「厚生年金って、いくらもらえるんだろう?受給資格も知りたい!」
「厚生年金と国民年金って言葉はよく聞くけど、実際どんな違いがあるんだろう?」
上記のような悩みや考えを持っている人のために、本記事では以下のような内容を紹介しています。
- 厚生年金とは
- 厚生年金と国民年金の違い
- 厚生年金でもらえる額
- 厚生年金を受給資格
厚生年金について詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
厚生年金とは?
厚生年金とは、会社に雇用されている人(第二号被保険者)が加入できる年金制度のことです。
国民年金に上乗せされる形で、老後により多くの年金が支給されるようになります。
会社員や公務員に就職したときに年金手帳を会社側に渡すように言われたと思いますが、この指示は厚生年金へ加入する手続きをするためです。
つまり、会社員や公務員などの「正社員として雇用されている人」であれば、知らぬ間に厚生年金に加入していることになります。
厚生年金と国民年金の違い
年金という言葉を聞くと、ほとんどの人が最初に思い浮かぶのが「国民年金」だと思います。
しかし、実は国民年金と厚生年金には違いがあります。国民年金と厚生年金の違いは、主に以下の3つです。
- もらえる額
- 加入対象者
- 保険料
厚生年金と国民年金をごちゃごちゃに覚えていることがよくあるので、ここでそれぞれの年金の違いをしっかり理解しておきましょう。
それでは、厚生年金と国民年金の違いについて、1つずつ紹介していきます。
【厚生年金と国民年金の違い①】もらえる額
厚生年金と国民年金では、老後にもらえる年金額に違いがあります。
まず国民年金ですが、満額で年間77万9,300円もらえます。この額は加入期間によって変わりますが、毎月約5万円ほどもらえる計算となります。
一方の厚生年金は、加入期間と年間の所得によって変わりますが、平均で約14万円ほどもらえます。
しかも厚生労働省は、国民年金と上乗せされるので、合計金額的には約20万円。国民年金と比べると約4倍ほど年金をもらえるのです。
【厚生年金と国民年金の違い②】加入対象者
国民年金は20歳~60歳の全国民が加入対象になりますが、厚生年金の加入対象は、会社員や公務員といった「第二号被保険者」です。
つまり、「会社に雇用されていないフリーランスや無職者などは、厚生年金に加入できない」ということになります。
厚生年金に加入できないフリーランスや無職者は、老後もらえる年金が減少してしまいます。
フリーランスであれば厚生年金のような年金制度があるので、そちらを利用すれば同額の年金をもらえるようになりますよ。詳しくは下記に記載しています。
【厚生年金と国民年金の違い③】保険料
国民年金の保険料は毎年変わりますが、1度決まればその年は一律となっています。(2020年であれば月16,540円、2021年であれば月16,610円でした。)
しかし、厚生年金は所得によって変わり、国民年金と違って事業主と折半されます。計算方法は、「標準報酬月額×保険料率(18.3%)×50%(事業主との折半)」となっています。
月収30万円の会社員を例にすると、「30万円×18.3%×50%」を計算して、27,450円が厚生年金の保険料となります。
厚生年金の受給資格
老後に厚生年金を受け取るためには、以下の3つの要件をクリアする必要があります。
- 1か月以上厚生年金保険の保険料を支払っている
- 国民年金の保険料を10年以上支払っている
- 65歳以上になっている
これらの要件のうち、クリアしていない項目が1つでもある場合は、老後になっても厚生年金を受け取れません。
とはいえ、普通に会社員や公務員として10年以上働いていれば、厚生年金の受給資格に必要な要件を達成できますよ。
パートやアルバイトは厚生年金に加入できる?
結論から言うと、パートやアルバイトでも社会保険が完備されている会社であれば、厚生年金に加入できます。
しかし、パートやアルバイトが厚生年金に加入するには、以下の条件をクリアする必要があります。
- 勤務時間と労働日数が正社員の4分の3以上
- 週の労働時間が20時間以上
- 年間の所得が106万円以上
- 雇用期間が1年以上(見込みも含む)
- 学生ではない
パートやアルバイトが厚生年金に加入すれば、会社員と同じように老後にもらえる年金が増えますが、その分今までより手取りが少なくなるデメリットがあるので、そこだけ注意しましょう。
フリーランスは厚生年金に加入できない
会社を退職してフリーランスとして働く人は、住んでいる市区町村の役所で手続きを行い、国民年金に切り替える必要があります。(離職期間がある人も同様です。)
フリーランスは会社に所属していない状態で仕事をするので、パートやアルバイトと違って厚生年金に加入できません。
国民年金の保険料のみ支払って老後を迎えてしまうと、毎月約5万円ほどしかもらえくなり、老後の生活に支障が出てしまいます。
これだけを聞くと、フリーランスの老後生活がかなり厳しくなると思いますが、フリーランスにも厚生年金に似た制度がたくさんあるのです。
フリーランスが使える厚生年金に似た制度とは?
フリーランスは、「国民年金基金」という厚生年金に似た制度に加入できます。
国民年金基金とは、厚生年金と同じく国民年金に上乗せさせる年金のことです。厚生年金と違って、支払った分だけ所得控除となるので、節税対策につながります。
フリーランスになったとしても、会社員や公務員のように、老後を安心して暮らせるような年金制度が揃っているのです。
他にも、掛け金を積み立てて金融商品を運用して60歳から受け取る年金「iDeCo(イデコ)」や、退職金を積見立てられる制度「小規模企業共済」など、様々な制度があります。
国民年金基金について詳しく知りたい人は、こちらの『全国国民年金基金公式サイト』を確認しましょう。
まとめ
今回は、国民年金との違いや受給資格に必要な要件など、厚生年金に関することを紹介しました。
もらえる額が国民年金より多い厚生年金は、会社員や公務員だと自動的に加入しています。
一方で、会社に所属していないフリーランスは加入できないようになっているので、国民年金基金に加入するなどして対策が必須です。
老後の生活を安心して暮らせるように、厚生年金に関する知識を本記事で身に付けましょう。