その情報が書かれた官報のみを購入することも可能です。使い勝手の良い方を選んで閲覧してみてください。
自己破産すると、どんな内容が官報に載る?
自己破産して官報に載る場合、破産手続き開始決定後と免責決定が下された後の2回、債務者の情報が記載されます。
記載される内容は、破産手続き開始決定後の場合は事件番号(事件内容を識別するための番号)、住所、債務者名、決済年月日、主文(債務者の破産手続きを開始についての内容)、破産理由、免責意見申述期間、裁判所名です。
免責決定が下された後の場合は事件番号、住所、債務者名、決済年月日、主文(破産者の免責を許可する等の内容)、裁判所名が記載されます。
自己破産して官報に掲載される場合、費用はかかる?
自己破産して官報に記載される場合、官報広告費がかかります。かかる費用は、自己破産の種類によって異なっています。
同時廃止事件の場合は11,000円、少額管財事件、通常管財事件の場合は13,000円の費用がかかります。
この費用は、自己破産手続きを裁判所に申請する際、支払う「予納金」に含めて一緒に支払うことになります。その為、事前にこの金額を準備するようにしましょう。
自己破産で官報に載るデメリット①官報に載ると一生消えない
一度官報に名前が載ってしまえば、一生消えることはありません。後になってから取り消そうとしても、手遅れになります。
自己破産すると官報に2回載ることになります。破産の手続きが開始されて時、免責許可が下りた時です。一般的には、決定がなされた後でおおよそ2ヶ月後になります。
官報に記載される情報は、手続きした裁判所・手続きした日時・破産者の氏名・破産者の住所です。
これらが乗ってしまうことを、気にしてしまう人は、少し考えた方がいいかもしれませんね。
自己破産で官報に載るデメリット②闇金から勧誘が来る可能性あり
自己破産の官報を見て、ヤミ金融などから、勧誘の電話やダイレクトメールが送られてくるということもあります。
自己破産した方は正規のクレジット等を利用できませんし、自己破産後しばらくは再度自己破産することもできないので、そのような業者から勧誘されるということもあります。
仮に生活に困っていたとしても、生活保護などの正規手続きで対応し、このような機関からは絶対にお金を借りないように注意しましょう。
自己破産で官報に載るデメリット③家族にバレる可能性が高い
自己破産の手続きする際、世帯単位の家計収支表と一緒にお住まいの方の給与明細、電気、ガス、水道、電話の領収証の提出が求められます。
これらの書類を入手する際に同居する家族にバレてしまう可能性が非常に高いと思われます。
もちろん、これらの資料が同居する家族に知られることなく準備できるのであれば、バレずに手続きをすることも可能かもしれませんね。
しかし、自己破産ほどの重要事項は、家族ともじっくり話し合うべきことだと思いますので、よく考える必要があります。
実際、官報に載ることは大きなデメリット?
結論から言いますと、そこまで大きなデメリットはないように感じます。官報自体あまり知名度が高くないため、そこから自己破産したことが、知り合いにバレる心配はほとんどありません。
せいぜい金融機関の専門部署に所属している人くらいしか見ていませんので。
また、闇金からの勧誘電話等も、契約せずに全てスルーしてしまえば、特に実害はないと思います。
ただ、家族に知られるという点は避けては通れない部分になります。この点は腹を括って、よく話し合うようにしましょう。
自己破産は本来使用してはならない制度?
ここまで、官報のデメリットを主にお話ししてきました。これだけ聞くと、自己破産の制度は「よくないものだ」というイメージがついてしまっていると思います。
しかし本来、負債者が借金返済できなくなった時、その際の最後の救済方法として自己破産という制度があります。そのため、決して使用してはならない悪い制度ではないのです。
なのでここからは少し、自己破産のメリットについて解説していきます。
自己破産のメリット①借金をゼロにできる
これは自己破産制度の最も大きなメリットだと言えます。自己破産についてはこの部分のみ、ほとんどの方がご存知だと思います。今まで抱えてきた借金がゼロになるので、また再スタートを切ることができますね。
裁判所に自己破産の申し立てし、破産手続に関する決定と併せて、免責の決定も得られれば、借金を返す義務を免れることができます。
借金が多くて首が回らなくなった時の最後の希望になりますね。
自己破産のメリット②貸金業者からの取り立てが止まる
自己破産の大きなメリットの一つで、貸金業者からの取り立てが止まることが挙げられます。
債務整理を開始するに当たって,弁護士が受任通知を送付すると,貸金業者や負債会主会社からの直接の取り立てが停止します。自己破産を申し立て,破産手続が開始されると,債権者による個別の取立てが禁止されます。
また,直接の取り立てが停止するだけでなく,破産手続が開始されると,債権者による訴訟の提起も禁止されます。すでに提起されている訴訟は中断します。
自己破産のメリット③手元にある程度の財産を残せる
自己破産しても、自由財産と言われる生活に必要最低限の財産は手元に残すことができます。99万円までの現金などは、生活していくのに最低限必要な財産として保有することができます。
また、車も査定額が20万円未満の場合は処分されずに、今後も使うことができる可能性があります。
このように、借金額をゼロにした上、自分の手元に必要最低限の財産を置くことができるので、生活を非常に立て直しやすくすることができます。
自己破産で官報に記載されることについてのまとめ
この記事で自己破産のメリットとデメリット、官報に載ることについて解説してきました。自己破産についての理解が深まってくれたことだと思います。
今までいだいていた、怖いイメージが少しでも変わっていただけたでしょうか?
もし実際に自己破産を使う際は、今回学んだことを踏まえた上で、自分にとって一番良い選択をしていただければ、私も非常に嬉しいです。
今後もこのような日本の制度を学んで、上手く活用して生活の助けにしていきましょう!