人生100年時代と呼ばれる昨今、定年後のお金に不安を感じている方も多いでしょう。iDeCoはそんな悩みを持つ方におすすめな年金制度です。
iDeCoという名前を聞いたことがあっても詳しくは知らないという方も多いでしょう。そこで今回はiDeCoの概要やメリット、おすすめの金融機関などを紹介していくので、ぜひ最後までご覧ください。
iDeCo(イデコ)とは
iDeCo(イデコ)とは個人型確定拠出年金とも呼ばれる、自分で老後資産を作るための制度です。20歳以上の全ての国民が加入する国民年金とは違い、iDeCoは任意の年金制度です。
自らで定期預金・保険・投資信託の中から好きなものを選び、60歳になるまで運用し、60歳以降で年金として受け取ることができます。
さらには運用することで節税面で多大な恩恵が受けられるというメリットもあります。
iDeCo(イデコ)のメリット
続いて、iDeCoを運用することによるメリットを3つ紹介しましょう。
掛け金全額が所得控除できる
iDeCoでは掛け金の全額を所得控除できます。所得税=収入経費−(経費+所得控除)となっており、iDeCoの掛け金はこのうち所得控除に加算されます。
高所得の人はそれに比例して支払う税金も多くなりますが、iDeCoの掛け金を増やすと節税効果も大きくなるのです。
iDeCoの公式サイトでシミュレーションをして、どれくらい控除できるのか試してみましょう。
運用益が非課税
一般的に投資信託では運用益に対して税金が発生しますが、iDeCoの場合は非課税です。
運用益をそのまま再投資することで、銀行口座で眠らせる場合と雲泥の差が生じます。早く始めるほど複利効果も高まります。
受給の際も税制優遇
60歳以降で運用していた資産を老齢給付金として受給でき、この際も税制が優遇されます。老齢給付金は一括で受け取る一時金方式と、5-20年の期間で分割で受け取る年金方式に分かれています。
一時金方式
一時金方式の場合は会社を退職するときの退職所得控除の対象で、加入年数によって控除額が増減します。
年金方式
年金方式の場合は、公的年金等の収入と合算された額が65歳未満の場合は70万円、65歳以上の場合は120万円を公的年金等控除として所得から差し引くことができます。
iDeCo(イデコ)のデメリット
iDeCoは節税効果が高く非常に優れた制度にも思えますが、当然デメリットもあります。
60歳になるまで引き出せない
iDeCoで積み立てた掛け金は原則、60歳になるまで引き出せません。途中で資金が必要になっても、iDeCoに投資したお金は戻ってこないのです。
いくつかの条件を満たすと脱退一時金を受給できますが、かなり厳しい条件ということを知っておきましょう。詳しい条件はりそな銀行のサイトからご確認ください。
運用には手数料が必要
iDeCoでは口座を開設した金融機関と、iDeCoを統括する国民年金基金連合会に支払う二種類の手数料があります。具体的には以下の手数料が挙げられます。
支払先 | 金額(税込) | ||
新規加入時・移管時 | 国民年金基金連合会 | 2,829円 | |
運用期間中 | 収入手数料 | 国民年金基金連合会 | 月額103円 |
事務委託手数料 | 申込先の金融機関 | 月額64円 | |
口座管理料 | 運営管理金融機関 | 無料~月額450円程度 | |
給付時 | 申込先の金融機関 | 給付時に432円 |
損をする可能性もある
iDeCoは投資なので得をする場合もあれば、損をすることもあります。投資に慣れている方は自分で運用するのも一つの手段ですが、不慣れな方は投資信託がおすすめです。
投資信託はファンドマネージャーと呼ばれる投資のプロが代わりに運用してくれるので、投資を始めたての人でも手軽に始められます。
iDeCoの条件
iDeCoに加入するための条件は、以下のものが挙げられます。
- 日本在住で20-60歳の方
- 公的年金に加入している方、もしくは加入している方の被扶養配偶者
- 企業型確定拠出年金に加入している場合、会社から同時加入の許可を得ている方(会社員の場合)
iDeCoは大抵の場合は加入できますが、自営業やフリーランス、学生は、国民年金保険料の一部もしくは全額の免除を受けていると加入できません。
また3つ目の条件ですが、2022年10月以降は会社からの許可がなくても加入できるようになります。
掛け金の上限
iDeCoの掛け金は最低5,000円から始まり、1,000円単位で上乗せできます。最初に掛け金を決めて、それから変更できるのは1年に1回のみです。
また職業ごとで上限額が異なるので、以下で当てはまるものをご確認ください。
職業 | 掛け金の上限額 | |
自営業者 | 月額6万8千円 | |
専業主婦(夫) | 月額2万3千円 | |
会社員 | 企業年金なし | |
企業型確定拠出年金のみに加入している | 月額2万円 | |
企業年金のみに加入している | 月額1万2千円 | |
企業年金と企業型確定拠出年金の両方に加入している | ||
公務員 |
iDeCoの始め方
iDeCo開設の流れは以下のようになります。それぞれ見ていきましょう。
- 金融口座と金融商品の決定
- 申込書類を用意し金融機関へ提出
- 国民年金基金連合会による審査
- 開設完了
まずは開設したい金融口座と対象の金融商品を選択します。商品のバリエーションや手数料、その他のサービスを鑑みて検討しましょう。
金融口座と対象商品が決まれば、申し込みの書類を用意します。申し込み用に必要な書類は以下のものが挙げられます。
- 加入型申出書
- 本人確認書類の写し
- 事業主の証明書(会社員と公務員の場合)
書類を金融機関へ郵送後、国民年金基金連合会に送付されて審査されるため、およそ1-2ヶ月かかります。審査に受かると自宅に口座番号とパスワードが届くので大切に保管しておきましょう。
おすすめ金融機関①SBI証券
対象の投資信託 | 83本 |
口座管理手数料 | 171円 |
加入時・移管時手数料 | 2,829円 |
ここからは、iDeCoにおすすめの金融機関を紹介していきます。1つ目はSBI証券です。ネット証券の中で最も口座開設数が多く、iDeCo対象の銘柄は業界最多の83本で、取引手数料も業界最安値水準です。
ユーザーからは、アプリのユーザビリティやセキュリティ面も非常に優れていると高い評判を得ています。
また、資産運用を全て自動でおまかせできるロボアドバイザー「Wealth Navi」もあるので時間がない方や投資初心者にもおすすめです。
SBI証券のiDeCoを始めたい方はSBI証券の公式サイトから登録してください。
おすすめ金融機関②楽天証券
対象の投資信託 | 31本 |
口座管理手数料 | 171円 |
加入時・移管時手数料 | 2,829円 |
2つ目は楽天証券です。金融商品の購入をクレジット決済にしたり、楽天銀行から自動入金にしたりすると楽天ポイントがたまります。
貯まった楽天ポイントは楽天市場など他サービスの利用に使えるので、普段から楽天サービスを利用している方に非常におすすめです。
対象の投資信託は31本と多くありませんが、「全米株式インデックスファンド」と「全世界株式インデックスファンド」というバンガード社の人気商品が購入できるのも大きな強みです。
楽天証券のiDeCoを始めたい方は楽天証券の公式サイトから登録してください。
おすすめ金融機関③松井証券
対象の投資信託 | 39本 |
口座管理手数料 | 171円 |
加入時・移管時手数料 | 2,829円 |
松井証券は大正七年創業の歴史ある会社で、株主優待の有名人である桐谷さんが利用していることでも知られています。
投資信託の運用状況が理解しやすい画面設計とiDeCo専用の問い合わせ窓口があるのが強みです。
2020年10月に銘柄が増加し、低コストの人気シリーズ「eMAXIS Slim」など優れた銘柄も加わりました。長年の実績がある松井証券で優れた銘柄を選べば、老後まで安泰の生活を送れるでしょう。
松井証券のiDeCoを始めたい方は、松井証券の公式サイトから登録してください。
iDeCo(イデコ)で節税しながら老後に備えよう
今回は、iDeCoの概要やメリット、おすすめの金融機関を紹介してきました。iDeCoは資産運用によって、60歳以降の貯蓄を増やすための制度です。
iDeCoを運用することで様々な税制優遇が受けられますが、原則60歳になるまで引き出せないので注意しましょう。
忙しい方でも入金するだけで自動で運用してくれる投資信託もあるので、これを機にぜひiDeCoを始めましょう。