「お金を借りようかと考えてる。そこで、利率を踏まえたうえで返済額を計算していきたい。そうすれば、少しでも返済額を減らせる。」
借金をする時に必ず発生するのが、利率です。返済額を抑えたい時に、利率を考えたうえで、自分で計算したいという人もいるかと思います。
この記事では、借金返済で困らないために、利率を考慮した計算を具体例と共に解説していきます。
この記事を読んで、借金の利率について理解を深めて、無理のない返済計画を立てましょう。
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借金返済時の計算に使う利率は3種類ある
銀行や消費者金融はあらかじめ利率が決まっていて、借金をした際はその利率を基に返済額を計算していきます。
利率には「日歩」と「月利」、「年利」の3種類があります。それぞれの特徴に関しては、以下の通りです。
- 【日歩】元金100円に対する1日あたりの利率
- 【月利】元金に対する1ヶ月あたりの利率
- 【年利】元金に対する1年間あたりの利率
上記3種類の利率がありますが、ほとんどの場合「年利」が使われています。銀行や消費者金融のローンの利率で、~%と表記されているのを見かけますよね。この場合は、「年利」のことだと考えてください。
ちなみに、この記事で紹介する利率は「年利」を使っていきます。
借金返済時、利率を考慮した利息額の計算式
借金をする時は利息が必ず発生するため、利率を考慮したうえで返済していく必要があります。利息額を求める計算式は以下の通りです。
- 借入残高×借入利率÷365日×利用日数 = 利息額
銀行や消費者金融から借金をする際は、利息の計算式を知らない人がほとんどでしょう。利息の計算方法を知らないと、正しく返済計画を立てることができません。
この利息の計算式を踏まえて、次の項目から、実際に計算式を利用して計算結果を出していきます。
借金を返済する時の利息の計算式
先ほど紹介した計算式を基に、利息額をそれぞれ出していきます。例を2つ挙げると、計算結果は以下の通りです。
- 【借入金額】10万円
- 【利用日数】30日間
- 【利率】15%
- 【計算結果】10万円 × 0.15 ÷ 365日 × 30日 = 1,232円
- 【借入金額】10万円
- 【利用日数】60日間
- 【利率】15%
- 【計算結果】10万円 × 0.15 ÷ 365日 × 60日 = 2,479円
上記それぞれのケースは、借入金額と利率が同じでも、利用日数が長ければ長いほど利息額が高いことが分かります。
30日間で借りた場合と、60日間で借りた場合で、利息額が約2倍も違うのです。借金をする時は、利率に注目するだけでなく、利用日数も考えた方がいいでしょう。
借金の返済方法には2種類ある
借金の返済方法は、「元利均等返済」と「元金均等返済」と呼ばれる2種類の返済方式が存在します。どちらを選択するかによって、毎月の返済額が異なります。それぞれの特徴は以下の通りです。
元利均等返済
「元利均等返済」は、毎月の返済額が一定で、返済が進めば進むほど、返済額のうち利息部分と元金部分の割合が変化していく方法です。
毎月の返済額が一定であることから返済計画が立てやすく、毎月の負担が少ないメリットがあります。一方で、返済当初は毎月の返済額に占める利息額が大きく、元金部分の返済が進まないデメリットがあります。
元金均等返済
「元金均等返済」とは、毎月の返済額にしめる元金部分を一定にし、借入れ残高に応じて利息を上乗せする方法です。
元金部分の返済額が一定であることから元金の返済が早く、利息の負担を軽くできるメリットがあります。一方で、返済開始時の毎月の返済負担が重いというデメリットもあるのです。
次の項目から、「元利均等返済」と「元金均等返済」のそれぞれの計算例を紹介していきます。
「元利均等返済」による借金返済の計算例
まずは、「元利均等返済」による借金返済の計算例を示していきます。計算条件に関しては、以下の通りです。
- 【借入金額】100万円
- 【借入期間】5年
- 【当初利率】15%
計算すると、毎月の返済額は23,789円、総返済額は142万7,340円、利息部分は42万7,340円となります。総返済額に占める利息部分は約30%です。
借りた額の30%を利息で支払うと考えると、利率をしっかり把握して利息を計算することがどれだけ大事かが分かりますね。
「元金均等返済」による借金返済の計算例
次に、「元金均等返済」による借金返済の計算例を示していきます。計算条件に関しては、「元利均等返済」で使った計算条件と同じものを使用します。確認のため、もう一度例を挙げますね。
- 【借入金額】100万円
- 【借入期間】5年
- 【当初利率】15%
計算すると、1ヶ月目の返済額は29,615円で、最終返済月の返済額は16,914円です。総返済額は138万1,164円、利息部分は38万1,164円となります。総返済額に占める利息部分は約28%です。
「元利均等返済」の計算結果と比較すると、毎月の返済額は6,000円の差、総返済額は4万円の差、利息部分は4万円の差があります。
このように、「元金均等返済」は毎月の返済額が高くなるものの、総返済額を減らせることが分かります。一方で、「元利均等返済」は毎月の返済額が安く済み、総返済額が増加することが分かりますね。
一概に、どちらの返済方法が正しいとは言えません。ただし、毎月の返済に余裕があるなら「元金均等返済」を選択し、余裕がないなら「元利均等返済」を選択するといいでしょう。
次の項目から、「固定金利」と「変動金利」についてそれぞれ解説していきます。
「変動金利」か「固定金利」かで借金返済の利率は異なる
「住宅ローン」を利用してお金を借りた場合、「変動金利」と「固定金利」と呼ばれるどちらかの金利を選択します。
「変動金利」は、市場の金利変動によって利率が変わります。一方で「固定金利」は、借金の返済期間中は利率が固定されるため利率が変わりません。
なお、設定されている利率もそれぞれ異なり、「楽天銀行」の住宅ローンを例に挙げると、以下の通りです。
- 【変動金利】0.527%
- 【固定金利(期間21年以上)】1.27%
利率は、各金融機関の商品によって違うため一概には言えませんが、「固定金利」と「変動金利」は約0.7%の利率の差があります。
「固定金利」は、期間中は金利が上がらないので計画的に返済ができますが、利率が高いです。
一方で、「変動金利」は利率が低いものの、市場動向によって利率が変わり、返済の見直しが必要になる可能性があります。利率も大切ですが、自分の返済計画を考えたうえで選択していきましょう。
次の項目から、「変動金利」と「固定金利」の利率で借金を返済していく計算例を、それぞれ紹介していきます。なお、返済方法は「元利均等返済」を選んだと仮定します。
「変動金利」の利率で借金を返済していく計算例
最初に、「変動金利」を選んで借金を返済していく計算結果を示していきます。計算例は以下の通りです。
- 【借入金額】1,000万円
- 【借入期間】25年
- 【当初利率】0.527%
- 【返済方法】元利均等返済
「変動金利」を選択して、金利が上がらない場合の総返済額は1,067万5,256円で、利息額は67万5,256円です。
「変動金利」は、利率の低さに魅力を感じて選択する人が多く、途中で金利が上がることを考慮していない人もいます。
10年後に今よりも金利が上昇し、利率が0.8%になったと仮定しましょう。この場合、総返済額は1,082万4,125円で、利息額は82万4,125円にもなります。
途中で金利が上がってしまった場合、総返済額と利息額は15万円も増えてしまいます。「変動金利」を選択する時は、急な金利上昇にも耐えられるように想定したほうがベストです。
「固定金利」の利率で借金を返済していく計算例
次に、「固定金利」を選んで借金を返済していく計算結果を示していきます。計算例は以下の通りです。
- 【借入金額】1,000万円
- 【借入期間】25年
- 【利率】1.27%
- 【返済方法】元利均等返済
計算結果は、総返済額は1,167万6,435円で、利息額は167万6,435円です。先ほどの「変動金利」の場合と比較すると、総返済額と利息額は約100万円も増えます。
「固定金利」を選択すると利率が高くなり、返済額も増加しますが、市場動向による金利変動に左右されずに返済計画を立てられる安心感があります。
利率を一定にして、返済完了まで変わらない返済額にしたいなら、おすすめです。
利率を踏まえた借金返済の計算まとめ
ここまで、利率を踏まえた借金返済の計算について解説していきました。内容をまとめると、以下の通りです。
- 3種類の利率の中でよく使われているのが「年利」
- 返済方法は「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類
- 金利は「固定金利」と「変動金利」の2種類
- 選択した金利によって利率がそれぞれ異なる
借金の利率は、「固定金利」と「変動金利」のどちらかを選択することで変わります。さらに、「元利均等返済」と「元金均等返済」のどちらかを選択することでも返済額が変わります。
自分にあった金利と返済方法はどちらなのかを考えたうえで、借金の返済をしてみてはいかがでしょうか。
この記事で紹介した内容を理解して、自分の負担にならない借金返済をしていきましょう。