「ふるさと納税は節約できるお得な制度って聞いたけど、どんな仕組みなの?」
ふるさと納税という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。「返礼品がもらえるらしいけど、仕組みが複雑でわかりづらそう。」「税金に関係ある制度?」と難しく見えますよね。実はそんなに難しくありません。
この記事では、ふるさと納税の基本から返礼品で生活費を節約する方法を紹介します。これからふるさと納税を始めようと考えている人は読んでみてください。
(トップ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1918069?title=%E3%81%B5%E3%82%8B%E3%81%95%E3%81%A8%E7%B4%8D%E7%A8%8E#)
ふるさと納税は返礼品がもらえるお得な制度
ふるさと納税は、「生まれた自治体や応援したい自治体に寄付できる制度」です。寄付をすると、支払う予定の税金(住民税と所得税)から寄付した金額分引かれます。(これを控除といいます。)
支払う予定の税金から寄付金額を控除するためには確定申告が必要で、確定申告をしないと寄付したお金が無駄になってしまいます。忘れずに申告をしましょう。
ふるさと納税の魅力は、2000円の負担で各自治体になじみのある返礼品をもらえることです。種類は様々で、食品から家電、体験チケットなど寄付金額によって変わります。
ここからは、ふるさと納税の仕組みでよくある間違いや注意点を紹介しますね。
ふるさと納税で税金を節約できる?
ネットを調べると「ふるさと納税をすると税金が安くなる」「ふるさと納税で10,000円払ったら、2,000円の負担で8,000円お金が戻ってくる」など書いてあることがあります。
このような情報は、半分正解で半分間違っています。お得な制度でも仕組みを知っておかないと、損をする可能性もあるので注意しておきましょう。
- 税金が安くなる:自治体に払う住民税を、ふるさと納税で一部前払いする
- 2000円の負担で払ったお金が戻ってくる:所得税はその年に払った分の一部が還付(返金)される
- 何円でも寄付できる:寄付できる金額は収入に応じて決まっている
自治体に払う住民税を、ふるさと納税で一部前払いする
ふるさと納税では、【寄付した金額ー2000円】が住民税と所得税から引かれます。住民税は、前年の所得に応じて金額が決まり、翌年の6月から毎月の住民税×12カ月支払います。
ふるさと納税をすると、元々支払う予定の住民税から【(寄付した金額ー2000円)×10%】が引かれるので、毎月の住民税が安くなるのです。
【(寄付した金額ー2000円)×10%】で、住民税の一部を先に支払っているから安くなると考えた方が良いでしょう。実際にどれくらい安くなるかは、5月~6月頃に届く「住民税決定通知書」で確認できます。
所得税はその年に払った分の一部が還付(返金)される
所得税は、会社員は毎月の給料から一定の金額を引いて年末に調整しています。(12月に保険会社から送られた書類を会社に提出したことありませんか。)
個人事業主も確定申告をすると、所得税の金額が決まるので、毎月の所得税×12カ月分を支払うことになります。
ふるさと納税で寄付した金額を確定申告をすると、すでに支払っている所得税から還付(返金)となります。還付される金額は【(寄付金額 - 2,000円)×所得税の税率】です。
所得税の税率は、収入に応じて5%~45%の7段階に分かれています。国税庁のホームページに掲載されているので、自分の税率を確認してみましょう。
寄付できる金額は収入に応じて決まっている
ふるさと納税は収入に対して寄付できる金額が決まっています。この金額を超えて寄付をすると、ただの寄付となってしまうので、お金が無駄になってしまうのです。
自分が寄付できる金額はいくらか事前に確認できます。上限金額を確認する方法はこのあと詳しく解説しますね。
上限を超えて寄付をするとお金が無駄になる
ふるさと納税をするときに注意してほしいのが、寄付できる金額には上限があるということです。
自分の収入でいくら寄付できるのか確認しておいた方が、返礼品を選ぶ目安にもなります。事前にチェックしておきましょう。
上限金額を超えて寄付をしてしまうと、自己負担で各市町村に寄付することになります。寄付金控除を利用するつもりが、お金を多く払ってしまうことになるのです。
例えば、寄付できる上限金額が5万円として6万円ふるさと納税をすると、1万円は自己負担となります。自分の寄付できる金額を知っておくことは大事ですよ。
自分が応援したい、発展させたい自治体に寄付をすることがふるさと納税の元々の目的です。上限を超えて寄付した分を各自治体にきちんと使ってほしいと思うのならば、上限を超えても問題ありません。
ふるさと納税の上限金額を知る方法は?
ふるさと納税の上限金額を知りたい場合は、シュミレーションサイトを利用しましょう。手順としては、次のようになります。
寄付できる上限金額を知る手順は?
準備するものは、直近の源泉徴収票です。または、年収がわかる書類があれば大丈夫です。どちらかがあれば、概算で寄付できる金額がわかります。
- 自分のだいたいの年収を計算する。←会社からもらった最近の源泉徴収票があれば、その金額より増えたか減ったか計算する。
- シュミレーションサイトに家族がいるか、配偶者の給与がいくらか、子どもが何人いるかなどを入力する。
- 源泉徴収票に社会保険料の金額や生命保険などの控除額の記載があれば入力する。
上記の手順でシュミレーションサイトに入力すると、寄付できる金額が計算できます。もし、昨年より年収が増える見込みであれば、寄付できる金額は増えるでしょう。
おすすめのシュミレーションサイト
シュミレーションサイトはいくつかありますが、だいたいの年収で上限金額を計算できたり、源泉徴収票を元に詳しく計算できたりするサイトを紹介します。
筆者は、上記の全部のサイトで概算の年収で計算してみたら、誤差は1000円だったので、寄付できる金額の目安を知るには使いやすくておすすめですよ。
ふるさと納税で何が節約できる?
ふるさと納税のお得な点は、寄付するともらえる返礼品です。返礼品の中には、お店で売っている値段よりも安く、良いものがあるので、生活費の節約にもなるでしょう。
特に食品ならば、返礼品の種類も多く、あっても困らないものなのでおすすめです。また、自治体によっては、有名な企業の工場の生産品を返礼品として出しているところもあります。
日用品も普段使うものが返礼品で選ばれていることが多いです。返礼品が食品だけだと、多すぎて食べきれるかわからない場合は、日用品も選んで良いでしょう。
返礼品を上手く選べば、質の良い日用品や食品をもらえて生活費を節約できます。ここからはふるさと納税を利用して生活費を節約する方法を紹介します。
ふるさと納税で節約する方法①大容量の食品を選ぶ
ふるさと納税で節約する方法の1つ目は「大容量の食品を選ぶこと」です。ふるさと納税の返礼品の中には、お肉を1㎏~5㎏もらえたり、お米を2㎏~10㎏もらえたりします。
お肉やお米など毎日食べるものであれば、多くあった方が良いでしょう。食費を節約したいのであれば、大容量の食品を選ぶ方が節約になります。
さらに返礼品が食品の場合、各地域に関係あるものが返礼品となるので、国産のものになります。そのため、食材の質も保証されているでしょう。
例えば、お米を返礼品で選ぶと10㎏を2000円を負担するだけでもらうことができます。お店で同じお米を10㎏購入すると3000円~4000円かかるので、返礼品で1000円~2000円の節約になります。
ふるさと納税で節約する方法②高級食材を家で食べる
ふるさと納税で節約する方法の2つ目は「高級食材を家で食べること」です。ふるさと納税の魅力は、普段なかなか見かけない高級食材を返礼品でもらえる点です。
レストランで食べると5000円~数万円するような食材でも、自分で調理すれば2000円の負担で済みます。名前だけ聞いたことあるようなお肉も、自分で焼けばおいしく食べられます。
または、普段なかなか食べられないフルーツを頼むのも良いでしょう。お店で買ったり、食べたりすれば、数千円~数万円するフルーツも、自分でカットすれば好きな量を食べられます。
筆者はある自治体に寄付をして、返礼品で調理済みのすっぽんを鍋で食べたことがあります。すっぽんは高級なお店でしか出されないイメージがあったので、このときはお得に食べられました。
ふるさと納税で節約する方法➂大容量の日用品を選ぶ
ふるさと納税で節約する方法の3つ目は、「大容量の日用品を選ぶこと」です。返礼品で食品はおすすめですが、大量にもらってしまうと食べきれない、冷蔵庫に入らないという事態が起こります。
食品以外で生活費を節約できる方法でおすすめなのが、日用品を選ぶことです。例えば、岩手県北上市では、5000円でティッシュペーパー20箱が返礼品でもらえます。トイレットペーパーなど組み合わせは様々です。
この返礼品は、商品の梱包から発送を障がい者の自立支援団体が行っており、寄付で社会貢献にもつながるのです。
他に、紙おむつが返礼品にあるので、子育て中の家庭で、おむつ代を節約したいならば、ふるさと納税を利用しても良いかもしれません。
返礼品が多く掲載されているサイト3カ所
返礼品が掲載されている数が多い方が選ぶ楽しみが増えてよいですよね。ここでは、返礼品の掲載数が多いサイトを3カ所選びました。返礼品を探す時の参考にしてください。
サイトから会員登録すれば、返礼品を申し込むこともできるので、気になったものがあればすぐに申し込みしましょう。
- ふるさとチョイス
- 楽天ふるさと納税
- ふるぼ(JTBが運営)
ふるさとチョイス
ふるさとチョイスは他のサイトと比較して圧倒的に掲載数が多く、10万件以上掲載されています。初めてふるさと納税をする場合は、このサイトから探してみるといいですよ。
ふるさと納税に関する相談やセミナーを開催しているので、初めて申込をするけど制度をきちんと知っておきたい場合は利用しても良いです。
楽天ふるさと納税
楽天で買い物をよくしている場合は、楽天ふるさと納税を利用すれば、ポイントもつくのでお得です。ふるさとチョイスに続いて掲載数が多いです。
ふるぽ
知名度は低いですが、掲載数は4万件以上あるふるぽもおすすめです。旅行会社JTBが運営しているので、旅行関係の返礼品が多いのが特徴です。
ふるさと納税でお得に旅行したい場合は、ふるぽを利用した方が良いでしょう。自治体に寄付すると、その行き先で使える旅行クーポンが発行されます。(クーポンには使用条件がありますので注意しましょう。)
ふるさと納税を利用すると生活費の節約になる? まとめ
今回は、ふるさと納税の基本から節約する方法を紹介しました。ふるさと納税は、上手く使うと生活費を節約できるお得な制度です。
「制度が複雑でやりたくない。」「確定申告するのが面倒。」と思うかもしれません。2000円負担するだけで、生活必需品が普段よりも安く入手できるなら、一度やってみてはいかがしょうか。
ふるさと納税をすると確定申告が必要になりますが、指示に従って入力すれば簡単にできます。ふるさと納税を今回初めてやってみる場合は、確定申告も一緒にやってみると予想より簡単で驚きます。
お得な制度は利用しないともったいないので、まだふるさと納税をしたことが無い場合は、今からでもやってみることをおすすめします。