月収10万円で生活するにあたって、「何とかして貯金を増やしたい」「できるだけ生活費を節約したい」と考える方は少なくありません。
結論から言うと、月収10万円で貯金をするのは厳しいです。不可能ではないですが、多くのお金を貯金に回すのは難しいため、生活を切り詰めたり、転職を検討したりする必要があるでしょう。
そこで本記事では、月収10万円の生活費の目安をはじめ、貯金をするための節約方法を解説します。また、収入を増やすための方法も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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月収10万円の生活は厳しい!?生活費の目安を紹介
月収10万円となると、「そもそも生活できるのかなぁ」という疑問や不安が出てくるかと思います。
結論として、月収10万円で暮らすことはできますが、生活を切り詰める必要があるのもまた事実です。
以下の表は、総務省統計局が公表しているデータを参考に、単身世帯における1ヶ月間の支出額をまとめたものになります。
項目 | 1ヶ月間の支出 |
食費 | 38,442円 |
水道光熱費 | 12,346円 |
家具・家事用品の費用 | 5,453円 |
被服及び履物の費用 | 4,915円 |
保健医療費 | 6,564円 |
交通費・通信費 | 20,577円 |
教育娯楽費 | 18,844円 |
交際費 | 12,163円 |
諸雑費(理美容やタバコなど) | 14,605円 |
合計 | 133,909円 |
(参照:e-Stat 政府統計の総合窓口『1世帯当たり1か月間の収入と支出(2022年4~6月期)』 )
上記はあくまで目安ですが、一般的に1人暮らしをする場合、1ヶ月間で家賃を除いて約134,000円の費用がかかります。
つまり、平均的な生活をするのに月収10万円では足りないので、節約は必須と言えるでしょう。
次の章では、月収10万円の暮らしをイメージしてもらうために、生活費をシミュレーションしてみます。
月収10万円の生活費をシミュレーション
月収10万円の場合、社会保険に加入していると手取りがおおよそ85,000円になります。
使える金額が85,000円と仮定した場合、生活費のイメージは以下の通りです。
項目 | 1ヶ月間の支出の目安 |
家賃 | 約35,000円 |
食費 | 約20,000円 |
水道光熱費 | 約8,000円 |
通信費 | 約8,000円 |
交通費 | 約5,000円 |
雑費(日用品・消耗品) | 約3,000円 |
娯楽費・交際費(自由に使えるお金) | 約3,000円 |
その他(貯金や医療費など) | 約3,000円 |
合計 | 約85,000円 |
人によって優先すべき生活費は異なるため、あくまで目安として参考にしていただければと思います。
以下では、それぞれの費用の詳細について解説しているので、ぜひそちらも参考にしてみてください。
月収10万円生活の「家賃」の目安:約35,000円
1人暮らしをするには家賃が必要ですが、一般的に家賃の目安は「手取りの3分の1以下」と言われています。
しかし、手取りが85,000円だと家賃の目安は28,000円ほどになり、この金額で住む場所を探すのは非常に大変です。
また、賃貸は管理費と共益費を含めた金額で探す必要があるため、本記事では多く見積もって約35,000円としています。
なお、月々35,000円で住める物件はありますが、築年数が古かったり、駅から離れていたりと好条件は望めないでしょう。
月収10万円生活の「食費」の目安:約20,000円
ひと月で20,000円という食費は、かなり節約を意識した金額になります。
1日あたり約660円、1週間あたり5,000円しか使えないので、基本的に外食するのは難しいです。
もし外食する機会を増やしたいのであれば、その代わりに他の生活費を節約するようにしましょう。
月収10万円生活の「水道光熱費」の目安:約8,000円
水道光熱費は変動費であるため、使い方次第では大幅に節約できます。
先程も紹介したように、1人暮らしにおける水道光熱費は、1ヶ月あたり約10,000円弱です。
「節水をする」「家電の使い方を見直す」など節約を意識した生活をすれば、月10,000円以下に抑えることは難しくありません。
月収10万円生活の「通信費」の目安:約8,000円
通信費に関しては、スマホとWi-Fiのプランを見直すことで月8,000円以内に抑えられます。
その場合、スマホを格安SIMで利用するのが必須です。大手キャリアから格安SIMに乗り換えれば、月額基本料金を5,000円以上も節約できます。
月収10万円生活の「交通費」の目安:約5,000円
交通費については、それぞれの職業やライフスタイルによって大きく変動します。そのため、月5,000円で足りる人もいれば、月10,000円以上かかる人もいるでしょう。
決して安くない交通費は、できるだけ節約したいところです。会社から支給される交通費で定期券を発行したり、オフに出かけるときに安いルートで移動したりすれば、負担を減らすことができるでしょう。
どうしても交通費がかさんでしまう場合は、他の生活費を節約して対応する必要があります。
月収10万円生活の「雑費」の目安;約3,000円
ここで言う雑費は、日用品や消耗品などが該当します。シャンプーやトイレットペーパーなど必要最低限のものだけを購入すれば、ひと月3,000円程度に抑えられるでしょう。
なお、日用品や消耗品はまとめ買いをすることで、1つ1つ購入するよりも費用を節約できます。
月収10万円生活の「娯楽費・交際費」の目安:3,000円
月収10万円の場合、娯楽費や交際費に充てられる費用は月3,000円程度です。
この金額はあくまで目安ですが、生活を切り詰めていると娯楽費や交際費に充てられるお金はほとんどありません。
もし自由に使えるお金を増やしたいのであれば、副業や転職をして収入を増やす必要があるでしょう。
月収10万円生活の「その他(貯金)」の目安:3,000円
ここまで各費用の目安を紹介してきましたが、そのどれもがかなり節約を意識した金額になっています。
生活を切り詰めたとしても、最終的に手元に残るのは3,000円程度です。中には3,000円以上を残せる人もいるかもしれませんが、月収10万円では節約するにも限度があるでしょう。
上記の点から、月収10万円で貯金をすることはできますが、貯蓄に回せるお金は非常に少ないと言えます。
月収10万円で貯金するための節約方法
前章までの内容を見てわかるように、月収10万円で貯金をするのはとても大変です。
しかし、本記事を読んでいる方の中には、将来に向けて「何とか貯金を増やしたい」と考えている方も多いでしょう。
少しでも貯金に回すお金を増やしたい方は、生活費の中で大きな割合を占める「家賃」「食費」「水道光熱費」「通信費」の節約に努めるのが賢明です。
各費用の具体的な節約方法については、次の章から詳しく解説していきます。
月収10万の貯金生活のポイント①家賃を節約する
月収10万円で貯金をするためには、家賃の節約が必須と言えます。というのは、生活費の中で家賃が最も高いからです。
貯金を最優先事項にするのであれば、賃貸ではなく実家に住むことをおすすめします。そうすれば、毎月数万円の費用が浮くので、月収10万円でもそれなりに貯金をすることが可能です。
1人暮らしをする場合は、少しでも相場が安いエリアを選び、求める条件を必要最低限に抑えるようにしましょう。
なお、家賃は固定費であるため、1度見直せば継続的に節約効果を得られます。1,000円下げるだけでも年間12,000円の節約に繋がるので、できる限り安く抑えることが大切です。
月収10万の貯金生活のポイント②食費を節約する
変動費である食費は、工夫次第で大幅に節約することができます。特に意識すべきポイントは以下の3つです。
- タイムセールや特売品を狙う
- 外食や飲み会を避ける
- 極力コンビニや自販機は利用しない
節約生活をするにあたって、タイムセールや特売品を狙うのは基本です。特に月収10万円の生活では使える金額が限られているため、いかに食料を安く購入できるのかがポイントになります。
また、少しでも貯金を増やしたいのなら、自炊をして食費を節約するのがマストです。本当に必要なときでない限りは、外食や飲み会を避けるようにしましょう。
そして外食と同じくらいに気をつけてほしいのが、コンビニや自販機の利用です。どちらの商品も割高なので、節約中に利用するのはおすすめできません。
月収10万の貯金生活のポイント③水道光熱費を節約する
食費と同様に、水道光熱費も変動費であるため、使い方次第で大幅に節約できます。具体的な節約方法は以下の通りです。
水道代の節約方法 | ・水を出しっ放しにしない ・節水シャワーヘッドを使う ・食器の溜め洗いをする ・洗濯物をまとめて洗う |
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電気代の節約方法 | ・電気の契約アンペア数を変更する ・ガスとのセット割引を適用する ・こまめに電化製品のスイッチを切る/コンセントを抜く ・エアコンの設定温度を上げる |
ガス代の節約方法 | ・ガス会社を切り替える ・プロパンガスから都市ガスに切り替える ・ガスや高火力を使わない調理法を取り入れる ・追い焚き回数を減らす |
水道代が高くなるのは、単純に水の使いすぎが原因です。節水シャワーヘッドを使ったり、洗濯物をまとめて洗ったりするなど、できる限りの節水を心掛けましょう。
電気代については、契約アンペア数の変更やガスとのセット割の適用で、月々の支払いを安くできます。日常生活の中では、特に電気代が高くつきやすいエアコンの使い方に注意が必要です。
ガス代の節約には、ガス会社の変更や都市ガスへの切り替えが有効ですが、賃貸の場合は自分の意思だけで変更できません。そのため、ガスの使用量を減らして節約に努めていきましょう。
月収10万の貯金生活のポイント④通信費を節約する
固定費である通信費は、1度金額を見直せば継続的に節約効果を得られます。つまり、ランニングコストを抑えられ、浮いた費用を貯金に回すことができるのです。
効果的な節約方法として、格安SIMを利用することが挙げられます。大手キャリアでは毎月7,000円ほどの費用が発生しますが、格安SIMなら毎月2,000円前後で利用できるため、非常に節約効果が高いです。
また、Wi-Fiも料金プランを見直すことで大きな節約に繋がります。これらのことをやるだけで、通信費を1年あたり数万円ほど減らせるので、この機会に契約の確認・変更をしてみましょう。
効率的に貯金を増やすには月収10万円だと難しい
ここまで月収10万円で貯金するための節約方法を紹介しましたが、効率的に貯金を増やしていくのは正直難しいです。
月収10万円では手取りが少なく、そのほとんどが生活費に消えるため、どうしても貯金に回せるお金が少なくなってしまいます。
そのため、将来に向けて効率良くお金を増やしたいのなら、収入を増やす必要があるでしょう。次の章では、収入を増やす方法について詳しく解説します。
月収10万円から収入を増やすための3つの方法
月収10万円から収入を増やすためには、次の3つの方法があります。
- 資格を取得する
- 空き時間に副業する
- 収入が増える職場に転職する
以下では、それぞれの方法について解説しているので、さっそく見ていきましょう。
資格を取得する
あなたが企業に勤めている場合、資格を取得することで収入を増やせる場合があります。
職場を変えることなく、月々数千円〜数万円の収入アップを見込めるので、積極的に検討してみると良いでしょう。
また、企業に勤めていない方も資格を取得すれば、単価の高い案件を受注したり、資格を活かせる仕事に就いたりすることで収入アップを見込めます。
空き時間に副業する
月収10万円から収入を増やすために、副業を行うのも方法の1つです。
副業には様々なものがありますが、簡単にできるものとしてアルバイトやパートが挙げられます。
アルバイトやパートの場合、比較的簡単な作業で一定の報酬がもらえるので、本業に支障をきたすことなく続けやすいです。
とはいえ、ダブルワークは心身ともに疲労するため、無理のない範囲で行う必要があります。
収入が増える職場に転職する
確実に収入を増やし、効率良くお金を貯めていきたいのなら転職も検討してみましょう。
世間一般の収入と比較して月収10万円はかなり低いため、転職することでほぼ確実に収入が増えます。そうすれば、無理な節約をしなくても多くのお金を貯金に回すことが可能です。
また、ボーナスがある職場に転職すれば、大幅な年収アップを期待できます。現職での収入アップが見込めない方は、積極的に転職することを検討してみましょう。
なお、給与だけに焦点を当てた転職はおすすめできません。不向きな仕事では長続きしませんし、労働環境が悪ければ負担が大きくなるので、総合的に判断をして転職するのが賢明です。
まとめ:月収10万円での節約・貯金生活は大変
今回は、月収10万円の生活費の目安や、貯金をするための節約方法について解説しました。改めて記事の内容を簡単にまとめてみます。
- 月収10万円で暮らすには生活を切り詰める必要がある
- 月収10万円で貯金をするのはかなり厳しい
- 貯金をするなら無駄遣いを避け、固定費の見直しが必須
- 余裕のある生活をしたいなら副業や転職で収入を増やす必要がある
月収10万円の場合、節約をすれば生活することはできますが、あらゆる行動が制限されてしまいます。
さらに効率良く貯金を増やすこともできないので、ある程度の余裕を持って生活するためには収入を増やす必要があるでしょう。
あなたの生活がより良いものになるために、少しでも本記事が参考になれば幸いです。