自己破産を検討しているけど、家族への影響が心配という悩みはとても多いです。
自己破産をすると持ち家や自動車など価値のある財産は手放すことになりますし、今後のローンが組めなくなるなど、様々な問題が発生します。
そうなると当然、家族にも少なからず様々な影響が出てきますよね。この記事を読むことで、自己破産で家族に影響があるのはどんな場合なのかについて紹介しています。
この記事を読んで、自己破産や債務整理について考える際の参考にしてください。
自己破産をすると家族に影響はあるの?
自己破産をする場合でも、家族には直接大きな影響があるわけではありません。
自己破産は財産をすべて手放して借金を精算する手続きですが、手放す財産は自分名義のものだけだからです。
たとえば、住んでいる家が自分名義ではなく家族の名義になっている場合は、これまでどおり住むことができます。
家族名義の財産はそのままですし、もちろん家族が仕事を失ってしまうということもありません。
自己破産で家族に影響が大きいのはどんなとき?
この章では、自己破産で家族に影響が大きい場合について解説していきます。自己破産で家族に影響が大きいのは、以下の4つの場合です。
- 家族が借金の連帯保証人になっている場合
- 家族と住んでいる自分名義の家を手放す場合
- 家族も使っている自分名義の自動車を手放す場合
- その他、家族も使っている自分名義の財産を手放す場合
多額の借金を自分が背負っており、家族が借金の連帯保証人になっている場合、自分と家族が同時に自己破産しなければならないため、大変です。
また、自宅や自動車など自分の財産を手放すことで、自宅や自動車を共有して使っている家族に迷惑がかかるということがよくあります。
次の章から、それぞれの場合について、もう少し詳しく紹介していきます。
影響が大きい自己破産例①自己破産で家族が連帯保証人の場合
家族が連帯保証人になっているときは、自己破産をすることで家族に請求が行きますので要注意です。
連帯保証人は債権者に対して借金をしている本人と同じ責任を負うことになっています。手続きに入ると弁護士や裁判所から債権者に通知が行きますので、すぐに連帯保証人に請求が来ることになってしまいます。
自分個人の借金が免責されても、配偶者など家族に請求が行くと、家計で考えると結局生活が楽になりませんので、あまり意味がなくなってしまいます。
影響が大きい自己破産例②家族が住む自分名義の家を手放す場合
自分名義の持ち家に家族と一緒に住んでいる場合は、家を手放すことになりますので家族に迷惑がかかってしまいます。
自分名義の家は競売にかけられるため、明け渡さなければなりません。自分の家に一人暮らししていたのなら新しい部屋を探すだけですが、家族も一緒に住んでいるなら要注意です。
今後、家族と一緒に住む家を賃貸住宅で探したり、または実家に住まわせてもらったりするなどして見つける必要があります。
影響が大きい自己破産例③自分名義の自動車を手放す場合
自分名義の自動車を家族と一緒に使っているときも、家族に迷惑がかかってしまいますので注意が必要です。
自己破産の時点で、ある程度の価値がある自動車は手放すことになりますので、家族が乗る車がなくなってしまいます。
食品を買うスーパーマーケットに行くのに車がないと行けないというような家庭では、家族名義もしくは破産が終わった後に自分名義で新しく車を買うことになります。
ただし、走行距離が長い古い中古車で価値がなしと判断されて手元に残せる場合もあります。
影響が大きい自己破産例③自分名義のその他の財産
自己破産の手続きでは、破産するタイミングの時価で20万円以上の財産は手放して借金の精算に充てられます。
自動車だけでなくバイクや家具など、大型で価値が大きいものは手放すことになるでしょう。
こういった財産を家族と一緒に使っているなら、家族に影響が出てしまいますので注意しましょう。
特に問題になるのは住む家と自動車ですが、その他日常で使っている財産を手放すことになるかどうかは必ず確認する必要があります。
自己破産で今後ローンが組めなくなる
自己破産をすると、その後5年程度の期間にわたってローンを組んだりクレジットカードが使えなくなります。
これは金融機関が融資の審査をするときに使う個人信用情報機関という場所に自己破産をした情報が記録されるからです。たとえば、自分名義のマイカーローンは最低5年は組めなくなります。
ローンで車がほしくなったら、配偶者の名義でローンを組むしかなくなるなど、不便なことがあります。
もちろん借金の額が大きいなら債務が免除されるメリットの方が大きい場合が多いですが、将来も家族に不便をかけることがあります。
自己破産は家族に知られずにできる?
自己破産を検討しているけど、家族に知られたくないと考えている人も多いでしょう。実は同居の家族がいると、家族の収入証明も裁判所に提出しますので、家族にバレてしまいます。
たとえば、配偶者もパートで働いていて共働きの場合、夫婦2人の収入を報告して、本当に支払不能の状態なのか審査されます。
配偶者の給与明細を準備したり、配偶者の勤務先で退職金が出ないことの証明をしないといけませんので、バレてしまう可能性が高くなります。
家族と別居しているならバレにくい
家族と別居しているなら、自分から話さない限り、バレずに自己破産ができる可能性もあります。
基本的に借金というものは個人契約なので、連帯保証人になってない限り、家族に請求されるものではないからです。
また、裁判所から家族に対して、「あなたの家族が破産しました」といった通知が行くことはありません。
ということは、賃貸住宅で一人暮らしをしていて、自動車も持っていない人は、生活に大きな変化が生じませんので、黙っていれば家族に内緒で自己破産できる可能性があります。
自己破産の相談ができる専門家とは
自己破産を検討するなら、弁護士または司法書士のような専門家に相談することが大切です。この記事でも自己破産が家族に与える影響についてお伝えしてきましたが、あくまで一般的なケースについての紹介です。
個別の特殊な事情がある場合もありますし、自分では気づいていない問題が隠れていることもよくあるのです。自分だけで判断せず、法律の専門家に相談をして判断をしてもらうことが大切です。
「自己破産をする際におすすめの事務所を知りたい」という方は、下記の記事も参考にしてください。
まとめ
家族が連帯保証人になっている場合と、自分名義の財産を家族と一緒に使っている場合は、自己破産で家族に迷惑がかかってしまうので特に注意が必要です。
自己破産は複雑な手続きとなりますので、自分だけで判断せず専門家に相談することが大切です。また、債務整理には自己破産以外の方法もありますので、自己破産だけにこだわらないということも重要です。
ある程度の費用はかかりますが、弁護士や司法書士に相談して、自分にとっても家族にとっても最善な解決策を探しましょう。