つみたてNISAは、将来のお金の不安を解消するため、お金を増やす方法の1つとして注目される制度です。
ただ「つみたてNISA」や「NISA(一般NISA)」という言葉はよく聞くけど詳しくはわからない、始めてみたいけど不安という方もいらっしゃると思います。
この記事では、つみたてNISAについて紹介します。つみたてNISAとNISAの違いやメリット・デメリット、つみたてNISAの始め方などを解説しますよ。
将来のための資金を増やしていきたいと考えている方はぜひ参考にしてくださいね。
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つみたてNISAとは?つみたてNISAとNISAの違い
つみたてNISAとは、投資で得た利益(配当金・売却益)に税金がかからないという制度です。つみたてNISAより4年先にスタートしたのがNISAで、こちらも投資で得た利益に税金がかかりません。
つみたてNISAとNISAの違い | ||
つみたてNISA | NISA | |
投資上限額 | 年間40万円 | 年間120万円 |
非課税の期間 | 20年間 | 5年間 |
利用できる人 | 日本国内に住む20歳以上の人 | |
対象商品 |
長期の積立・分散投資に適した株式投資信託 |
|
※つみたてNISAとNISAは、同時に利用することはできません。どちらかを選んで投資を行います。
つみたてNISAのメリット・デメリット
ここでは、つみたてNISAのメリット・デメリットについてまとめます。メリット・デメリットを理解して、この制度を利用するかどうか判断しましょう。
メリット
20年間は利益に税金がかからない
通常、投資で得た利益には、約20%(20.315%)の税金がかかります。例えば、100万円の利益が出たとすると、20万円近くを税金として納めなくてはいけません。
しかし、つみたてNISAであれば、100万円の利益をそのまま受け取ることができます。
少額から始められる
金融機関によっても異なりますが、毎月の積立額を100円から始めることができます。毎月100円や1,000円などであれば、生活に支障のない範囲で始められるのではないでしょうか。
手間が少ない
つみたてNISAは、積立購入の設定(購入頻度や購入額、商品)を最初にしておくことで、手間をかけずに投資ができます。毎月何かをする必要はなく、自動的に投資を進めることができます。
デメリット
選べる商品が限定されている
つみたてNISAで買うことができる商品は、金融庁が指定した商品のみです。
一般的に投資信託の数は、6,000本程度と言われている中で、つみたてNISAの商品数は200本以下です。お目当ての商品がない可能性もあります。
非課税枠を翌年に繰り越せない
つみたてNISAの場合、年間の非課税となる枠は40万円までです。この枠をすべて使う必要ないですが、あまった枠を翌年に繰り越すことはできません。毎年40万円までの投資で得た利益が非課税枠となります。
スポット購入ができない
スポット購入とは、好きなタイミングで好きな商品を購入することです。
つみたてNISAは、毎回決まったタイミングと決まった金額で自動購入する「積立」という購入方法のみです。買い時のタイミングが来たとしても、追加購入することができません。
つみたてNISAを始める4ステップ
ここでは、つみたてNISAの始め方を4ステップで紹介していきます。
- つみたてNISA口座を開設する金融機関を決める
- つみたてNISA口座を開設する
- 証券会社に入金手続きを行う
- 商品を選んで、積立金額を決める
1.つみたてNISA口座を開設する金融機関を決める
つみたてNISA口座は、証券会社、銀行、一部の投信会社でつくることができます。買うことができる商品に違いがあるので、金融機関を決める際には、投資する対象のチェックをしてください。
金融機関とつみたてNISA対象商品 | |
証券会社 | 投資信託、ETF |
銀行 | 投資信託 |
投信会社 | その会社の投資信託 |
2.つみたてNISA口座を開設する
金融機関を決めたら、口座を開設します。まず、つみたてNISAの口座をつくる前に、証券総合口座をつくる必要があります。(総合口座・つみたてNISA口座を同時に開設できる金融機関もあります)
すでにつみたてNISAの口座をつくる予定の金融機関に総合口座を持っている場合は、つみたてNISAの口座だけをつくれば大丈夫です。
3.証券会社に入金手続きを行う
つみたてNISA口座ができたら、入金手続きを行います。金融機関によって異なりますが、入金方法は主に自動引き落とし、ネット入金、銀行振り込みです。
毎月一定金額を積み立てる場合は、自動引き落としがおすすめです。普段使っている金融機関から自動で引き落としてくれるサービスです。入金を忘れて買い付けができなかった、という失敗を防ぐことができます。
4.商品を選んで、積立金額を決める
入金手続きが終わったら、その金融機関が取り扱う商品から買うものを選びます。商品を選ぶポイントはのちほど紹介しますよ。
商品が決まったら、積み立てる金額を決めます。年間40万円までと上限金額が決められていますので、毎月の積み立てであれば、月々33,333円が上限です。この範囲内で積立金額を決めましょう。
積立金額は変更することもできるので、まずは無理のない範囲で決めてくださいね。
つみたてNISA口座を作るならネット証券会社がおすすめ
つみたてNISAを始める最初の一歩は、つみたてNISAのサービスの取り扱いがある金融機関で口座開設することです。
ただ、いきなり証券会社で口座開設するのはハードルが高いという方も多いでしょう。そういう方は普段から利用している銀行で、つみたてNISAサービスの提供があれば、そこで口座を開設するのも1つの手です。
金融機関選びに迷っているという方は、以下のポイントをチェックして、金融機関を選んでみてください。
- 取扱い商品数(買いたい商品があるかどうか・買いたい商品がない場合は、商品数が多いところの方が後々困らない)
- 最低積み立て金額(毎月いくらから積み立てができるか・少額のほうが始めやすい)
- 積み立て頻度(商品を買う頻度)
- 銀行自動引き落としサービスがあるかどうか
上記のポイントをふまえておすすめしたいのが、ネット証券会社です。
ネット証券会社は、取扱い商品数が多く、最低積み立て金額も低く設定されいます。投資初心者の人でも始めやすいでしょう。
取扱い商品数 | 最低積み立て金額 | つみたて頻度 | 銀行自動引落サービス | |
大手ネット証券会社 | ||||
楽天証券 | 172本 | 100円 | 毎営業日・毎月 | 全国450以上の銀行などに対応 |
SBI証券 | 174本 | 100円 | 毎営業日・毎週・毎月 | 全国450行以上の銀行に対応 |
松井証券 | 170本 | 100円 | 毎月 | 全国100以上の銀行などに対応 |
大手銀行 | ||||
三菱UFJ銀行 | 12本 | 1,000円 | 毎月 | 自行のみ |
ゆうちょ銀行 | 9本 | 1,000円 | 毎月 | 自行のみ |
みずほ銀行 | 5本 | 1,000円 | 毎月 | 自行のみ |
大手証券会社 | ||||
大和証券 | 22本 | 100円 | 毎営業日・毎週・毎月・隔月・3ヶ月毎・4ヶ月毎・6ヶ月毎 | 全国100以上の銀行などに対応 |
みずほ証券 | 3本 | 1,000円 | 毎月 | 全国の銀行などに対応 |
野村證券 | 7本 | 1,000円 | 毎月 | 全国100以上の銀行などに対応 |
ネット証券①:楽天ポイントがたまる・つかえる『楽天証券』
ここからは、おすすめのネット証券会社4社を紹介します。まず紹介するのは、「楽天証券」です。
楽天証券は今、口座数を着々と増やしているネット証券会社です。取扱い商品数は170本と豊富で、つみたてNISA口座を開設できる金融機関の中でもトップクラスと言えます。
楽天証券では、楽天ポイントを投資信託の購入にあてることができます。さらに、楽天カードを使って積立の引き落としを行うと、100円につき1ポイントたまりますよ。
楽天証券 | |
取扱い商品数 | 172本※2021年5月13日現在 |
最低積み立て金額 | 100円 |
つみたて頻度 | 毎日・毎月(毎営業日) |
銀行自動引き落としサービス | 全国450以上の銀行などに対応 |
楽天証券は、運転免許証またはマイナンバーカードがあれば、スマホで口座開設ができます。
- 楽天証券ホームページ内の「口座開設」をクリック
- 「楽天会員の方」「楽天会員ではない方」を選択※「楽天会員ではない方」を選択した場合で進めていきます。
- メールアドレス登録
- 登録したメールアドレスにメールが届く
- メールに記載されているURLから申込みを続ける
- 本人確認書類、顔写真の撮影(パソコンからだと表示されたQRコードを読み取ってスマホに接続します)
- 氏名、住所などを入力(「NISA口座の選択」という項目で「つみたてNISA」を選択してください)
- ログインパスワードの設定
- 翌営業日以降にログインIDが発行される
ネット証券②:つみたてNISAの商品数No.1『SBI証券』
2021年3月に口座開設数600万口座を達成したSBI証券。つみたてNISAでは、174本もの商品を取り扱っています。これは、つみたてNISA口座を開設できる金融機関で1番多い数字です。
取扱い商品一覧のページでは、手数料などの費用や分配金情報、どのような運用成果を目指すかを示した運用指針などを細かく検索できるようになっています。
さらに、多数の商品から選ぶ際も、目当ての商品のみを並べて比較することができるようになっており、とても便利です。
SBI証券では、Tポイントを1ポイント1円として、投資信託を買う際に使うことができます。また、投資信託の保有残高によってTポイントをためることもできますよ。
SBI証券 | |
取扱い商品数 | 174本※2021年5月13日現在 |
最低積み立て金額 | 100円 |
つみたて頻度 | 毎日・毎週・毎月(毎営業日) |
銀行自動引き落としサービス | 全国450以上の銀行などに対応 |
SBI証券は、WEBから証券総合口座とNISA口座を同時開設できます。
- 口座開設はこちらをクリック
- メールアドレスを登録
- 登録したメールアドレスに認証コードが届く
- 認証コードを入力
- お客様情報の入力(「つみたてNISAに申し込む」にチェックするのを忘れないでください)
- 規約の確認・入力情報の確認
- 口座開設方法の選択
- 口座開設申し込みの完了(ユーザーネーム、パスワードのメモを忘れずに!)
- 本人確認書類の提出(スマホで書類を撮影した写真をアップロード)
- 初期設定へ
本人確認書類はマイナンバーが必須です。(通知カードでもOKです)通知カードの場合は、他に下記の書類から1点ご用意ください。
運転免許証・日本国内パスポート・健康保険証・印鑑登録証明書・住民票の写し(マイナンバーの記載がないもの)・在留カード・特別永住者証明書
おすすめネット証券③:サポートが充実『松井証券』
松井証券も取扱い商品数はトップクラスです。そして、サポートが充実している点で、投資初心者におすすめできます。
「投信工房」というロボアドバイザーが運用をサポートしてくれます。その人に合ったアドバイスがもらえるだけでなく、おすすめの投資信託も提案してくれますよ。初心者の方にとっては、強い味方となってくれますね。
また、「株の取引相談窓口」では、専門のオペレーターが銘柄探しや取引のタイミングなどの相談に乗ってくれます。予約なしでも受付時間内であれば対応してもらえます。
投信工房、株の取引相談窓口は、どちらも無料で利用できます。投信工房は、公式サイトから体験もできますよ。株の取引き相談窓口は、松井証券に口座を持っている人限定のサービスです。
松井証券 | |
取扱い商品数 | 170本※2021年5月13日現在 |
最低積み立て金額 | 100円 |
つみたて頻度 | 毎月 |
銀行自動引き落としサービス | 全国100以上の銀行などに対応 |
松井証券でつみたてNISAの証券口座とNISA口座を同時開設する場合は、WEBで手続き後、必要書類を送る必要があります。
- 「口座開設」をクリック
- 「個人口座開設」をクリック
- 「申込書を取り寄せる」を選択
- 氏名、住所などの情報を入力
- 職業などの情報を入力
- お取引情報の入力
- お取引情報入力ページの最後の「NISA口座」欄で「開設する」を選択
- 入力情報の確認
- WEBでの手続き完了
- 申込書が届いたら、本人確認書類と一緒に返送
- 松井証券から税務署へNISA口座開設の申請(1~2週間かかります)
- 申請完了すると「お客様サイト」のホームに、NISA口座開設完了のメッセージが届く
- 口座開設申込書
- マイナンバー確認書類のコピー
- マイナンバーカードの両面コピーがあれば、本人確認書類は不要になります。
- 通知カードの場合は、本人確認書類が必要です。
- 本人確認書類のコピー
- 運転免許証と住民基本台帳カードどちらか1点、または健康保険証、印鑑登録証明書、住民票のどれか2点
- 「NISA口座・ジュニアNISA口座開設用」書面
ネット証券④:投資初心者に優しいサポート『マネックス証券』
マネックス証券は、これまで紹介したネット証券会社と比べると取扱い商品数は若干少な目です。しかし、151本という商品数ですので、選べる範囲は十分あると言えます。
マネックス証券では、資産設計アドバイスツールである「MONEX VISION β版」を利用でき、資産運用をサポートしてくれます。
現在のポートフォリオ(資産構成)を分析し、追加で商品を購入する際のアドバイスをもらえます。具体的な銘柄をあげてくれるので投資初心者にもわかりやすい点が魅力です。
マネックス証券 | |
取扱い商品数 | 151本※2021年5月13日現在 |
最低積み立て金額 | 100円 |
つみたて頻度 | 毎日・毎月(毎営業日) |
銀行自動引き落としサービス | 全国の銀行に対応 |
マネックス証券のNISA口座開設は、マイナンバーカード1点または、通知カードと運転免許証の2点があれば、WEBで「証券総合取引口座」「NISA口座」を同時開設できます。
- 「つみたてNISA申込み」をクリック
- 「証券総合取引口座を開設する」をクリック
- 「オンラインで申込む」をクリック
- 必要事項を確認して「お申込みフォームへ」をクリック
- オンライン申込み対象、規約などの確認→「お申込みに進む」をクリック
- メールアドレスの確認
- 登録したメールアドレスに届く手続きの案内メールのURLをクリック
- 氏名や誕生日などのの情報を入力
- アップロードする書類を選択※マイナンバーカード1点または、通知カードと運転免許証の2点
- QRコードをスマホで読み込むかメールアドレスに撮影用URLを送ってスマホと接続→本人確認書類の撮影
- 入力済み情報と撮影情報の確認
- 顔認証のため自分の顔を撮影
- お客様情報入力(NISA欄の「申込む」にチェック)
- 入力内容の確認
- 申込むをクリック
- 口座開設申込みの完了
つみたてNISA商品を選ぶポイント
最後に商品を選ぶポイントについて解説していきます。つみたてNISAの商品は、まったくリスクがないわけではありませんが、大きなリスクにならない商品ばかりです。
商品を選ぶ際に押さえておきたいポイントは「資産構成」です。資産構成とは、どんな投資対象(国内外の株式、債券、REITなど)にどれくらいの割合で、投資しているかということです。
つみたてNISAの商品の資産構成は、大きく分けて2種類に分けることができます。1つは「株式会社100%型」もう一つが「複合資産型」です。
- 株式会社100%型…投資対象が100%株式
- 複合資産型…株式に○%、債権に○%など様々な資産を組み合わせ
株式の割合が多いほど、利益は大きくなりますが、リスクも大きくなります。投資初心者の方は、複合資産型を選ぶ方がよいでしょう。
複合資産型を選ぶ際に、1つ注意点があります。安定を重視するあまり、株式の割合が少なすぎるものを選んでしまうことです。
株式の割合が少なすぎると、その分利益も少なくなります。リスクとリターンは比例することを覚えておいてくださいね。
つみたてNISAとは? まとめ
長期的に資産形成を行うのにおすすめの、つみたてNISAを紹介しました。つみたてNISAについて押さえておきたいポイントは5つです。
- 毎年40万円までの投資で得た利益は非課税
- 非課税の期間は20年間
- 商品は金融庁が指定した金融商品のみ
- 一般NISAとつみたてNISAを同時にはできない
- おすすめ金融機関はネット証券
- 楽天証券
- SBI証券
- 松井証券
- マネックス証券
つみたてNISAは、投資経験のない人・少ない人でも始めやすい投資方法です。今まで投資に興味があっても始められなかった、という人もいらっしゃると思います。ぜひこの機会に、検討してみてはいかがでしょうか。