今回は、中絶手術をするとかかる費用を取り上げます。この記事を読んでいるあなたは、予想もしない妊娠をして悩んだ結果中絶を選択したのでしょう。中絶手術も1つの選択肢です。
ただし、手術をするにもお金がかかります。手術費用が高額だとお金を準備するのも大変なので、おおよその金額を病院を選ぶ前に知っておきたいですよね。
この記事では手術にかかる費用の相場を紹介します。手術の費用がわかったらすぐに病院を調べて動きましょう。
(トップ画像出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/928588?title=%E7%97%9B%E3%81%8C%E3%82%8B%E5%A5%B3%E6%80%A7&searchId=123395515#)
中絶手術は妊娠の時期で2つに分けられる
中絶手術は妊娠がどのくらい進んでいるかで次の2つに分けられます。
- 妊娠0週~妊娠11週6日まで:初期中絶手術
- 妊娠12週~妊娠21週6日まで:中期中絶手術
初期中絶手術ができる妊娠11週6日までとは、妊娠してから83日(約2ヶ月半)経った状態となります。
中絶手術ができるのは、法律で妊娠21週6日までと決められているので、約4ヶ月半までには手術をする準備をしなければなりません。また、手術費用は妊娠期間が長くなる程高額になるケースが多いです。
正確な妊娠期間を知りたいときは産婦人科に行き検査するのが良いですが、だいたいの妊娠期間を計算できるツールが病院のホームページにあるので、利用してみましょう。
(参考:https://www.matono-womens.com/chuuzetu/week)
中絶手術の費用(妊娠11週6日まで)
妊娠11週6日までの手術費用は、妊娠期間と出産経験があるかで変わります。出産経験が無いと手術に時間がかかるため、費用が高くなります。初めて手術を受ける場合はお金を多めに準備しておきましょう。
また、妊娠期間によってもかかる費用が変わってきます。具体的には以下の表の通りです。
妊娠期間 | 費用の目安 |
4週~5週 | 9万円~10万円 |
6週~7週 | 9万円~11万円 |
8週~9週 | 9万5千円~12万円 |
10週~11週 | 10万円~13万円 |
11週6日 | 11万円~15万円 |
ただし、病院によっては、妊娠期間や出産経験の有無にかかわらず、一律の金額で提供しているところもあります。
そのほか、手術前の検査費用が手術費用に含まれていないケースがあるので、必ず費用の内訳は確認しておきましょう。手術費用が安いと思ったら、検査費用で予想以上にかかるということが起こります。
中絶手術の費用(妊娠12週後~21週まで)
中期中絶手術では、通常の出産と同じ扱いになり、母親の身体に負担がかかる手術になるため、手術後に入院が必要になることがあります。
日帰り手術ができるところもありますが、手術後の体力が回復しないうちに帰宅しなければいけません。そのため手術費用は安いものの、身体に負担が残ってしまうので、おすすめできません。
手術費用は、最低40万円~50万円、入院が必要であれば50万円~70万円は必要になります。
中期中絶手術後にする届け出
中期中絶手術をすると、役所に届け出が必要になります。子どもが妊娠中に亡くなったという扱いになるからです。必要な届け出は次になります。
- 死産届:子どもを出産せずに無くなってしまった場合に死産してから7日以内に提出が必要。提出先は、手術をした場所を管轄する役所または申請者の住所がある役所。
- 火葬許可証:死産届を提出すると役所より渡される。
- 埋葬許可証:火葬が完了すると渡される。
役所への届け出は手数料等はかかりません。火葬や埋葬には役所の許可がいるので、忘れずに受け取りましょう。
また、妊娠してから12週以上(85日以上)で中絶手術をしたら、【出産育児一時金】を申請できる場合があります。(出産に伴う給付金の一種です。)
病院で申請方法について説明を受けられるところもあるので確認してみましょう。
ただし、経済的理由(子どもを金銭的な理由で育てられない)で中絶手術をした場合は、支給されない可能性が高いので注意しましょう。
手術費用以外に様々な出費がある
手術費用以外にも様々な出費があります。手術前と手術後に必要なお金に分けて説明します。
手術前に準備しておく費用
- 初診代、再診代:3千円~1万円
- 子宮がん検診等の病気検査:各検査ごとに1万円
- 手術前検査(手術が安全にできるか確認するための検査):1万円~1万5千円
- 採血:1万円
- 超音波検査:1万円
病院によって、子宮がん検診等は手術費用の中に含まれていて、無料で実施してくれるところもあります。手術が安全にできるように検査するので、不安なことがあれば検査を受けておいた方がよいでしょう。
手術後に準備しておく費用(中期中絶手術のみ)
中期中絶手術をした場合は、死産扱いとなるため、火葬が必要になります。その場合、通常の火葬と同じように斎場や葬儀屋に予約をとり、火葬後、骨を骨壺に入れてお墓に入れます。
葬儀屋に火葬から葬式までを依頼した場合は、通常の葬儀と同様になるため、15万円~20万円程かかります。自分達で火葬をする場合は、公営または民営の斎場を借りて行うので1万円~15万円程になります。
死産した子どもの身体は小さいため、火葬したときに骨が残るケースはあまり無いようです。お墓に子どもの骨を納骨する場合は、子どもの骨を納骨できるお寺を探さなければなりません。
すでにお墓を持っていてお寺に納骨の許可を取っていれば問題はありませんが、火葬の際にお坊さんが立ち会わないとお墓に納骨できないケースもありますので、火葬前に確認しておきましょう。
手術費用の支払い方法は?
手術費用の支払い方法は、病院によって違います。手術費用は、現金で支払いをするか、クレジットカードで支払うかになります。手術前に支払いが必要な場合もあれば、分割で支払いができるところもあります。
現金支払いしか認めていない病院もあるので、手術する病院を決めるときには支払い方法も確認しましょう。
手術に同意する前に費用がどのくらいになるか提示されるので、すぐに手術日を決めるためにも、事前に手術費用は準備しておく方が安全です。
クレジットカード払いであれば決済した後に分割払いができます。手数料がかかりますが、一括で支払いが難しい場合は、検討してみましょう。
中絶の費用は社会保険が適用されない
中絶手術の費用は、社会保険の適用がされないので、すべて自己負担となります。中絶は治療目的ではなく、自分の都合で妊娠を中断するために適用されないのです。
そのため、中絶の費用は病院によって細かく決められていたり、一部の検査費用を無料にしたりばらばらです。自分の経済状況にあった対応をしてもらえる病院を探した方が良いでしょう。
ただ、手術費用が安い病院だと、手術をして体力が完全に回復しない状態ですぐに帰宅を促されたり、手術で万が一のことがあった場合、あなたの身体に問題が起きたりするなどの可能性があります。
中絶手術を受けると決めたら準備を急ぐ必要はありますが、病院選びは慎重にしましょう。
一部の病院では、手術前検査と併せて血液検査や、HIV検査など合併症が無いか検査してくれるところもあります。
このような場所では、検査費用に社会保険が適用される可能性があるので、検査が必要でしたら病院に問い合わせてみると良いでしょう。
中絶手術が遅くなるほど費用もかかる
ここまで説明したとおり、中絶手術の費用は妊娠期間が長くなるほど高額になります。また、妊娠12週以降であれば入院が必要になったり、役所に届け出が必要になったり時間と手間もかかります。
さらに、手術が遅くなるほど自分への負担が精神的にもかかります。特に中期中絶手術では、手術費用だけでなく様々な手続きも必要になるので頭に入れておきましょう。
妊娠期間が長くなるほど、手術するときに母親の身体への危険が高くなるため、病院によっては妊娠11週6日までの手術しか対応していないところもあります。
手術をすると決めたら、早めに病院を探して経済的に負担がかからないようにしましょう。
手術費用をどうするかはパートナーと話し合おう
手術費用は自分で全額出すのではなく、パートナーにも出してもらうのが当然です。妊娠は自分だけの責任ではなく、パートナーにも責任があります。
自分は悪くないと手術費用を出さないと主張する人もいるでしょう。しかし、そのような人には中絶手術は、両方に責任があり、手術にはリスクがあることを理解させることが大事です。
病院で出される手術の同意書には、パートナーの署名も必要です。パートナーには同意書に署名をもらうだけではなく、診察に同席し、医師の説明をきちんと聞いてもらいましょう。
医師から手術のリスクや、自分がどのような状態なのか説明がある方が、パートナーが納得しやすい可能性もあります。
中絶にかかる費用はどんなものがある? まとめ
今回は、中絶手術をするために必要な費用を取り上げました。中絶手術を受けると決めたら、自分の命が危険になる前に動きましょう。決断が遅くなるほど自分の身体に負担がかかってきます。
手術の費用は社会保険が適用されないため、妊娠初期に手術をしても最低10万円前後はかかります。学生で妊娠した場合や収入の目途がたたない状態での妊娠であれば、手術費用だけでも大変でしょう。
今はこのような事情を考慮して、手術費用を安く設定したり、支払い方法を分割支払いなど様々な方法を準備している病院があります。
費用面で一人で悩まずに、まずは誰かに相談してこれからをどうするか考えていきましょう。