投資信託はリターンが期待できますが、同時にリスクもあります。リスクとリターンの関係性を理解しておかないと、大きな損失につながってしまうこともあるので、必ず知っておきましょう。
この記事では、投資信託のリスクとリターンについて書いています。リスクとリターンの関係性を紹介しつつ、それを踏まえてどう投資していけば良いのかも紹介しています。
リスクを分散させてリターンを最大化する方法についても触れているので、投資信託でより大きな結果を出したい人はぜひ参考にしてください。
(トップ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/3660954?title=ローリスク・ハイリターン&searchId=91614955)
投資信託だけじゃない!投資の基本であるリスクとリターンとは?
リスクとリターンについて理解することは、投資信託だけに限らず、すべての投資における基本です。投資をするのであれば、必ず押さえておきましょう。リスクとリターンの意味は、以下の通りです。
- リスク…利益と損失の振れ幅(ボラティリティ)のこと。
- リターン…投資した結果、期待できる利益のこと。
「リターン=利益」に違和感を持つ人は少ないでしょうが、「リスク=利益と損失の振れ幅」には違和感がある人もいるかもしれませんね。
「リスク=損失が出る可能性」という理解でも間違いではありませんが、「振れ幅」と捉える方がより正確です。理由としては、リスクが上がれば上がるほどリターンが出る可能性も高くなるからです。
リスクを振れ幅だと捉えると、リスクとリターンは表裏一体であることがより感じられます。あなたが望むリターンを考える時、リスクも同時に考えられるようになれば、より理想に近い投資ができるでしょう。
投資信託の商品別リスクとリターンを紹介
前章ではリスクとリターンについて紹介しました。リスクとリターンは裏表の関係です。これを踏まえて、投資信託の商品毎にリスクとリターンがどれくらいあるか紹介します。
上の図解を見てください。為替の影響があるため、基本的に国内への投資よりも、海外での投資の方がハイリスクハイリターンです。
図解では商品の分類がわかりやすいように横軸になってますが、実際には右上に行くほどリスクとリターンが高くなります。債券よりもリート、リートよりも株式の方がリスクとリターンが大きいからです。
とは言え、「安定して投資するなら国内債券に投資すれば良い」というわけではありません。実際にはリスクを分散させるために、複数の商品に投資することになります。
投資信託のリスクは5つある!種類を知って対策を考えよう
ここまで、投資信託のリスクとリターンについて紹介しましたが、実は、リスクには種類があります。投資信託のリスクは全部で5つです。
それぞれのリスクの性質を知っておけば、うまくリスクを分散させてリターンを最大化できるようになります。ひとつずつ解説するので、何がリスクの原因となっているのか、確認してくださいね。
投資信託のリスク①価格変動リスク
価格変動リスクは、投資している株式や債券の価格が変動する可能性のことです。価格が購入時よりも安くなることもあるため、投資資金がマイナスになる可能性もあります。
投資信託のリスク②為替変動リスク
海外へ投資する場合には、為替によって損失が出る可能性があります。海外へ投資するときは、日本円を投資する国の通貨に交換しますが、通貨自体の価格は常に変動します。
投資した商品が値上がりしたとしても、為替変動で投資した海外通貨の価値が下がると、日本円に戻したときに損失が出る可能性があるのです。そのため、海外への投資は国内での投資に比べてリスクが高いです。
投資信託のリスク③カントリーリスク
カントリーリスクとは、投資した国の経済状況などが変化することで投資した商品の価格が急激に変化するリスクです。国が発行する国債は特に国からの影響を受けるため、注意が必要です。
価格変動リスクとも関係してきますが、国にリスクがあると認識すると、より柔軟にリスクへ対処することができますよ。
投資信託のリスク④流動性リスク
流動性とは、投資する商品を取り扱う人がどのくらいいるかということです。流動性が低い(扱う人が少ない)と、取引したくても取引相手が見つからないリスクがあります。
商品は常に価格が変動するため、取引相手がすぐに見つからないと損失が出る可能性が上がってしまいます。あまり名前の知られていない新興国は、流動性が低い場合が多いため、特に注意が必要です。
投資信託のリスク⑤信用リスク
信用リスクとは、商品を発行している企業や国が経営不振になってしまうリスクのことです。経営不振になってしまうと、商品の価格が下落するだけでなく、最悪の場合は投資資金をすべて失う可能性があります。
リスクの中でも特に損失が大きくなるものですので、投資先の信用については特に注意してください。
投資信託のリスクを分散してリターンを増やす方法3つ
前章では、投資信託のリスク5つを紹介しました。5つもあると不安になるかもしれませんが、リスクを分散させれば損失を被る可能性を減らすことができます。
リスクを分散させてリターンを増やすには以下3つの方法があります。
- 長期保有
- 投資先の分散
- 時間の分散
3つの方法をすべて取り入れれば、リスクを低く押さえてよりリターンを得やすくなりますよ。
また、紹介するリスク分散方法は、投資信託に限らずすべての投資に使える方法です。投資の成果を大きくするためにも、ここで覚えておくと良いでしょう。
リスク分散してリターンを増やす方法①長期保有
短期的に大きなリターンを得ようとすると、結果としてリスクも大きくなります。しかし、商品を長期保有することでリスクを減らすことができます。
短期的に見ると価格変動は激しく見えますが、長期的に見ると価格変動の幅はそこまで大きくありません。よほど大きな出来事がない限り、長期的には価格が上昇する傾向があるからです。
短期的には損失が出るかもしれませんが、長期的に見て利益が出ればOKと考えるのです。長期保有をすれば、価格変動リスクを下げることができます。
価格変動が激しい商品を購入する場合には、保有期間をなるべく長くすると良いでしょう。
リスク分散してリターンを増やす方法②投資先の分散
投資先を複数持つことも、リスクを減らす上でとても大切です。1つの商品や国、通貨にまとめて投資してしまうと、投資先が経営破綻したり、通貨や商品の価値が下がったりした場合に大きな損失となります。
資産を分散して複数の投資先を持っておけば、ある投資先ではマイナスでも、他の投資先のリターンで補うことができます。部分的にマイナスが出ても、投資全体としてプラスになれば良いのです。
投資先を分散することで、為替変動リスク、信用リスク、価格変動リスク、カントリーリスクに対応することができますよ。リスクを減らす効果的な方法ですので、ぜひ取り入れてください。
リスク分散してリターンを増やす方法③時間の分散
投資するタイミングをズラす時間の分散も、リスク対策に有効です。投資商品が安いときに買い、価格が高くなったタイミングで売ってリターンを得るのが基本です。
しかし、商品は常に価格変動しており、安いタイミングを狙って買うのはなかなか難しいもの。定期的に少しずつ商品を買い足すようにすると、商品の購入価格が安定するのです。
定期的に商品を買い足していく方法を、ドルコスト平均法と呼びます。ドルコスト平均法が難しく感じる場合は、積み立て投資と考えてもらえば問題ありません。
長期的な投資方法として有名な方法なので、覚えておくと良いでしょう。
投資信託のポートフォリオを作ってリスクとリターンを管理しよう
前章までで、リスクを分散する方法を紹介しました。リスクを分散すれば投資の成果がより大きくなるので、ぜひ取り入れてくださいね。
とは言え、リスク分散の方法を知っていても、なんとなく投資していてはリスク分散がしっかりできているのかがわかりませんよね。そこで活躍するのが、ポートフォリオです。
ポートフォリオとは、あなたが投資する予定、もしくは投資している商品をまとめたもののことです。商品毎のリスクとリターンをまとめておけば、リスク分散がうまくできているか確認できますよ。
コアサテライト運用で自分にあった投資をする方法
ポートフォリオを作ってリスク分散をするのであれば、コアサテライト運用を意識してください。コアサテライト運用とは、安全に資産を守るような投資とリスクをとって大きなリターンを狙う投資を同時に行う方法です。
リスクをとって大きなリターンを狙い、投資資金まで失っては困りますし、逆に守るばかりの投資では得られるリターンが限られてしまいます。その両者のいいとこ取りをするのがコアサテライト運用だと考えてください。
資産を守る投資とリスクを取る投資の割合は、どのくらいリスクを取れるのかで決めます。ポートフォリオにまとめながら、期待できるリターンと考えられるリスクを考慮して試算してみると良いでしょう。
まとめ 投資信託のリスクをおさえて効率的にリターンを得よう
投資信託のリスクとリターンについて紹介しました。投資信託には5つのリスクがありますが、対策をすれば損失を低く抑えることができます。投資信託の5つのリスクは以下の通りです。
- 価格変動リスク
- 為替変動リスク
- カントリーリスク
- 流動性リスク
- 信用リスク
5つのリスクを分散することが大切です。当記事では、リスクを分散する方法を3つ紹介しました。
- 長期保有
- 投資先の分散
- 時間の分散
3つを組み合わせることで、より効率的にリターンを得ることができますよ。
リスク分散ができているか、リターンはどれくらい見込めそうなのかについては、ポートフォリオを作成して確かめることをおすすめします。
ポートフォリオを作って投資を見直しながら、投資信託でリターンを得てみてくださいね。