個人事業主の借金の返済は経費になるのか?疑問をわかりやすく解説

個人事業主が確定申告をする際、節税のために経費を計上します。節税自体は悪い事ではないのですが、間違った申告をしてしまうと厳しいペナルティを受けることも。

この記事では、経費を計上する際によくある勘違いの一つ、「借金の返済は経費になるのか?」という疑問について解説しています。

他にも、借金の返済以外にどんなものが経費になるのか、経費にならないのはどんなものなのかを紹介しています。不正に経費を計上した場合のペナルティも紹介していますよ!

この記事は、経費について正しく理解をするための手助けになってくれます!経費について疑問に思っている人は、ぜひ参考にしてみて下さい。

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借金の返済は経費にはできない

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借金といっても「私的に借りたもの」なのか「事業で必要だから借りた」のかでは大きく違ってきます。

確定申告では事業に関係するものを経費として計上します。では、事業で必要なために負った借金の返済は経費にできるのでしょうか?答えはNoです。借金の返済は経費にはできません。

なぜ借金の返済が経費とならないのかを説明する前に、経費について正しく理解するため、次の項目では経費について解説していきます。

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経費とは?

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経費とは、「経常費用」を略したもので、事業を継続的に行うために発生した費用の事です。節税のために使われるのが一般的ですね。

似たようなもので「減価償却」がありますが、経費は「費用を一括で計上する」のに対し減価償却は「一度資産に計上してから何年かに分けて費用として計上する」ものです。

どちらも確定申告の際に計上するものなので、覚えておくと確定申告に役立ちますよ!

話を戻しましょう。ここで大切なのは、経費とは事業のために使われた「費用」であることです。この点に注目してなぜ借金の返済が経費にできないのかを次の項目で解説していきます。

なぜ借金の返済が経費にはできないのか

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借金とは読んで字のごとく「お金を借りる」ことです。お金を借りるということは、借金の返済義務である「負債(債務)」が増えます。同時に、現金が手元に入ってくるので「資産」も増えます。

借金を返済するとしましょう。返済はお金が減少します「資産の減少」ですね。同時に「負債(債務)も減少」します。これが借金の一連の流れです。

一連の流れを見てみると、「費用」が一度も出てきていないのがわかります。借金の返済は「資産と負債の増減」なので、「費用」として勘定されないのです。

そのため、借金の返済は「事業のために使われた費用」である経費にはできないのです。

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経費にできるにのは借金の返済ではなく借金の利息

借金は借りたお金を返すだけではありません。借りたお金には「利息」が発生しますね。借金の利息は経費にできます。

借金を返済するにあたり、借りた金額(元本)と利息を合わせて返済していきます。借りた金額(元本)は資産と負債になるため経費にできないのは前の項目で解説した通りです。

借りた金額(元本)と違い、利息は「お金を貸すサービスの対価」になりますお金を貸すというサービスに対して支払う費用として扱われるので経費にできるのです。

例外として借金の返済を経費にできるもの

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借金の返済は経費にできないのですが、例外として自宅の一部を事務所として利用している場合は、事務所として利用している面積分の割合のみ、住宅ローンの一部を経費にすることができます。

毎月の住宅ローンの支払いが10万円で、自宅の面積の半分は住居用、もう半分は事務所として利用していたとしましょう。この場合、住宅ローンの半分である5万円分を経費にすることができます。

確定申告の際には、5万円(1か月分)✕12か月=60万円を事務所の家賃(経費)として計上します。

事務所を賃貸で借りている場合、事務所の家賃を経費にすることができますよね。事務所の家賃は、事業を継続的に行うために必要な費用だからです。

同様に、自宅の一部を事務所とした場合は、事務所として利用している面積分の割合のみ、住宅ローンの一部を経費にすることができるのです。

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借金の返済以外にも所得税と住民税は経費にはできない

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個人事業主の場合も、個人に課せられる所得税と住民税を支払う必要があります。必要経費と勘違いされやすいですが、所得税と住民税は経費にはできません。

理由は「納税の義務」となるからです。納税は義務として定められているため、費用とはなりません。費用ではないため、経費にはできないのです。

ただし、全ての税金が経費にできないわけではありません。事業に関わる印紙税と個人事業税は経費にできるので、覚えておくと役に立ちますよ!

ちなみに、株式会社などの法人の場合でも「法人税」「法人事業税」「法人住民税」は納税の義務となるため、経費にはできません。

借金の返済以外で経費にできないもの

借金の元本だけでなく、他にも経費にできないものはあります。ここでは、経費にできないものを紹介しているので、正しく経費を計上するための参考にして下さい!

経費にできないもの
  • 事業主自身の給料や健康診断料
  • 事業主自身の国民健康保険料・国民年金 ※経費にはできませんが、「所得控除」にはできます。
  • 事業主自身の生命保険・損害保険料 ※経費にはできませんが、「生命保険・地震保険料控除」にはできます。
  • 事業とは無関係な飲食費や慶弔見舞金
  • 家庭用で使用する水道光熱費など ※事務所として利用している分については経費にできます。
  • 1点の購入価格が10万円超のもの ※一度資産として計上し、減価償却を行います

事業主自身のものは経費にすることはできません。ですが、別途控除することは可能なので所得控除や生命保険・地震保険控除など、きちんと申告するようにしましょう!

経費にできるもの

基本的には事業に関わるものは経費にできます。ここでは、経費にできるものを紹介しているので、正しく経費を計上するための参考にして下さい!

経費にできるもの
  • 事業で使用する水道光熱費
  • 店舗や事務所の家賃
  • 電話代・インターネット使用料などの通信費
  • チラシやWEB上に掲載するための広告費
  • 1点10万円以下の消耗品
  • 宅急便などの運送費用

経費として計上する際、レシートや領収書の添付が必要となります。必ず保管するようにしましょう!

事業に関係する慶弔見舞金など、レシートや領収書の発行が困難な場合は、出金伝票を起票することにより経費にできます。その際、お礼状など取引に関するものを添付するといいでしょう。

経費を不正に計上した場合のペナルティ

出典:https://www.photo-ac.com/main/detail/1935711?title=%E7%A8%8E%E5%8B%99%E7%BD%B2%E3%81%AE%E5%85%A5%E3%82%8A%E5%8F%A3(%E6%A8%AA%E4%BD%8D%E7%BD%AE)

経費にならないものを計上するなど、不正に経費を計上して本来納めるべき税金を納めないと、税務署の調査が入ることがあります。

不正と判断されると、追徴課税のペナルティを受けることに。ここでは、不正をした場合のペナルティにはどんなものがあるか紹介します。

ペナルティ
  • 過少申告加算税:本来の税額より少ない額で申告した場合のペナルティです。正しい税額のうち、未納分に10%が加算されます。
  • 無申告加算税:納付しなければいけない税額を納付しなかった場合のペナルティです。正しい税額のうち、50万円までは15%、50万円を超える分は20%加算されます。
  • 重加算税:上記2つの事案が発覚した際に、偽装や隠蔽を行った際のペナルティです。過少申告加算税の場合は35%、無申告加算税の場合は40%が加算されます。

どの場合も厳しいペナルティです。追徴課税されるだけでなく、金融機関にも情報が流れて融資を受けたいけど断られてしまう可能性もあります。正しい納税が必要だということがわかりますね。

まとめ

借金の返済は経費にはできません。借金の利息の支払いは経費にすることができます。経費とはどのようなものなのか正しく理解できれば、なぜ借金の利息の支払いが経費となるのかが解ります。

また、不正に経費を計上して正しい納税を行わなかった場合は、厳しいペナルティを課せられます。しかし、節税は悪い事ではありません。本来支払わなくてもよい、無駄な税金を支払わないのが節税です。

そのための経費の計上なので、どれが経費になるのか、どれが経費にならないのか正しく理解して納税の義務を果たすようにしましょう!

ABOUTこの記事をかいた人

ヨシ

独立を目指すサラリーマン。 「あきらめない」をモットーに目標に向かって突っ走る性格なので、同じように頑張っている人は応援したくなります!