「個人向け国債について知りたい。」「資産運用に興味があるが、株や投資信託は怖い。」そんな方向けに記事を書きました。
「個人向け国債」は元本割れがなく、株や投資信託のように資産が減ってしまうという心配をする必要がない安心して購入できる金融商品です。
この記事では、最近とても注目されている「個人向け国債」について解説していきます。「個人向け国債」について興味がある方は、是非参考にしてくださいね。
(トップ画像出典:https://pixabay.com/photos/money-money-tower-coins-euro-2180330/)
個人向け国債とは?
企業や団体が銀行からお金を借りる(融資を受ける)とき、発行される借用証書の一種を「債券」と言います。
国(政府)が税金でまかないきれないときに、お金を借りる(予算を補てんする)ときに発行される借用証書の一種を「国債」と言います。
「個人向け国債」は正式には個人向け利付国庫債券と呼ばれ、国が発行する個人の方を対象とした債券のことです。国債を購入するということは、つまり国に一定期間お金を投資して利子をもらうことです。
【個人向け国債】種類について解説します
「個人向け国債」には、半年ごとに適用利率が変わる「変動10年」、発行時に設定れた利率が満期まで変動しない「固定5年」「固定3年」の3つ種類があります。
いずれの国債も購入単位は1万円で、利子は半年毎に支払われます。毎月発行されるので毎月購入して、国債を少しずつ増やしていくこともできますね。
「個人向け国債」は日本国債(もともと銀行用に発行していたもの。利付国債)よりも低い金利ですが、個人向け国債の場合には途中解約が認められます。
【個人向け国債】金利について解説します
日本銀行がマイナス金利政策を導入し、大手銀行の定期預金金利が低い状態が続いています。そんな中で元本が最低金利の年率0.05%(税引前)と保証されている「個人向け国債」の注目度があがっています。
それでは3種類の国債について詳しくみていきましょう。それぞれの特徴を把握した上で、自分にあった資産運用の手段を選んでくださいね。
受け取り利子のシュミレーションを財務省のホームページでできますよ。一度投資の計画に基づいたシュミレーションをしてみてください。
金利が変動する10年国債について
「個人向け国債変動10年」は、実勢金利の動きに応じて半年ごとに適用金利が変わり、受取利子の金額が変化します。
金利の水準が上昇した場合、固定金利型は受取利子は変わりませんが、変動金利型は受取利子が増えるいうメリットがあります。にもかかわらず金利0.05%を保証しており、それより下回ることはありません。
個人向け国債(変動10年)の金利 = 国債(変動10年)の金利基準金利 × 0.66
金利が固定の5年国債について
「個人向け国債5年固定」は、発行時に設定された利率が満期まで変わりません。そのため、購入した時点で償還される5年後の最終的な受け取り利子を計算することができます。
実勢金利の水準が低下した場合、個人向け国債10年変動は受取利子が減りますが、個人向け国債5年固定は受取利子が変わらないというメリットがあります。
個人向け国債(固定5年)の金利 = 国債(固定5年)の金利基準金利 × 0.05%
金利が固定の3年国債について
「個人向け国債3年固定」も、発行時に設定された利率が満期まで変わりません。そのため、購入した時点で償還される3年後の最終的な受け取り利子を計算することができます。
実勢金利の水準が低下した場合、変動金利型は受取利子が減りますが、個人向け国債3年固定は、個人向け国債5年固定と同様に受取利子が変わらないというメリットがあります。
個人向け国債(固定3年)の金利 = 国債(固定3年)の金利基準金利 × 0.03%
個人向け国債のメリットについて解説します
「個人向け国債」のメリットは、購入した国債は政府が元本を保証している安心感に加えて、銀行預金の定期預金よりも利率が良い点にあります。
安全性が高い
国債は発行しているのが国家で、特に日本は諸外国に比べて信用が高く、破綻するリスクは低く、金融商品の中でも最も安全性の高い投資のひとつです。
銀行に預金していても、ペイオフにより元本が1000万円とその利息までしか保証されないことを考えると、人気の理由がわかります。
銀行が破綻した場合、その銀行に預けている預金の払戻保証額を、元本1000万円とその利息までとする措置のこと
定期預金よりも金利が良い
メガバンクの1つである三井住友銀行の定期預金の金利は、10年定期であっても1000万円以上の大口定期であっても、期間や金額に関係なく一律0.01%になっています。(2020年3月現在)
「個人向け国債」の金利は最低でも0.05%が保証されているため、定期預金よりも常に高い金利で資産運用ができます。
少額投資が可能
株式投資や不動産投資は投資を始めるためには、まとまった資金が必要です。「個人向け国債」は最低1万円から1万円単位で購入できます。大きな資金を必要とせずに、少額投資が可能といえます。
投資初心者で個人向け国債からまず投資を始めようと思う方や、少額であっても絶対にリスクを取りたくない投資家向けの金融商品です。
個人向け国債のデメリットについて解説します
短い期間の設定ができない
銀行の定期預金では1ヵ月や半年といった短い期間の設定も可能ですが、個人向け国債は最低1年間は途中解約ができないことになっています。
仮に1年経過した場合は、解約による換金ができますが、中途換金調整額という形で計算され、思ったほど利子が付かないことがあります。
国債を購入する場合は、余裕のあるキャッシュ(現金)を残しておきましょうね。中途換金調整額のシュミレーションは財務省のホームページで計算することができますよ。
購入できる期間が決まっている
国債は通常毎月発行されています。しかしいつでも購入できる訳ではなく、募集期間内に金融機関等で申し込みを行う必要があります。
募集期間は財務省のホームページで確認できますので、購入しようと思っている方はスケジュールを確認することをオススメします。
投資信託等と比較して金利が低い
個人向け国債は、購入手続きを行った後は保有するだけという特徴が、投資信託と同じです。投資信託にはリスクがありますが、金利(利回り)は投資信託に劣ります(投資信託ごとに金利は違う)。
資産運用において、高い金利(利回り)を期待する場合は、すべての資金で個人向け国債の購入するのではなく、一部の資金で株式や投資信託を購入してリスクをとってみるのも良いでしょう。
安全性が高いとはいえリスクがある
金融商品の中でも最も安全性の高い投資のひとつです。しかし国が破綻すれば、国債の価値がなくなってしまうということは覚えておく必要があるでしょう。
事業や企業が無くなってしまうリスクや倒産リスクよりも極めて低いですが、そのリスクはゼロではありません。
【個人向け国債】購入者のデータをみる
データは財務省のホームページ「平成30年度国債広告の効果測定に関する調査報告書」からになります。いずれの商品も大きな差はありません。利用者が個々の状況により、3つの商品を選択していることがわかります。
全体の53%の方が、複数回の購入していることがわかります。一度購入した人が再購入しているいうことは、「個人向け国債」が繰り返し購入される価値のある金融商品だと言えますね。
【個人向け国債】実際に買った人の感想
預金金利よりはお金を増やしたいけど、株や不動産のようにマイナスになるリスクは絶対イヤ!ってひとの資産運用の一つに個人向け国債っていうのを見つけた(*´ω`*)
国にお金を貸して利息を得る=国債
最低0.05%〜景気によってそれ以上になる変動型が良さげだね(*´ω`*)
デメリットは中途換金のみ
(出典:https://twitter.com/maminem2/status/1201722938208075776)
株式や不動産がリスク資産であるため、元本が減ってしまうことを嫌う人にとって、「個人向け国債」は魅力ある金融商品ですね。
https://twitter.com/tweet_manemoney/status/1222293675113209857
定期預金に比べて5倍の利率である「個人向け国債」を、定期預金に預けるように購入する方も多いようです。普通預金も含めて、金融商品の特徴をうまく理解して、その人に合った資産運用をしたいものですね。
【個人向け国債】買い方について解説します
個人向け国債は全国にある金融機関で購入することができます。一部の金融機関では、窓口だけでなくインターネットでの販売も行われています。
金融機関によっては、キャッシュバックキャンペーンなどを実施して国債の購入を促しています。様々な金融機関と比較して一番お得な買い方をしましょうね。
- 取り扱い金融機関をチェックする。
- 身分証明書や印鑑を準備する。※口座開設に必要
- 近隣の金融機関で口座を開設する。
- 購入の申し込みへ。
【個人向け国債】取り扱い金融機関について
個人向け国債は、証券会社、都市銀行、地方銀行、信託銀行、第二地方銀行、農林中央金庫、農業協同組合、農業協同組合連合会、信用組合、信用金庫、労働金庫、ゆうちょ銀行と幅広い金融機関で購入できます。
財務省のホームページでは、購入することができるすべての金融機関の一覧を確認することができます。ほとんどの金融機関が網羅されていますが、念のために購入前は一度ご確認してくださいね。
【個人向け国債】まとめ
以上、「【元本割れなし】安心だと人気の個人向け国債を徹底解説!!」でした。個人向け国債は扱っている金融機関が多く、毎月購入できて、1万円単位で購入可能な身近な金融商品です。
利率が低いと感じる人もいるようですが、株式や投資信託に比べてリスクが低く、経済が減速しているときや閉塞しているときでも、安定した利益を見込めるところが注目をされています。
「個人向け国債」は、銀行の定期預金の利率が低いと感じている人や、安心して資産運用を行いたい人のニーズを満たしてくれる魅力ある金融商品です。
この記事が個人向け国債に興味がある人や、購入を考えている人の参考になれば幸いです。