証券口座の移管手続きを難しいものだと思っていたりはしていませんか。
「証券口座を移管することはできるのか」「移管の手続きはどうやって行うのか」という疑問で、別の証券会社で口座をひらくことや証券口座を乗り換えることにためらっている人もいることと思います。
この記事では証券口座の移管手続きについて、証券口座を移管するメリット、移管するための手続き、そして注意点などをご紹介しています。
他の証券会社の手数料や商品ラインナップを魅力に感じていて、乗り換えたいと思っている人や証券口座の移管を検討している人は是非最後までご覧ください。
(アイキャッチ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/4878099)
証券口座の移管は可能!
はじめに「証券口座を別の証券会社に移管することができるか」という疑問ですが、結論から言うと可能です。口座の移管とは、証券会社に預けている金融商品の管理場所を移すことをいいます。
現在保有している株式や資産を別の証券会社に移管手続きすることで、それらをそのままい移管手続きした証券会社の口座へと移すことができるのです。
移管手続きを行わなくても、現在保有している資産を一度すべて売却してから、別の証券会社で口座をつくり、新しく取引をはじめるという同様の方法もとることはできます。
ですが、株を多く保有している場合には売却にも手間がかかりますし、一度売却したことで確定申告をする必要も出てくるので、口座を乗り換えたいというときには、移管手続きの方がベターといえるでしょう。
証券口座を移管するメリット
まずは証券口座を移管することによるメリットを確認しておきましょう。
証券口座を移管することによるメリットのひとつ目は、取引手数料が安い証券会社に口座を移すことで、手数料を低く抑えることができることです。
ふたつ目のメリットは、複数の証券口座をまとめられることです。
移管して複数の証券口座の商品をひとつにまとめることで口座管理が楽になります。入出金も1回で済み、手続きの手間が省けますし、運用成果も見えやすくなります。
証券口座を移管するための手続き
証券口座を移管するための手続きは、いずれの証券会社であっても、大きな違いはありません。
移管の手続きは、現在使っている証券会社から口座を移管するための所定の書類を取り寄せて入手し、必要事項を記入したうえで、返送するという簡単なものです。
証券会社のウェブサイトに記入例があれば、それを参考として、ミスがないようによく確認をして手続きをすれば問題はありません。注意事項がある場合には、それにもしっかりと目を通すようにしましょう。
書類を返送後、およそ1週間から2週間で移管手続きは完了します。ただし、一部では移管する先の証券会社においても、所定の書類への記入と手続きが必要となる場合もあります。
証券口座を移管する手続きを行うときの注意点①
移管手続きを行うときの注意点のひとつ目は、証券会社によって内容等に多少の違いがあることです。
証券会社によっては、移管することができない銘柄も存在します。特に外国株は扱っている証券会社も少なく、外国株の移管に対応していない場合が多くあります。
また、出庫に手数料がかかる証券会社もあるので注意が必要です。手数料を払ってまで移管したいのか、そのメリットがあるのかはよく考えいところです。
保有している株が移管手続きできるものなのかどうか、出庫に手数料が発生するのか、事前に各証券会社のホームページでチェックしたり、わからない場合には問い合わせたりして確認しておきましょう。
証券口座を移管する手続きを行うときの注意点②
移管手続きを行うときの注意点のふたつ目は、特定口座と一般口座をまたぐ移管はできないことです。
移管が可能なのは、「特定口座」→「特定口座」「一般口座」→「一般口座」の間に限られます。
たとえば、利用しているのが「特定口座」で、移管するときに「一般口座」に移管したいというのであれば、事前に「一般口座」に切り替える必要があります。
「移管元でどの口座を使っているのか」「移管先に同様の口座を開設してあるかどうか」を、事前によく確認してから手続きをしましょう。
証券口座を移管する手続きを行うときの注意点③
注意点のみっつ目は、口座の移管手続きを行っている間には、取引ができないことです。
移管手続きを依頼する書類を返送してから実際に手続きが完了するまでには、1週間から2週間程度かかりますが、この間に銘柄の売却など株の売買の取引をすることはできません。
ですので、移管の手続きを行うときは事前によく考えて、余裕のある時期に行うようにしましょう。
たとえば、相場が激しく動く可能性のある決算期や活発に取引したいと考えている時期などは外すといいでしょう。
NISA口座の場合
NISA口座で取引をしていて、手数料の安い別の証券会社に移したいと考えている人もいるでしょう。
NISA口座の場合には、1人1口座までの保有になっていて、移管手続きに相当する制度はありません。
ですが、NISA口座は年単位の管理になっていて、1年に1回であればNISA口座を置く証券会社を変更することができます。
ただし、1年に1回きりなので、その年にすでにNISAを利用した投資を行っていると、翌年までNISA口座の変更をすることはできません。
NISA口座を変更するための手続き
NISA口座を別の証券会社に変更するための具体的な手続きについても簡単に説明しておきましょう。
まずは現在口座がある証券会社に変更を依頼し、書類を送付してもらい、必要事項を記入して返送します。書類を返送すると、1週間から2週間程度で新しい書類が送付されてきます。
次に新しくNISA口座を置きたい証券会社に対しても口座開設を申し込みましょう。
申請するとまた書類が送付されてくるので、必要事項を記入して、口座を持つ証券会社から送付された書類と一緒に新しく口座をつくる証券会社へと提出すると口座変更の手続きが完了します。
iDeCo口座の場合
iDeCo口座を別の金融機関に変更する場合は、これまでご紹介してきた他の移管手続きと同様に書類を取り寄せて記入して提出するという手続きを行います。
iDeCo口座の場合、移管手続きで注意しておかなければならないのは、多くの場合で4,000円程度の移管手数料がかかることです。
もうひとつ大きな注意点として、投資信託などの運用商品をそのまま移管することはできないので、一度売却しなければいけません。
変更前の金融機関で保有している資産を投資信託であれば売却、定期預金や年金保険なら解約して、一度現金化したうえで、それらがそのまま新しくつくったiDeCo口座に移管されるという形になります。
まとめ:証券口座の移管手続き
証券口座の移管は、保有している商品や資産を別の証券会社の口座へとそのまま移すことができる手続きです。
証券口座を移管することで、手数料の安い証券会社に乗り換えることでコストを抑えられること、複数持っている口座をまとめることで管理が楽になることというメリットがあります。
手続きには書類を取り寄せて記入したうえで、提出する必要がありますが、手続き自体には難しいことはありません。
証券口座の移管は、特別なものではなく、難しいものでもないので、別の証券会社で口座をひらこう、取引をはじめようとしている人は移管手続きを検討してみてはいかがでしょうか。