「退去時にかかる費用はいくら位なんだろう」「傷がついている部分の費用はいくらかかるんだろう」などと悩んでいませんか?
部屋を汚したり、傷をつけてしまうと補修代にいくらかかるのか不安になりますよね。
今回はそんな人のために、【退去時にかかる費用の相場】を内訳別にみていきます。この記事を読むことで以下のようなことがわかります。ぜひ最後まで読み進めてください!
- 退去時にかかる費用の相場を知ることができる
- 内訳別にかかる費用の相場を知ることができる
- 現在の部屋の状態でかかりそうな費用の目星を立てられる
退去費用とは
まず退去費用とは何かを解説していきます。退去費用とは、『次の入居者が住める状態にするための現状回復費用』です。
掃除の手入れがなされていなかったり、故意・過失によって部屋を汚したりしていると、その修復費用として退去費がかかります。
一方、通常損耗や経年劣化によってできた損失は基本的に大家さんの負担になります。
つまり、普通に生活しているだけでできた修復代については、入居者の負担がありません。汚れの部分が「自然なもの」なのか「故意・過失」によるものかで退去費用対象か判断していきましょう。
退去費用の相場
国土交通省が出している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(再改訂版)によると、単身用の修繕費用の相場は以下の通りです。尚、資料は平成23年8月作成のもので、統計協力者数は76,687人です。
相場 | 割合 |
2万円 | 24.6% |
3万円 | 33.8% |
5万円 | 18.5% |
10万円 | 10.8% |
(出典:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000021.html)
上記でわかるように、主に3万円〜5万円が相場になっています。ただし、費用が10万円もかかったと言う人も存在しています。汚れや破損がひどいと、多大な費用になるので要注意です。
退去費用の内訳
平均相場がわかったところで、次に退去費用の内訳についてみていきましょう。主な退去費用の内訳は以下の通りです。
- 壁・天井の張り替え代
- フローリングの張り替え代
- 窓の補修代
- 浴室・キッチンの補修代
- ハウスクリーニング代
上記の費用以外にも様々な費用はかかってきますが、主な内訳は以上のようになっています。次章では、これらの費用について相場はいくらになるのかを明示していきます。
退去費用の内訳①:壁・天井の張り替え代
壁・天井の張り替え代の相場は3万円〜4万円です。1㎡あたり1,000円程度になっています。
基本的に張り替えの際は全面交換がほとんどになるので、壁の面積によって費用は大きく左右してきます。
テレビや冷蔵庫などの電気やけによる黒ずみは通常損耗として大家さんの負担となります。
さらに、壁や天井の中のボードまで破損してしまうと、さらに費用が加算できます。費用は3万円〜6万円です。
ボードまで破壊すると合計で6万円〜10万円の請求になってきます。
退去費用の内訳②:フローリングの張り替え代
フローリングの張り替え代は8,000円〜10,000円の相場となっています。
フローリングの張り替えが必要になる例は以下のようなものが当てはまります。
- 飲み物などのシミやカビ
- エアコンの水漏れなどによる壁の腐食
- 引越し作業でできた傷
- 雨の吹き込みなどによる色落ち
これらは全て過失により起きたものです。なので、入居者が負担しなければいけません。一方以下のような場合は大家さん負担になります。
- 家具の設置による凹み
- フローリングや畳の日焼け
こちらは、普通に生活しているだけでできてしまうものなので、基本的には大家さん負担になります。
退去費用の内訳③:窓の補修代
窓の補修代の相場は1万円〜2万円程度になっています。主にサッシのカビ清掃によってかかる費用なので、カビの状態がひどいとさらに費用がかかる可能性もあります。
一方、大家さんが負担する傷や汚れの範囲もあります。内容は以下の通りです。
- 破損していない網戸の張り替え
- 地震で破損したガラス
- 自然に起きた網入りガラスの亀裂
窓に傷がある場合、それは過失によるものなのか、自然によるものなのかを理解しておくことで、不要な補修代を払わずに済みます。
退去費用の内訳④:浴室・キッチンの補修代
浴室・キッチンの補修代の相場は1万円〜2.5万円となっています。補修内容は以下の通りです。
- 浴室の水垢・カビの清掃
- キッチンの油汚れの清掃
コンロ周りや換気扇に付着した油汚れや焦げは簡単には落ちません。ですので、水垢の清掃と比べると費用が多くかかる場合が多いです。
退去前に、落とせる汚れはなるべく落として、清潔に保つように心がけましょう。また、退去まで時間がある人はコンロ周りに汚れ防止のシートを貼っておくことをお勧めします。
退去費用の内訳⑤:ハウスクリーニング代
ハウスクリーニング代は1㎡あたり1,000円ほどで計算されています。ハウスクリーニングの主な内容は以下の通りです。
- 床の清掃とワックスがけ
- 汚れた壁紙の清掃と張り替え
- 台所や浴槽、トイレなどの水回りの清掃
- ベランダの清掃
- エアコンの内部洗浄
ハウスクリーニング代については賃貸契約に『入居者が負担する』と書かれていることが多く、入居者が負担するのが一般的です。
部屋の大きさを把握しておき、いくらくらいかかるのかの計算をしておくと、異常な金額にも対応することができます。
【番外編】異常な金額を払わないために
これまで退去費用について説明してきました。過失によって傷がついたり汚れがついたりした場合は、補修費用を払うのは当然の話です。
しかし、補修費用には相場があり、妥当な金額があります。大家さんによっては補修費用を傘増ししている場合もあります。
「異常に高い費用だな」と思ったなら、大家さんにその費用になった理由を伺ってみましょう。
もしそれで納得できれば解決ですし、納得いかない場合は相場などを説明して交渉してみるのもいいかもしれません。
納得できる妥当な金額を支払うために、しっかりと話し合いをしましょう。
しかし、場合によっては契約内容に「特約」がついている場合もあります。特約がついていると、どんなに綺麗に保たれた部屋でも支払いをしなければいけなくなります。ですので、最後に特約について説明していきます。
特約内容を理解しよう
契約時の書類に特約が記載されていることがあります。その特約とは大きく分けて2種類に分類されます。それが以下の通りです。
- ハウスクリーニング特約
- 敷引き特約
ハウスクリーニング特約
ハウスクリーニング特約とは、『退去時にある程度の現状回復費を退去者に負担してもらう』という特約です。
この特約がついていると、どんなに綺麗に掃除をしたとしてもある程度の金額が請求されます。この場合ではサインをしてしまっているため支払いの義務が生じてしまいます。
敷引き特約
敷引き特約とは、敷金の中から原状回復費として一定金額を徴収する特約のことです。たとえ退去費用が安価に済んだとしても、この金額は返って来ないので注意しましょう。
「回復費用を全部退去者負担」と言った、あまりに一方的で理不尽な内容は無効になる場合もあります。
まとめ
今回は退去時にかかってくる費用の内訳を説明してきました。平均相場は3万円〜5万円になってます。そして主な退去費用の内訳は以下の通りでした。
- 壁・天井の張り替え代
- フローリングの張り替え代
- 窓の補修代
- 浴室・キッチンの補修代
- ハウスクリーニング代
現在の部屋の状態から、退去時にかかる費用の目星はたったでしょうか?退去日が近い人は見積もりを作ってみるのもいいですし、まだ退去まで日がある人は今のうちにできる対策は取っておきましょう。