仮想通貨と聞くと、「簡単に稼げる」などとイメージしますよね。しかし、そういった考えをしている人が、詐欺に遭う事例が増加しているのを知っていましたか?
この記事では、仮想通貨詐欺の特徴や手口・事件例など、取引を始める前に知っておきたいことをまとめています。
ぜひ、最後まで読み進めて仮想通貨詐欺に対する知識を身に付けてくださいね!
(トップ画像出典:https://pixabay.com/ja/illustrations/%E3%83%8F%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC-%E3%82%B5%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC%E7%8A%AF%E7%BD%AA-1952027/)
仮想通貨詐欺とは
仮想通貨詐欺とは文字通り、仮想通貨を使用した詐欺のことで、「必ず儲かる」などと言って、大金を支払わせるものです。
近年、仮想通貨を利用した詐欺が急激に増加しているため、特別な対策が必要で国を挙げて対策に取り組んでいます。
仮想通貨詐欺が増加した理由は、2017年に仮想通貨の1つ『ビットコイン』が高騰し、世間に仮想通貨が広まったためです。
この高騰がきっかけで、「仮想通貨は簡単に儲かる」といったイメージがつき、情報弱者が被害に遭うケースが増えています。
仮想通貨詐欺の相談件数
仮想通貨詐欺が増加していると紹介しました。ですが、どのくらい増加したのかイメージしづらいですよね。ここでは、どのくらい詐欺について相談されているのかについてみていきましょう。
年度 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 |
相談件数 | 847件 | 2,910件 | 3,448件 | 1,819件(前年同期2,350件) |
(データ参考:www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/crypto.html )
この表を見ると、世間に仮想通貨が広まる前の2016年と、翌年の2017年で相談件数を比べると、一気に増加していることが分かりますよね。
2019年は前年より相談件数が減っていますが、それは仮想通貨に対する関心が世間で薄れたことや、仮想通貨=詐欺といった考えが根付いてきたことが理由です。
前年に比べ減ったとはいえ、2,000件近くもの相談が行われているので、安心しないようにしましょう。
仮想通貨詐欺の特徴と手口
詐欺師が決まって言ってくる言葉は、「数カ月で何倍にもなる」や「安く購入できる」といった甘い言葉です。それだけでなく「元本保証があるからリスクが無い」と言われるケースもあります。
しかし、知っておいて欲しいのは、「元本保証がある」これを言われた場合は100%詐欺だといえることです。
なぜなら、仮想通貨だけでなく、投資で元本保証があるのは出資法違反だからです。
元本保証ができるのは、正規に認可を受けた金融機関(銀行や郵便局など)だけです。
どれだけ信頼できたとしても、「元本保証がある」といったワード1つで詐欺だと断定できるので、必ず覚えておきましょう。ここからは、詐欺の手口について5つ紹介します。よくある手口は以下の通りです。
- 代理店経由で取引をさせる
- 有名人を使っている
- セミナーや友人からの勧誘
- SNSのDMによる勧誘
- 未公開の通貨で釣ってくる
代理店経由で取引をさせる
仮想通貨の取引は、取引所を通して行うのが一般的です。しかし、インターネットで調べると、「仮想通貨の正規代理店」や「代理店募集」などといった記事が多くあります。
初心者だと一見、代理店が無いと取引できないのかと感じてしまいますよね。しかし、仮想通貨は個人間取引が基本です。
なので仮想通貨を取引する場合、代理店を経由する必要はないですし、メリットも存在しません。ですから、代理店を名乗って取引をさせようとしてくる場合は、話に乗らないのが大切ですよ。
有名人を使っている
仮想通貨の取引を考えている場合、有名人が広告塔になっているからといって安心してはいけません。
実際に、とある有名人が出した仮想通貨で、詐欺が疑われているものもあるからです。(刑事告訴はされてないので有名人の名前は伏せます)
もちろん、ちゃんとした仮想通貨のPRでも有名人が起用されていることはあります。ですが、これらの仮想通貨は、広告に有名人を起用しているだけで、前面に押し出してPRしているわけではありません。
もし、取引を考えていた仮想通貨に有名人を押し出してPRしているものがある場合は、注意してくださいね。
セミナーや友人からの勧誘
仮想通貨の勧誘をセミナーや友人から受けた場合、「有名なセミナーの人だから」や「信頼できる友人が言っているから」と、つい疑いなく信じていませんか?
たとえ信頼できるセミナーの人や友人の勧誘だったとしても、詐欺の可能性は十分に考えられます。
基本的な話になりますが、誰かから持ち掛けられる儲け話には、ほぼ100%勧誘する側にメリットがある場合が多いです。信頼できる人が勧めてきても、疑い深く情報を判断することが大切ですよ。
SNSのDMによる勧誘
これは、SNSを使用している人がターゲットにされる手口です。例えばあなたが、「仮想通貨に興味がある」という投稿をすると突然、「仮想通貨に興味ありますか?」と知らない人からDMがくる場合があります。
その人のSNSをチェックし、成果を出した投稿があるとつい、すごい人かもと感じてしまいますよね。興味を惹かれ、DMのやり取りをしていくうちに詐欺に勧誘されてしまうケースが後を絶ちません。
こういった場合、あなたが稼げる立場ならどうするか考えてください。見ず知らずの人に儲け話を簡単に教えたいと思いますか?おそらく思いませんよね。
ですから、そういったDMが送られてきても詐欺なので無視するようにしましょう。
未上場の仮想通貨で釣ってくる
未上場の仮想通貨は、上場に伴って大きな利益を得られますよね。それゆえ「儲かる」と言って、未上場の仮想通貨を出してくる詐欺もあります。
特にこの詐欺は、一攫千金を狙う人や仮想通貨に少し慣れてきた人が被害に遭いやすいです。それらの考えにあなたが心当たりがある場合は、十分注意してください。
未上場の仮想通貨のすべてが詐欺ではありません。詐欺に遭うリスクが高いだけなので、あなたの知識や経験を活かして大丈夫と思うのであれば、取引に乗り出してみるのもよいでしょう。
詐欺師の特徴
仮想通貨詐欺の特徴や手口を知っても、詐欺師の特徴を知らないと上手く騙されて詐欺に遭うかもしれません。
ですから、仮想通貨詐欺の特徴や手口と合わせて、詐欺師の特徴を知っておくと、さらに詐欺に遭うリスクを抑えられますよ。
- 身元が不明
- 考える隙を与えてくれない
- 痕跡が残るものを嫌う(写真や動画、筆跡など)
- お金や有名人をちらつかせる
- こちら側から連絡がつかない
少しでも怪しいと思う人とは、会って話をしないことがベストです。しかし、人によっては取引方法などを他人から教えてもらうケースもありますよね。
そんなときは、ここで紹介した詐欺師の特徴も頭に入れて人と会うようにしましょう。
仮想通貨詐欺はどんな人でも引っかかる危険も
詐欺に引っかかる人の特徴として、ラクをして稼ごうという人や初心者などがいます。こういった人は、仮想通貨以外でも詐欺に遭いやすい人の特徴といえますよね。
しかし、仮想通貨詐欺はそれらの人に加えて、プロの投資家たちがこぞって詐欺に遭うケースもでています。
ですから、仮想通貨詐欺は初心者だけでなく、どのレベルの人でも被害に遭う可能性がありますよ。常に詐欺には身構えておくことが大切です。
仮想通貨詐欺の事件例
ここでは、仮想通貨詐欺の事件例を3つ紹介したいと思います。事件例を知ることで今後の取引に役立てられますよ。
仮想通貨詐欺①ディールコイン
ディールコインは、中東諸国の原油取引や決済を目的に登場した仮想通貨のことです。約100億円ものお金を集め大規模かつ、注目の高い仮想通貨でした。
しかし、様々な問題が発覚し公式ホームページが閉鎖、運営者も行方知れずとなり詐欺と発覚したのです。この事件は、信頼性の低い仮想通貨に手を出して被害に遭った詐欺例といるでしょう。
仮想通貨詐欺②ワンコイン
ワンコインは、瞬時の送金を実現するといった目的でブルガリアで登場した仮想通貨です。ですが、ワンコインはネットワークビジネスの販売形態をとっており、紹介すれば報酬が貰えるものでした。
しかし実際は、運営者など上層部だけが儲かる仕組みで、世界各国で関与した人達が逮捕されました。この詐欺は、友人などに勧誘され、詐欺の被害に遭う例といえますね。
仮想通貨詐欺③リコイン
リコインは、不動産投資を目的にアメリカで登場した仮想通貨です。「4億円集め、専門家もかかわっているので安心」と謳われていましたが、お金も集まらず、専門家も関わってませんでした。
多くの人を欺きお金を集めていたことから問題発覚後、関係者は詐欺罪で逮捕されました。このケースは、専門家がかかわっていると安心させる手法でしたが、有名人を使う例もあるので注意しましょう。
仮想通貨詐欺を未然に防ぐには
仮想通貨詐欺を未然に防ぐために大切なことは、仮想通貨の正しい知識を身に付けることです。インターネットで仮想通貨について調べてみると、たくさんの情報が溢れています。
正しい知識が無いと、溢れた情報の中から正しいものを選べず、間違った情報に流されて詐欺に遭う可能性もでてきますよね。
もちろん、仮想通貨で早くお金を稼ぎたい気持ちは分かります。ですが、まず最初は詐欺を未然に防ぐために、正しい知識を身に付けて数多くある情報に惑わされないようにすることが大切ですよ。
【詐欺が不安な人必見】安全性の高い仮想通貨を知ろう
正しい知識を身に付けたとはいえ、プロの投資家でも詐欺に遭ってしまう可能性があるのが仮想通貨です。さらに、情報が不透明で価格が乱高下しやすいことにより、詐欺を見抜くのが難しくなっています。
詐欺を見抜くのが難しいと知っていると、「仮想通貨詐欺の被害が不安」と感じますよね。そんな人が仮想通貨を始める場合、金融庁に登録されている仮想通貨(ホワイトリスト)で取引をはじめるのがおすすめです。
ホワイトリストの仮想通貨は、一定の審査や基準を満たしているため、他の仮想通貨に比べて安全性や信頼性が高いといわれています。以下が登録されている仮想通貨の一部なので、ぜひ確認してみましょう。
- ビットコイン
- イーサムリア
- リップル
- ライトコイン など
しかし、これらの仮想通貨を100%安全だと保証しているわけではありません。さらに、儲かるという意味でもないので注意しましょう。このことに関しては、金融庁も以下のように唱えています。
・本一覧に記載された暗号資産交換業者が取り扱う暗号資産は、当該暗号資産交換業者の説明に基づき、資金決済法上の定義に該当することを確認したものにす ぎません。 ・金融庁・財務局が、これらの暗号資産の価値を保証したり、推奨するものではありません。暗号資産は、必ずしも裏付けとなる資産を持つものではありませ ん。 ・暗号資産の取引を行う際には、以下の注意点にご留意ください。
引用:https://www.fsa.go.jp/menkyo/menkyoj/kasoutuka.pdf
もし、仮想通貨詐欺に遭ってしまったら
正しい知識を身に付け、仮想通貨の取引を行っていても「詐欺に遭ったかも」と感じてしまうケースがあるかもしれません。そんなとき、1番やってはいけないのが泣き寝入りをすることです。
泣き寝入りをしない為にも、以下の場所に相談して問題を解決できるようにしてくださいね。
- 詐欺か分からない場合は、国民生活センターへ
- 詐欺であることが明確で被害額が高額なら、警察へ
- 被害額を返金してほしい場合や、詐欺師と連絡が取れない場合は、弁護士へ
警察に相談する場合、詐欺であることを証明したり、刑事罰を下してもらったりするためには、ハードルが高いことも知っておきましょう。
仮想通貨詐欺のまとめ
今回は、仮想通貨の詐欺についてまとめてきました。この記事のポイントは以下の通りです。
- 2017年に注目を集めたことをきっかけに、詐欺件数も増加している
- 仮想通貨詐欺は手口も様々で甘い言葉には要注意
- プロの投資家も詐欺被害に遭うケースあるので常に警戒しておく
- 金融庁に登録されている仮想通貨は安全性・信頼性が高い
- 詐欺に遭った場合は、泣き寝入りせず警察などに相談する
仮想通貨は登場して間もないことから、近年詐欺被害が増加傾向にあります。仮想通貨詐欺に遭わない為にも、正しい知識を身に付け甘い言葉などに惑わされないことが大切です。
この記事を活かすことで、あなたが詐欺被害に遭うことなく、仮想通貨の取引が行えることを願っています。