「個人再生を検討しているのだが、車が引き取られないか心配…。車がないと生活できないので、個人再生について詳しく解説してほしい」
借金問題を解決する手段として選ばれる個人再生は、近ごろ増加傾向にあり、特に地方で車を所持している方にとっては深刻な問題です。
そこで今回は、個人再生について解説しながら、債務整理後でも車を残す方法をお伝えします。
この記事を読むことで、個人再生後に発生する車の悩みが消え、借金問題が解決へと進みます。ぜひ最後までご覧ください。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E8%BB%8A-%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%95%E3%82%A3%E3%83%83%E3%82%AF-%E7%94%B7-%E6%80%A5%E3%81%90-1149997/)
個人再生とは?
個人再生とは、膨らみすぎた借金を減額してもらう措置のことです。
よく自己破産と混同されがちですが、個人再生では基本的に財産を取られることはなく、借金を減らし債務者に再生してもらうのが目的です。
ただ、個人再生の申立をすると、所持している財産の金額については最低限の支払いが発生します。
多額の財産を所有している場合は、個人再生において借金だけ減額することは許されず、財産の金額に応じた返済が求められます。
それでは、個人再生時に車を所有している場合は、財産として認識され引き取られるのでしょう?次の項目で解説しますね。
個人再生で車が引き取られる?
個人再生では、原則ローンの支払いが終わっていれば車は引き取られません。
個人再生は前述した通り、基本的に財産が失われないタイプの債務整理の方法で、一括払いで購入した場合などローンの残高がなければ、所持している車が没収されることはないです。
またローンが残っている状態でも、銀行や信用金庫でのマイカーローンでは、購入した時点で所有権が本人のものになるので、個人再生で車が引き取られることはありません。
一方、ディーラーが提携するローン会社でローンを組んだ場合、ローン会社に所有権が留保する「所有権留保」の契約となるので、車は債務整理において担保の対象となります。
ちなみにディーラーが提携するローン会社では、購入する車自体が担保の対象なので、銀行などのマイカーローンと比べて比較的審査が通りやすいです。
なので、個人再生時に車が引き取られるケース・そうでないケースを簡単にまとめると、下記の通りです。
ローンの有無 | 引き取りの有無 |
ローンの支払いが終了した車 | 引き取られない |
ローンが残っている車(銀行・信用銀行などでマイカーローンを組んだ車) | 引き取られない |
ローンが残っている車(ディーラーが提携するローン会社でローンを組んだ車) | 引き取られる |
個人再生で車が引き取られるケース
また、ローンの支払いが終了した場合でも、所有している車の価値が高いと、個人再生で車が引き取られる可能性があります。
個人再生では清算価値保障原則によって弁済額が設定され、所有している車も含めた財産の総額から、分割弁済の金額が算出されます。
清算価値保障原則とは、個人再生の申立をした者が債権者に分割弁済する金額は、その申立をした者が有している財産の総額を下回ってはならない、という原則です。
例えば預金額が50万円、所有している車の価値が100万円の状態で個人再生の手続きをした場合、分割で弁済する金額は最低でも150万円となり、車が引き取られる可能性が高くなります。
これまで延べたように個人再生では、車が引き取られるケースとそうでないケースで複雑に分かれているため、まず次に挙げるチェック項目を確認すると良いでしょう。
- 車のローンが残っていないか
- ローンの名義人は誰か
- 車の所有者は誰か
個人再生時にチェックすること①車のローンが残っていないか
個人再生時にチェックすることは、まず車のローンの残存状況です。
そもそもローンを完済すれば、車の所有権が買主に移転しますので、所有している車を引き取られずに済みます。
また前述した通り、車の価値が高いと引き取られる可能性が高いですが、預金額に比べて車の価値が低いと、弁済額がそこまで上がらず引き取られる可能性が低くなります。
なので個人再生時は、車の価値・ローンの状況を把握し、引き取られる可能性がないか確認しましょう。
個人再生時にチェックすること②車のローンの名義人は誰か
つづいて、個人再生時にチェックすることは、車のローンの名義人です。
車のローンがまだ残っていても、ローンの名義人が家族の場合には、あなたが個人再生をしても車が引き取られることはありません。
また、個人再生時に問題となるのは債務者本人の負債だけなので、家族が負債を抱えていたとしても、車の引き取り対象とはならず継続して所持が可能です。
一方、ローンの名義人があなた自身の場合、個人再生によって車が引き取られる可能性があります。
個人再生時にチェックすること③車の所有者
最後に、個人再生でチェックすることは、対象となる車の所有権です。
車の所有権がローン会社のままだと、前述した所有権留保の契約が継続中なので、個人再生時に引き取られる可能性が高いでしょう。
また、実際に車の所有権を確認するには、車検証を見るのがもっとも確実です。
車検証の所有者欄を見たときに、あなた自身の名前が記載されていれば、所有権がローン会社ではないので、個人再生で車が引き取られることはありません。
一方で、所有者欄にローン会社の名称が書いていれば、所有者がローン会社のままなので、個人再生すると車が引き取られる可能性が高いです。
ちなみに個人再生において、ローン中でも車を残す方法が存在します。
個人再生でローン中でも車を残す方法 別除権協定をする
個人再生で車を残す方法として、「別除権協定」を締結することが挙げられます。
別除権協定とは、車のローン会社との間で交わす協定のことで、ローンを支払うことを約束する代わりに、車を引き取らないようにしてもらえます。
主に個人タクシーや運送業者など、車の継続使用を認めないと収入がなくなり個人再生が困難になって、かえって債権者の利益を害するケースで認められます。
ただ、裁判所の許可が必要なので非常にハードルが高く、別除権協定の締結は弁護士の助けを借りないと難しいでしょう。
そこで次の項目では、個人再生でおすすめの法律事務所を2つ、紹介しますね。
個人再生で車を残す際におすすめの法律事務所①
1つ目に紹介する法律事務所は、「東京ロータス法律事務所」です。
全国で出張相談を行っている東京ロータス事務所は、個人再生を始めとした借金問題に強く、1万件以上の相談に乗った実績のある大手法律事務所です。
また、債務整理に関する相談は対面・電話共に無料で受け付けています。
特に東京ロータス事務所は、土日・祝日、さらに夜間も相談に対応しており、多重債務に陥っている方にとって強い味方となっています。
個人再生で車を残す際におすすめの法律事務所②
名村法律事務所は現在「ひばり法律事務所」への名称が変わっています。ひばり法律事務所の詳細は、以下の記事をご覧ください。
2つ目に紹介する法律事務所は、債務整理が得意な「名村弁護士事務所」です。
名村法律事務所の代表を務める名村弁護士は、東大法学部出身で、弁護士としてのキャリアも25年以上積んでいるため、借金の悩みを抱えた多くの方から信頼を得ています。
また名村法律事務所では、借金問題に関する相談を何度でも無料で受け付けており、全国各地から相談や依頼を受けています。
個人整理でお悩みの方は、下記の公式ページで相談の申込みができますので、ぜひご覧ください。
個人再生で車は没収される? 【まとめ】
今回は、個人再生における車の引き取りについて解説しました。要約すると、下記のとおりです。
- 車のローンが残っている
- ディーラーが提携するローン会社でローンを組んだ
- 車の価値が高額
- ローンの残存状況
- ローンの名義人
- 車の所有者
個人再生時に車を所持していると、自己破産のように差し押さえされないか、不安になってしまいます。
しかし個人再生の場合は、ローンを完済していれば車が取り上げられないケースがほとんどです。
また、車が取り上げられるケースはさまざまな条件があるので、一度弁護士と相談することをおすすめします。
この記事を参考に、あなたも個人再生を進めて、借金問題が解決できると幸いです。