40代の借金の平均はどれくらいなのでしょうか?友人同士でも、借金や貯蓄額など、お金の話をすることは少ないため、気になるところだと思います。
40代は、定年退職後の生活についても考えておきたい世代です。この記事を読むことで、40代の借金の残高や貯蓄額、退職後に必要な生活費などを知ることができます。
この記事を読んで、今後の返済や貯蓄について検討する際の参考にしてください。
40代の借金の平均額とは?
まずは、40代における借金の平均額を確認していきましょう。金融広報中央委員会の調査より、二人以上の世帯の平均借金額は1,690万円という結果が出ています。単身世帯の平均額は505万円です。
二人以上の世帯と単身世帯では、借金残高が大きく違いますね。単身世帯の借金の多くは、日常生活資金です。
次に多いのは、耐久消費財の購入資金であることから、家具や家電、自動車の費用として借金をしていることがわかります。
では、二人以上の世帯の平均額が1,000万円を超えているのは、なぜなのでしょうか。次の章から、金融広報中央委員会のデータを参考にして解説していきます。
金融広報中央委員会の詳しい調査結果は、下記のリンクにより確認ができます。
なぜ40代の借金の平均額は1,000万円を超えるのか
金融広報中央委員会のデータによると、二人以上世帯の借金残高の平均が1,000万円を超えている理由は、住宅の取得や増改築を目的とした借り入れの人が78.3%もいるためです。
次に理由として多いのは、単身世帯と同じ耐久消費財の購入資金でした。しかし比率は大きく減り、19.7%です。
借金をするタイミングは、家具や家電、自動車の購入、住宅の取得などの大きな買い物をするときが多いと思います。
さまざまな目的で借金をしている人がいますが、この数値を見ると、40代で借金を抱えている人の大半が住宅ローンであることがわかります。
40代の住宅購入にかかる借金残高の平均は?
40代の借金の多くは、住宅ローンでしたが、住宅購入にかかる借金をどれだけ抱えているのでしょうか。
金融広報中央委員会のデータにて、40代の借金を残高別に確認してみると、2,000万円以上と回答している人が40.4%でした。
1,500万円以上と回答している人が13.0%、1,000万円以上と回答している人が15.0%です。
40代の借金の目的は、ほとんどが住宅の取得にかかる費用であることから、住宅の購入にかかる借金残高の平均は1,000万円以上。多くの人は2,000万円を超えた借金残高であることがわかります。
借金のある世帯は40代が一番多い
なお、金融広報中央委員会のデータによると、二人以上世帯のうち、借金のある世帯は、全体の41.8%です。年代別に見ると、40代が一番多く65.3%を超えています。
60代からは30%程まで急に減り、70代では15%程になります。多くの人は、定年退職を迎える60代までに、借金を完済しているということですね。
30代から40代にかけて住宅取得のために住宅ローンを利用する人が多いため、40代は借金を利用している人が一番多い世代ということです。
40代で知っておきたい借金以外の平均額とは?
40代で借金をしている人が多いということはわかりました。この章では、40代で知っておきたい借金以外の2つの平均額を紹介したいと思います。
40代で知っておきたい「借金以外の平均額」は、以下の2つです。
- 40代の平均貯蓄額
- 定年退職後の平均必要資金
借金を返済していると、なかなか貯蓄ができない人もいるかと思います。
しかし、公的年金の受給開始年齢が上昇し、受給金額が少なくなる一方であることから、早い時期から老後資金の準備をしておく必要があります。
定年退職後も継続して働いて収入を得るという方法もありますが、「同世代はどれだけの貯蓄があるのか」「老後はどれだけの資金は必要なのか」を確認をしておきましょう。
40代で知っておきたい借金以外の平均額①【貯蓄額】
40代の貯蓄額は、二人以上の世帯で平均880万円です。単身世帯の平均は972万円でした。借金の平均額が少ない分、単身世帯の方が若干、貯蓄額が多いようです。
なお、50代になるとさらに貯蓄額が多くなり、二人以上の世帯で平均1,574万円、単身世帯の平均は1,496万円となっています。
これは、50代の借金利用者が減少しており、返済から貯蓄に回す資金が増えるためだと考えられます。
貯蓄のデータについても、借金と同じ金融広報中央委員会の調査結果を参考にしていきます。詳しい調査結果は、下記のリンクにより確認ができます。
40代で知っておきたい借金以外の平均額②【老後資金】
続いて、定年退職後のために準備しておきたい平均額を確認していきます。
総務省統計局の調査より、無収入世帯で夫65歳以上、妻60歳以上の1カ月の生活資金は、平均264,707円という結果が出ています。そして、公的年金などの給付は平均203,824円です。
つまり、公的年金だけでは、毎月6万円ほど足りないという計算になります。なお、旅行や趣味、病院代、住宅の補修などに費用を考慮して、ゆとりのある生活をするためには、月36万円ほどが必要だといわれています。
老後資金として準備しておきたい額は、公的年金だけでは不足する部分です。そのため、60歳~80歳までの20年分とすると、1,500万円~3800万円が必要という計算になります。
定年退職までに完済のめどを立てておこう
年金生活になると、収入が少なくなるため借金の返済は大きな負担になるでしょう。
60歳を過ぎても継続雇用などで働ける企業が増えています。しかし、収入は減る場合が多いため、定年退職までに完済を目指したいところです。
そう考えると、定年退職の目安である60代で借金の平均額が大きく減少することに納得ができるのではないでしょうか。
特に住宅ローンは人生最大の借金であり、返済ができなくなると自宅を失いかねません。今のうちに返済計画を立てて、定年退職の前に完済のめどがつけられるようにしましょう。
定年退職までに住宅ローンを完済する方法
住宅ローンの返済は、30年や35年と長い期間でおこなう場合が多いです。たとえば、40歳で30年返済の住宅ローンを借りた場合の完済年齢は70歳となりますね。
そのような場合、予定より早期の完済を目指すために、繰上返済の利用をおすすめします。
繰上返済は、毎月指定された返済に加えて追加で返済する手続きです。繰上返済を利用すると、返済期間が短縮し、支払う必要のある利息の総額も少なくなります。
手続きは、金融機関の窓口だけでなく、インターネットでも可能な場合が多くなっています。余裕のある時期に少しずつ繰上返済をおこない、定年退職までの完済を目指しましょう。
借金を返済しながら貯蓄をする方法
40代になると、借金の返済だけではなく、老後資金の準備も始めたいところです。ゆとりのある生活のために3,000万円以上を準備したいと考えても、なかなか急には用意ができません。
できるだけ、早い時期から貯蓄をおこなっていく必要があります。負担をかけずに貯蓄をする方法として、積立貯蓄という方法があります。積立貯蓄とは、毎月一定の金額を貯蓄に回していく方法です。
勤務先によっては、給与から天引きで積み立てができる財形貯蓄や、節税効果のあるiDeCo(個人型確定拠出年金)などの制度を利用できるかもしれません。
会社に財形貯蓄やiDeCoが使えるか一度、確認してくださいね。借金の返済をしながらでも無理のない金額から積立預金を設定し、老後資金の準備を始めましょう。
まとめ
40代の借金の平均額と比較して、あなたの借金残高はいかがだったでしょうか。
40代は、人生の中で最も借金をしている人が多い年代です。さらに、老後資金のことも考え始めなければなりません。
返済に貯蓄にとお金に関する悩みは多いかと思います。しかし、返済も貯蓄も計画的におこなうことで、将来の不安を取り除くことができるでしょう。
繰上返済と積立貯蓄を上手に利用して、将来の安心に備えましょう。