「任意整理にかかる期間を知りたい」「任意整理後の返済期間はどれくらい?」「ブラックリストにはどのくらいの期間、記載されるの?」と考えていませんか?
この記事では、「任意整理の手続きにかかる期間」「任意整理後の返済期間」「任意整理によるブラックリスト掲載期間」「銀行口座の凍結期間」の4つの期間について解説していきます。
任意整理に強い弁護士事務所も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9-%E6%88%90%E5%8A%9F-%E8%A8%88%E7%94%BB-4241785/#content)
まずは確認!任意整理とは?
任意整理とは、債務整理の方法の1つで、借金をしている相手に直接交渉をして利息額を減らしてもらう方法です。
任意整理の手続きが始まると、手続きが完了するまでの間は取り立てや返済も一時的にストップします。
任意整理は双方の合意によって成り立つものなので、法的効力はありませんが、安定した収入がある場合は任意整理によって返済額を減らせば計画的に返済していくことが可能です。
ただ、任意整理後に返済が遅れてしまうと、一括返済を求められたり、裁判になってしまったりしてしまいます。こういったリスクを減らすためにも、無理のない返済計画を立てることが重要です。
任意整理の手続きにかかる期間はどれくらい?
任意整理の手続きにかかる期間の目安は6か月です。しかし、任意整理の手続きにかかる期間は状況によって大幅に変動するため、あくまで目安です。
実際の手続きにかかる期間については、弁護士へ相談して聞くのが一番確実です。手続きを急いでいる人は、弁護士へ相談してみるのがいいでしょう。
ただ、任意整理の手続きは相手方との兼ね合いがありますので、実際は「正確な期間はやってみないと分からない」というのが本当のところです。
任意整理の手続きにかかる期間が変動してしまう理由については、次章で任意整理の手続きの流れと併せて解説していきます。
任意整理手続きの流れと手続き完了までの期間が変動する理由
任意整理の手続きは一般的に以下の4ステップで行われます。任意整理の手続きに時間がかかってしまうポイントも一緒にチェックしておきましょう。
①相談
まずは、弁護士へ相談するところから始まります。任意整理を弁護士へ依頼する際は、直接会って相談することになります。
あなたの借金の状況を伝えるのと同時に、任意整理とはどういった手続きなのか、リスクなども踏まえながら説明を受けます。この時、信頼できそうだと感じたら、実際に契約を結んで任意整理を依頼しましょう。
着手金が設定されている場合は、通常、このタイミングで支払います。
②受任通知書の送付
任意整理を始めるにあたって、最初に行うのが受任通知書の送付です。受任通知書とは、弁護士があなたの代理人となったことを、債権者(借金をしている相手)に伝える書類です。
この受任通知書を送付すると、債権者はあなたに対して借金の取り立てを行うことができなくなります。
また、受任通知書の送付と同時に借金の状況を正しく判断するために、今までの取引履歴の開示を請求し、任意整理の手続きが完了するまでの間は返済もストップすることを知らせます。
受任通知書を早く送れば送るほど、あなたの借金負担も一時的に軽減しますし、任意整理の手続きも早く終わることになります。
③借金額の確認・返済計画の作成
債権者から取引履歴が送られて来たら、借金額やどれだけ利息を減らせるのかを確認します。それを元にして、あなたの収入状況などを考慮しながら返済計画を作成します。
取引履歴は数日で送られてくる場合もありますが、債権者によっては数か月しても送ってこないこともあります。また、取引が長期間である場合、取引履歴を確認するだけでもかなりの時間がかかります。
- 取引履歴が送られてくるタイミングに差がある
- 取引期間が長い場合は取引履歴の確認に時間がかかる
④和解交渉
返済計画が出来上がったら、債権者に計画について和解してもらえるように直接交渉します。交渉にかかる期間も、相手方の返答スピードにかなり左右されます。
次章では、任意整理の手続きの期間が特に長引くケースについて紹介していきます。
任意整理にかかる期間が長引くケース
任意整理の手続きの期間が長引くケースについて紹介していきます。長引くケースは全部で4つあります。
借金の状況に問題があるケース
あなたの借金状況に問題があるケースでは、返済計画の作成や和解交渉に長い時間がかかる可能性が高いです。借金の問題は以下のようなものです。
- 月々の返済可能額があまりに少額である
- 返済がほとんど進んでいない(滞納している)
- 借り入れをする際に収入状況などを偽っていた
上記のような場合、債権者からすると和解交渉に応じたいとはあまり思えませんよね。任意整理は両者の合意によって成り立つものなので、債権者が応じてくれないとなると交渉は難航します。
中小規模の債権者から借り入れているケース
規模が小さい消費者金融の場合、任意整理の交渉に応じてもらいにくいことが多いです。このケースでも和解交渉は難航するため、時間がかかってしまいます。
着手金を分割払いにしているケース
弁護士に支払う着手金を分割払いにしているケースでは、基本的に着手金を支払い終えるまで任意整理の手続きは開始されません。
一括での着手金の支払いが難しい場合は、後払いにしてもらったり、着手金が不要な弁護士事務所に依頼するとスムーズですよ。
過払い金が発生しているケース
債権者から取引履歴を開示してもらった際には、過払い金が発生しているかどうかの確認もします。
過払い金が発生している場合は、過払い金返還請求の手続きも同時に行うため、手続きに時間がかかってしまいます。
次章では、任意整理後の返済期間について解説していきます。任意整理後の返済イメージを明確に持つためにも、ここでしっかりと確認しておいてくださいね。
任意整理後の返済期間はどれくらい?
任意整理後の返済期間は、3~5年であることがほとんどです。返済期間が長くなるほど返済の負担が少なくなりますが、返済期間が短い方が和解交渉が進みやすい傾向にあります。
返済期間中にボーナスや収入状況の変化があった場合は、繰り上げ返済をすることも可能です。ただ、任意整理によって利息がカットされているため、繰り上げ返済をしても返済額は変わりません。
繰り上げ返済とは、月々の返済額よりも多く返済を行うこと。通常の返済額よりも多く支払うと予定よりも早く返済が終わるので、(任意整理をしていない場合は)その分支払う利息が少なくて済みます。
また、和解交渉が成立してから返済期間が始まるまでにも、返済の負担を考慮して1~2か月ほどの猶予期間が与えられます。
次章では、任意整理後にブラックリストに掲載される期間について解説していきます。
任意整理後にはどのくらいの期間ブラックリストに載る?
任意整理をする際に気になるのは、ブラックリストにどれくらいの期間載ってしまうのかですよね。任意整理をして、条件に当てはまった場合はブラックリストには5年間掲載されることになります。
ブラックリストに載るかどうかについては、状況によって異なるので次章で解説していきます。
ブラックリストに掲載されると、クレジットカードの審査が通りにくくなったり、銀行口座の開設が難しくなったりします。
新たに借金をすることも難しくなっていくので、この点についても考慮しながら返済計画を立てることが大切です。
任意整理でブラックリストに記載されるケース
任意整理でブラックリストに載るかどうかは、借金をした消費者金融が保証会社を付けているかどうかで変わってきます。
消費者金融は信用機関はブラックリストを管理するために、信用機関(ブラックリストを管理にしている機関)に加盟していますが、それぞれブラックリストに関する規定が違います。
信用機関は、大きく分けて「JICC」「CIC」「KSC」の3つです。
JICC | 5年間掲載 |
CIC | 基本的に掲載なし |
KSC | 規定なし |
JICCは任意整理をすると5年間ブラックリストに掲載されますが、他2つに関しては保証会社と提携しているかによって、ブラックリストに掲載されるかどうかが決まります。
CICやKSCでは、金融機関の保証会社が代位弁済(あなたの代わりに借金を建て替えること)をした場合、5年間ブラックリストに掲載されることになります。
クレジットカードのカードローンによる借金の場合、保証会社がついていますので5年間ブラックリストに掲載されます。
次章では、任意整理によって銀行口座が凍結されるケースと凍結期間について解説していきます。
任意整理で銀行口座が凍結されるケースと凍結期間
銀行系のカードローンを任意整理する場合に、その銀行の口座を持っている人は銀行口座が凍結されることに注意してください。
銀行口座の凍結は1~2か月程度ですが、凍結されてしまうとその間はお金を移動させることが出来なくなってしまいます。(入金だけならできるケースもあります。)
口座を給与振り込みや公共料金の支払いに使っている場合は、任意整理する前に違う口座に変更しておきましょう。
任意整理の期間については弁護士へ相談しよう
ここまで、任意整理にかかわる期間を4つ紹介してきました。一番期間の変動があるのは、任意整理の手続きにかかる期間です。この期間は状況によって大幅に異なってくるので、正確な判断をするのは難しいです。
弁護士に相談して聞いてみるのが一番正確な方法ですが、債権者とのやり取りによっても異なってくるので、実際のところはやってみないと分かりません。
しかし、弁護士であれば、あなたの借金の状況合わせた的確なアドバイスをすることができるので、まずは弁護士に相談するところから始めてみてくださいね。
任意整理の期間 まとめ
任意整理にかかわる4つの期間について紹介してきました。記事の内容をまとめると以下のようになります。
- 「任意整理の手続きにかかる期間」は大幅に変動する
- 「任意整理後の返済期間」は通常3~5年
- 「ブラックリストの掲載期間」は5年
- 「銀行口座の凍結期間」は1~2か月
繰り返しになりますが、任意整理の手続きにかかる期間は大幅に変動します。どれくらい期間がかかるかは、弁護士に相談してみるのが一番確実な方法です。
無料相談を行っている弁護士事務所もたくさんありますので、まずは相談してみるところから始めてみてくださいね。