仮想通貨の規制について徹底解説!【知っておくべき世界情勢】

「現在、仮想通貨を保有しているのだが、規制が厳しくなるにつれて価格が下がっている気がする…。仮想通貨の法規制について詳しく解説してほしい。」

ビットコインなどの仮想通貨は現在、法律の整備が万全と言える状況ではなく、世界各国で法規制が進んでいる状況です。

また、規制が厳しくなるたびに仮想通貨の価格は大きく変動するので、仮想通貨を保有している方は、日本だけでなく世界各国の規制状況を常に把握しなければなりません。

そこで今回は、日本における仮想通貨の規制状況を紹介しながら、世界における仮想通貨の規制状況について、わかりやすく解説していきます。

DEBIT INSIDER 編集部

この記事を読むことで、仮想通貨のトレンドに詳しくなり、安全に仮想通貨を運用することができます。ぜひ最後までご覧ください。

(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/photos/bitcoin-%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%AB-%E3%82%B3%E3%82%A4%E3%83%B3-4629565/)

日本における仮想通貨の規制状況

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まず初めに、現在の日本における仮想通貨の規制状況を解説します。

2020年4月3日に発行された政府機関紙「官報」によると、仮想通貨の規制に関する法律である「賃金決済法」「金融商品取引法」の改正法が、2020年5月1日から施行される予定です。

情報通信技術の進展に伴う金融取引の多様化に対応するための資金決済に関する法律等の一部を改正する法律の施行期日は、令和二年五月一日とする。

引用:資金決済に関する法律施行令等の一部を改正する政令(一四二)

金融庁のホームページでも、法定通貨である日本円と明確に区別するため、法令上「仮想通貨」は「暗号資産」へ呼称変更されることが発表されています。

また、この改正法では、仮想通貨業者や新たな仮想通貨取引などに対して、以前よりも厳しい対応が求められます。

DEBIT INSIDER 編集部

今後は仮想通貨業者の対応が変わることが予想されますので、仮想通貨を保有している方は注意が必要です。

次の項目では、改正法で仮想通貨業者に求められる対応について解説しますね。

改正法で仮想通貨業者に求められる対応とは

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改正法で仮想通貨業者に求められる対応として挙げられるのは、まず「顧客確認を徹底すること」です。

仮想通貨は匿名性が高く、脱税などの犯罪で利用されることが懸念されています。そこで改正法では、仮想通貨業者に対して、金融機関の口座開設時と同程度の顧客確認が求められます。

特に仮想通貨取引所で口座開設するには、下記の顧客確認が必要です。

  • パスポート、免許証などの証明証
  • 顔写真が写っている証明証と本人が同時に写っている写真
  • 住所確認のためのハガキ受け取り

また改正法では、仮想通貨業者に対して、仮想通貨をコールドウォレットなどで管理することを義務付けています。

コールドウォレットとは、仮想通貨を保管するウォレット(財布)のことです。

インターネットと完全に切り離されているので、不正アクセスによって仮想通貨が盗まれることがなく、極めて安全だと言われています。

このように日本では、仮想通貨を取り扱っている業者を対象に、法律の整備が着々と進められています。

次の項目では、日本が仮想通貨に関する法改正に至った経緯を解説しますね。

日本が仮想通貨を規制するに至った経緯

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日本で仮想通貨の規制が始まったのは、2017年4月に施行された「改正賃金決済法」がきっかけです。

この「改正賃金決済法」では、日本で初めて仮想通貨の存在が公に認められ、仮想通貨交換業者の登録や顧客に対する説明義務など、これまで明確に定められていなかった規制が敷かれるようになりました。

政府が仮想通貨の存在を認めたことは世の中に大きなインパクトを与え、2017年後半、仮想通貨全体が盛り上がり、一般の人々への認知が一気に広がりました。

DEBIT INSIDER 編集部

しかし、仮想通貨の流通が増えると犯罪に利用されるリスクも大きくなるため、後に重大な事件が起きることとなります。

仮想通貨に関する事件が発生

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仮想通貨の盛り上がりがピークに達した2018年1月、取引所で管理していた約580億円もの仮想通貨が不正に送金されるという事件が起こりました。

その事件をきっかけに、仮想通貨を取り扱っている全ての業者に金融庁の厳しい検査が入り、法規制を徹底する声が上がるようになります。

また2018年3月に行われた、世界各国の首脳が集まる「G20会議」でも仮想通貨について協議され、「仮想通貨は通貨として不完全なので規制が必要」との意見が出ました。

そこで日本政府は、2017年に施行された「改正賃金決済法」を再び改正し、仮想通貨の規制を強めることとなります。

DEBIT INSIDER 編集部

同時に海外においても、規制が強化されることとなりました。次の項目からは海外の状況を解説しますね。

海外における仮想通貨の状況

海外における仮想通貨の状況は、大手グローバル銀行が仮想通貨の運用を検討していたり、Facebookが独自の仮想通貨「Libra」を発表したりと、一国の法律ではカバーしきれない状況となっています。

また、国によって仮想通貨に対する見解が異なるため、各国における仮想通貨の規制状況は足並みが揃っていません。

次の項目からは、各国の仮想通貨の規制状況について解説していきますね。

アメリカにおける仮想通貨の規制

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アメリカの仮想通貨業界では、米国証券取引委員会(SEC)による国全体での統一的な規制が進行中です。

アメリカ証券取引委員会(SEC)は日本の証券取引等監視委員会及び公認会計士・監査審査会を併せ持つ組織である。捜査、民事制裁金の請求などの権限がアメリカ証券取引委員会(SEC)に与えられている。

引用:証券取引委員会|wikipedia

特にSECは、2020年の検査優先項目として「仮想通貨」を公式で発表しており、仮想通貨に対する規制が今後も厳しくなることが予想されています。

また、日本では国税庁に相当する「アメリカ合衆国内国歳入庁(IRS)」という政府機関も、2019年、既に仮想通貨の所得に対して課税を行うと明言しており、税制面でも仮想通貨の法整備が整ってきました。

なので日本と同様にアメリカでも、規制によって仮想通貨市場の健全な発展が期待されています。

アジアにおける仮想通貨の規制

アジア圏内においては、国によって規制が厳しい国容認する国とで大きく規制内容が分かれています。特に中国とその他の国で大きな違いが見られますので、順に解説しますね。

中国

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2020年4月現在、中国における仮想通貨の取引は全面的に禁止されています。

中国では、2013年から仮想通貨の取引を禁止しており、自国の通貨である「人民元」を一貫して強化する姿勢を崩していません。

また中国政府は、仮想通貨などの暗号変換された情報を保護する目的で「暗号法」という法律を制定し、2020年元日からこの暗号法が施行されました。

ただ、この暗号法は海外から問題視されており「中国国内に進出している海外企業の情報を保護できなくなってしまうのでは?」という懸念が高まっています。

その他のアジア各国

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中国以外のアジア各国、特に東南アジアでは、自国の経済を発展させようと仮想通貨の流通に前向きな姿勢を取っています。

例えばシンガポールでは2018年11月、日本の金融庁に相当するシンガポール金融管理局からの出資を受けて、シンガポール初の仮想通貨を取り扱う民間証券取引所が設置されました。

またタイは、アジアで最も仮想通貨の法制化が整っているといわれ、タイ財務省が中心となって仮想通貨取引所の設置を進めています。

ヨーロッパにおける仮想通貨の規制

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ヨーロッパでは、基本的に仮想通貨を正しく流通させるための前向きな規制が、各国で行われています。

例えばドイツでは2018年2月、ドイツ財務省が「ビットコインなどの仮想通貨について、法定通貨と同等なものとして取り扱う」と発表し、公共料金などがビットコインで支払うことができるようになりました。

またフランスでは2019年12月、日本の金融庁にあたる金融市場庁(AMF)が、フランス国内で初めてICOの申請を承認しました。

ICO(Initial Coin Offering)とは、主に新規で事業やビジネスを立ち上げようとする企業や団体などが、資金調達のツールとして仮想通貨を発行し公開することです。

ICOでは実態のない詐欺まがいの悪質な業者も存在するので、政府系機関がICOを承認する事例は、主要経済国においては極めて珍しい事例です。

他のヨーロッパにおける主要国でも、普段の買い物などでビットコインが決済手段として認められているので、ヨーロッパでは今後も仮想通貨市場が拡大することが見込まれています。

南米・その他地域における仮想通貨の規制

南米やその他の地域では、自国の法定通貨の代わりに仮想通貨を利用する動きが見られます。この項目では、下記の2ヶ国の事例を紹介します。

ジンバブエ

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アフリカ大陸のジンバブエでは、仮想通貨「Dash」を発行し、政府公式のデジタル通貨として流通させることを目指しています。

ジンバブエは2008年、記録的なハイパーインフレによって自国通貨の価値が暴落し、その影響を受けて、法定通貨である「ジンバブエ・ドル」が2015年に廃止されました。

ハイパーインフレとは

物やサービスの供給不足で物価の急上昇が止まらなくなり、通貨の価値が暴落すること。ジンバブエでは2008年5月時点で1ドル=2億5600万ジンバブエ・ドルと法定通貨の価値が大暴落し、経済破綻しました。

経済破綻以降、ジンバブエ国民は法定通貨そのものに見切りをつけ、すでに国内ではビットコイン対応のATMが設置されています。

また、銀行口座所有率よりもスマホ所有率が高いジンバブエでは、仮想通貨を使ったスマホ決済が今後広がっていくと予測されています。

ベネズエラ

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南米大陸のベネズエラでは2018年、政府が独自の仮想通貨「ペトロ」を発行しました。

ベネズエラはこれまで、外貨の獲得手段を石油産業に頼っていましたが、近年、石油産出量が減少し、仮想通貨に可能性を見出しています。

またベネズエラでは、資源がなくても外貨獲得につながる仮想通貨のマイニングに注目しています。

マイニングとは、仮想通貨の取引に必要となる複雑な計算作業に協力し、その成功報酬として新規に発行された仮想通貨を得ることです。

このマイニングという技術で、仮想通貨は取引データを改ざんできない仕組みを構築しています。

ただ、ベネズエラはアメリカが経済制裁中の国で、ペトロの発行に対してアメリカの大統領が使用・購入ともに禁止する措置を取っています。

DEBIT INSIDER 編集部

仮想通貨に対して、各国とも様々な規制や取り組みが進んでいますので、仮想通貨取引をする上では世界情勢も把握する必要がありますね。

仮想通貨の規制事情【まとめ】

今回は、仮想通貨の規制について解説しました。要約すると下記の通りです。

日本における仮想通貨の規制状況
  • 2020年より改正法が施行
  • 口座開設の本人確認が以前より厳重になる
  • 仮想通貨取引業者に対して管理の徹底が行われる
世界における仮想通貨の規制状況
  • アメリカ:日本と同様に規制の強化
  • 中国:仮想通貨取引の全面禁止
  • アジア各国、ヨーロッパ:仮想通貨を積極的に導入
  • アフリカ、南米:法定通貨として仮想通貨を発行する動き

現在の仮想通貨が置かれている状況は、排除のための規制ではなく、安全に運用するという方向で規制が進んでいます。

また、今後は各国と連携しつつ、健全な取引を行うために規制が進められることが予想されます。

世界の状況を常に把握しながら、安全に仮想通貨の取引を行っていきましょう。

ABOUTこの記事をかいた人

やけゆう

ビジネス系Webライター。上場企業で管理職として10年勤務し、マネジメント業務全般に携わる。 退職後、地元である沖縄でフリーランスとして独立。 【実績】 転職系メディア「Executive Navi」金融系メディア「DEBIT INSIDER」「高級家具.com」で合計70記事を執筆。 また「クラウドワークス」「ランサーズ」でも受注し、累計100本以上のライティング記事が公開中。 転職・小売業界・仮想通貨・クレジットカードなど、幅広い知識を持つ。