「お金を借りると金利で返済がややこしくなって計算が大変そうだ」と思いますよね。私も、お金を借りることには、すごく抵抗があります。
実際、私の家族が借り入れたお金と金利の計算をせず、毎月の返済に苦労していたため、「返済のための金利計算が大変そうだ」というのはよくわかります。
そこで、私の家族と同じように返済時の金利計算方法がわからない・しっかり管理しておきたいという人のために、自分でできる金利の計算方法をご紹介します。
支払額を把握したい方に読んでいただくことで、自分でお金の管理ができるようになりますよ。
出典:https://pixabay.com/ja/photos/%E3%81%8A%E9%87%91-%E3%82%B3%E3%82%A4%E3%83%B3-%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%83%E3%82%AF-%E5%AF%8C-18554/
借金返済時の金利の計算は自分でできる?
借金返済時の返済額やそれにかかる金利を含めた返済計画を立てるには、ファイナンシャルプランナーなどお金に関する専門家などに依頼することが一番簡単です。
でも、いくら借りていくら返すことになるか自分で計算ができると便利ですよね。
ズバリ言うと、金利の計算は自分でもできちゃいます!手軽にできる方法としては以下の2つがあります。
- 100万円を借りた場合の毎月の返済額を表した早見表で確認する
- マイクロソフトの「エクセル」表計算ソフトを使う
1の方法は、ざっくりと返済額を把握したい方向けとなっております。
2の方法は、自分で表を作って、金額が変わったり金利が変化したりするのに対応し、月々の返済金額を管理したい方向けです。
早見表に金利を当てはめて計算する方法【返済額を簡単に把握】
毎月の返済額は借入額、金利、返済期間によって決まります。借入額は金額に比例して返済額が増減するので、借入額100万円当たりの返済額が分かれば、あとは借りる額に合わせて返済額を計算できます。
100万円を借りた場合の毎月の金利と返済期間に応じた返済額を表にしたものが下の早見表です。例えば年間の金利が1.40%、返済期間35年とすると、月々の返済額は3,013円です。
この金利と返済期間で3000万円を借りる場合の返済額は、表の金額を30倍(3000万円÷100万円)すればよいので、次の計算式で求められます。
例えば、3013×30=9万390円が3000万円を借りた場合の月々の返済額になります。
早見表の金額はあくまで概算なので、ざっくりと計算したい方に向いています。
返済期間 | |||||
金利 | 15年 | 20年 | 25年 | 30年 | 35年 |
0.60% | 5,810円 | 4,422円 | 3,590円 | 3,035円 | 2,640円 |
0.80% | 5,897円 | 4,510円 | 3,678円 | 3,125円 | 2,730円 |
1.00% | 5,984円 | 4,598円 | 3,768円 | 3,216円 | 2,822円 |
1.20% | 6,073円 | 4,688円 | 3,859円 | 3,309円 | 2,917円 |
1.40% | 6,162円 | 4,779円 | 3,952円 | 3,403円 | 3,013円 |
1.60% | 6,252円 | 4,871円 | 4,046円 | 3,499円 | 3,111円 |
1.80% | 6,343円 | 4,964円 | 4,141円 | 3,596円 | 3,210円 |
2.00% | 6,435円 | 5,058円 | 4,238円 | 3,696円 | 3,312円 |
金利を把握して返済したい!!エクセルでの計算方法
実はマイクロソフト社が作っている表計算ソフトの「エクセル」でも金利の計算ができます。
- エクセルを新しく開きお好きな欄を選択してください。
- 画面上部の「数式」から「関数の挿入」を選択するか「fx」と書かれた場所をクリックしてください。
- 「何を検索しますか」の表記があるので、「PMT」と入力しましょう。
- 「PMT」を選択して「OK」を押してください。
- 「利率」に金利、「期間」に返済期間、「現在価値」に借入額をそれぞれ入力します。
- 数値の入力後「OK」をクリックしてください。
金利はひと月当たりの月利で計算する必要があります。年間あたりの利率の場合は12で割った数を入力しましょう。
返済期間を毎月の返済額と同じ数値にするために「*12」と入力するのを忘れないようにしましょう。
今回は金利1.4%/12 返済期間「35*12」 借入額3000万円で計算してみます。
金利1.4%、借入期間35年、借入金額3000万円の場合だと、「-90,393」という数値が出てきます。つまり、月々の返済額は9万393円となります。
金利を把握して返済したい!!エクセルで計算表を作ろう!
「PMT」関数に数字を入力すれば返済額を計算できますが、いちいち関数のウインドウを開いて入力するのは面倒ですよね。借入額と金利を入力すれば、自動的に返済額が表示される簡単な表をつくりましょう。
最初は手間ですが、後々楽に管理できるのでおすすめです!返済期間を変えることもできますが、ここでは35年の返済で設定します。
- 一番上の3つの枠に「借入額」「金利」「返済額」とそれぞれ入力します。
- 借入額の下の枠に「30000000」、金利の下の枠に「1.40%」と入力しましょう。
- 返済額の下の枠には先ほどのPMT関数を入力していきます。
- 返済期間(期間)は35*12と数字を直接書き込みますが、金利(利率)は隣の枠の数値を当てはめるために「B2/12」と入力しましょう。
- 借入額(現在価値)は「A$2」と入力します。Aと2の間に「$」が入っていますが、これは次に述べるお金の管理表の作成に備えてのことです。
返済のための管理表を作成しよう
上記の表をベースに、月々の返済ごとに返済額に占める元金と利息の内訳や、ローン残高が分かる表を作っていきましょう。
- 先ほどの表に向かって一番左側にカーソルを合わせ、右クリックして「挿入」を押しましょう。
- 「返済回数」の欄を挿入し1から420(12×35年)まで入力します。
- 「1」「2」と数字を入れた後、枠の右下にカーソルを合わせ「+」マークが出たらクリックして、クリックしたまま420までマウスを下に動かすと一気に数字を入力します。
- 表に向かって右側に「うち利息」と「うち元金」の欄をつくります。「うち利息」と入力した枠のすぐ下の枠には「=B2*C2/12」と、「うち元金」と入力した枠のすぐ下の枠には「=D2+E2」と、それぞれ入力します。
- 返済回数2の行の「借入額」の枠に「=B2+F2」と、「金利」の枠に「=C2」と入力してください。
- それぞれの枠の右下にマウスで合わせ「+」マークが出たらクリックし、返済回数420の行まで長押しをして数字を埋めましょう。
「借入額」の枠には「29944607」と表示されますが、これは2回目の返済の時点(1回目の返済が終わった時点)のローン残高が2994万4607円であることを意味しています。
「金利」の枠には上の枠と同じ「1.40%」と表示されます。「うち利息」の下の枠には「35000」と表示されますが、これは1回目の毎月返済額のうち、3万5000円が利息であることを示しています。
また「うち元金」の下の枠に表示される「55393」の数字は、返済額のうち5万5393円が元金という意味です。なお、小数点が表示された場合は表示を消しておきましょう。
これで表の完成です。金利と返済額の数字はどのセルも同じですが、例えば22回目のローン残高は2882万3077円で、返済額のうち利息が3万3627円、元金が5万6766円ということが分かります。
金利計算の方式【元利均等返済ってなに?】
毎月支払う返済額が一定となる返済方法が「元利均等返済」です。メリットは返済額が一定で、返済計画が立てやすく、最初の頃の返済額は、後ほど紹介する元金均等返済に比べて低くなるので過大な負担がかかりません。
また、借り入れた最初の返済額を元金均等返済よりも少なくできます。
デメリットは最初の頃は利息額が多く、元金の返済が少ないため、元金均等返済よりも返済総額が多くなることです。
また、借入残高がなかなか減らないので、精神的に辛いといった一面もあります。
メリット | デメリット | |
元利均等返済 | 返済計画が立てやすい | 支払総額が多くなる
借入残高がなかなか減らないので精神的につらい |
例えば、金利1.4%、借入期間35年、借入金額3000万円の場合だと、月々の返済額は9万393円となります。
1年間の支払いは108万4,704円となり、支払総額は3,796万4,813円となります。796万円ほど利息による支払いが発生します。
金利計算の方式【元金均等返済ってなに?】
毎月支払う返済額のうち、元金の額が一定となる返済方法が「元金均等返済」です。メリットとしては、元金がどんどんと減っていくので、利息も減り、返済額が減りやすいという点です。
また、元金の減少が早いので、元利均等返済よりも総支払い額は少なくなります。
デメリットとしては、返済開始当初の返済額が高く返済負担が大きいため、借入時に必要な収入も高くなります。
メリット | デメリット | |
元金均等返済 | 支払総額が元利均等返済よりも少ない
毎月の支払いが減ってくる |
返済開始時の負担が大きい |
例えば、「元利均等返済」と同じ条件の金利1.4%、借入期間35年で借入金額3000万円の場合だと、最初に支払うのが10万6,429円と元利均等返済よりも1万円ほど高くなります。
支払総額は3,736万7,540円となるので、元利均等返済よりも60万ほど安くお金を借りられるんですよ。
ちなみにですが、7年目79回目の返済時、月々の返済額が9万9,929円となり、元利均等返済とほぼ同じ金額になります。(元利均等返済は毎月9万393円。)
27年目319回目になると7万9,929円まで月々の返済額が減少します。返済開始時は元利均等返済の方がお得ですが、最終的な支払い総額を考えると、元金均等返済の方がお得だとわかりますね。
元利均等返済と元金均等返済どっちが得か
返済終了までを考え、収入や支出の見込み、定年・退職の時期などを考慮した返済方法や借入期間を選択しましょう。
当初の負担が軽い元利均等返済が一般的です。しかし、借入残高がなかなか減らない精神的な負担や、総支払額の多さから考えると、少し負担は大きいのですが元金均等返済の方が得です。
借入する際は、無理に返済計画を立てず、「将来、○○になるかもしれない」など未来を予測する視点も必要でしょう。
利息額の計算方法
利息額=借入残元金×利率÷365×(借入当日を除く)借入日数で求めることができます。
利用期間:4/18~4/25の場合を例にとって考えてみます。
10万円 × 14.5% ÷ 365 × 7日 = 278.08219
例の場合だと、10万円を借りて7日後に返済総額は10万278円となります。
金融会社間の利息の差も軽視せず、この計算で返済額や利息負担を比較してみるといいでしょう。
ですので、同じ利用金額・利用期間で金利を20%にした場合のシミュレーションもしてみましょう。
同じ期間、同じ借入金額でも、金利が高いだけで、返済総額は10万383円と100円も高くなることがわかりますよね。
この際、年間でかかる利率(年利)か1か月にかかる利率(月利)かは借入先に確認しておきましょう。会社によって、年利で表記していたり、月利で表記していたりして紛らわしいからです。
まとめ
金利の計算は自分で簡単にすることが出来ます。早見表やエクセルを使って、ご自身で金利の返済のための計算方法を身につけておくと、お金に詳しくなりますよ。
元利均等返済と元金均等返済は、それぞれメリットとデメリットがあるので、あなたの収入や将来についてよく考え、返済する方法を選択するといいですね。
利息は、会社ごとに異なる利率で計算されるので、利率に着目してお金を借りる会社を決めるとよいでしょう。その際、利率が年間のものか1か月でかかるものかは必ず確認しておきましょう。