「債務整理を利用してローン返済を行っていきたいんだけど、どういう問題がでてくるんだろう。」
債務整理を利用してローン返済を行っていくと、不安感が強くどういう問題が出てくるか分からないので、どうすればいいのか悩んでしまいますよね。
この記事では、ローンの返済をする際に利用する債務整理と、債務整理をした後のローン返済について紹介します。
事前に債務整理について知っておくことで、ローンに関する不安を少しでも解消できればうれしいです。
4種類の債務整理でローン返済を行っていく
ローン返済が苦しく、どうしても返済ができない時ってありますよね。そんな時は以下の4種類の債務整理のどれかを利用してローン返済を行うことになります。
- 「任意整理」― お金を貸した業者とお金を借りた人が話し合い、今後の返済について決める方法
- 「特定調停」― 裁判所の手続きによって、お金を貸した業者と借金の今後の返済について話し合いをして決めていく方法
- 「個人再生」― 裁判所を通じて、借金の減額を行っていく方法。サラリーマンか事業主かによって方法が異なる
- 「自己破産」― 借金を支払う義務を放棄できる方法。債務整理のなかでも最も効力が強いとされている。
なお、住宅ローンや自動車ローンの返済がどうしても出来ない場合で債務整理を利用する場合、「任意売却」を使ってローン返済を行っていく可能性もあります。
「任意売却」をすると、持っている家や自動車を売却しなくてはいけません。自分の住まいや愛車を手放さなくてはならないリスクもあるということを覚悟しておきましょう。
債務整理を使ってローン返済をするとブラックリスト入りに
債務整理を行ってローン返済をすると、「事故情報」として信用情報機関に登録されてしまい、「ブラックリスト入り」をしてしまいます。
借金の返済が数ヶ月も遅れたり、クレジットカードの支払いが遅れたりすると、金融機関から信用情報機関にその情報が「事故情報」として送られます。その事故情報が、「ブラックリスト」なのです。
なお、信用情報機関と呼ばれるものは日本国内に3つ存在します。
- 「CIC(指定信用情報機関) 」― クレジットカードや信販会社との取引情報が載っている
- 「JICC(日本信用情報機構)」― 消費者金融との取引情報が載っている
- 「KSC(全国銀行個人信用情報センター)」― 銀行や信用金庫との取引情報が載っている
ブラックリスト入りの情報はいつになったら消えるの?
債務整理を利用し、ローン返済を行うと「ブラックリスト入り」をしますが、「ブラックリスト入り」をした情報は一生残るものではありません。
最低でも5年待てば、ブラックリストの「事故情報」は信用情報機関から消えるのです。
「泉総合法律事務所」の掲載されている情報によると、各信用情報機関と債務整理の種類によって期間が以下の様に異なります。
信用情報機関に登録される事故情報の内容や信用情報機関によって、それぞれ「ブラックリスト」状態から復帰できる期間が異なります。詳しくは以下のとおりです。
内容 CIC JICC JBA 61日(3ヶ月)以上の支払遅延 5年 1~5年 5年 任意整理 5年 5年 5年 個人再生 5年 5年 5年 自己破産 7年 5年 10年 上記年数はあくまでも目安になりますので、自分の信用情報が現在どうなっているかを知りたい場合は、それぞれの信用情報機関に問い合わせすることをおすすめします。
出典:https://izumi-saimu.jp/knowledge/black-list
信用情報機関以外にも、「官報」という政府が一般国民に向けて発信している情報誌に「事故情報」が掲載されてしまいます。「官報」の場合は、10年待てば「事故情報」は消滅します。
仮に、信用情報機関の「事故情報」が5年経過して消滅した後でも、「官報」に「事故情報」は残ったままですが、「官報」をチェックしている人はあまりいないため、そこまで問題になりません。
債務整理でブラックリスト入りをするとローンを組めない!?
債務整理を利用してローン返済を行った場合、新生活に必要な住宅ローンや自動車ローンといったものを利用して、住宅や自動車の購入ができなくなります。
債務整理を利用したということは、過去にローン返済が滞ったという「事故情報」があることで、信用情報機関に「ブラックリスト入り」をしてしまっているため、新たにローンが組めなくなるのです。
「事故情報」は5年を経過すると消滅するため、消滅後には住宅ローンなどの利用ができますが、金融機関はあなたのローン返済が滞ったとして、新たにローンを組めないようにする可能性があります。
金融機関は相手にお金を貸し、利息を得ることで儲けを出しています。ローン返済が滞り、「事故情報」があると貸したお金を確実に回収できず、利息も得られないので新たなローンが組めなくなるのです。
金融機関のローンは、慈善事業ではありません。金融機関側も利益を出すための事業として行なっているため、しっかりと貸したお金を回収する必要があるんです。
お金を回収できなければ、貸したお金は捨てたのと同じことになってしまいますから、しっかりと返済してくれる人でなければお金を貸してくれないということになります。
債務完済後も「社内ブラック」のせいでローンが組めないかも
「ブラックリスト入り」を果たした後、なんとか債務を完済し、「ブラックリスト」から抜け出したことで、これでようやくローンが組める!と感じるかもしれません。
ただ、残念ながら信用情報機関から「ブラックリスト入り」の「事故情報」が消えても、ローンを組んだ金融機関には「事故情報」が残り続けてしまうため、ローンを組めなくなる可能性が高いです。
「社内ブラック」と呼ばれるもので、「事故情報」を消してもらうことができず、消滅期間も決められていないため、ずっと残り続けてしまうといっても過言ではありません。
「社内ブラック」は同じ企業グループで「事故情報」が共有されています。債務整理によって完済した借金を貸してくれた同じ金融機関と同じグループに所属している金融機関から、ローンを組むのは難しいでしょう。
例えば、もともと借金をしていた金融機関Aがあったとしたら、その金融機関Aが属しているグループA内の、他の金融機関Bや金融機関Cでもローンを組むことが難しくなるでしょう。
グループAではなく、グループBに所属している金融機関でローンを組んでみましょう。
「過払い金請求」の債務整理の場合、例外的にローンを組める
債務整理には、「過払い金請求」というものがあります。債務整理をした後にはローンを組むのは難しいと紹介しましたが、過払い金請求を利用した債務整理の場合には、例外的にローンを組むことができます。
「ローンの返済」には「過払い金請求」は利用できません。
「過払い金請求」とは、消費者金融から「グレーゾーン金利」という、金利上限15%~20%よりも高い金利設定で借金をしてしまった場合、消費者金融から払いすぎた利息分の返還を請求することです。
債務を完済した後、「過払い金請求」をして利息分の返還の請求を行っても、信用情報機関へ「事故情報」として登録されることはありません。
「過払い金請求」は、グレーゾン金利によって払いすぎた利息の返還を目的としているためです。なので、「過払い金請求」後に、新たにローンを組むことは可能です。
債務のせいでローンが組めない。それでもローンを組みたい場合
債務が苦しく、ローン返済が滞り「ブラックリスト入り」をしてしまいローンを組みたいのに組めないという辛い思いをするときもありますよね。
そんな時は、身近にいる家族や親戚に助けを借りるのも手段の1つです。
家族名義でローンを組む
配偶者や親がいて、収入があり「事故情報」など問題がない場合、配偶者や家族の名義で銀行や消費者金融でローンを組むことができます。
ただし、ローンを組む理由が子供の教育費や入院・治療のためなど、正当な理由でない限りは、配偶者や家族からの協力を得るのは難しいでしょう。
親や姉弟、親戚からお金を借りる
親や姉弟、親戚からお金を借りるのも方法の1つとして考えられます。ただし、単純にお金を貸して欲しいとお願いするのではなく、以下の様な取り決めをしておきましょう。
- 借用書や契約書を作る
- 金利を決める
- 返済期間を決める
- 返済方法を決める
- 借金を繰り返さないことや、確実に返済する旨を記載する
口約束ではなく、借用書や契約書によってお金を貸し借りする記録文書を作成して残しておけば、複雑なトラブルに発展することを防ぐことができます。
くれぐれも、親だから・兄弟だからと親しい関係性に甘んじてルールを作らないのは、後々のトラブルに発展することにもつながるので注意しましょう。
ローンが組めるかどうかの基準は信用情報だけじゃない
債務整理を利用し、完済後も「社内ブラック」などで「事故情報」が残ってしまうと、新たにローンを組むのがもう難しいんじゃないかと感じてしまいますよね。
銀行が個人にお金を貸す場合は、個人の信用情報も審査基準として見られますが、それ以外にも本人の収入面なども審査基準となります。俗に、属性と言われるものです。
過去に多額の借金を背負ってしまったものの借金をなんとか完済し、後に年収が800万円に大幅にアップしたり、事業に成功した結果を残せていれば新たにローンを組める可能性がでてきます。
属性に関しては、個人の信用情報が信用機関に登録されていること以外にも、以下の項目が見られます。
- 「本人に関する情報」
- 「仕事に関する情報」
- 「住居に関する情報」
- 「借入れに関する情報」
債務で苦しんでいるなら、法律事務所に相談を
債務が苦しく、思うようにローン返済が進まない場合は、法律事務所に相談してみるのも手段です。
私がおすすめするのは「東京ミネルヴァ法律事務所」です。「東京ミネルヴァ法律事務所」は、全国規模で活動している規模の大きい法律事務所で、以下の強みがあります。
- 借金に関する無料相談を利用でき、債務整理にかかる費用を分割・後払いにできる
- 家族や勤め先・友人に秘密で借金の解決が出来る
- 「ブラックリスト入り」をしてしまっても、将来的に脱却できるようにサポートしてくれる
- 全国どこでも対応してくれる
苦しい債務に悩まされているなら、あなたの心強い味方になってくれる法律事務所ですよ。
まとめ
ここまで、債務整理に関するローン返済について解説していきました。もう一度内容を振り返ってみましょう。
- 債務整理は「任意整理」や「特定調停」、「個人再生」、「自己破産」の4種類
- 債務整理を利用してローン返済をすると、「ブラックリスト入り」をしてしまう
- 「ブラックリスト入り」の「事故情報」は最低5年経てば消滅する
- 「ブラックリスト入り」をすると、住宅ローンや自動車ローンといったローンを組めなくなる
- 債務完済後も金融機関に「社内ブラック」として「事故情報」が残り続ける
- 「任意整理」の中でも「過払い金請求」というものがあり、例外として請求後にローンを組める
- ローンを組みたいのに組めない状況なら、家族や親・姉弟・親戚に協力を求める
- ローンを組めるかどうかの審査基準は信用情報だけでなく、年収といった属性も見られる
- 債務に苦しんでいるなら、法律事務所に相談するのも手段の1つ
債務整理を利用してローン返済をすると、「ブラックリスト入り」をしてしまって絶望的になってしまいがちですが、家族や法律事務所と相談して解決の糸口を図れることもできます。
債務整理を利用して、ローン返済をする時に困らずに悩みが解決できるのを願っています。