一人暮らしをはじめると、水道光熱費など今まで意識していなかった費用が気になり、「電気代を少しでも節約したい」と感じる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、気になる電気代の平均額と、一人暮らしでもできる電気代の節約術をご紹介します。簡単に電気代が安くなる方法もありますよ。
ぜひ最後まで読んで、少しでも生活費の負担を軽減させるための参考にしてください。
一人暮らしの電気代の平均額は?
まずは、一人暮らしの電気代の平均額を確認しておきましょう。総務省統計局の調査結果より、単身世帯で1カ月間にかかる平均電気代は5,700円という結果が出ていました。
なお、年齢が上昇するにつれて平均の電気代も上がっており、34歳までは月平均3,512円、35歳~59歳までが5,671円、50歳以上が6,473円となっています。
年代 | 電気代平均 |
34歳まで | 3,512円 |
35歳から59歳まで | 5,671円 |
50歳以上 | 6,473円 |
これは、年齢が上がるにつれて、家にいる時間が長くなったり、収入の増加によって電化製品の利用が増えたりすることが、電気代の上昇に影響していると考えられます。
一人暮らしの電気代を節約する方法
自身の電気代は、平均と比べていかがだったでしょうか。電気代は住んでいる地域や年齢、季節によっても大きく変化しますが、少しの心がけで消費電力が減らせる方法もあります。
ここからは、一人暮らしでもできる電気代の節約方法をご紹介していきますね。今回ご紹介する節約方法は、次の7つです。
- エアコンを掃除する
- 保温機能を使わない
- 冷蔵庫内の温度を上げない
- 待機電力を減らす
- 照明の電球をLEDに替える
- 省エネ家電に買い替える
- 電力会社を変える
それぞれの詳しい内容は、次の章からひとつひとつ解説していきます。
一人暮らしの電気代節約術①エアコンを掃除する
電気代が夏や冬に高くなる原因は、エアコンの利用が増えるからです。
しかし、暑い夏や寒い冬にエアコンを使わないと、屋内熱中症になったり、風邪をひいてしまったりする危険性があるため、使わざるを得ないですよね。
エアコンの電気代を節約するためには、フィルターの掃除をすることが大切です。エアコンのフィルターが汚れていると、温度調節がうまくできず、電気の消費量が増えます。そのため、こまめな掃除がおすすめです。
ダイキンの調査によれば、30分程度の外出であれば、エアコンをつけたままでいる方が、こまめに消すよりも節電効果があります。30分以上外出する場合は、エアコンを消しておいた方が節電効果が高いです。
一人暮らしの電気代節約術②保温機能を使わない
キッチンで使う家電製品にも、電力の消費量が多いものがあります。たとえば、炊飯器や電気ポットの保温機能など、長時間の使用をすると電力を大きく消費してしまいます。
ご飯をまとめて炊いた場合は、保温せずに小分け冷凍する方法がおすすめです。食べるときに電子レンジで温めた方が電気代を節約でき、長時間保温しておくよりもおいしいご飯が食べられます。
また、電気ポットはできるだけ必要な分だけを沸かすようにしましょう。沸かす水の量が少ないと沸騰までの時間も短くなる上、保温機能も使わないため、電気代が節約できます。
象印のIH炊飯器「NP-VN10」の保温電力は以下の通りです。
- 1時間あたりの保温時消費電力量:15.0Wh/h
- 15.0wh/h×10h×26円=3.9円
結果として10時間ほどの保温に「約4円」かかります。炊飯器でご飯を1回炊くと、同様に4円かかります。保温機能を使わない方が、電気代を節約できます。
一人暮らしの電気代節約術③冷蔵庫内の温度を上げない
キッチンには、保温以外にも電力を使う家電として、冷蔵庫や冷凍庫などがあります。冷蔵庫や冷凍庫が最も電力を使うのは、庫内を冷やすときです。
扉の開閉が多かったり、空けている時間が長かったりすると、庫内の温度が上がってしまい、冷やすために多くの電力を消費するので、注意をしましょう。
また、冷蔵庫はものを詰め込みすぎると冷気の巡りが悪くなり、冷えにくくなってしまいます。冷蔵庫の開閉や物を減らすだけで、年間約1,000円ほど電気代を抑えられますよ。
逆に冷凍庫はたくさん詰まっている方がお互いを冷やし合うため、電気代の節約ができます。すぐに食べないものは冷凍庫へ入れて保存をするといいでしょう。
一人暮らしの電気代節約術④待機電力を減らす
家電製品は、電源をオフにしていても、コンセントにつないでいることで電力が消費されていきます。これを「待機電力」と言います。
待機電力は、電気代の10%を占めると言われているため、あまり使わない家電はコンセントを抜いておくことで電気代を年間約8,400円節約できます。
待機電力を減らすために、スイッチ付きのタップを使用するのもおすすめです。
コンセントを抜かなくても、スイッチで電力を止めることができるため、操作しやすい場所に設置して、待機電力を減らしましょう。
一人暮らしの電気代節約術⑤照明の電球をLEDに替える
賃貸住宅だと、備え付けの照明を使っている人が多いのではないでしょうか。その照明が白熱電球の場合は、電気代が高くなっているため、LED電球に交換することをおすすめします。
LED電球は省エネ性に優れているため、白熱電球に比べて消費電力は1/5程度。取り替えるだけで電気代が節約できます。寿命も20倍以上違うため、LED電球の方が長持ちしますよ。
白熱電球 電球型蛍光灯 LED電球 消費電力 54W 10~12W 7~10W 寿命 1000~2000時間 6000~13000時間 40000時間 1時間あたりの電気料金
(1kWhの電気料金は27円で計算。以下同)1.46円 0.27円
(10Wの場合。以下同)0.19円
(7Wの場合。以下同)1ヶ月の電気料金
(年間2000時間の場合)218円 45円 31.5円 1年間の電気料金
(年間2000時間の場合)2,616円 540円 378円 1時間あたりの電球単価 0.1円
(価格100円で寿命1000時間の場合)0.07円
(価格400円で寿命6000時間の場合)0.025円
(価格1,000円で寿命40000時間の場合)実勢価格 100円 400~1,000円 1,000~2,100円 ポイント 購入時の価格は安いが消費電力は多い。また、寿命が短いので交換頻度が高くなる。国内では代替品がないものを除き生産が終了しており、今後は入手が難しくなる。 LED電球より価格は安く、消費電力も少ない。LED電球には劣るが、白熱電球よりも寿命が長い。点灯直後は暗く、本来の明るさになるまで数分の時間がかかるのが難点。 購入時の価格は高いが、消費電力が少なく寿命も長いので、長期間にわたる節電効果が期待できる。各社が開発に力を入れており、性能が向上した新製品が次々と登場している。 引用:https://kakaku.com/energy/article/?en_article=18#:~:text=LED%E9%9B%BB%E7%90%83%E3%82%88%E3%82%8A%E4%BE%A1%E6%A0%BC%E3%81%AF,%E3%82%88%E3%82%8A%E3%82%82%E5%AF%BF%E5%91%BD%E3%81%8C%E9%95%B7%E3%81%84%E3%80%82&text=%E5%B9%B4%E9%96%932000%E6%99%82%E9%96%93%E3%81%AE%E4%BD%BF%E7%94%A8,%E3%81%AE%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E3%81%8C%E9%AB%98%E3%81%BE%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
上記の表によれば、1年間の白熱電球の電気料金とLED電球の電気料金と比較すると約年間2,300円の節約になります。
LED電球の購入金額が1,000円~2,100円ですが、1年間で元が取れる計算になります。
トイレやお風呂場、洗面台など、毎日使う場所の照明で白熱電球を使っていないか確認してみましょう。
一人暮らしの電気代節約術⑥省エネ家電に買い替える
日常的に使っている家電を省エネ家電に買い替えることで、日々の電力を節約できます。
特に電気の消費量が多い、冷蔵庫、テレビ、エアコンなどの買い替えがおすすめです。最新の電化製品は省エネ仕様になっています。そのため、新しい製品を使うことで電力の消費量が削減できるのです。
経済産業省 資源エネルギー庁のサイトには、10年前の冷蔵庫を使っている場合、最新型の冷蔵庫に買い替えることで、消費電力が49%も削減されるという情報が掲載されています。
- 2008年のパナソニックの冷蔵庫 NR-F553Tの1年間の消費電力:約420kW
- 2020年のパナソニックの冷蔵庫 NR-F556WPXの1年間の消費電力:約266kW
同じメーカーの冷蔵庫を比較すると消費電力が少ないことがわかります。年間約4,000円の節約になります。
一人暮らしの電気代節約術⑦電力会社を変える
最後にご紹介する方法は、電力会社を変えるという方法です。2016年に電力自由化がスタートし、自由に電力会社と契約ができるようになりました。
企業によって、料金設定やプランが異なるため、電気の使用量や利用方法などに合った電力会社を選ぶことで電気代が安くなるでしょう。年間10,000円ほど安くなると言われています。
契約する会社を変えるだけで、電気代を節約できるということがわかるのが以下の動画です。
ただし、多くの企業が新しい電力会社として参入してきており、ひとつひとつ確認するのは大変だと思います。そこで、比較サイトの活用をおすすめします。
エネチェンジや価格.comなどの比較サイトを利用することで、自分に合う電力会社を見つけることができます。現在の契約内容を入力し、安くなる電力会社を探してみましょう。
まとめ
一人暮らしでもできる電気代の節約方法をご紹介しましたが、実践できそうなものはあったでしょうか。ここで、今回ご紹介した節約術をおさらいしておきましょう。
- エアコンを掃除する
- 保温機能を使わない
- 冷蔵庫内の温度を上げない
- 待機電力を減らす
- 照明の電球をLEDに替える
- 省エネ家電に買い替える
- 電力会社を変える
少しの心がけで始められることや、多少手間がかかると感じるものもあったかもしれません。できるところから挑戦し、電気代を節約していきましょう。