クレジットカードの裏側には署名欄がありますが、署名を書いておかないと思わぬトラブルに巻き込まれ、場合によっては多額のお金を支払わなければならなくなる可能性があります。
クレジットカードの署名は必ず書くようにしましょう。ただ、「正しい書き方が分からない」という人もいると思いますので、この記事で解説していきます。
この記事を読むだけで、クレジットカードの署名についてはバッチリ分かりますよ。また、この記事のポイントは以下の通りです。
- クレジットカードの署名・会計時のサインには3つの意味がある
- クレジットカードの署名がないと3つのリスクがある
- ボールペンかサインペンのどちらが良い?
- 漢字と英語のどちらで書くのが正解?
- 家族カードの署名は誰が書く?
- 海外へ行く場合の注意点
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クレジットカードに署名する意味と会計時のサインの意味
クレジットカードの署名は、会計時のサインが本人のものであることを証明するものです。クレジットカードの署名と会計時のサインの筆跡によって、本人確認をしています。
クレジットカードの署名は、免許証や健康保険証などの本人確認書類と同じくらい大切なものなのです。
もし、クレジットカードの署名欄に署名をしていなかったら、会計時のサインの意味もなくなってしまいます。クレジットカードの署名と会計時のサインは両方そろって初めて意味があるのです。
クレジットカードの署名と会計時のサインには3つの意味があります。
支払い完了の証拠
まず、会計時のサインは支払い完了の証拠となります。支払いが済んでいるかどうかが不明瞭であると、後々、トラブルの原因になります。
例えば、あなたが購入店から「万引きした!」と言われた場合でも、署名がないと会計時のサインがあなたのものだと署名できないので、相手の主張に反論することができません。
クレジットカードの署名と会計時のサインの筆跡から本人確認ができないと、あなたがその商品を購入したことが証明できないからです。
また、あなたが購入店に対して「不具合があったから返品したい」と言った場合でも、購入したことが証明できないので、返品や返金はできませんし、むしろ万引きを疑われるかもしれません。
売買への同意
会計時のサインは、売買に同意したことを示すものでもあります。
売買は契約です。契約は両者の同意があって成立するものであり、同意を示すためにサインを使っているのです。サインをすれば「売買契約に同意した」ということになります。
そのため、サインをした後に「こんな契約は納得できない!」と思ったとしても、契約の説明に明らかな不正があったと認められない限り、あなたの主張は通りません。
また、クレジットカードの署名がない場合は、会計時のサインがあなた自身が会計したことの証明にならないので、先ほどの例のような「万引きを疑われる」「返品できない」などの問題が起きます。
不正利用防止の効果
クレジットカードの署名と会計時のサインの筆跡によって本人確認をしていることは、すでにお伝えしました。
もし、クレジットカードの署名がなかったなどの理由で本人確認ができないと、あなたのクレジットカードを第3者が使ったとしても、あなたはそれを証明できません。
第3者がクレジットカードに自分の署名を書き、会計時に自分のサインをしてしまえば、そのカードの持ち主は事実上、名前を書いた第3者になってしまうのです。
クレジットカードに署名していないとこんなリスクがある
クレジットカードの署名と会計時のサインの意味について紹介してきました。クレジットカードに署名と会計時のサインは2つで1つなので、どちらかが欠けると意味がなくなってしまいます。
クレジットカードの署名をしていないと、会計時のサインも無効になってしまうということです。では、クレジットカードの署名をしていないとどんなリスクがあるのでしょうか?
クレジットカードの署名をしていない具体的なリスクとしては、下記の3つが挙げられます。それぞれ次章以降で解説していきます。
- 不正利用される
- 紛失した際に保証が効かない
- 購入を断られる
クレジットカードに署名がないリスク①不正利用される
既に取り上げていますが、クレジットカードに署名をしていないと、不正利用されて、支払う必要のない料金を払わなければいけなくなってしまいます。
クレジットカードの署名がないと、クレジットカードが誰のものなのかを証明することができないため、第3者があなたのクレジットカードを不正に利用できてしまうのです。
さらに言えば、あなたのクレジットカードに第3者が自分の署名をしてずっと使い続けることもできてしまいますし、詐欺グループにカードが渡れば詐欺グループの資金源にもなってしまいます。
クレジットカードに署名がないリスク②紛失時に保証が効かない
クレジットカードを紛失した際は、通常、クレジットカード会社から保証されます。しかし、クレジットカードに署名がない場合は、保証が効きません。クレジットカードの持ち主がはっきりしないからです。
不正利用されて多額の請求が来た場合でも、すべてあなたが支払わなければいけないのです。
「紛失しなければいいんでしょ」と楽観的にならず、クレジットカードの署名は必ず書いてください。
クレジットカードに署名がないリスク③購入を断られる
ここまで伝えてきたように、クレジットカードに署名をしていないと、不正利用されるリスクが高いにもかかわらず、不正利用された時も保証が効きません。
そんなリスクを避けるために、クレジットカード会社は「署名の無いクレジットカードは利用不可」としています。
そのため、会計時に署名の無いクレジットカードを使おうとしても、利用を断られてしまうことがあります。正直、現金などで支払えば済んでしまう話なので、これはかなり小さなリスクです。
しかし、すでに紹介した2つのリスクはあなたの人生を左右する大きなものです。繰り返しになりますが、クレジットカードの署名は必ず書くようにしてくださいね。署名の正しい書き方は次章以降で解説します。
クレジットカードの署名はどう書くのが正しい?
ここまでの解説で、クレジットカードの署名はとても大切だと分かったと思います。ただ、「どうやって書くのが正解なのか?」と考えると意外に難しいですよね。
クレジットカードの署名を書く時に気になるポイントを4つ挙げてみました。次章以降で詳しく解説していくので、どんなポイントがあるのかだけ確認しておいてくださいね。
- 筆記具の種類
- 英語か漢字か
- イニシャルなど簡略化してもいい?
- 家族カードの署名は誰が書く?
クレジットカードの署名の正しい書き方①筆記具の種類
クレジットカードの署名を書くときにまず気になるのが、「何を使って書いたらいいのか?」という点です。
結論から言うと、ボールペンやサインペンなどの油性の黒いペンを使うのが正解です。水性だと滲んだり消えたりしてしまいますので、必ず油性のものを使ってください。
油性の黒色のものならボールペンでもサインペンでも大丈夫ですが、ボールペンがおすすめです。ボールペンはペン先が細いため、サインペンよりも書きやすく、画数が多くても綺麗に書けるからです。
ただし、消えるボールペンは使わないでください。保管状況によっては、消すつもりがなくても署名が消えてしまう可能性があるからです。
クレジットカードの署名の正しい書き方②英語か漢字か
次に気になるのは、「英語で書くか漢字で書くか」ですよね。結論はズバリ「どっちでもいい」です。
クレジットカードの表側には、英語(ローマ字)で名前が記載されるので、「英語が正解?」と思いがちですが、クレジットカードの署名に英語か漢字かの決まりはありません。
決まりはありませんが、おすすめは漢字で書くことです。画数が多い方が真似されづらいので、不正利用されるリスクを軽減できるからです。ただし、「パスポートと同じ表記」にするようにしてください。
なぜなら、海外でクレジットカードを使う際に、確認としてパスポートの提示を求められるからです。パスポートの表記と違う場合は買い物を拒否されてしまいますので、統一するようにしてください。
クレジットカードの署名の正しい書き方③簡略化してもOK?
記事の冒頭でお伝えしましたが、クレジットカードの署名は会計時のサインと照らし合わせて筆跡から本人確認するためのものなので、会計時のサインはカードに署名したものを使います。
前章では署名を漢字で書くことをおすすめしましたが、名前の画数が多い人は「会計時のサインで毎回、漢字のフルネームを書くのは面倒」と思うかもしれませんね。
実際、クレジットカードの署名には明確なルールはないので、イニシャルや名字だけ、名前だけ、カタカナ表記でも問題はありません。たとえば、「金融太郎」さんの場合は以下のような署名も使えます。
- 「金融」あるいは「太郎」
- 「キンユウ」あるいは「タロウ」
- 「T.K」あるいは「K.T」
しかし、簡単なサインは筆跡が真似しやすいですので、セキュリティ的にはあまり良くありません。
このあたりは名前の画数にもよりますし、個人の好みですが、セキュリティを考えるのであれば漢字のフルネームがベストです。
クレジットカードの署名の正しい書き方④家族カードの署名
一通りクレジットカードの署名の書き方を紹介してきましたが、「家族カードの署名を誰が書くのか」は少し迷いますよね。
家族カードとは、カードの契約者の家族が持てるカードのこと。通常、未成年はカードを持てないが、父親や母親が契約者となればカード(家族カード)を持つことができる。
何度もお伝えしていますが、クレジットカードの署名は会計時のサインと照らし合わせて本人確認を取るためのものです。そのため、実際にカードを会計時に使う人の署名を書きます。
たとえば、「金融太郎」(父親)が契約した家族カードを「金融一郎」(息子)が持つ場合は、「金融一郎」(息子)の署名を書きます。
クレジットカードの署名を間違えたらどうする?
ここまで、クレジットカードの署名の書き方を紹介してきました。その中で、署名を書く際には油性の黒色ボールペンがおすすめとお伝えしました。
しかし、ボールペンは消すことができないので、間違えてしまったらどうしたらいいのか、困ってしまいますよね。
署名を間違えてしまったら、クレジットカード会社に連絡して、新しいカードを発行してもらってください。不正利用を防ぐため、修正された署名があるクレジットカードは利用が禁止されているからです。
2重線を引いて書き直したり、修正テープを使って書き直したりすることはしないでくださいね。
クレジットカードの署名 まとめ
クレジットカードの署名について紹介してきました。記事の重要なポイントを下記にまとめてみたので、最後に確認してみましょう。
- 署名は本人確認をするための重要なもの
- 油性の黒色ボールペンで書く
- 漢字のフルネームがおすすめ
- ただし、パスポートの表記と統一する
- 家族カードの署名はカードを使う人の署名を書く
- 署名を間違えたら新しいカードを発行してもらって書き直す
クレジットカードを郵送で受け取ることが増えているため、署名はついつい後回しにしたり忘れてしまったりしてしまいがちです。
しかし、クレジットカードの署名がないだけで、不正利用されて多額の支払いが発生してしまうリスクがあります。クレジットカードの署名は正しい書き方さえ分かっていれば、1分で書くことができます。
たった1分で大きなリスクを防げるのですから、書かない理由はないでしょう。「紛失しなければ大丈夫」などと楽観視せず、記事で紹介した正しい署名の書き方を参考にして、すぐにでも署名を書いてくださいね。