「為替取引か。為替取引をしている人は借金をしてしまうとよく聞くけど、どうしてそうなるんだろう。」
為替取引はレバレッジといった信用取引で何倍、何十倍もの利益を得られる一方で、人生に壊滅的な損害を与える危険性もはらんでいます。
この記事では、為替取引による借金の実態について解説していきます。解決策も最後に紹介するので、為替取引の借金に悩む人の力になれれば嬉しいです。
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FXでの為替取引は借金してしまう危険性がある
為替取引の中でも借金をしてしまう危険性として有名なのが、FX(外国為替証拠金取引)です。FXはドルなどの外貨に投資する取引方法のことを言います。
FXには自分の持っている資金を何十倍にもして、持っているお金以上の取引が可能になる「レバレッジ」という方法があります。最大25倍までの信用取引が可能です(2019年8月時点)。
レバレッジの具体例を挙げて説明すると、仮に手元資金が10万円でレバレッジを最大25倍にすると、250万円の取引が可能になります。利益も大きくなりますが、その分損失も大きくなります。
FXにおいて損失を被ってしまい、手元資金の損失を埋め合わせるために消費者金融やカードローンで借金をして、次の勝負で穴埋めをするという借金の負のループに陥る可能性が高くなりがちです。
現在のFXのレバレッジは最大25倍ですが、2011年の規制以前のレバレッジは最大50倍もの取引が可能でした。
最大50倍のレバレッジでは、手元資金10万円の場合だと500万円の取引ができることになります。
2011年以前のFXでは、レバレッジ50倍を行ったせいで人生が破滅した人が後を絶ちませんでした。
FXでの為替取引は借金が発生しにくいと言うが・・・
でも、FXって「ロスカット」があるから借金せずに済むんじゃないの?
FXの為替取引を知っている人なら、「ロスカット」があるから安心だと思っている人もいるでしょう。
「ロスカット」とは、手元資金が一定の比率以下になった場合、取引を強制決済させて損失を抑える仕組みです。
「ロスカット」が発動されれば、手元資金の大損失を回避できるので、借金をして手元資金の埋め合わせを必要以上にするなんてことはなくなります。
しかし、以下の条件に当てはまる場合は「ロスカット」が発動されず、損失を埋め合わせるための追加の手元資金を求められてしまうのです。
急な為替変動
テロや災害、各国の大統領やFRB、日銀総裁といった政府高官の発言や発表があると為替相場が変動します。
政府高官の情報が市場にインパクトを与えるものだった場合、「ロスカット」が急な為替変動に追いつかなくなり発動されません。そして、追加の手元資金を求められることになってしまうのです。
システムトラブル
GDPなどの経済指標の発表などがあった場合、トレーダーによる注文が殺到し、急な為替変動が起こりがちです。
この場合、FXを行っている会社のシステムトラブルが発生する可能性があり、サーバーがダウンし「ロスカット」が発動されないなんてこともあります。
トレーダーによる注文殺到が原因ではありませんが、2018年に東京証券取引所でシステム障害が発生したのも、記憶に新しいかと思います。
FXで為替取引をする前に、事前に練習すれば借金の心配はない?
確か、FXの練習用デモトレードのソフトがあるんだよね。デモトレードで練習してからFXをやれば借金のリスクを回避して、安全に始められるんじゃないの?
FXの為替取引において借金のリスクを回避するために、練習してから安全に始められるようにデモトレードで練習してから始めるという方法もあります。
ここ最近ではスマホ用のアプリで、FXのデモトレードといったバーチャル取引で練習するなんてこともできます。
ですが、FXのデモトレードで練習したとしても、結局バーチャル取引と実践は状況が全く違ってくるのです。
デモトレードではあんなに利益を出していたのに、実践でやり出した途端に大損失を出してしまい、借金で損失の埋め合わせをするためにまた勝負に出るなんていう話も聞きます。
デモトレードはあくまで仮想空間での取引です。実践のFXにおいての為替取引は、自分の持っているお金が、リアルタイムで1分1秒と増減していく恐怖を身をもって知ることになります。
株式投資による為替取引の借金の危険性は?
為替取引には、FX取引以外にも株式投資による取引があります。
株式投資は、FXと同様にレバレッジ取引が可能ですが、レバレッジは最大で3倍程度となっていて、FXの最大レバレッジ25倍と比べると規模が小さいと言う特徴があります。
仮に手元資金が10万円でレバレッジ3倍をかけると、30万円の取引となり金額の規模が小さくなります。手元資金の埋め合わせをするために、借金をするというリスクを軽減できるんです。
ただし、株式投資のレバレッジ取引で得た利益に味をしめ、借金をしてまで株式投資に没頭してしまうリスクもあるので注意が必要です。
現物取引の為替取引は借金に手を染めにくい
為替取引のなかでもFXや株式投資以外にも、現物取引という取引方法が存在します。
現物取引とは株式による取引方法で、自分が持っているお金の範囲内で株式を購入する方法です。
自分の持っている範囲内で為替取引が進むので、レバレッジなどの手元資金を超えた危険な為替取引をせずに、借金に手を染めにくいです。
ただし、現物取引で思った以上に利益が出たからFXのレバレッジに挑戦してみて、結果的に大損失に向かってしまうと言うこともあるので、注意が必要です。
為替取引で地獄に突入した人の嘆きの声
ここから、為替取引で地獄を見た人たちの、「5ちゃんねる」にあった体験談を3つずつ紹介していきます。
親のカードを使って借金600万円
5 名前:名無しさん@お金いっぱい。 [sage] :2012/09/03(月) 02:52:39.38 ID:qrJ55gTS0
600万の借金だけ残った。 消費者金融、クレジットカード...
親のカード勝手に使った...軽い気持ちだった 50万がすぐに100万になった、
でも一瞬のうちにすべて消えて無くなった それを何度も繰り返した...今日、両親にあらいざらし全ての事を話した。正直、自分自身耐えれなかったから...
母は大泣きしてたよ...父も激怒... 母が泣いてる姿を見てると、悔しさと情けささで
知らず知らずのうちに自分も大粒の涙を流してた...
FXを始めてから、1年ちょい まさか、自分がこんな事になるとは思ってもなかった....今日、やっと目が覚めたよ。 何かに取り憑かれてたのかもしれない お金という魔物に....
この世界が1%の人によって支配されているという事が良くわかった。
正直まだ若くて良かったのかな、両親にはまだやり直せるって言われた。
母のあんな姿二度と見たくないし悲しませたくない。皆も早く目が覚めるように祈っとくよ。 もう二度とFXには手を出さない。 このスレはちょくちょく見るかもしれんけど。
出典:https://matome.naver.jp/odai/2139350379252599201
FXで50万円の金額が2倍の100万円になったことで味をしめ、消費者金融やクレジットカードでFXの運用資金を借金してしまった典型例です。
利益が倍になると自分には実力があると過信しすぎてしまうこともあり、さらなる借金に手を染めがちです。
そして、大損失が出たときに夢から醒め、「やっぱりやるんじゃなかった」と痛感してしまうはめになります。
為替取引で命を絶つ
446 名前:山師さん 投稿日:2010/01/14(木) 20:42:59 ID:IRhGYvfh0
いまから某電車に特攻してくる・・。
もし、電車今日から明日にかけてとまったら俺だとおもって
28院卒童貞 JAL株で3020万失いました・・・。
夢も希望ももうないです・・。さっき飛び込もうとして怖くなって
アパートに帰ってきた・・。まじで支援しない政府本気で恨みます・・。みんな来世であおう
243 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日:10/01/15(金) 23:29 ID:???
こいつマジで死んだんだな。
昨日ネタとか通報とかいったやつのろわれて
あの世に引っ張られるかもな・・。出典:https://matome.naver.jp/odai/2139350379252599201?page=2
為替取引で数千万もの取引をしていると、もちろんそれ相応の損失も覚悟しないといけません。この方は手堅く始めることをせずに、大勝負をしてしまったのでしょう。
為替取引で自分の身の丈に合わない金額を取引すると、借金地獄の道が開けてきてしまいます。そして、追い詰められて自らの命を絶ってしまうこともあるんです。
為替取引は、自分の身の丈にあった金額を取引した方が良いとよくわかる典型例ですね。
一夜の出来事で全てが台無しに
174 名前:Trader@Live![] 投稿日:2011/03/17(木) 13:43:38.33 ID:g/MGLdZ2
昨晩2998万くらいの残高が有ったが
朝起きたら12万になってた
今頃になって実感が…20万位から何度も退場を乗り越え
3年かけて勝ち組になったと思っていたのに
もうトイレに行く事すら出来ないよ
どうやって立ち直ろうか
仕事も初めて無断欠勤したし
つらい出典:https://matome.naver.jp/odai/2139350379252599201?page=2
この方はFXか株式投資かどちらの為替取引かは分かりませんが、いずれにしろ為替取引はリアルタイムで金額が動きます。
一晩寝て翌朝に為替取引の金額を確認すると、大損失を被ってしまったというのは為替取引の失敗談にはよくある話です。
この方は、取引金額が20万円ぐらいになったら退場しようと決めていたつもりが、なかなか決断できず取引金額がさらに減って12万円になってしまいました。
為替取引をするときは取引金額の利益よりも、自分がどのぐらいまでの損失ならば耐えられるのかを決めてからやった方がいいでしょう。
為替取引の借金の悩みは必ず弁護士に相談を
為替取引で借金をして、取り返しのつかないことになったらどうすればいいの?もう、人生終わりなの・・・?
為替取引で借金をしてしまい、自分の人生に壊滅的な大損失をこうむってしまった場合、どうすればいいのかわからなくなるでしょう。
実は為替取引で借金をしてしまった場合、弁護士に相談すれば解決できる可能性もありますので、落ち着いて相談してみましょう。弁護士の相談は無料でできるところが多いです。
弁護士に相談すると、自己破産手続きを行える可能性がありますので、無事に自己破産が実行できれば為替取引で抱えてしまった借金から解放されますよ。
弁護士をどうやって探せば良いか分からない場合、「弁護士ドットコム」というサイトを利用してみてください。弁護士を検索できますので、自分の住居に近い弁護士などを探せますよ。
自己破産をするにはハードルがある
為替取引で借金をしてしまった場合、弁護士による自己破産手続きによって借金から解放されます。ただし、自己破産するには「免責不許可事由」というハードルを越える必要があるのです。
「免責不許可事由」とは、裁判所が「免責(借金を免除すること)」をしてくれない事情のことを言います。自己破産には、以下のような法律が破産法で定められています。
「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと」
出典:破産法252条1項4号
FXや株式投資において、投資をするために消費者金融やカードローンで借金をした場合、「射幸行為」と見なされてしまい「免責不許可事由」に該当し、自己破産できない可能性があるのです。
「免責不許可事由」に当たった場合は、諦めるしかないの?
自己破産をするには「免責不許可事由」というハードルを越えなければなりません。そのため、免責不許可事由に該当した場合、「諦めるしかない」と思ってしますでしょう。
しかし、諦めるのは早いですよ。破産法には「裁量免責」という「免責不許可事由」に該当したとしても、その案件全体から見て裁判所の裁量によって免責が認められるのです。
FXや株式投資による借金が「免責不許可事由」に該当してしまったとしても、免責が認められる可能性があると言うことなんです。
FXや株式投資によって借金をしてしまった人が、「裁量免責」による免責が認められ、40代男性会社員のFXによる1080万円もの借金が0円になったという、以下の法律事務所の解決例もあります。
Aさんは、クレジットカードで日用品を購入していましたが、利用当初は問題なく返済できていました。
その後、副収入を得る目的でFX取引を始めたAさんは、FX費用やFXに関する書籍代、セミナー参加費用などを借入で賄いました。しかし、一時的に利益を上げられたものの、損失の方が圧倒的に多く、完全にマイナス収支となってしまいました。
「無駄遣いが原因で1000万円以上の借金を作ってしまったのだから、借金免除されないのでは?」と、Aさんはとても不安そうでした。
しかし、これまでの借金理由について正直に裁判所へ申告し、現在はその理由が取り除けていること(AさんのケースだとFX取引を止めていること)、および今回破産手続に至った点について反省している姿勢を示すことができれば、借金が免除されるケースが大半であることをAさんにご説明しました。
その甲斐あって、Aさんの不安は解消され、借金の多くがFX取引に関連するものだったため、管財事件として受任しました。合わせて今後は、家計簿をつけて倹約に努めるよう、Aさんにお願いしました。
管財人選任後、Aさんが倹約に努めている姿勢が認められ、管財人から指示があった反省文を提出し、無事にAさんの借金は免除されました。Aさんは、ご自身の借金理由の大半がFX関連であり、破産手続をしても借金は免除されないと思っていたため、この結果には大変喜んでいらっしゃいました。
引用:https://izumi-saimu.jp/jirei/jikohasan/45
まとめ
ここまで、為替取引による借金について解説していきました。為替取引はレバレッジなどの信用取引を使って、自分の身の丈に合わない金額を取引すると一気に借金地獄へ陥ります。
為替取引をするなら、余剰資金で小さな金額から始めていった方が得策です。
もし為替取引で多額の借金をしてしまったとしても、自己破産という救済措置があることを忘れないで下さい。
くれぐれも、為替取引の借金で人生が壊滅的になり、自らの命を絶つなんてことはしないで下さいね。