多くのユーザーから支持されているSBI証券とマネックス証券。おすすめのネット証券として必ず名前が挙がる両社ですが、これから投資を始める人は「どっちの方が良いのかな?」と悩んでしまうかと思います。
そこで今回は、SBI証券とマネックス証券の特徴をわかりやすく解説します。本記事を読んでもらえれば、両社の魅力や違いがわかるので、どちらを利用すべきなのか判断できるようになるでしょう。
また、それぞれの証券会社に向いている人のタイプも紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/チャート-取引-コース-3810586/#content)
SBI証券とマネックス証券の基本情報
最初に、SBI証券とマネックス証券の基本情報を紹介します。以下の表を見れば、両社の大まかな特徴や違いを把握できるので、さっそく見ていきましょう。
サービス | SBI証券 | マネックス証券 |
手数料コース(株式取引) | 2種類 | 2種類 |
単元未満株(ミニ株) | ⚪︎ | ⚪︎ |
外国株 | 9ヶ国 (2022年8月時点) |
2ヶ国 (2022年8月時点) |
IPO(新規公開株) | 122社 (2021年の取扱実績) |
65社 (2021年の取扱実績) |
投資信託 | 2,705本 (2022年8月時点) |
1,276本 (2022年8月時点) |
一般NISA | ⚪︎ | ⚪︎ |
つみたてNISA | ⚪︎ | ⚪︎ |
iDeCo | ⚪︎ | ⚪︎ |
ポイントサービス | Tポイント、Pontaポイント、dポイントなど | マネックスポイント |
ツール・アプリ | ⚪︎ | ⚪︎ |
大手証券会社というだけあり、SBI証券もマネックス証券も商品・サービスが充実しています。ただし、取扱銘柄数や利用できるポイントなどに違いがあるので、自分の目的や状況に合わせて選ぶと良いでしょう。
また、両社ともに便利なツール・アプリを提供しており、その多くが無料で利用できます。各社の公式サイトでは、使える機能について詳しく解説しているので、事前に確認しておくと安心です。
SBI証券とマネックス証券の取引手数料を比較
基本情報に続いて、気になる取引手数料(国内株式手数料)について紹介します。SBI証券とマネックス証券には、以下のような2種類の手数料コースがあるので、どのような違いがあるのか確認していきましょう。
- 「1注文の約定代金」に応じて手数料が決まるコース
- 「1日の約定代金の合計額」に応じて手数料が決まるコース
「1注文の約定代金」に応じて手数料が決まるコース
SBI証券とマネックス証券には、1注文の約定代金に応じて手数料が決まるコースがあります。
SBI証券では「スタンダードプラン」、マネックス証券では「取引毎手数料コース」という名前になっており、それぞれの手数料は以下の通りです。
1注文の約定代金 | 手数料(現物取引の場合) | |
SBI証券 | マネックス証券 | |
〜5万円以下 | 55円 | 55円 |
〜10万円以下 | 99円 | 99円 |
〜20万円以下 | 115円 | 115円 |
〜50万円以下 | 275円 | 275円 |
〜100万円以下 | 535円 | 535円 |
〜150万円以下 | 640円 | 640円 |
〜3,000万円以下 | 1,013円 | 1,013円 |
3,000万円超 | 1,070円 | 1,070円 |
SBI証券とマネックス証券は、1注文の約定代金に対する手数料が同じです。ちなみに両社の現物取引手数料は、主要ネット証券の中で最安なので、よりお得に投資ができます。
紹介したSBI証券の「スタンダードプラン」、マネックス証券の「取引毎手数料コース」は、1注文の約定代金が高い人におすすめです。
「1日の約定代金の合計額」に応じて手数料が決まるコース
SBI証券とマネックス証券には、1日の約定代金の合計額に応じて手数料が決まるコースがあります。
SBI証券では「アクティブプラン」、マネックス証券では「一日定額手数料コース」という名前になっており、それぞれの手数料は以下の通りです。
1日の約定代金の合計額 | 手数料(現物取引・信用取引共通) | |
SBI証券 | マネックス証券 | |
〜50万円以下 | 無料 | 550円 |
〜100万円以下 | ||
〜200万円以下 | 1,238円 | 100万円超、300万円ごとに2,750円加算 |
〜300万円以下 | 1,691円 | |
〜400万円以下 | 100万円増加するごとに295円加算 | |
〜500万円以下 | ||
500万円超 |
SBI証券に関しては、1日の約定代金の合計額が100万円までなら手数料が無料です。対して、マネックス証券は550円の手数料が発生します。
また、1日の約定代金が100万円を超える場合も、マネックス証券よりSBI証券の方が手数料が安いです。1日の取引回数が多くなりそうな人は、低コストのSBI証券を検討してみると良いでしょう。
紹介したSBI証券の「アクティブプラン」、マネックス証券の「一日定額手数料コース」は、1日の約定代金が100万円を超えない人や少額取引を何度も行う人におすすめです。
SBI証券は、25歳以下の国内現物株式手数料を無料としています。
取引コストを抑えられるので、株式投資に興味がある25歳以下の人は、積極的にSBI証券を検討してみましょう。
SBI証券の特徴とは?
ここからは、SBI証券とマネックス証券の特徴を紹介していきます。まずはSBI証券の特徴から見ていきましょう。
SBI証券は、口座開設数No.1の大手ネット証券です。業界屈指の銘柄数や手数料の安さに強みがあり、投資に役立つサービスも充実していることから、トータルバランスに優れた証券会社として人気を得ています。
また、1株単位での取引や100円からの積立など、少額投資ができるのも魅力的なポイント。投資経験者だけでなく、これから資産運用を始める人にもSBI証券はピッタリです。
次の章からは、SBI証券のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
SBI証券の4つのメリット
まずはSBI証券のメリットから解説します。特筆すべきメリットは以下の4つです。
- 外国株の種類が多い
- IPO銘柄の取扱数が業界最多
- 投資信託の取扱数が豊富
- 対応しているポイントサービスが多い
メリット①外国株の種類が多い
SBI証券は、数あるネット証券の中でも外国株の種類が多いです。以下は、SBI証券が取り扱っている外国株になります。
- 米国株式
- 中国株式
- 韓国株式
- ロシア株式
- ベトナム株式
- インドネシア株式
- シンガポール株式
- タイ株式
- マレーシア株式
SBI証券では9ヶ国の外国株を取り扱っており、その数は業界トップクラスです。対して、マネックス証券は2ヶ国(米国株と中国株)のみなので、選択肢の多さではSBI証券に分があります。
また、米国株の取扱数が多いのも見逃せないポイントです。世界屈指の大企業をはじめ、今後の成長が期待できるマイナー企業にも投資できるのは、SBI証券のメリットと言えるでしょう。
さらに手数料が0ドル〜22ドルと業界最安水準なので、米国株に興味がある人は要チェックです。
メリット②IPO銘柄の取扱数が業界最多
IPOとは、俗に言う「新規公開株」や「新規上場株式」のことです。具体的には、未上場企業が新規に株式を証券取引所に上場し、投資家に株式を取得させることを言います。
SBI証券は、IPO銘柄の取扱数が圧倒的に多いです。2021年の取扱数は122社で、マネックス証券の65社と比べて約2倍の差がありました。
なお、IPOは利益が出やすいことから人気ですが、抽選で購入権を獲得しなければなりません。その点、SBI証券はIPO銘柄の取扱数が多いので、当選する確率が高くなるというわけです。
新規公開株を狙っているのであれば、積極的にSBI証券を利用することをおすすめします。
メリット③投資信託の取扱数が豊富
SBI証券は、投資信託の取扱数も業界トップクラスです。現在(2022年8月時点)の取扱数は2,705本で、マネックス証券の1,276本と比べて2倍以上の差があります。
選択肢が多いSBI証券であれば、よりあなた好みのファンドを見つけることができるでしょう。ユーザーに合うファンドを提案してくれるサービスもあるので、投資知識が少ない人も安心です。
また、100円から購入できる銘柄があるのもメリットとして挙げられます。「まずは少額からスタートしたい」「すぐに資金を用意できる見込みがない」という人は、ぜひSBI証券を検討してみましょう。
SBI証券はiDeCoやNISAにも対応しているので、非課税投資をしたい人にもおすすめです。
メリット④対応しているポイントサービスが多い
SBI証券のメリットとして、対応しているポイントサービスが多い点も挙げられます。具体的には、国内株式や投資信託の取引に応じて「Tポイント」「Pontaポイント」「dポイント」を貯めることが可能です。
また、三井住友カードで投信積立をすれば、決済額に応じて「Vポイント」が貰えます。一方、マネックス証券は当社オリジナルの「マネックスポイント」にしか対応していません。
資産形成をしつつ、日頃からよく使うポイントを貯められるのは、SBI証券の大きな魅力と言えるでしょう。
TポイントとPontaポイントは、投資信託の購入資金に充てられるので、ポイント投資を考えている人にもおすすめです。
SBI証券の2つのデメリット
メリットに続いて、SBI証券のデメリットを解説します。特筆すべきデメリットは以下の2つです。
- デモ取引がない
- 国内株と海外株の取引アプリが別々
デメリット①デモ取引がない
デモ取引とは、仮想の資金を使ってリアルな取引を体験できるサービスのことです。
リスクなしでトレード経験を積める便利なサービスですが、SBI証券にはデモ取引がないため、事前に取引を体験できないというデメリットがあります。
SBI証券は少額取引ができるので、慣れるまでは投資額を抑えてトレード経験を積むのがおすすめです。
また、取引のイメージを掴みたい人は、公式サイトにある「お取引操作ガイド」を参考にしてみると良いでしょう。
デメリット②国内株と海外株の取引アプリが別々
SBI証券にはスマホアプリがありますが、国内株と外国株の取引アプリが別々になっています。
両方の取引をする場合、1つのアプリで完結できないことから、「使い勝手が悪い」と感じてしまうかもしれません。
国内株と外国株でアプリが分かれていることで、それぞれの情報をより詳しく確認できるのはメリットと言えるでしょう。
マネックス証券の特徴とは?
続いて、マネックス証券の特徴を紹介していきます。マネックス証券は、総口座数が216万(2022年7月時点)を突破している大手証券会社です。
手頃な手数料と充実した商品・サービスに定評があり、業界2トップのSBI証券と楽天証券に次ぐネット証券の1つとして注目されています。
マネックス証券は、米国株や中国株に強いという特徴があり、IPOの抽選が完全平等である点も大きな魅力です。さらに豊富な投資情報を掲載していることから、利用価値の高い証券会社と言えます。
以下では、マネックス証券のメリット・デメリットを解説しているので、SBI証券との比較に役立ててみてください。
マネックス証券の4つのメリット
まずはマネックス証券のメリットから解説します。特筆すべきメリットは以下の4つです。
- 米国株と中国株に強い
- IPOの抽選に当選しやすい
- 投資に役立つ情報が豊富
- クレカ積立のポイント還元率が高い
メリット①米国株と中国株に強い
マネックス証券は、米国株と中国株の銘柄数が豊富です。現在(2022年8月時点)、米国株は4,500件以上、中国株は香港市場に上場するほぼ全ての銘柄を取り扱っています。
さらに手数料が安く設定されているのもポイント。米国株は1取引あたり0ドル〜22ドル、中国株は49.5香港ドルからと業界最安水準となっています。
なお、SBI証券と銘柄数や手数料を比較しても、マネックス証券は引けを取らないです。中国株に限れば、SBI証券よりマネックス証券の方が手数料が安くなっています。
上記の点から、米国株や中国株に興味を持っている人に、マネックス証券はおすすめと言えるでしょう。
メリット②IPOの抽選に当選しやすい
IPOの購入者は抽選によって決まるため、当選しなければ購入することができません。その点、マネックス証券は「100%完全平等抽選」を採用しているため、当選確率が高いと言えます。
100%完全平等抽選とは、取引実績や預かり資産に関わらず、全ての人が平等に当選する可能性がある抽選方式のことです。特定の応募者への優遇がないため、投資初心者もIPOに当選する確率が高くなります。
対して、SBI証券の抽選方式は完全平等ではありません。資金が少ない場合でも不利にならないのは、マネックス証券のメリットと言えるでしょう。
IPO抽選の当選確率は、非常に低いことで知られています。そのため、「何十回も申し込んだのに一度も当選しない…」というケースも珍しくありません。
できるだけ当選確率を上げたい人は、IPOに強いSBI証券とマネックス証券の同時利用がおすすめです。
メリット③投資に役立つ情報が豊富
マネックス証券は、投資に役立つ情報が豊富な点もメリットとして挙げられます。以下は、口座開設者が得られるマーケット情報の一部です。
国内株式決算カレンダー | 国内の取引所に上場している企業の四半期ごとの決算発表スケジュールを掲載 |
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米国株式決算カレンダー | S&P500の採用銘柄のうち、約500銘柄の決算スケジュールを掲載 |
経済指標カレンダー | 経済指標の推移を「予想」と「結果」の差を視覚的に確認できる参考情報 |
各国政策金利表 | 政策金利発表予定日と現在の政策金利の一覧 |
投資部門別売買状況 | 海外・個人投資家が株式を買い越しているのか売り越しているのかを掲載 |
マネックス証券では、上記の情報を含む11種類のマーケット情報を提供しています。さらに投資アナリストやストラテジストの「オリジナルレポート」を無料で閲覧することも可能です。
これらの情報は、銘柄を選ぶときや取引タイミングを決める際にとても役に立ちます。上手く活用することで、より有利に取引を進められるでしょう。
また、複雑な投資情報をわかりやすく提供しているところも、マネックス証券をおすすめできる理由の1つです。
メリット④クレカ積立のポイント還元率が高い
マネックス証券には、マネックスカードを対象にしたクレカ積立があります。他の証券会社にもクレカ積立はありますが、マネックス証券のポイント還元率は主要ネット証券の中で最大です。
具体的には、投資積立のカード決済で最大1.1%のポイント還元を受けられます。対して、SBI証券の還元率は最大2.0%ですが、ポイント付与率を上げるには年会費が高いカードを使わなければなりません。
その点、マネックスカードは年会費無料(次年度以降は年間1回以上の利用で無料)なので、誰もが利用しやすいサービスと言えるでしょう。
なお、カードの利用で貯まる「マネックスポイント」は、株式手数料への充当や暗号資産に交換できます。他にもdポイント・Tポイント・Amazonギフト券などに交換することも可能です。
マネックス証券の2つのデメリット
メリットに続いて、マネックス証券のデメリットを解説します。特筆すべきデメリットは以下の2つです。
- 手数料が割高になる場合がある
- 外国株の種類が少ない
デメリット①手数料が割高になる場合がある
前述したように、マネックス証券には2種類の手数料コースがありますが、「一日定額手数料コース」は割高になるケースが多いです。
例えば、1日の約定代金が150万円になったとしましょう。その場合、SBI証券は1,238円、マネックス証券は2,750円の手数料が発生します。
同じ取引でも倍以上の手数料がかかってしまうため、1日に何度も取引をする人はSBI証券がおすすめです。
デメリット②外国株の種類が少ない
現在(2022年8月時点)、マネックス証券で取り扱っている外国株は、米国株と中国株の2種類のみです。
一方、SBI証券は9カ国の外国株を取り扱っているので、選べる種類が少ないのはデメリットと言えるでしょう。
マネックス証券は、米国株と中国株の銘柄数が豊富で、さらに手数料が安く設定されています。
そのため、米国株や中国株に投資をしたい人にとっては、利用するメリットが大きいです。
SBI証券に向いている人のタイプ
最後に、それぞれの証券会社に向いている人のタイプを紹介します。まずはSBI証券に向いている人の特徴から見てみましょう。
- 初めてネット証券を利用する人
- できるだけ取引コストを抑えたい人
- 外国株式・IPO・投資信託に興味がある人
- TポイントやPontaポイントなどを活用している人
SBI証券は、商品数・サービス・手数料のどれもが優れており、数ある証券会社の中で総合力No.1と呼び声が高いです。特に大きな欠点がないので、初めて利用するネット証券にうってつけと言えます。
また、外国株・IPO・投資信託の取扱数が多いので、これらの投資に興味がある人もSBI証券を検討してみると良いでしょう。
さらにSBI証券ならTポイントをはじめ、Pontaポイント・dポイント・Vポイントを貯められます。ポイ活をしている人やポイント投資を考えている人にもSBI証券はおすすめです。
マネックス証券に向いている人のタイプ
続いて、マネックス証券に向いている人のタイプを紹介します。以下の特徴に当てはまる人は、マネックス証券の利用がおすすめです。
- 米国株や中国株に投資をしたい人
- IPOに興味を持っている人
- お得に投資積立をしたい人
マネックス証券は、米国株と中国株の銘柄数が圧倒的に多いです。更に手数料が安いので、米国株や中国株に投資をしたい人に向いていると言えます。
また、IPOの抽選が完全平等である点や、クレカ積立のポイント還元率が高い点も魅力です。新規公開株を狙っている人やお得に投信積立をしたい人も、ぜひマネックス証券を検討してみることをおすすめします。
まとめ:自分の目的に合わせて最適な証券会社を選ぼう
今回は、SBI証券とマネックス証券について紹介しました。改めて両社の特徴を簡単にまとめてみます。
- 取引手数料が業界最安水準
- 外国株・IPO・投資信託の取扱数が豊富
- ポイントサービスの自由度が高い
- 米国株・中国株・IPOに強い
- マーケット情報や投資情報が豊富
- クレカ積立のポイント還元率が高い
両社ともに充実した商品・サービスを提供していますが、それぞれ異なる魅力があります。ですので、それぞれの特徴をよく理解した上で、自分の目的に合った証券会社を選ぶと良いでしょう。
例えば、多くの銘柄を比較検討したいならSBI証券、中国株に興味があるならマネックス証券がおすすめです。
なお、IPOに興味を持っている人は、できるだけ当選確率を上げるためにも両社を併用することをおすすめします。どちらも無料で口座開設できるので、ぜひ同時利用も検討してみてください。