「複数の証券会社を使い分けると良い」と聞いて、「管理が難しそう」「複数の証券会社を使い分けるメリットってなんだろう」と思っていませんか?
本記事を読み進めれば、証券会社を使い分けるメリット、デメリットが理解できます。
また、目的別に適した証券会社も紹介していくので、投資を始めたばかりの人でも証券会社をどう組み合わせて使い分ければいいか理解できます。ぜひ最後まで読み進めてみてください。
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なぜ証券会社を使い分けたほうが良いのか?
投資を始めたばかりの人が選ぶ証券会社は、大手の証券会社でしょう。大手証券会社を利用すれば、幅広い金融商品に投資できます。また、NISAやiDeCoなどの制度も利用できます。
しかし、複数の証券会社をあえて使いわける理由は、一つの証券会社で自分の投資目的やニーズに満足できるのかという点です。
- 米国株にも投資したい
- IPOにも投資したい
- 少額から投資したい
投資目的が、上記のように複数あったとしたら、その目的に強い証券会社を組み合わせた方が自分の投資スタイルを充実させることができます。
他にも証券会社を使い分けるメリットがあるので、次の章からは、証券会社を使い分けるメリットについて解説していきます。
証券会社を使い分ける5つのメリット
証券会社を使い分けると、どんなメリットがあるのか解説していきます。証券会社を使い分けるメリットは、以下の5つがあげられます。
- 証券会社ごとの特長を活用できる
- 自分に合った証券会社がわかる
- リスクヘッジになる
- 取引手数料を抑えられる
- IPO株の当選確率が上がる
投資目的を複数持っているなら、証券会社を使い分けた方が購入できる商品の選択肢が増えて、投資目的に最適な環境で投資することができます。
次の章から、複数の証券会社を使い分けるメリットについて見ていきましょう。
証券会社を使い分けるメリット①証券会社ごとの特徴を活用できる
複数の証券会社を使い分けることによって、それぞれの証券会社の特徴を活用することができます。
- 手数料が安い
- 外国株の銘柄が豊富
- IPOの取扱が多い
- FX、先物、CFDなども同時に扱っている
- ポイント還元がある
証券会社の特徴は上記のようにそれぞれ違っています。複数の証券会社を使い分けることで、それぞれの証券会社の強みを活かした投資をすることができるのです。
例えば、目的に合った証券会社を選ぶと、次のような組み合わせで投資をすることができます。
- 手数料が安いA社で国内株に投資
- 外国株の銘柄の多いB社で外国株の投資をおこなう
目的別に、投資を使い分けることで最適な条件で投資ができるのです。
証券会社を使い分けるメリット②自分に合った証券会社がわかる
投資を始めたばかりの時は、どの証券会社が自分に合っているのかわかりませんよね。実際に使ってみないと、その答えははっきりしません。
口座開設は無料ですので、実際に複数の証券会社を使い分けることで自分に合った証券会社がわかるでしょう。
証券会社を使い分けるメリット③リスクヘッジになる
証券会社側のサーバー回線ダウンなどで、一時的に取引ができなくなる危険性がゼロではありません。
また、中小の証券会社の場合倒産、大手証券会社と合併などで業務内容が大きく変わる場合があります。
このような時、証券会社を複数持って使い分けていれば安心です。なぜなら、持っている証券会社の1つが万が一のことがあったとしても、他の証券会社の投資は安定して継続できリスクヘッジになるからです。
証券会社を使い分けるメリット④取引き手数料を抑えられる
ネット証券には、毎日一定額まで取引手数料が無料な証券会社があります。1日の手数料が一定額無料なネット証券の一例は以下の通りです。
- SBI証券:現物取引の手数料が1日の取引金額100万円まで無料
- 楽天証券:現物取引の手数料が1日の取引金額100万円まで無料
- 松井証券:現物取引の手数料が1日の取引金額50万円まで無料
このように、一日の取引手数料が一定の額無料になり、証券会社の範囲内で取引をすれば取引手数料を抑えることができます。
例えば、SBI証券で100万円、楽天証券で100万円の取引をすれば、一切手取引手数料を支払わずに投資することができるのです。
証券会社を使い分けるメリット⑤IPO株の当選確率が上がる
利益が上がりやすいIPO株は投資家の中で人気ですが、複数の証券会社から申し込むことで当選確率を上げることができます。
IPO株の抽選方法は、完全平等抽選、資金量抽選、ポイント抽選と、各証券会社によって異なります。
そのため、自分の投資スタイルに合った証券会社を選べば、より当選確率を上げることができるでしょう。
IPOとは、「Initial Public Offering」の略称で、ベンチャー企業などが取引所に新規上場する際に発行される「新規公開株」の事です。
人気の理由は、IPO株のほとんどの銘柄が上場後に値上がりするので利益が出やすいからです。
IPOは、抽選によってしか買えません。事前の申し込み・抽選を経て、当選者のみが購入できる権利を得られる仕組みです。
証券会社を使い分ける2つのデメリット
次に、証券会社を使い分けるデメリットについて解説していきます。デメリットは、以下の2つがあります。
- 資金管理・リスク管理の難易度が上がる
- 確定申告が必要になる場合がある
証券会社を使い分けるデメリットについて、それぞれ見ていきましょう。
デメリット①資産管理・リスク管理の難易度が上がる
複数の証券会社を使い分けるということは、以下のことを考えて投資をしなくてはなりません。
- それぞれの口座にいくら入金するか
- それぞれの口座でどの金融商品・銘柄に投資するか
- それぞれの口座でどれぐらいまでリスクを取るか
これら3つのことを、複数の証券会社の口座を運用するときに口座ごとに考えなくてはなりません。
つまり、資産管理やリスク管理が複数となり難易度も増すと言うことです。
デメリット②確定申告が必要になる場合がある
通常、特定口座・源泉徴収ありの証券口座を所有していれば、自動的に源泉徴収が行われるため、確定申告の必要はありません。
もちろん、複数の証券会社の口座を持っていたとしても、同様に源泉徴収されます。
しかし、複数の証券会社の口座を持っている場合、Aの証券口座では利益が発生し、Bの証券口座では損失が発生してしまうケースもあります。
この場合、利益の金額によっては税金を払いすぎてしまうこともあるのです。払い過ぎた税金を還付するためには、確定申告が必要です。複数の証券口座を所有すると、税金面でも管理が複雑化する恐れがでてきます。
【目的別】おすすめな証券会社の組み合わせ5選
証券会社には、それぞれ違った特徴を持っています。そのため、複数の証券会社を使い分けるなら以下の5つから選んでみましょう
- 手数料を安く抑えたい
- 外国株に投資したい
- IPOを当てたい
- 単元未満株を買いたい、少額から投資したい
- ポイントを使いたい、貯めたい
この5つから、自分の投資の目的に合った証券会社を選んで使い分けてみましょう。次の章から、5つの目的別に合ったおすすめな証券会社を紹介していきます。
目的別に証券会社を使い分ける①手数料を抑えたい
とにかく手数料を安く抑えたいと思っているなら、SBI証券と楽天証券がおすすめです。SBI証券と楽天証券の、手数料をみてみましょう。
SBI証券 | 楽天証券 | |
約定金額10万円 | 99円 | 99円 |
約定金額50万円 | 275円 | 275円 |
約定金額100万円 | 535円 | 535円 |
手数料は、どの証券会社と比べても安いのが魅力です。また、1日の現物取引がどちらも100万円までは無料なので、手数料をぐっと抑えることができます。
目的別に証券会社を使い分ける②外国株に投資したい
外国株に投資したいと思っているなら、マネックス証券とSBI証券がおすすめです。それぞれの特徴は以下の通りです。
- マネックス:米国株、中国株の銘柄数No.1を誇る
- SBI証券:米国株、中国株以外にも7か国の外国株に投資できる
米国株、中国株は世界最大の市場です。取扱実績が高いマネックス証券と、SBI証券を使い分ければ外国株の投資も安心です。
また、取扱銘柄が多く他の証券会社では取り扱っていない外国企業に投資することもできます。
目的別に証券会社を使い分ける③IPOを当てたい
IPO(新規公開株)を当てたいと思っているなら、複数の証券口座から抽選に参加することで当選率が上がります。IPOを当てたいなら次の4つがおすすめです。
証券会社 | 特徴 |
SBI証券 | IPOの取扱数が多い |
SMBC日興証券 | IPOの取扱数が多い |
マネックス証券 | IPO取扱数が多く、完全平等抽選 |
paypay証券 | 1株からIPOに参加できる |
おすすめは、IPOの取扱の多いSBI証券とSMBC日興証券です。マネックス証券のIPO抽選の特徴は、完全平等抽選ですので申込者に平等に抽選されます。
また、paypay証券は1株からIPOに参加できるので、少額からでも参加が可能です。
目的別に証券会社を使い分ける④少額から投資したい
少額投資を考えているなら、以下の4つの証券会社がおすすめです。
証券会社 | 特徴 |
SBI証券 | 単元未満株(S株)を購入できる |
マネックス証券 | 単元未満株(ワン株)を購入できる |
paypay証券 | 国内株・米国株に1000円から投資できる |
SMBC日興証券(日興フロッギー) | 国内株に1000円から投資できる |
少額から投資を始めたいなら、単元未満株を取り扱っているSBI証券や、マネックス証券がおすすめです。
また、国内株や米国株を1,000円から投資できるpaypay証券は、スマホで簡単に始められてアプリで簡単に購入できます。
SMBC日興証券(日興フロッギー)は、国内株だけでなく外国株も1,000円から投資できるので投資を始めたばかりの人にはおすすめです。
最低売買単位である1単元の株数に満たない株式のことを、単元未満株といいます。
日本では、単元株制度という制度により、1単元(100株)ごとの取引しかできません。
そのため、通常なら100株単位でしか売買できませんが、単元未満株なら1株単位で売買できるのです。
例えば、1株300円で単元株が1,000株の会社の場合は、最低限必要な投資単位は30万円からとなりますが、単元未満株取引の場合は300円から売買できます。
目的別に証券会社を使い分ける⑤ポイントを貯めたい
投資をしながらポイントを貯めたいと思ってるなら、日頃使っているポイントが貯まる証券会社がいいでしょう。貯まるポイントごとに分けると以下の4つがおすすめです。
証券会社 | 特徴 |
SBI証券 | Tポイントが貯まる・使える |
楽天証券 | 楽天ポイントが貯まる・使える |
auカブコム証券 | Pontaポイントが貯まる・使える |
SMBC日興証券(日興フロッギー) | dポイントが貯まる・使える |
上記の中から選ぶなら、取扱商品が多く性能が高いSBI証券と楽天証券がおすすめです。
どちらか悩んだら、Tポイントユーザー(ヤフー経済圏)ならSBI証券を、楽天ポイントユーザー(楽天経済圏)なら楽天証券を選ぶ方がいいでしょう。
【まとめ】証券会社を上手に使い分けて投資を運用しよう!
大手証券会社は、金融商品を多く取り扱っているため1社だけでも、金融商品や銘柄に投資することができます。
しかし、投資目的が合わない場合は複数の証券会社を使い分けてみましょう。証券会社を使い分けることで、以下のメリットが期待できます。
- 証券会社ごとの特長を活用できる
- 自分に合った証券会社がわかる
- リスクヘッジになる
- 取引手数料を抑えられる
- IPO株の当選確率が上がる
メリットを活かすために、投資目的に合った証券会社を使い分けてみましょう。
メインの証券会社を決めて、プラス足りない部分の証券会社を使い分ければ組み合わせもスムーズにきまりますよ。