「自分の貯蓄額は十分足りているのだろうか?」、「一般のサラリーマンはどれくらい貯蓄しているのだろうか?」と不安になったことはありませんか?
今回の記事では、サラリーマンの貯蓄額を紹介します。さらに、貯蓄の貯め方と増やし方も合わせて紹介していますので、ぜひ最後まで読んでみてください。
サラリーマンの平均貯蓄額は?
まずは、あなたの貯蓄額と、サラリーマンの平均貯蓄額にどれくらいの差があるのかを確認してみましょう。
厚生労働省の調査によると、2016年度の1世帯あたりの平均貯蓄額は全世帯の場合で1,033万1千円と報告されています。
1,033万1千円と聞くと、「えっ?私はそんなに貯金できていない…」と驚く方もいるかもしれません。しかし、この平均貯蓄額は、世代別で異なるので、次の見出しで年代別の平均貯蓄額を紹介します。
サラリーマンの世代別平均貯蓄額
まず、サラリーマンの世代別平均貯蓄額について紹介していきます。
- 70歳以上・・・1,263万5千円
- 60〜69歳・・・1,339万4千円
- 50〜59歳・・・1,051万2千円
- 40〜49歳・・・652万7千円
- 30〜39歳・・・404万1千円
- 29歳以下・・・154万8千円
出典:厚生労働省(2016年)
平均貯蓄額トップ3はすべて50歳代以上で、1000万以上の貯蓄があることになります。これは、他の年代と比較して貯蓄年数が長く、昇給や相続、退職金などが影響する事を考えると当然の結果です。
一方で、29歳以下は154万8千円で、若いほど貯蓄額は低いという結果となっています。
ですから、平均貯蓄額約1000万という数値は50歳以上の世代の場合であり、若い世代とは状況が異なります。
貯蓄額の平均値と中央値の違い
さらに、貯蓄額を表す際には、平均値ではなく中央値を参考にした方が、世間のみんながどれくらいの貯蓄をしているのかが、わかりやすいです。
中央値とは・・・すべてのデータを、大きいまたは小さい順に並べた時、中央に位置する数値。一部の極端な例に影響されにくいデータとなっています。
金融広報中央委員会による、家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和元年)では、60代の貯蓄額の平均値と中央値を比較すると、1000万近く差が生じています。
60歳代に着目すると、中央値が650万円ですから、多くの60歳代の方がこの貯蓄額だということがわかります。
平均値は、高い収入の値に引っ張られてしまうので、より正確な実態を知りたい場合には、中央値を参考にしましょう。
平均値 | 中央値 | |
20歳代 | 165万円 | 71万円 |
30歳代 | 529万円 | 240万円 |
40歳代 | 694万円 | 365万円 |
50歳代 | 1,194万円 | 600万円 |
60歳代 | 1,635万円 | 650万円 |
70歳以上 | 1,314万円 | 460万円 |
出典:金融広報中央委員会公式サイト(https://www.shiruporuto.jp/public/data/survey/yoron/futari/2019/19bunruif001.html)
貯蓄額のコツは?手取りの30%を貯金しよう。
ここからは、貯蓄をするコツを紹介していきます。貯蓄のコツは、「余ったら貯める」のではなく、「給料が入ったら貯める」をすることが確実な方法と言えます。
世帯の平均人数 | 手取り月収のうち 貯蓄が占める割合 |
|
29歳以下 | 1.34人 | 40.7% |
30〜39歳 | 2.92人 | 34.2% |
40〜49歳 | 3.23人 | 30.0% |
50〜59歳 | 2.55人 | 26.4% |
60〜69歳 | 2.32人 | 24.8% |
70歳以上 | 1.89人 | 27.3% |
平均 | 2.60人 | 29.7% |
こちらの表は、総務省の家計調査報告(2019年)より作成したものとなっています。
総務省の報告によると、全世代平均で、手取り月収の29.7%を貯蓄に回していますので、給料が入ったら、手取りの30%は貯めるように意識しましょう。
29歳以下の貯蓄率に関しては、40.7%となっており、結婚前に給料の多くを貯蓄に回せる余裕があるようです。
また、家賃や光熱費の支払い負担がない実家暮らしの場合は、手取り月収の40%以上を目標に貯めたいところですね。
サラリーマンが貯蓄額を増やす5つの方法について
次に、サラリーマンができる貯蓄額を増やす方法を5つ紹介していきます。5つの方法は下記の通りです。
- 転職でキャリアアップをする
- 副業で収入を増やす
- 家計簿アプリで支出を見直す
- 株式投資をする
- 初心者なら投資信託をする
1番目と2番目の貯蓄額を増やす方法は、転職または副業で収入を増やす方法です。
3番目の方法は、支出を減らして節約する方法で、4番目、5番目の方法はお金を運用して増やす方法となっています。次の見出しから、それぞれの具体的な方法を紹介していきますよ。
サラリーマンが貯蓄額を増やす方法①転職でキャリアアップする
サラリーマンが貯蓄額を増やす方法の1つ目は、転職でキャリアアップをすることです。忘れがちですが、今のキャリアを伸ばすことで収入を上げることができないかを考えてみましょう。
後の見出しで紹介する株式投資や投資信託は魅力的ですが、優先順位的には転職によるキャリアアップとなります。
なぜなら、実は投資で得られる生涯獲得額はわずかだからです。仮に、100万円を投資したとして、年5%の運用益を30年連続で獲得したとしても、330万円しか獲得できていません。
もし、年収50万円のキャリアアップに30歳で成功したら、その後30年分の収入アップ額は1500万円となります。株式投資や投資信託だけではなく、あなたのキャリアを上げることも考えみてください。
サラリーマンが貯蓄額を増やす方法②副業で収入を増やす
サラリーマンが貯蓄額を増やす方法の2つ目は、副業で収入を増やすことです。政府が進めている「働き方改革」の影響で、多くの会社で残業時間を短縮していく傾向にありますよね。
残業時間が減ると、当然残業代も少なくなり収入は減ってしまいます。空いた時間で少しずつ副業を始めることをおすすめします。
副業の種類はたくさんありますから、ぜひご自分で調べてみてくださいね。自分の好きなことや趣味を副業にできたら最高ですよ。
例えば、写真が趣味なら自分が旅先で撮った写真を写真販売サイトに登録して販売することだってできます。
サラリーマンが貯蓄額を増やす方法③家計簿アプリで支出を見直す
サラリーマンが貯蓄額を増やす方法の3つ目は、家計簿アプリで支出を見直すことです。
毎日つけるのが面倒な家計簿ですが、毎月の収支を把握するのには最も適した方法です。何にどれくらいお金が使われているのかを大まかに知っておくことで、無駄を削減することができます。
ただし、家計簿の記帳は結構挫折しやすいので、楽にできる方法を考えた方が良いでしょう。スマートフォンの家計簿アプリを使えば、時間もかからず、端数も自動で処理してくれてとても便利です。
LINEが提供する「LINE家計簿」や、レシートを撮影することでTポイントももらえる「レシーカ」などいろんな家計簿アプリがリリースされていますよ。
サラリーマンが貯蓄額を増やす方法④株式投資をする
サラリーマンが貯蓄額を増やす方法の4つ目は、株式投資をすることです。購入した株が値上がりしてから売却すれば、短期間で、利益を得ることができますし、得た利益は銀行の金利よりも利回りが良いです。
バブル時代では、普通預金(1年)の金利は、約2.0%の時代でした。100万円預けていたら、102万円になっており、羽振りが良かったです。
現在の金利は、約0.002%なので、100万円預けても1年で20円しか増えません。ほぼ金利ゼロの銀行に預けるよりも、株式投資をしてお金に働いてもらうことを考えましょう。
また、値上がり益以外にも、株価が上がれば、事業者が利益の一部を投資家に還元する「配当」や「株主優待」などでも利益を得ることができますよ。
サラリーマンが貯蓄額を増やす方法⑤初心者なら投資信託する
サラリーマンが貯蓄額を増やす方法の5つ目は、投資信託(初心者におすすめ)をすることです。また、投資をするには、「最低でも100万円くらい必要」だと先入観を抱いていませんか?
しかし、投資信託であれば、1円単位で購入できるものが増えていますし、積立投資信託で自動引き落としを設定する場合は、月100円で始められるようになっています。
昨今の投資信託は、投資する手数料が大きく下がっています。購入時と売却時の手数料がゼロだったり、運用期間中の手数料は、0.2〜0.3%(一昔前は、2.0〜3.0%)まで下がったりしています。
仮に100万円で投資したとき、毎年の運用手数料は2000〜3000円で抑えることができます。投資信託のハードルは下がっていますので、初心者ほど手を出しやすいです。
まとめ
今回の記事では、サラリーマンの貯蓄額について紹介しました。現実を知ると、自分の収入や貯蓄が少ないと感じた方もおられたのではないのでしょうか。
将来、急にお金が必要になるかもしれませんし、お金の不安からはできるだけ逃れたいですよね。
現状を知ることが、あなた自身が変わることができる第一歩ですので落ち込まないでください。
ぜひ今回の記事を参考にして、どんな方法で貯蓄を増やしていこうか、考えるきっかけにしてもらえたら幸いです。最後に、世代別の平均貯蓄額と今回の記事で紹介した貯蓄方法5つをまとめました。
- 70歳以上・・・1,263万5千円
- 60〜69歳・・・1,339万4千円
- 50〜59歳・・・1,051万2千円
- 40〜49歳・・・652万7千円
- 30〜39歳・・・404万1千円
- 29歳以下・・・154万8千円
出典:厚生労働省(2016年)
- 転職でキャリアアップをする
- 副業で収入を増やす
- 家計簿アプリで支出を見直す
- 株式投資をする
- 初心者なら投資信託をする